とても華やかな魚体を持ち、大小さまざまな品種が存在することで人気の「レインボーフィッシュ」。
熱帯魚の飼育を趣味にされている方であれば、飼育した経験のある方も多いのではないでしょうか?
飼育方法もそれほど難しいことは無いため、アクアリウム初心者の方の方でも比較的飼育しやすく、お値段もお手頃な品種が多いのも嬉しいポイントですね!
赤色の魚体を持つ「コームスケール・レインボー」、青色の魚体を持つ「ブルー・レインボー (下の写真) 」、フィン・スプレッディングの姿が非常に美しい「ニューギニア・レインボー」等、アクアリウム界で有名な品種ばかりが揃う … それがレインボーフィッシュの仲間たちです。
そんなレインボーフィッシュの中で、最も有名なのが「ネオンドワーフレインボー」。
多くのアクアリウムショップで販売されているので、飼育したことが無くても、お店で見たことがある方が多いかと思います。
レインボーフィッシュの入門的な品種ですが、本記事ではその飼育方法などの詳細を紹介していきたいと思います。
ネオンドワーフレインボーの飼育をお考えの方に、少しでも御参考になれば幸いです。
ネオンドワーフレインボーについて
まず最初になりますが、ネオンドワーフレインボーの原産地や分類について少しだけ触れておきたいと思います。
レインボーフィッシュは、トウゴロウイワシ目のメラノタエニア科に属する魚で、オセアニアや東南アジアなどに広く分布している熱帯魚となります。
「トウゴロウイワシ」と聞くと、日本近海でも釣ることが出来るトウゴロウイワシを思い出す釣り人の方も多いかと思いますが、実はレインボーフィッシュはそのトウゴロウイワシの仲間なんです!
そのため、レインボーフィッシュの仲間にも海水や汽水域に生息する品種もいるんです。
私自身も釣りが好きでトウゴロウイワシを知っていたので、この事実を知った時には驚きました … 。
本記事で紹介する「ネオンドワーフレインボー」は、インドネシアに生息する熱帯魚で、下の写真に示すように、ネオン色の魚体にオレンジ色の鰭が特徴の品種となっています。
熱帯魚で”ネオン”と聞くと、ネオンテトラやカージナルテトラの色を想像されるかと思いますが、そこまで青色が濃いわけでは無く、どちらかというと水色をネオン色にしたような色合いです。
ただ、ネオン色というのは水槽の中でも存在感が非常に強いのが事実です。
水草水槽で飼育すると、水草の緑の中に青色のコントラストがとても綺麗に映えますよ!
ネオンドワーフレインボーの飼育環境と購入時の注意点
続いて、筆者が飼育しているネオンドワーフレインボーの飼育環境と飼育方法について記載しておきます。
ネオンドワーフレインボーは、基本的なアクアリウム設備があれば飼育可能な熱帯魚なので、あくまでも一つの例として載せておきます。
・水槽サイズ: 60cm (上の写真のロタラなどを植栽した水草水槽)
・フィルター: 外部フィルター エーハイム 2213
・水温管理: 年間を通じて25℃
・餌: DEL FRESH FOOD (Sサイズ) を朝1回のみ
・混泳させている熱帯魚: カージナルテトラ、コンゴテトラ、サイアミーズ・フライングフォックス、ロージーテトラ、ニューギニアレインボー 等
・換水頻度: 週に1度、水槽の1/2の水量を交換
・pH管理: 概ねpH=6.5~7.0
・水槽用ライト: Aqullo製 Triangle LED + GEX製 CLEAR LED POWER III
私の経験上の話ですが、レインボーフィッシュは個体によっては水質によって体調を崩してしまうものがあります。(水合わせを行って水槽に導入した直後にお星様になってしまった個体もありました。)
そのため、レインボーフィッシュを購入するアクアリウムショップの店員さんに、飼育水槽の水質についての質問はしておいた方が良いかと思います。(お店の水槽の換水頻度やpHなど)
与える餌は小さい顆粒状の人口飼料であれば、何でも良く食べます。沈下性・浮上性に関わらず、餌の時間になると他の魚と競い合うように餌を食べてくれます。そのため、しっかりと餌を与えていれば、痩せ細ってしまうようなことは無いです。
また、水槽内の水流ですが、ネオンドワーフレインボーは比較的泳ぎが得意な魚でもあるので、外部フィルターの水流程度であれば問題無いです。
ネオンドワーフレインボーはとても温厚な魚 -混泳にも困らない-
ネオンドワーフレインボーを他の魚と混泳させたいとお考えの方も多いかと思います。
ネオンドワーフレインボーは、「ドワーフ (伝説上の小さな体の種族) 」という名前が付いている通り、レインボーフィッシュの中でも体の小さな品種です。最大体長も5cm ~ 6cm程度です。
他の魚を傷つけるような大きな口は持っておらず、とても温厚な性格なので、混泳時の心配事はほとんど無いと言えます。カージナルテトラ等の小型カラシン科の魚よりも臆病かもしれません。
私自身、これまでに合計で10匹程度のネオンドワーフレインボーを飼育してきましたが、他の魚を追い回したり傷つけている姿を見たことは一度もありません。
逆に、ネオンドワーフレインボーが他の魚から攻撃されてしまったことはあります。(下のリンクで詳細を紹介しています。)
水槽内に導入する時には、導入から2日間くらいは、他の魚との関係性を注視・観察しておいてあげると安心かと思います。
「Lサイズ」のネオンドワーフレインボーが特にお勧め!
