熱帯魚「ドイツ・ラミレジィ」の飼育方法と美しく発色させる方法

淡水の熱帯魚の中で、その模様や発色の美しさで特に人気なのが「小型シグリッド」の魚達です。

小型シグリッドには、”熱帯魚の宝石”と呼ばれるアピストグラマをはじめ、チェッカーボード・シグリッドや本記事で紹介するラミレジィが属しており、まさに「The 美しい淡水熱帯魚」の代名詞の様なグループとなります。

ラミレジィには「コバルトブルー・ラミレジィ」や「ゴールデン・ラミレジィ」等の多くの品種がありますが、その中でも最も美しいと言われる一つが「ドイツ・ラミレジィ」です。

オレンジ色の体側にコバルトブルーの斑点が光り輝く姿、そして少しコミカルな泳ぎ方をするため、とても愛らしい熱帯魚と言えます。

この記事では、そんなドイツ・ラミレジィを取り上げ、飼育方法や特徴、そして美しい発色を得るためのヒントなどを紹介したいと思います。

これからドイツ・ラミレジィを飼育しようと思っている方に、少しでも御参考になれば幸いです。


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ドイツ・ラミレジィとは!?

ドイツ・ラミレジィ (German Ramirezi) は、ドイツでブリードされた美しい小型シグリッドの熱帯魚です。

小型シグリッドは、オランダやドイツでの品種改良が盛んに行われてきましたが、ドイツ・ラミレジィは、ドイツで品種改良された小型シグリッドの系統となります。

「ジャーマン・ラミレジィ」や「ドイツ・ラム」等と呼ばれることもあります。

小型シグリッドということで、最大体長は4.5cm~5cm程度です。

小型シグリッドには、熱帯魚の宝石と称されるアピストグラマもおりますが、ラミレジィもアピストグラマに肩を並べるくらい人気で有名な熱帯魚と言えます。

下の写真は、私が飼育しているドイツ・ラミレジィです。

体側のメインの色はオレンジですが、光り輝くコバルトブルーの斑点を多く持ち、特にオスが発情した時の発色は非常に美しくなります。

また、鰭の形などはアピストグラマに似たものがありますね!

私自身、ドイツ・ラミレジィのオスの発色と魚体の美しさに惚れて、飼育する事を決めた過去があります。

とても有名な小型シグリッドになりますので、多くのアクアリウムショップで取り扱われています。ネオンテトラの様に常にお店に入荷しているわけではありませんが、定期的に入荷される頻度が高い熱帯魚です。

価格については、一匹あたり1,000~1,500円程度が一般的かと思います。

ドイツ・ラミレジィを飼育するための水槽や設備について

ドイツ・ラミレジィは、上記の通り、最大体長が5cm程度のため、大きな水槽が無くても飼育が可能です。

飼育する数にも依存しますが、数匹であれば30cm水槽でも飼育が可能ですし、他の熱帯魚と混泳させる場合には60cm水槽で飼育することもできます。

ただし、下でも記載しますが、ラミレジィは縄張り意識がある点には注意が必要かと思います。

御参考までに、私が飼育しているドイツ・ラミレジィの水槽の設備や混泳させている魚の情報を記載しておきます。

・水槽:60cm規格水槽

・フィルター:外部フィルターのエーハイム2213

・ライト:GEX製 CLEAR LED POWER III(1日の点灯時間は約8時間)

・二酸化炭素添加:有り(ADA製 アドバンス・システム・フォレスト 4秒に1滴)

・水草:ロタラ、ストロギネ・レペンス、ショートヘアーグラスをメインにした水草水槽

・換水頻度:週に1度、水槽の1/2の水量を換水 (pH = 6.5 ~ 7.0)

・ドイツ・ラミレジィの飼育数:2匹

・混泳させている熱帯魚:ネオンテトラ、カージナルテトラ、コンゴテトラ、サイアミーズ・フライングフォックス 等

・水温管理:年間を通じて25℃~28℃で管理


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ドイツ・ラミレジィの餌は人口飼料で問題無し

次にドイツ・ラミレジィの餌についてですが、基本的に人口飼料で問題ありません。

私は「DEL FRESH FOOD」のSサイズを与えています。

アクアリウムショップで販売されているドイツ・ラミレジィの多くは、基本的にブリードされた個体のため、幼魚時代から人口飼料で育てられていることが多いです。

そのため、人口飼料にも慣れており、餌で苦労することは無いかと思います。

人口飼料以外には、週に1度くらいの頻度で冷凍赤虫も与えています。

ただし、冷凍赤虫はカロリーが多いと聞くので、与え過ぎて肥満体質になってしまわないように注意は必要ですね。

ドイツ・ラミレジィの特徴・性格について

ここからはドイツ・ラミレジィの特徴や性格について、私の飼育経験から記載していきたいと思います。

これまでに、ゴールデンラ・ミレジィ、コバルトブルー・ラミレジィ、ドイツ・ラミレジィを飼育してきましたが、どのラミレジィも同じような性格を持っていると認識しています。

