【アクアリウム】旅行に行く前の設備チェックポイント

自宅で楽しむアクアリウムは、水槽設備や魚の体調管理と言った管理項目の確認が必須となる趣味です。

換水、給餌、LEDライトの点灯…様々な管理項目がありますが、魚たちの健康な状態を保つため、水槽内の環境を一定に保つためには、それらを確実に行っていく必要があります。

しかし、旅行や帰省などで家を留守にする時、一時的ではありますが、アクアリウムの管理が全くできなくなります。

家族が家にいる時であれば、水槽の管理を依頼できますが、家族全員が旅行に出かけてしまう場合などは、水槽の管理をする人がいなくなります。

家を1カ月以上留守にする場合にはアクアリウムの維持が難しいため、誰かに水槽管理を預けることが必須となりますが、数日から1週間くらいの留守であれば、水槽を放置して旅行や出張に行くことは可能です。

ただし、家を留守にする際には、設備の状態を事前に確認しておかねばなりません。

この記事では、旅行や出張で家を留守にする際に、必ず確認しておくべき水槽設備のチェックポイントを紹介したいと思います。

本記事は、淡水アクアリウムを対象にした内容となります。海水水槽の場合には、海水水槽の管理ポイントがあります。


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実はアクアリウムは旅行(留守)時に管理が困る

アクアリウムの管理は、旅行 (留守) の時に本当に困ります。

犬や猫であればペットホテルがあるので、散歩や餌やり、そしてペットのトイレの清掃なども心配はいりません。

しかし、魚を預かってくれるような「魚ホテル」みたいな施設はありません。

そのため、自宅のアクアリウムについては、旅行や帰省の際にも自己責任で管理をすることとなります。

私個人の意見ではありますが、アクアリウムの維持・管理で最も困るのは「停電」、その次に困るのが「留守の際の維持管理」です。

私自身、帰省や旅行で家を数日から1週間程度の留守にすることもありますが、その際には本記事で紹介する内容を必ず確認するようにしています。

当たり前のことかもしれませんが、アクアリウムを管理されている皆様の御参考になれば幸いです。

魚の餌は数日から1週間は与えなくても大丈夫

魚の飼育を楽しんでおられる方が、家を留守にする際に一番最初に心配になるのは「魚の餌やり」だと思います。

「餌を与えなくて死んでしまわないかなぁ~…」と気になる気持ちは私も理解できます。

しかし、魚は普段しっかりと餌を空得たていれば、1週間くらい餌を食べなくても命を落とすようなことはほとんど無いです。

水槽の中に生えている藻やコケを食べている場合もありますし、そもそも普段から栄養価の高い人口飼料を食べていれば1週間くらいの生命維持は可能です。

つまり、魚の餌については、数日から1週間程度の留守であれば、それほど大きな問題にはなりません。

より心配な事は、魚の餌よりも、水槽の設備をトラブルなく運用させることです。

家から人がいなくなるので、水槽設備に不具合があると、誰も対処ができません。その不具合の内容によっては、魚が命を落としてしまう場合もあります。

以下では、家を留守にする1種間前に確認しておくべき事と、前日までに確認すべきことに分けて、事前の確認事項を紹介していきます。


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1週間前までに確認すべき事

水槽の管理項目の中には、確認するのに時間がかかる内容があります。

以下の項目は、出発の直前に確認することが難しくなりますので、少なくとも1週間前から確認を始めるべきです。

水位の減り方を確認する

まず最初に紹介したいのが水槽の水位です。

皆様ご存じの通りですが、水槽の水は空気中に水蒸気となって逃げていくため、日々水位が低下していきます。

一泊二日の旅行であれば、水位の変動を気にする必要はありませんが、4日以上家を留守にする際には、どのくらい水位が減るかを推測しておいた方が良いでしょう。

水位が減る速度については、夏と冬で異なりますし、部屋の環境にも依存します。下の記事では、夏と冬で水位の減少を実験で求めていますので、参考にしてみて下さい。

水位が20cm以上あれば問題は無いかもしれませんが、水位の減り方によっては、ヒーターの位置を移動することも必要になるかもしれません。

また、フィルターの取水口の位置まで水位が減りそうな場合には、フィルターの取り付け位置の移動も必要になります。

季節によって水位の減り方が変わることを考えると、1週間前から水位の減り方を計測しておくことが最適です。これにより、旅行前に水位をどこまで上げておくべきかが明確になります。