上でも記載しましたが、ネオンドワーフレインボーは、レインボーフィッシュの仲間の中では小さなレインボーフィッシュです。
最大体長も5cm ~ 6cm程度しかなく、一般的には5cmに届かない個体がほとんどかと思います。
しかし、アクアリウムショップによっては5cmに届くような大きなサイズのネオンドワーフレインボーを選別販売してくれているところもあります。(多分、数は少ないですが … 。)
「ネオンドワーフレインボー Lサイズ」と表記されている場合が多いですが、大きな個体ばかりを集めて販売してくれています。(常時仕入があるわけではなく、入荷出来た時だけの販売になると思います。)
ネオンドワーフレインボーも、5cmクラスになると見応えが出てくるので、個人的には可能な限り大きな個体を選ぶのがお勧めです。
幼魚のネオンドワーフレインボーを購入して育てると、個体によっては4cm程度で成長がストップしてしまうものも多いです。(体長は個体差がありますので … 。)
そのため、5cmクラスというサイズが確約された成魚が入手できるのは嬉しいポイントです。
ただし、お店によっては、「Lサイズ」のネオンドワーフレインボーは少しだけ値段が上がってしまいますが … 。
水槽では複数匹を飼育したほうが良いかも!?見応えも出る
混泳させる熱帯魚の数や種類にも依りますが、ネオンドワーフレインボーは小型の熱帯魚のため、複数匹を飼育したほうが水槽内が華やかに見えます。
60cm水槽であれば、ネオンドワーフレインボーは5匹くらいは入れてあげると良いかと思います。
もちろん、他の混泳魚の数やフィルターの性能を考慮して決める必要はありますが … 。
ネオンドワーフレインボーもネオンテトラ等と同様に仲間同士で群泳する傾向がありますので、1匹よりも5匹くらいで群泳させた方が水景が綺麗になります。
また、水槽内に同種の魚が複数いた方が、魚自身が安心するというメリットもありますね。
さらに、過去の記事になりますが、同種の魚を複数飼育する事で、熱帯魚の発色や模様が良くなる傾向にあることも確認しています (下のリンクの記事を参照) 。
ネオンドワーフレインボーも同じことが言えるかと思いますので、飼育できる魚の数に余裕があれば、複数匹飼育してあげてみてください。
餌の与え過ぎには注意しましょう!
ネオンドワーフレインボーは、水槽環境に慣れると餌をしっかりと食べてくれるようになります。
そのため、餌を食べすぎてしまうという点に注意が必要です。
複数の魚種を混泳させていると、餌を凄い勢いで食べてくれる魚と、少し控えめな魚に分かれます。
少し控えめな魚にもしっかりと餌を食べて欲しいので、少し多めに餌を与えるとネオンドワーフレインボーは最初から最後まで餌を食べ続けます … 。
体はスマートな体型のですが、意外と大食漢なんですよね。
小型カラシン科の熱帯魚は、お腹が一杯になってくると食べる勢いが落ちるものが結構いますが、ネオンドワーフレインボーは違います … 。
そのため、私の飼育経験の中でも、餌を食べすぎてしまい、少し太り気味になるネオンドワーフレインボーもありました。
太り気味になるくらいだったら良いのですが、食べすぎが原因で消化不良などを起こし、その他の病気を併発してしまう可能性もあるので注意が必要だと感じます。
あくまでも私見ですが、特に小型カラシン科の魚と混泳させる場合には、餌の量に気を遣ってあげた方が良いと思います。
この記事の終わりに
本記事では、魚体の美しさと飼育のしやすさで人気の「ネオンドワーフレインボー」の飼育方法や特徴、注意点などを私の飼育経験から紹介させていただきました。
ネオンドワーフレインボーは、レインボーフィッシュの中でも飼育が容易な品種であり、基本的な水槽設備があれば初心者でも飼育が可能な熱帯魚です。(注意点を挙げるとすれば、水槽導入時の水質と水合わせ、餌の量かと思います。)
特に体格の大きな個体のレインボーフィッシュ (Lサイズ) は、水槽内での存在感も抜群で、水草水槽の中でも美しく映える存在となります。
また、複数匹を飼育すると水槽内を美しい群れで泳いでくれる熱帯魚でもあるので、水草水槽に導入する熱帯魚としてネオンドワーフレインボーを検討してみてはいかがでしょうか!?
それでは!