オイカワ飼育の失敗経験と適切な飼育方法の提案

日本の川に棲む淡水魚の中で、熱帯魚にも負けないような美しさを持つのが「オイカワ」です。

誰もが図鑑や水族館などで一度は目にしたことがある綺麗な日本淡水魚ですが、飼育したことがある方は少ないのではないでしょうか?

以前になりますが、川釣りで釣り上げたオイカワを15匹程持ち帰り、90cmの水槽で飼育したことがありました。日本の魚とは思えないような美しさで、水槽の中がとても華やかになったのを今でも覚えています。

しかし、オイカワの飼育は実は難しい…

飼育したことがある方は分かると思いますが、メダカや金魚を飼育するのとは少しレベルが違います。

この記事では、私のオイカワ飼育の実体験から、失敗したことや困ったことなどを紹介し、飼育する場合に必要となるであろう事項も紹介していきたいと思います。

これからオイカワを飼育してみようと思っている方に、参考になれば幸いです。


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オイカワは日本淡水魚の中でも最も美しい魚

オイカワは日本の河川に広く分布する日本古来の日本淡水魚になります。

オイカワと言うのは一般的な名前ですが、場所によってはその地域の呼び方で「ハヤ」や「ハエ」等と呼ばれることもあります。私の出身地の静岡県では「ハヤ」という名前が一般的でした。

日本にも熱帯魚にも負けないような美しい魚が多く生息しており、川魚ではカワムツ、ウグイ、オヤニラミ、そして池や湖ではタナゴが代表格でしょう。しかし、その頂点に君臨する美しい魚がオイカワと言っても過言では無いかと思います。

オイカワは川魚ですが、コバルトブルーに近いような青色の体と、赤く染め上がったヒレを持ち、熱帯魚と一緒に泳いでいても何ら不思議に思わないような魚です。

特に産卵期のオスは、婚姻色と呼ばれる鮮やかな色が出てくるので、日本淡水魚の中でも「川の宝石」と言われることもあります。

下の写真がオイカワですが、上がオス、下がメスになります。お分かりいただけるかと思いますが、鮮やかな青色に染まるのはオスの方になります。メスも綺麗な魚ですが、雄の美しさには敵いません。

私自身、子供の頃に近くの川に泳ぎに行き、そこで網を使ってたくさんのオイカワを捕まえたことを覚えています。子供の時の自分は「何だか色が変な魚だなぁ…」と思っていましたが、大人になってアクアリウムを本格的に始めてみると、オイカワの美しさにあらためて注目してしまうようになりました。

オイカワの入手は自然採取が基本

オイカワの入手方法ですが、アクアリウムショップで販売されている所もありますが、なかなかお店で出会うことができません。

熱帯魚を専門に扱うお店ではオイカワをほとんど見たことがありませんし、近くのホームセンターに併設されたアクアリウムショップで数回見たことがあるくらいです。

そのため、確実に入手するのであればインターネットで購入するか、川に行って自分で採取することになります。

インターネットでの販売は、どのような生体が届くかわからないので、私は自分で川で採取しました。網で捕まえるのは難しい場所もあるので、釣り竿を使って釣り上げるのが一番確実かと思います。「さし虫」を使った餌釣りや、毛針を使った釣りで釣り上げることができます。

私がオイカワを飼育した時も、自分で川で釣り上げたものを15匹程持ち帰りました。

ただし、下で紹介するように、その飼育は金魚やメダカとは異なる難しさがありました。


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オイカワの飼育での失敗経験

では、ここからは、私がオイカワの飼育で失敗した点やオイカワの飼育が難しいと感じたことを記載していきたいと思います。

酸素が足りない水槽では飼育できない!

まず最初に、オイカワの飼育には豊富な溶存酸素が必要になります。

金魚やメダカが欲する酸素以上に溶存酸素が必要です。

オイカワが泳いでいる姿を見たことがある方はわかるかもしれませんが、オイカワが泳いでいる時、口をパクパクさせてエラ呼吸をする速度は速いです。

ウグイやカワムツなどの日本淡水魚にも言えることですが、エラ呼吸の速度が速く酸素を要求する量が多くなります。

そのため、水槽にしっかりとエアレーションをかけてあげないと酸素不足に陥ります。

私がオイカワを飼育した時、外部フィルターを使っていましたが、最初はエアレーションが不十分だったこともあり、水面で口をパクパクさせながらお星様になってしまったオイカワが数匹出ました。

オイカワは河川に生息していますが、川は流れがあるため酸素が豊富です。特に渓流を考えると、しっかりと流れがあり、溶存酸素が豊富にあることがわかります。そのような環境を水槽の中にも実現する必要性があります。

夏に水温が高くなるとアウト!

