水槽内での熱帯魚の喧嘩 (攻撃) を止めた実例を紹介

熱帯魚や日本淡水魚を水槽で飼育していると、ときどき起こってしまうのが魚同士の「喧嘩」や「縄張り争いによるいざこざ」です。

昨日までは仲良くしていた魚同士が、今日になって突然喧嘩をしたような状態になっている … ということもあり、飼育している我々からすると、とても心配な状況になりますよね。

魚種によっては、お互いの鰭や体を傷つけあうまでの喧嘩をする魚もいて … 放っては置けない状況になることも多々…。

2022年春になりますが、私の管理している60cm水槽でも、魚同士のいざこざが発生してしまいました。

具体的にはコンゴテトラがネオンドワーフレインボーを追いかけまわしている状況でした。

魚同士が勢いよく水槽内を追いかけあっている状況で、いつ水槽から飛び出てしまうか心配になり、解決策を考えて対処することとなりました。

この記事では、そのいざこざを解決した具体的な手法を、理由を含めて御紹介していきたいと思います。

【注意】本記事の内容は、魚同士の喧嘩を止めた一例であり、全ての状況において万能な方法ではありません。あくまでも参考例としてお考え下さい。


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コンゴテトラがレインボーフィッシュを攻撃!その理由とは…

まず最初に、コンゴテトラがレインボーフィッシュを追い回し始めた理由から記載します。

60cm水槽で小型カラシン科の熱帯魚をメインに約25匹の飼育をしていました。ネオンテトラ、カージナルテトラ、ロージーテトラ、コンゴテトラがメインとなっている水槽です。

その水槽に関しては、約半年くらいは新しい熱帯魚を水槽に入れることなく飼育しており、どの魚も仲良く生活をしていました。

その水槽に対して、ネオンドワーフレインボーを1匹追加で入れたんです。

すると、ネオンドワーフレインボーを入れた次の日から、コンゴテトラ3匹 (オス1匹、メス2匹) がネオンドワーフレインボーを追い回すようになりました。

下の写真が、攻撃をしている側のコンゴテトラです。

また次の写真が、攻撃されている側のネオンドワーフレインボーとなります。

コンゴテトラによる攻撃の結果、ネオンドワーフレインボーは水草の中に隠れてしまい、全く表に出て来なくなってしまいました。

餌の時間であろうが、水槽用ライトを消した夜の時間帯であっても、隠れたままの状態となりました。

このようになってしまった原因は、確実にコンゴテトラの縄張り意識によるものだと思います。

コンゴテトラは比較的穏やかな性格の持ち主ですが、成魚になると少し縄張り意識が出ることがあると聞いていました。また、水槽の中ではコンゴテトラが最も体格の良い魚でしたので、水槽という限られた空間の中では完全に頂点に君臨する生体でした。

また、半年くらい新しい生体を追加していない水槽でしたので、コンゴテトラのテリトリーが完全に出来上がっており、そこに新参者のネオンドワーフレインボーを入れてしまったため、今回のトラブルが起こったのだと思われます。

概ね、この考え方で間違いは無いと思います。

コンゴテトラは温和な魚で、魚を追加しても問題無い思い込んでいた自分のミスでもありますね…。

一つ勉強になりました。

解決方法としてコンゴテトラを別水槽で一時隔離

このような状況になってしまった場合、どのようにして魚同士のトラブルを解決していくべきなのでしょうか?

色々と考えてみたのですが、最も確実な方法は「コンゴテトラの縄張りを一旦解除してあげる」という方策かと思います。

具体的には、攻撃している側のコンゴテトラ3匹を別の水槽に一時的に隔離して飼育し、しばらく経過したら元の60cm水槽の中に戻してあげるという作業です。

ネオンドワーフレインボーは、該当の60cm水槽の中での飼育を継続します。

下の写真は、コンゴテトラを一時的に飼育していた25cm水槽になります。オスが1匹、メスが2匹泳いでいるのがわかるかと思います。

別の魚の飼育を予定して立ち上げて置いた水槽でしたが、しばらくの間はコンゴテトラの飼育水槽として活用することとなりました。

この25cm水槽の中で10日間飼育を行い、再び元の60cm水槽に戻すこととしました。

何日間くらい隔離すれば良いのか?という点については、その対象魚によって変化するので一概には言えません。

ただ、今回の場合には、10日くらい経過すると、コンゴテトラが隔離した25cm水槽での生活に慣れてきました (餌もしっかりと食べ、人が水槽の前に現れてもそこまで驚かなくなりました) 。

