ゴールデンハニードワーフグラミーの飼育実例と注意点の紹介

熱帯魚の飼育を始めると、アクアリウムショップで必ず出会う魚がいます。

「グラミー」の仲間たちです。

グラミーの仲間には体の大きさや色・模様の違いで様々な品種があり、小型カラシン科と同様に初心者からベテランさんにまで大人気の熱帯魚です。

パールグラミー、マーブルグラミー、シルバーグラミー等、私自身はグラミーの全品種を把握しきれていませんが、流通している主な品種として20種類近くあると聞きます。

そんなグラミーの中でも、その”可愛さ”で特に人気なのが「ゴールデンハニードワーフグラミー」です。

ドワーフ(=伝説上の小人)という名前が入っているように、体長が5cm程度にまでしか成長しない小型のグラミーとなります。

とても人気の品種のため、アクアリウムショップに行けば、高確率で出会うことができる熱帯魚です。

本記事では、筆者の飼育経験を基にして、ゴールデンハニードワーフグラミーの飼育方法や注意点などを詳細に紹介していきたいと思います。

これからゴールデンハニードワーフグラミーの飼育をお考えの方に、少しでも御参考になれば幸いです。


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ゴールデンハニードワーフグラミーについて

グラミーは「スズキ目キノボリウオ亜目」に分類され、東南アジアを原産とする熱帯魚となります。

熱帯魚に詳しい方であれば、キノボリウオという名前を聞くと、ラビリンス器官を持つ魚と言うイメージがあると思います。

グラミーもラビリンス器官を持ち、ベタと同じように空気呼吸の能力を持っています。そのため、溶存酸素の少ない環境では、空気から酸素を取り入れて生き延びることができます。

冒頭でも記載しましたが、グラミーは品種改良により様々な品種が生まれてきました。

下の写真は、最も有名な「パールグラミー」。これは自然界に存在するグラミーですね。

次の写真は、青いマーブル模様が美しい「マーブルグラミー」。こちらは品種改良の品種です。

そして、次の写真が、今回紹介する「ゴールデンハニードワーフグラミー」となります。ゴールデンハニードワーフグラミーは、ハニードワーフグラミーの品種改良で生まれた品種となります。

グラミーには、これら以外にも様々な品種があるため、お気に入りの品種を見つけるのも楽しいですよ。

ゴールデンハニードワーフグラミーの特徴としては鮮明な黄色の体色と、5cm程度の小さな魚体となります。

それ以外の特徴 (細長い腹鰭など) や性質は他のグラミーと同じで、基本的な飼育環境も大きくは変わりません。

そのため、グラミーを飼育した経験が有る方であれば、ゴールデンハニードワーフグラミーの飼育は難しくはないと思います。

ゴールデンハニードワーフグラミーの飼育水槽と飼育方法

ここでは、筆者が飼育しているゴールデンハニードワーフグラミーの飼育水槽と飼育方法の詳細を記載しておきます。

この飼育方法が最適とは言えないかもしれませんが、飼育しているゴールデンハニードワーフグラミーは病気にも罹らず、元気に過ごしているので大きな問題は無いのかと思っています。

ゴールデンハニードワーフグラミーを飼育している水槽は、45cm規格の水槽となります。(下の写真ですが、ゴールデンハニードワーフグラミーを入れる前の状態の写真です。)

フィルターにはGEX製の壁掛けフィルター(Mサイズ)を使用し、フィルターの中には濾材を多く詰めた状態で使っています。ウールフィルターは、活性炭入りのものを使用し、1カ月に1度の交換です。

水温は年間を通じて25℃で管理し、換水頻度は5日に1度、水槽の1/2の水量を交換しています。

pHは6.5~7.0で管理することを心掛けています。グラミーは、アルカリ性に弱い性質を持つので、基本的に弱酸性になるように調整しています。

餌は3種類をローテーションしながら与えています。メインはDEL Fresh foodですが、冷凍赤虫と乾燥赤虫をそれぞれ週に1回ずつ与えています。同じ餌を与えるよりも、複数種与えた方が栄養素の偏りが少ないだろう、という私の考え方です。