私が次に失敗したのは夏場の高水温です。

オイカワの住む渓流は水温が低いです。夏場でも25℃を上回るような事は無いです。そのため、夏の室内で水温が30℃に近くなるような環境ではオイカワが命の危機となります。

実際、私の水槽では夏になり水温が30℃近くなるような時期に、高水温が原因でお星様になってしまったオイカワが2匹出ました。

水温が高くなると溶存酸素量も減ってしまうため、酸素不足も相まって残念な結果になってしまったのだと思われます。

溶存酸素の基礎知識は、下の記事で紹介しております。

動きが速いので水槽の外に飛び出します!

オイカワは動きが速いです。

急流にも住めること、そしてシャープな体型から想像が付く通り、泳ぐのがとても上手な魚です。

そのため、水槽の飼育環境下では水槽から飛び出してしまう事が多々あります。

私の飼育環境下でも、2回水槽から飛び出したことがありました。幸い、私が近くにいたので救助できましたが、タイミングが悪かったら…お星様になっていたでしょう。

そのため、飛び出し防止のためにガラス蓋を設置したり、アクアフランジを設置することも一つの解決策かと思います。

物音や人影に驚いてガラス面に衝突事故!

上で紹介した通り、オイカワは自然採取が基本の魚になります。

アクアリウムショップで販売されている個体も、自然採取されてきたものを販売されているものもあります。つまり、ブリード生体の様に幼魚の時から水槽で飼育されているわけではありません。

そのため、自然環境の中で身に付いた防衛本能が水槽の中で出てくることが多々あります。

例えば、水槽の近くを人間が通過すると陰に驚きますし、近くで大きな物音がした場合にも水槽の中を暴れまわってしまう事があります。

水槽内でオイカワが驚くと、その拍子にガラス面に頭からぶつかっていくことがありました。当たり所が悪いと命にも関わるため、この防衛本能 (危険から逃げるという本能) は過剰に反応してしまうとまずいなぁ…と感じていました。

オイカワ飼育は実は難易度が高い

オイカワを飼育した際の失敗談は上で紹介した通りですが、オイカワという魚が持つ特徴や性格の観点から、飼育の難易度が高いと感じる部分もありました。

以下の2点ですが、簡単に紹介しておきます。

清流と同じような環境を作る必要がある

皆様ご存じの通りですが、オイカワが住んでいるのは比較的水質の綺麗な河川になります。

フナやコイは工場排水の流れるような水質の悪い川にも生息していますが、オイカワはそのような川には生息しません。

そのため、水槽と言う限られた飼育環境の中でも綺麗な川を再現できるような管理が必要になります。

生物濾過 (フィルター) が立ち上がっていることや、換水頻度を上げることは確実に必要になります。

清流には常に綺麗な水が流れており、大量のバクテリアの存在によってアンモニアや亜硝酸は分解され、pHや硬度なども安定した環境になっています。水槽内でも同じ環境を作ってあげることが、清流に住む日本淡水魚の飼育には必須です。

上でも記載したことですが、溶存酸素量の確保も金魚や鯉を飼育するのとは一つ上のレベルで管理していくべきかと思います。

川魚なので餌やりに失敗することがある

自然の中で生息していた川魚は、水面に落ちてきた小さな虫や水底にいる虫を食べて暮らしています。

そのため、自然の中で採取した魚たちは人口飼料というものを知りません。

したがって、捕まえてきたオイカワは最初のうちは人口飼料を全く食べないです。これはオイカワに限ったことでは無く、カワムツやヨシノボリなどの日本淡水魚にも言えることです。

そのため、飼育を開始した最初の段階では、冷凍赤虫などの生餌をあたえることから餌やりを始める必要があります。

以下のリンクの記事で、川魚の餌やりについて詳しく紹介しています。


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オイカワ飼育を確実にするために必要なこと

ここからは、オイカワの飼育を成功させるために必要である事項を、私の飼育経験から記載をしておきたいと思います。

私自身、2年以上のオイカワ飼育を成功させることができませんでしたが、オイカワを飼育する際に絶対に必要であると思われることを以下で記しておきます。

水温は低めに管理すること

オイカワは比較的流れのある清流・河川に生息していますが、そのような河川は年間を通じて水温が低い傾向にあります。

流れの緩やかな河川では夏の間に26℃以上の高水温になるところもあるかと思いますが、ある程度の水流があれば水温は低く安定します。特に山間部になると、魚に影響を与えるような水温上昇は無いでしょう。

