熱帯魚を飼育する中で、熱帯魚をより美しい色に仕上げることを「色揚げ」と言います。
色揚げとは赤色系の色を持つ熱帯魚の赤を強く発色させることになるのですが、餌を工夫する鵜ことでどんどん美しい色に変貌していきます。
熱帯魚の色揚げというと、熱帯魚の王様であるディスカスの色揚げが有名ですが、その他の魚も赤色系の魚であれば色を鮮やかに仕上げていくことは可能です。
この記事では、私が行ったVIBRA BITES (バイブラバイツ) という餌を用いたレッドテトラの色揚げを紹介させていただきます。
レッドテトラは、びっくりするくらい鮮やかな赤色に変貌を遂げました。
熱帯魚の色揚げについて
熱帯魚の色は熱帯魚自身が作り出す色もありますし、熱帯魚の体表についている反射小板という構造で色が決まる場合もあります。
しかし、熱帯魚が自分自身で作り出せない色、それが「赤色系統」になります。
ネオンテトラの体表の色は、反射小板で色が鮮やかに見えるのですが、赤色という色素自体を熱帯魚の体の中で作り出すことが困難です。
そのため、赤色という色素は餌となる食べ物から採取しなければなりません。
赤色の色素が多く含まれるのはエビなどの甲殻類ですが、大本になるのはアスタキサンチンという色素です。このアスタキサンチンを多く含む餌を与えることで赤色が強く発色した熱帯魚を作り出すことが出来るのです。
もし御興味があれば、熱帯魚ショップの人工飼料コーナーで色揚げが得意な餌を確認してみて下さい。裏面の成分の所に甲殻類であるオキアミ等が原料として含まれていることが確認できるかと思います。
熱帯魚の色が何で決まるのか?については、別の記事で紹介させていただきましたので、そちらを御参照していただけましたら幸いです。
VIBRABITESについて
VIBRA BITESはキョーリンという会社が発売している、熱帯魚の色揚げに強い餌になります。ディスカスなどのシグリッド系からテトラ系の小さな魚まで好んで食べる餌になります。
特徴としては次のような点が挙げられます。
・沈下性があり、かつゆっくりと浮遊しながら沈むため、どの層に住む魚にも餌が行き渡ること
・赤虫に似せた人口飼料のため、色々な魚が好む外観をしている
・昆虫原料、甲殻類原料を使用しており、魚が好んで食べる資料となる
・甲殻類の成分を多く含むため色揚げ効果が高い
私自身、熱帯魚の色揚げという作業にはあまり興味が無かったのですが、ある熱帯魚ショップで色揚げをした魚としていない魚を見比べる機会があり、その魚の色の違いに驚き、自分の水槽でも色揚げをやってみようと思ったのです。
それが、この記事で紹介するレッドテトラの色揚げです。
レッドテトラの色揚げ方法
レッドテトラについて
レッドテトラは、ネオンテトラと同じカラシン科の魚です。
青色や白色の体表も持つネオンテトラとは異なり、全身が赤色に染まった小型の熱帯魚です。
体は完全に赤ではなく、オレンジがかったところもあり、少し体が透けているため背骨が透けて見えるという特徴もあります。
全身が真っ赤であるということで、色揚げの効果を見るにはもってこいの魚だと思い、1匹購入して色揚げに挑戦してみました。
VIBRA BITESの与え方と飼育条件
色揚げにあたっては、基本的にVIBRA BITESを与えること以外は特別なことを行っていません。
水槽の水温やpH、硬度についても一般的なものですし、飼育水も水道水をカルキ抜きしたものです。
餌については、VIBRA BITESだけを1カ月間与えて、色の変化を確認してみました。与える時間は朝と夜に1回ずつです。
レッドテトラの口は小さいので、VIBRA BITESをそのまま与えると、餌が大きすぎて食べることが出来ませんでした。そこで、VIBRA BITES小さく潰してレッドテトラに与えることとしています。
水槽は60cm水槽で、外部フィルターを使用しています。水槽用ライトはGEXのPowerIIIを使用です。
レッドテトラ以外にもネオンテトラやレインボーフィッシュを数匹混泳させている水槽になります。
レッドテトラの色の変化を紹介
さて、実際にレッドテトラの色がどのように変化していったのかを、紹介したいと思います。
写真は、購入した当日、3週間後、1カ月半後の3回に分けて撮影しています。
光の当たり具合や、写真の背景に水草があったりして、完全に同じ条件で撮影できていませんが、違いは分かっていただけるかと思います。
購入当時のレッドテトラの写真
まず最初に、熱帯魚ショップで購入した当時の写真です。
「レッド」というより「オレンジ」に近い色になりますね。
体も透明がかったオレンジ色で、背骨もくっきり見えていることがわかります。
購入した当初から餌の食いつきが良く、与えるたVIBRA BITESを毎食しっかり食べていました。
飼育開始3週間後の写真
次に、VIBRA BITESを2週間与えた時のレッドテトラの写真です。
違いがお分かりいただけるでしょうか?
ちょっと写真ではわかりにくいかもしれませんが、オレンジ色が濃くなっていることがわかります。特に、尾びれの付け根辺りの赤色が強調されていますね。
3週間という短い間で、色揚げが進んでいることを実感できる写真となりました。
飼育開始1.5カ月後の写真
最後に、飼育開始から1.5カ月経ったレッドテトラの写真です。
いかがでしょうか?
かなり赤色が強調されて、鮮やかに光る赤色が出てきたと思いませんか?
背景に水草が無く、黒色の背景だからというのもあるかもしれませんが、それでも色の大きな違いはお分かりいただけるかと思います。
3週間後の様子でも記載しましたが、尾びれの付け根の部分はオレンジ色ではなく完全に赤色になりましたし、背びれの部分も真っ赤に染まっています。
餌でここまで色が変わることが分かり、初めての事だったので驚きでした。
この記事の終わりに
この記事では、VIBRA BITESという餌を使用したレッドテトラの色揚げについて御紹介させていただきました。
赤色系の熱帯魚は、甲殻類などに含まれるアスタキサンチンを含む餌を与えることで、より赤色が強調されて、美しい体色を実現することが可能であることを御紹介できたかと思います。
実際に色揚げに挑戦した私自身、ここまで赤色が強調されて美しい色が出るとは思いませんでした。
VIBRA BITES以外にも色揚げ効果の強い人口飼料が販売されていますので、赤色系の熱帯魚を飼育されている方は、ぜひ色揚げに挑戦してみてはいかがでしょうか?