飼育しているゴールデンハニードワーフグラミーの数は4匹です。

混泳させている熱帯魚は、グッピー2匹とコリドラス5匹です。あとは、コケ取り生体でミナミヌマエビが3匹入っています。


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水草レイアウト水槽でも飼育可能です

熱帯魚によっては、水草水槽に適していないと考えられる品種もあります。

例えば、私の経験ではエンゼルフィッシュ…。

エンゼルフィッシュは、その貪欲な性格と雑食性が故に、水草を噛んでしまう癖があります。

そのため、葉が細いロタラなどは、葉がボロボロになってしまう事も…

それに対して、ゴールデンハニードワーフグラミーは水草をつついたり噛んだりするような癖が見受けられないので、水草レイアウト水槽でも飼育が可能だと思います。

上で紹介した45cm水槽は水草レイアウト水槽とは言えませんが、以前は水草レイアウト水槽でゴールデンハニードワーフグラミーを飼育していました。その時の経験からも、ゴールデンハニードワーフグラミーが水草を傷つけることは無かったので、特に問題は無いと思います。

読者の皆様の中で、ゴールデンハニードワーフグラミーが水草をボロボロにしてしまった経験のある方は、コメント欄で教えていただけましたら幸いです。

他の魚との混泳について

続いて、ゴールデンハニードワーフグラミーの混泳についてです。

ゴールデンハニードワーフグラミーは、非常に温和な性格の持ち主です。

同種同士で少しだけ小競り合いみたいなものが起こったことはありますが、基本的にはお互いに傷つけあうような喧嘩は見たことが無いです。

また、他の熱帯魚についても、縄張りを主張したり口で突いたりするような素振りはほとんど見たことがありません。

私がゴールデンハニードワーフグラミーと混泳させたことがある熱帯魚は、グッピー、コリドラス、ラミレジィ、コンゴテトラ、ネオンテトラ、カージナルテトラ等です。

どの熱帯魚とも、喧嘩することなく水槽内で混泳していました。

唯一、少しだけトラブルが起こったのが、コケ取り生体として有名なサイアミーズ フライングフォックスです。

サイアミーズ フライングフォックスは、成魚になると10cm以上の体格を持ち、他の魚を追い回すようなことがあります。ゴールデンハニードワーフグラミーが、その標的になってしまったことがあります。

ただし、ゴールデンハニードワーフグラミーが怪我をさせられてしまうようなものではありませんでした。


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飼育時の注意点や推奨事項

さて、ここからはゴールデンハニードワーフグラミーの飼育時の注意点や、私が推奨しておきたいことを記していきたいと思います。

私の飼育経験を基にしていることなので、全てのゴールデンハニードワーフグラミーが適合することでは無いかと思いますが、お伝えしておくために記します。

① 複数匹 (3匹以上) を飼育してあげること

まず一つ目は、ゴールデンハニードワーフグラミーは単独飼育ではなく、複数の仲間と一緒に飼育してあげるということです。

私が最初にゴールデンハニードワーフグラミーを飼育した時、1匹だけを購入して他の熱帯魚と混泳させていました。

他の魚との混泳には全く問題無かったのですが、その1匹のゴールデンハニードワーフグラミーは、水草に隠れたり、餌の時間にも積極的に餌を食べるような姿がなかなかみられませんでした。

お店では元気に泳ぎ回っていたのですが、家に連れて帰ると、性格が変わったかのように控えめな性格に変化してしまった様な感じです。

「周りに仲間がいない事が不安要素なのかな」と思い、追加で3匹のゴールデンハニードワーフグラミーを同じ水槽に入れたところ、最初に購入した1匹が仲間に連れられて水槽の前面に出てくるようになりました。