フィルターの清掃 (特に壁掛けフィルター)

次はフィルターの清掃です。

経験のある方もいらっしゃるかと思いますが、フィルターは急に水流が弱くなることがあります。

昨日までは通常の水流を維持していたのに、突然教になって水流が減っているということがあります。

フィルターの目詰まりが原因ではありますが、水流が落ちるレベルの目詰まりはいつ起こるかわからないので、事前にフィルターの清掃をしておくべきです。

また、壁掛けフィルターは特に注意が必要だと考えています。

外部フィルターや投げ込み式フィルターは、フィルター内の目詰まりが原因で水が外部に溢れることはありません。(構造的に起こらないはずです)

しかし、壁掛けフィルターはフィルター内のウールマットや濾材が目詰まりしてくると、フィルター内の水位が上昇して溢れそうな状況になることがあります。

壁掛けフィルターには、水が溢れないような構造上の工夫がありますが、万が一のことを考えると、旅行前のフィルター清掃は欠かさず行っておいた方が安心です。

壁掛けフィルターは、流量を調整する機構があるものが多いので、水が溢れることを防止する観点では、水流を少し弱くしておいても良いかと思います。

二酸化炭素の添加量確認 (水草水槽)

水草水槽で二酸化炭素を添加されている方は、二酸化炭素の添加量は確認しておきましょう。

家を留守にする間も、二酸化炭素の添加はストップされないことが多いと思います。

二酸化炭素の添加量によっても水草の育成状況は変わりますし、コケの発生にも影響を与えます。

そのため、どのくらいの添加量に設定して旅行に行くかを1週間前から考えていくべきかと思います。

基本的に通常と変わらない添加量になるのかもしれませんが、24時間添加を続けることになるので、ボンベの残り残量との兼ね合いもあるかと思います。

私の場合ですが、ADA製のアドバンスシステムフォレストを使用しており、旅行前は「5秒に1滴」の添加量で固定しています。

LEDライトの点灯時間を考える

耐陰性の水草だけを使っている場合や、金魚水槽の場合には不要かもしれませんが、水草を育成されている方はLEDライトの点灯をすべきか否かを考えなければなりません。

LEDライトの点灯時間の問題で、せっかく育ててきた水草が元気を無くしてしまってはいけないので、ライトを自動でON/OFFする装置を導入するようなことも考えなければなりません。

私は旅行中はライトをOFF状態にしておりますが、やはり水草の色は悪くなりますね…。

特に赤色のロタラなどは、旅行から帰ってくると赤い色がくすんでしまっていることが多々あります。

多少色が悪くなっても、LEDライトを点灯させて数日すると元の色に改善しますので、過度な心配はいらないかもしれませんが…。

サーモスタットやヒーターの確認

ヒーターやサーモスタットは、水中に配置されることで正確に動作し、水上に出てしまうと異常動作をします。

サーモスタットだけが水上に出てしまうと、ヒーターが過剰に動作して水温が35℃以上になってしまう場合があります。その場合には、魚たちが命を落としてしまう可能性が非常に高いです。

また、近年はサーモスタットとヒーターが一体化した製品が多く販売されていますが、その場合もヒーターが水上に出てしまうと異常動作をします。

ヒーターが過昇温になると、ヒーターが使用不能になる設定の製品もあります。

そのため、ヒーターやサーモスタットは1週間前にしっかりと設置位置を確認しておき、安定稼働できているかチェックしておいてください。特にキスゴムで固定するタイプのものが多いので、キスゴムがしっかりと水槽のガラス面に装着できているかは確認しておきます。

これは、旅行前の確認事項では無く、日々の重要な管理ポイントでもありますね。

出発の前日に確認・対策すべき事

さぁ。旅行の出発の前日です。

より安心して旅行に出発するために、前日には下記のチェック項目を確認しておきましょう!