そのため、オイカワの飼育時には水温を20℃から25℃以下に管理することが必要です。

熱帯魚はヒーターを使って水温を高く維持しますが、オイカワの場合には夏場にクーラーを使って水温を下げなければなりません。

オイカワは日本古来の魚ですので冬の寒さを耐える能力があります。しかし、高水温には弱いので、特に夏の飼育には注意が必要です。

フィルターは外部フィルターを使うこと

上でも記載しましたが、オイカワが生息する河川を水槽の中に再現することが、最も適切な水槽の管理となります。

川の環境を思い浮かべると…適度な水流があること、そしてバクテリアたちによって生物濾過が確立されているという特徴があります。

この特徴を水槽の中に再現できるのが外部フィルターです。

投げ込み式フィルター (通称: ブクブク) や壁掛けフィルターでは、生物濾過が少し弱い様に思います。

外部フィルター以外では、上部フィルターでも濾材をしっかりと入れてあげれば問題は無いかと思います。

オイカワを家に迎える前に、フィルター内にしっかりとバクテリアを定着させて、生物濾過を確立しておきましょう!

水替え頻度は週2回くらいが良いと思います

水替え頻度は大切な管理項目だと思います。

上で紹介した各種トラブルを乗り越えて、1年程度飼育が出来たオイカワたちがいましたが、水替え頻度は週に2回を維持していました。

週に2回、水槽の水の1/3を換水してあげるだけでも、常に綺麗な水質を維持できますし、少量でも良いので、こまめに換水した方が水質が大きく変わってしまう事はありません。

日本の川魚は綺麗な水が大好きです。換水はしっかり行ってあげて下さい。

水槽のサイズは大きくして上蓋を設置

日本の美しい川魚たちは、基本的にスマートな体型を持ち、水中を高速で泳ぎ回ります。

また、オイカワやカワムツ等は体長が10cm前後まで成長するものが多いため、30cm程度の水槽では飼育が困難です。

少なくとも60cm水槽、出来れば90cm水槽が理想の水槽サイズだと思います。

また、勢いよく泳いでジャンプすることもあるため、ガラス板などの上蓋は確実に閉めてあげて、飛び出しを防止しましょう!

雄の美しい婚姻色を出す方法はあるの?

私が飼育したオイカワは、体色の綺麗なオスのみの飼育でした。

しかし、1年間の飼育の中では、あまりきれいな婚姻色は出ませんでした。1年を通じて色に変化が無かったと言えます。初夏の時期から婚姻色が出ると聞きましたが、その傾向もありませんでした。

当時の写真が残っていないので例を示すことができないのが申し訳ないのですが、常に薄い青色の体色であり、濃い青色が出ませんでした。

本に載っているような美しい青色と赤色の婚姻色を出すには…どうすべきだったのでしょうか?

様々な考え方や仮説はあるかと思います。

例えば、メスを同居させた方が出やすいのかもしれませんし、飼育環境や水質の影響もあるのかもしれません。

直射日光に当たる必要があることや、自然の中で捕食している虫が必要等の条件があるのかもしれません。

水槽の中では年間を通じて同じ水温、同じ水質になるので繁殖期を認識できず、婚姻色が出ないという可能性もあります。

もし、オイカワのオスの婚姻色を綺麗に出す方法を御存じの方は、是非コメント欄で教えていただけましたら幸いです。

水槽内での寿命は1年程度かもしれません

上で紹介したように、酸素不足や高水温、また飛び出しによって15匹程度いたオイカワは、日が経つにつれてどんどん減っていきました。

1匹、また1匹とオイカワがお星様になってしまい、1年後くらいには全てのオイカワがお星さまになってしまいました。

自然の川の中では、オイカワの寿命は3年程度はあると言われています。

しかし、水槽と言う飼育環境は自然の中の環境とは大きく違うため、それも原因で寿命が短くなってしまうのかもしれません。もちろん、飼育環境が悪く目に見えない病気に罹ってしまっている場合も有るかと思います。

15匹も自然採取してきて、最も長く生きたもので1年程度ということで、オイカワを上手に飼育するのは難しいのだと実感しました。

この記事の終わりに

この記事では、日本淡水魚の中で最も美しい川魚の一つである「オイカワ」の飼育方法について、私の過去の失敗や経験を基にして紹介をさせていただきました。

川で釣り上げた15匹のオイカワを飼育しましたが、様々なトラブルもあり、1年間で全てのオイカワを失ってしまうという結果となってしまいました。

日本の川魚の飼育は実は難しく、それぞれの魚種に合った飼育環境を整えることが重要だとあらためて感じさせられる機会となりました。

これからオイカワの飼育にチャレンジしようと思っている方に、少しでも有益な情報となりましたら幸いです。