ただし、熱帯魚の性格には個体差があるため、100%全てのラミレジィが下記の性格であるとは言えないかと思います。その点は御注意ください。

縄張り意識がある熱帯魚

1つ目は、ラミレジィには縄張り意識があるという点です。

シグリッドの中では、エンゼルフィッシュやディスカスなどが少し激しい縄張り争いをすることで有名ですが、小型シグリッドのドイツ・ラミレジィも縄張り意識があります。

複数のラミレジィを同一水槽で飼育していると、自分の縄張りを主張するような行動を取っている場面を頻繁に目にします。

また、ラミレジィ同士だけでは無く、ネオンテトラやロージーテトラに対しても縄張りを主張することもあります。

ただし、他の魚を傷付けてしまうような、噛みついたりするような攻撃はほとんどしません。

水槽の中での熱帯魚の小競り合いは、飼育している側としては少し心配になりますが、それがシグリッドに与えられた宿命 (特徴・性格) なので、大きなトラブル (傷つけあうような攻撃など) にならない限りは、暖かい目で見守ってあげて下さいね。

度胸と好奇心があり人が水槽の前に来ても逃げない

2つ目は、度胸と好奇心があり、あまり恐れを知らないような性格であるということです。

例えば、自分よりも体格のある熱帯魚に対しても、縄張り主張の威嚇をする場面も見ますし、人が水槽の前に突然現れても逃げるような素振りを見せないことも多々…(ただの鈍感?)。

ドイツ・ラミレジィのは小さな熱帯魚ではありますが、水槽の中でも、どっしりと構えたような振る舞いをしてくれます。

その性格に関係しているか否かはわかりませんが、これまでに約15匹のラミレジィを飼育していますが、水槽から飛び出したり、水面からジャンプするような姿を見たことがありません。(もちろん、ガラス蓋などはしています。)

かなり人懐っこい性格です

上で紹介した度胸と好奇心に関連しているかと思いますが、飼い主に慣れるのが非常に早いです。

餌の時間になって、私が水槽の前に立つと、どの魚よりも早く反応して寄って来てくれます。

私が飼育している熱帯魚の中でも、人懐っこさは上位に入りますね。

直ぐに水槽での生活にも慣れてくれますし、自分に寄って来てくれるので、飼育することの喜びが感じられますよ!


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ドイツ・ラミレジィを美しく発色させるためには?

ドイツ・ラミレジィの魅力と言えば、何と言っても魚体の「発色」の美しさです。

小型シグリッドは、宝石に例えられるように、本当に美しい魚達です。

そんなドイツ・ラミレジィを、美しく発色させるためには何が必要なのでしょうか?

私のこれまでの経験としては、同種を2匹以上で飼育するということが重要だと思います。

ドイツ・ラミレジィが美しく発色するタイミングは、基本的には発情期の発色となります。オスがメスを誘うために体の発色を良くするためです。

ただ、オス同士を混泳させた場合でも、お互いに威嚇し合うために発色が良くなります。

もちろん、単独飼育や他の熱帯魚との混泳でも美しく発色しますが、より確実には同種同士で混泳させることが必要かと考えています。

また、その土台としては、水槽での生活に慣らせることも大切ですね。アクアリウムショップで購入して自宅の水槽での飼育を開始した直後は、どうしても発色は落ちる傾向にあります。

もし、他にもドイツ・ラミレジィの発色を良くする方法を御存じの方がいらっしゃいましたら、コメント欄で教えていただけましたら幸いです。

この記事の終わりに

本記事では、美しい淡水熱帯魚の一つである「ドイツ・ラミレジィ」の飼育方法や性格・特徴などを、私の飼育経験から御紹介させていただきました。

ドイツ・ラミレジィは、アピストグラマも属している小型シグリッドの熱帯魚であり、その美しい魚体はアクアリストを強く魅了するものがあります。

美しさだけではなく、とても人懐っこい性格の持ち主であるため、餌やりのタイミング等がとても楽しい時間になります。

他の小型熱帯魚との混泳も可能ですので、水槽のタンクメイトとしても優秀な品種だと言えます。

また、ラミレジィには「バルーンタイプ」のずんぐりむっくりとした可愛い品種もいますので、お気に入りのラミレジィを見つけるのも楽しいですよ!

美しい熱帯魚をお探しの方、ドイツ・ラミレジィをその候補に入れてみてはいかがでしょうか!?

それでは!