フィルターや配管のリークチェック

リーク (水漏れ) の確認って、意外と普段やらないんですよね。

基本的に水漏れは無いものですし、水漏れが酷ければすぐに気付くことができます。

しかし、フィルター配管の接合部から、かなり少量の水漏れが起きていることもあるので、留守の間にひどくならないようにダブルチェックしておくべきかと思います。

留守中にリークがひどくなったら、水槽の飼育水が全て室内に排水されることになりますので…。

キスゴムの装着確認

これは見落としがちなのですが、キスゴムがしっかりと装着されているかを確認しておいてください!

キスゴムは下の写真の通り、配管を水槽に固定するための吸盤の部材になります。この吸盤が外れかけていることって、意外と多くあります。

特にフィルターの給水口のキスゴムが注意ですね。

取水側はあまり力が加わらないのですが、給水口は水が勢いよく出てくるので、その力によってキスゴムが緩くなっていることがあります。

特に数か月間触っていないようなキスゴムがあれば、不在になる前に密着性を確認しておくべきだと思います。

電気系統の確認 (コンセントのチェック)

電気系統の配線については、旅行前だけでは無く日ごろから定期的に接続の確認を行いたい項目です。

ただ、面倒な作業にもなるので、なかなか定期的にできないのが現状かと思います。

しかし、家を留守にするタイミングでは、必ず確認しておいた方が良いポイントでもあります。

特に魚の命の関わるフィルターとヒーターのコンセントのチェックです。しっかりと差し込まれていない状況で、それらの設備が停止したら、魚の命に関わる不具合になってしまいます。

また、水槽の中の魚 (中型魚以上) が水しぶきを飛ばしてコンセント部分にかかると、それだけで漏電の危険性が高まります。

普段、確認を忘れがちな部分こそ、旅行前のタイミングでチェックしておくことをお勧めします。

旅行日数に応じて換水を行う

1泊2日や2泊3日の留守であれば換水は不要かと思いますが、3泊以上の場合には出掛ける前日に換水してあげるようにしています。

餌を与えないので飼育水が汚れることは少なくなりますが、魚は前日までに食べた餌を排泄物として出します。また、生命維持をしていく上で、不要な老廃物も飼育水に溜まるので、出かける前には新しい水にしてあげたいですね。

また、換水の際には、適切な水位まで飼育水の量を上げて置いてあげることもお忘れなく。

ガラス面等のコケの除去

これは推奨事項ですが、水槽のガラス面や配管に発生しているコケや藻については、なるべく除去しておいた方が良いです。

コケや藻は数日の間に一気に増殖していきます。

そのため、コケは発生の初期段階で除去しておくことが重要になります。

旅行から帰ってきたら、水槽のガラス面がコケだらけになっていて除去に手間がかかるということが無いように、出来れば旅行に行く前にコケの処理も行っていきましょう!

私はアクアリウムに復帰した当初、旅行から帰ってきたらアオミドロが大量発生していたことがありました。あの時の惨劇は、今思い出しても嫌になります…。


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この記事の終わりに

旅行や帰省で家を留守にする時、アクアリウムの管理では魚の餌やりに目が行きがちです。

しかし、アクアリウムは水槽やフィルターなどの電気設備があることで成り立っています。

そのため、家を留守にする時には、それらの設備を確実に安定稼働させることが最も重要な事になります。

家を留守にしている間に、水槽の設備が危険な状況になったり、魚の命に関わる不具合が出ないように、あらかじめ予防策を取っておかねばなりません。

事前の確認と対処をすることで、旅行中にアクアリウムを心配することが無くなり、楽しい旅行になることは間違いなしですよ!