つまり、仲間がいない水槽では、ある種の不安を与えてしまっているような状況なのかと思われます。

この話をアクアリウムショップの店員さんに話したところ「熱帯魚の個体ごとの性格に依りますが、そういうことも見受けられることもあります。」とのことでした。

ただし、アクアリウムショップの店員さんからは、「別の品種のグラミーと混泳させると、いざこざが起こる場合があります。なので、ゴールデンハニードワーフグラミーは、他の品種のグラミーとは混泳させてディスプレイしていません。」と聞きました。

ゴールデンハニードワーフグラミーは、混泳性には問題は少ないと言えど、ちょっとだけ相手を選ぶ魚なのかもしれませんね。

② エサをたくさん食べるので与えすぎに注意

2つ目は餌の量です。

グラミーの仲間全般に入れる事なのですが、餌を食べる量が意外と多いです。

もちろん、体格に比例するところもあるのですが、与えると与えただけの餌を食べてしまう傾向にあります。

餌を食べている姿は可愛く、食べるだけ与えたくなってしまうのですが、餌の与え過ぎは体調不良の原因となり得ます。

消化不良が起こると、それが原因でウイルスに感染したり、肥満体型になってしまう事も…。

人口飼料は栄養バランスが整えられた製品が多いのですが、自然界には存在しないような栄養源であることも確かな事です。

決められた量を守ってあげるようにしてあげて下さいね!

熱帯魚の餌のラベルには「5分程度で食べきれる量を与える」と記載された製品がありますが、5分で食べる量は結構多かったりします…。

③ 水質は常に綺麗にしてあげること

3つ目は水質に関することです。

キノボリウオ亜目の魚は、ラビリンス器官を持つために「強い魚である」というイメージがあります。

しかし、溶存酸素の低下に少し強いだけで、水質 (pHや汚れ) の変化に強いわけではありません。

グラミーに関して言えば、pHが弱アルカリ性に傾いていくと、体長を崩す原因になります。

そのため、水の換水頻度は少し高めにしてあげることを心掛けて下さいね!

排泄物によるアンモニアが溜まってしまうような水槽は、ゴールデンハニードワーフグラミーの命に関わります。

④ ラビリンス器官を持つがフィルターは設置を推奨

最後の4つ目は、3つ目の水質に関わることですが、フィルターを設置するということです。

ラビリンス器官を持つ魚は空気呼吸が出来るため、フィルター不要と思われる方がいらっしゃいます。

しかし、水質の面を考えると、生物濾過による分解過程は必須です。

飼育する生体数にも依りますが、小型の水槽では壁掛けフィルター、中型以上の水槽であれば外部フィルターを設置して、確実に生物濾過が働くようにしてあげて下さい。

フィルターを設定していない水槽で飼育されているグラミーは、想像しただけでも可哀想です…。

この記事の終わりに

この記事では、熱帯魚の人気品種「グラミー」の中でも、その可愛らしさで愛される「ゴールデンハニードワーフグラミー」の飼育を紹介しました。

ゴールデンハニードワーフグラミーは、鮮やかなオレンジ色が特徴的な5cm程度と小さなグラミーですが、その可愛らしい姿や仕草にファンが多い熱帯魚となります。

また、それほど難しい飼育環境は必要ないため、アクアリウム初心者の方でも飼育が可能な熱帯魚かと思います。

性格も温和なので、混泳相手に危害を加えるようなことはほとんどありません。水槽のタンクメイトの候補にもなる品種と言えます。

ただ、ゴールデンハニードワーフグラミーは、単独で飼育するよりも複数の仲間と混泳させる方が活き活きとすると実感しました。飼育する際には、少なくとも3匹以上を用意してあげると良いかと思います。

この記事に記載されていない内容で、ゴールデンハニードワーフグラミーの飼育の注意点が他にもありましたら、コメント欄で教えていただけましたら幸いです。

それでは!