美しさ最上級の熱帯魚「プンティウス・ペンタゾナ・ジョボレンシス」の飼育

熱帯魚はどれも美しく、水槽内で泳ぐ姿にくぎ付けになってしまうことが多いのですが、アクアリストの皆様ぞれぞれにお気に入りの熱帯魚がいるかと思います。

体の大きさや形、そして模様など、様々な観点でお気に入りの熱帯魚が決まるかと思いますが、私が個人的に好きな熱帯魚はプンティウス・ペンタゾナ・ジョボレンシスという小型の熱帯魚です。

ちょっと名前が長いので、この記事ではジョボレンシスと呼ばせていただきますね。

美しい熱帯魚が多くいる中で、ネオンテトラ等の小型カラシン科の様にメジャーな存在ではありませんが、水槽内で泳がせると、その独特の模様ときらめく鱗に目を奪われる…そんな熱帯魚です。

この記事では、私の好きなジョボレンシスについて御紹介したいと思います。


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プンティウス・ペンタゾナ・ジョボレンシスについて

科目と原産地は?

ジョボレンシスは、小型のコイ科の魚です。

コイと聞くと日本の川や沼に泳いでいる黒やねずみ色の大きな淡水魚をイメージされるかと思いますが、東南アジアが原産となる小型の熱帯魚です。

じっと顔を見ていると、確かに何となくコイを連想させるような顔つきをしています。

体長は、アクアリウムショップで販売されているものは2cmか3cmくらいですが、成長すると4cm~5cm位に育ちますので、小型の魚をメインにしている水槽では、少し存在感が出る存在だと思います。

寿命も長く上手く飼育すれば3年以上は生きてくれます。

水質の変化や水温変化に強い

私の個人的な意見でもありますが、コイ科の魚はどれも多少の水質の変化が起こっても、その変化にある程度対応してしまうような魚が多いです。

コイ科の熱帯魚でメジャーなところで言えば、例えば、赤色の美しいチェリーバルブがいますが、この魚も水質の変化には強いですね。

水替えの際に多少水替え量が多くなっても、驚くこともしませんし、焦ったような素振りも見せません。ジョボレンシスもチェリーバブルに近い水質への対応力を持っていると思います。

そのため、私の飼育経験からも、初心者の方でも全く問題無く飼育できる熱帯魚だと断言できます。

何でもよく食べる

また、これもコイ科の魚の特徴ですが、人口飼料は種類を選ばずに何でも食べてくれます。

顆粒状の沈下性のものや冷凍赤虫、そして浮遊性の餌まで好き嫌いなく食べてくれるので、餌の時間に苦労することは全くありません。

下でも紹介しますが、ジョボレンシスは色揚げ効果のある餌を与えていくと、色が非常に綺麗になります。

飼育期間が長くなると、どんどん綺麗に変貌していくので、飼うのが楽しくなります!

小型熱帯魚の中でもトップクラスの美しさ

ジョボレンシスの写真を見てもらえれば、その美しさが分かると思います。

「美しさ」に対する感性は、人それぞれなので、この魚を美しいと思われる方の方が少数である可能性もありますが…。

際立って美しいのは、その黒色のラインの中に存在するエメラルドグリーンのラメです。水槽用のライトを点灯させると、体側がギラギラと輝き、他の魚には見られない模様が浮かび上がります。

そのエメラルドグリーンに光る部分を撮影するのが難しいのですが、下の写真は比較的よく撮れているので紹介しておきます。主役がレッドファントムになってしまっていますが…。黒色の縦縞の中に、美しいエメラルドグリーンの発色がはっきりと見れると思います。現物を見ると、本当に美しい色ですよ!

また、体の色が赤系の色を帯びているので、水草水槽の中でもかなり際立ちます。

縦縞を持つ小型の魚は、あまり種類がいないので、その意味でも水槽内に数匹いると水景の雰囲気がガラッと変わりますよ。


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ジョボレンシスは他の魚と混泳させても大丈夫?

ジョボレンシスは、熱帯魚の中でもかなり温和な性格の持ち主です。

ジョボレンシス同士で少しだけ追いかけっこの様な仕草をすることがありますが、お互いに怪我をさせることもありませんし、他の熱帯魚に危害を加えることも無いです。

私はネオンテトラ系の魚やベタ、コリドラス、レインボーフィッシュと混泳をさせていますが、喧嘩することもなく安心して混泳を楽しむことができます。

上で紹介した同じコイ科のチェリーバルブは少し気性が荒いところがありますが、ジョボレンシスはその心配はありませんね。

逆に体格の大きな魚と一緒に混泳させると、攻撃されてしまったり、追い払われてしまう可能性がでてくるかもしれません。そのため、中型魚以上の魚と混泳させると菌は注意してあげたほうが良いです。

また、ジョボレンシスは小型の魚特有の群栄をする魚です。ジョボレンシス同士が固まって生活するので、1匹だけ飼育するのではなく、複数匹飼育したほうがジョボレンシスが水槽内で安心できます。もしかしたら、単体飼育すると物陰に隠れて出て来なくなる可能性もあります。

水草水槽で泳がせると美しさが際立つ

ジョボレンシスは上で写真を紹介したように、赤系の体を持つ熱帯魚のため、緑色の水草水槽の中で際立って見えます。

レッドファントムやチェリーバルブのように真っ赤にはなりませんが、水草に溶け込むような程よい赤色を持ちます。

また、ジョボレンシスは水草をつついたり食べるようなことはしないので安心して水草水槽でも飼育ができます。

熱帯魚によっては水草水槽を荒らしてしまう種類もいますが、ジョボレンシスはその心配は無用です。


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色揚げによる効果も大きく現われる

実はジョボレンシスは色揚げによって体の色をより赤く仕上げることができます。

直ぐには色が変わるわけではありませんが、時間をかけて飼い込み、赤系の色を際立たせる餌を与えることで体の赤色が強くなります。

下の写真では、私が色揚げに成功した例を紹介したいと思います。

上側の写真は、ジョボレンシスを家の水槽にお迎えした直後の状態です。身体の色は赤があまり出ておらず、どちらかというと肌色のような色に近いです。

そして、色揚げ効果のある熱帯魚の餌を与えた10日後の様子が下側の写真になります。少しわかりにくいかもしれませんが、確実に体の表面が赤くなってきていることがわかります。この後、さらに飼育時間を伸ばせば、さらに赤くなることが期待できます。

この記事の最後に

この記事では少しだけマイナーだけど、水槽の中でかなり美しい魚に仕上がる「プンティウス・ペンタゾナ・ジョボレンシス」について御紹介させていただきました。

小型の魚には珍しい黒色の縦縞模様を持ち、そしてその縦縞模様の中にはエメラルドグリーンの輝きを持つという本当に美しい魚です。

美しいだけではなくコイ科の熱帯魚の長所でもある「水質変化に強い」「餌を選ばない」という飼育を楽にする特徴も持っており、初心者からベテランの方まで幅広く飼育を楽しんでいけると思います。

また、水草を荒らすことも無いので、どんなレイアウトの水槽でも安心して飼育できます。

皆さんも熱帯魚ショップでジョボレンシスに出会ったら、何匹か自宅の水槽にお迎えしてみてはいかがでしょうか?