新しい環境での生活に慣れたということは、元々飼育していた60cm水槽での生活の記憶が遠のいているのでは無いかと思います。

ということで、今回の場合には、コンゴテトラを隔離水槽で10日間飼育した後に、元の60cm水槽に戻すこととなりました。


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コンゴテトラを隔離水槽で10日間飼育した結果、ネオンドワーフレインボーへの攻撃が無くなった!

さて、10日間の隔離生活を終えたコンゴテトラを元の水槽に戻す時がやって来ました。

「ネオンドワーフレインボーが、また攻撃されてしまうのではないか?」と心配するところがありましたが、実際にはどうなったのでしょう!?

コンゴテトラの水合わせを終えて、恐る恐るコンゴテトラを60cm水槽に戻したのですが、コンゴテトラは新しい環境に置かれてしまった戸惑いから、しばらくは水底でじっとしていました。

そして、しばらくするとゆっくりと動き始めたのですが、他の魚を攻撃するような素振りは全く見せませんでした。

攻撃を受けていたネオンドワーフレインボーがコンゴテトラの近くを通過しても、何のトラブルも起こりません。

下の写真の様に、ネオンドワーフレインボーも特に警戒することなく、コンゴテトラの直ぐ近くを泳いでいます。

コンゴテトラを元の60cm水槽に戻してから約10日が経過しても、コンゴテトラが他の魚を襲うような事は起こっていません。

したがって、コンゴテトラの縄張り意識をリセットすることが出来たのだと思います。

本記事で紹介した方法が通用しない魚種もあります!

今回紹介しように、攻撃している側の魚を隔離して縄張り意識を消すという方法は、魚の攻撃を止めさせるのに有効な手段の一つです。

しかしながら、それが全く通用しない魚種もあります。

具体的には、エンゼルフィッシュやディスカスなどのシグリッド系の熱帯魚です。(アロワナなどの大型魚は、私は知識が無いのでわかりません…。)

アクアリウムに詳しい方であれば御存じかと思いますが、エンゼルフィッシュは縄張りを強く主張する魚であり、同種の魚が同じ水槽に入ってくると相手が命を落とすまで攻撃を続ける場合があります。

時にはお互いの口を噛み合って、取っ組み合いの喧嘩のような状態になることも…。エンゼルフィッシュの縄張り意識を解くのは非常に難しいです。

そのため、魚種ごとの性格や攻撃性を考えたうえでの対策を取る必要があることは覚えておいてくださいね!

(場合によっては、飼育環境を一から構築しなければならない場合もあります。)


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この記事の終わりに

今回紹介したコンゴテトラとネオンドワーフレインボーの水槽内でのいざこざに関しては、コンゴテトラの縄張り意識を解除するという方法 (隔離水槽で一定の期間飼育する方法) で解消することが出来ました。

ネオンドワーフレインボーが攻撃を受けてしまった理由は明確で、コンゴテトラが持っていた縄張りの中に入れてしまったことが原因です。私の知識不足で招いてしまったトラブルであるとも言えます。

上で紹介した60cm水槽の中では、コンゴテトラが最も体格が大きな魚であり、水槽内の力関係で頂点に君臨している状態でした。そこに、ネオンドワーフレインボーを新しく入れてしまったため、コンゴテトラに侵入者と認識され、攻撃対象にされてしまったのだと思います。

水槽で魚を飼育していると、今回の様に突然魚同士が争うというトラブルに見舞われることがあります。

解決することが難しいこともありますが、魚同士が傷つけ合わないために、何か策を考えてみて下さいね!

その一例として、本記事が少しでも参考になれば幸いです。

それでは!