この記事で紹介する穴あき病に罹ってしまったブラックモーリーは、先日お星様になってしまいました。
穴あき病という病気は、本や熱帯魚の雑誌で見たことがあったのですが、私の飼育している魚が穴あき病という病気になったのが初めてのことで、病気を特定して対応するのに遅れてしまいました。
もう少し早く病気に気付いてあげられたら助けてあげることが出来た可能性もあります。
確認不足・知識不足だった自分への戒め、そして穴あき病という病気を経験されたことの無い方への情報展開という意味を込めて、この記事を残しておこうと思いました。
実際の穴あき病の写真も掲載するので、見るのが嫌な方は写真の部分を飛ばしてもらえればと思います。
どんな病気に対してもそうですが、いつもと調子や様子がおかしいと思われる魚がいたら、早めにお薬で対応してあげることが大切ですね…。
熱帯魚の病気に関しては「明日やればいいや…」では駄目ですね…。
穴あき病について
穴あき病は魚の体内に入り込んだウイルス (細菌) が原因で引き起こされます。
そのウイルスは「エロモナス・サルモニシダ」という細菌です。このウイルスは、飼育水の中に常駐しているものですので、実は水槽内に限らず川や池の中など、身近に存在するウイルスになります。
健康な魚に対しては感染のリスクが低いのですが、水槽内での飼育環境が悪くなり魚の免疫力が低下することや魚自身の健康状態の不調による免疫力低下で、このウイルスに感染され、穴あき病という症状として現れてきます。
ウイルス感染というのは、下でも紹介しますが、感染したか否かを初期の段階で診断するのは非常に難しいです。穴あき病以外のウイルス性の病気もそうですが、初期の段階では外観的にも全く気付くことができません。
感染が起こり、魚の体表や行動に変化が表れて初めて気づくことが多く、その段階では症状悪化が進行している可能性が高くなります。
黒色の魚は穴あき病に気付きにくい!
今回、穴あき病に罹患してしまったブラックモーリーですが、実は穴あき病を確認することが非常に難しい魚であることが判明しました。
穴あき病の初期症状は、鱗に充血が見られるということなのですが、ブラックモーリーの鱗は真っ黒なので、多少充血してもほとんど気付きません…。
というか、鱗自体も小さいので、気づくことがさらに難しい状況だったのです。
白色の熱帯魚や白系の金魚であれば、真っ赤に充血した鱗で穴あき病の兆候が見て取れるのですが、ブラックモーリー等の黒系の魚は判断が付きません…。
黒色系の魚を飼育されている方は、この点は注意しておくべきだと思います。色の魚は白点病は早期に判明しやすいのですが…。
また、真っ赤な色をした魚についても、鱗が充血するという変化は分かりにくいと思われます。金魚や錦鯉などの赤い色の鱗の部分は、充血に気付きにくいと言えます。
穴あき病の進行具合について
ここからは、穴あき病を発症したブラックモーリーに見られた、最初の兆候や症状について、詳しく記載をしていきたいと思います。
穴あき病の兆候・初期症状
この記事を書くことを決め、あらためてブラックモーリーの行動を思い出すと、実は穴あき病による行動の変化という点でその兆候が見られていました。
ブラックモーリーはかなりの大食漢で、他の魚よりも餌を大量に食べます。
しかし、このブラックモーリーは、10日ほど前からあまり餌を食べていませんでした。
「いつもは餌を他の魚と奪い合うのに、なんでだろうなぁ…」と思いながらも、特に心配することなく普通に飼育をしていました。
そして、その直ぐ後くらいに水槽の底の方で、じっとして動かない時間が増えてきました。ただし、白点病の様な外観で見れる症状も無かったので、一時的なものだと思い、ここでも特に対応はしませんでした。
穴あき病の進行の記録
穴あき病だと気付いたのは、餌を食べないと気付いてから7日後の事でした。
何だか鱗が逆立ったような状態になり、一部鱗がはがれてしまっている部分がありました。
これは病気だと気付き、直ぐに水槽から別の小さな隔離水槽へ移しました。
その時のブラックモーリーの上から撮影した写真が下に掲載するものです。
拡大すると、鱗が剥がれる寸前の状態で何とか体表にくっ付いているような状態です。
ブラックモーリーの鱗は、通常はこの記事のトップ画像にあるように、どちらかというと凹凸の無い体表面になっています。また、隔離した状態で、一部鱗が剥がれてしまいました。
この時点で、少し泳ぎ方がぎこちなくなり、よろめいたような泳ぎ方も一部見受けられました。
体に穴が開く直前の鱗の剥がれ
上で紹介した状態から約2日経過した段階で、さらに酷い症状となってしまいました。(この時点で薬浴を開始しておりました。)
体側のお腹のあたりの鱗が完全に剥がれ落ちてしまい、体表に穴が開き始めている状態です。薬が効くよりも病気の進行が早くなってしまったのだと思います。
この状態になると、体表が完全に露出している状態となり、一部体に穴が開き始めているのが確認できる状態となりました。
写真では何とか正常な泳ぎをしているように見えますが、実はひっくり返ってしまって泳げないような状態にもなっていました。
こうなると、薬の効果は正直どこまで効くのかわからない状態ですね…。
穴あき病のモーリーの治療について
幸いにも熱帯魚の常備薬として「グリーンFゴールドリキッド」を持っていたので、別水槽で規定量の薬を投入して飼育を継続しました。
穴あき病を経験したことは初めてですが、一応この薬が穴あき病に効果あるということで支持を受けている薬であるという認識は持っていました。
しかしながら、薬浴開始から5日後にこのブラックモーリーは帰らぬ魚となってしまいました。
グリーンFゴールドリキッドは、今回のような酷い状態になる前に使用すれば、効果が出るのだと思いますが、少し遅すぎましたかね…もう少し早く気付いてあげられれば、きっと助かった魚なのだと思います。
なぜブラックモーリーが穴あき病に罹患したのか?
正直なところ、この原因を考えるのにかなり苦労しました。
飼育水は週に1度か2度換水しているので、水質が一気に悪化したとは考えにくいです。
また、他の魚には何の異常も出ていないので、今回のブラックモーリーだけが病気を発症したことになります。
そのため、ブラックモーリーにだけ該当するような何かがあったのではないかと推測されました。
そして、その原因の一つは消化不良による体調不良では無いかと思われます。
ブラックモーリーは、他の魚よりも餌をたくさん食べますし、水槽内のコケや藻なども食べており、常に何かを食べているような魚です。
そのため、大食いが日常茶飯事なのですが、餌の食べすぎは熱帯魚の体内で消化不良を生み、その合併症という形で免疫力が落ち、穴あき病へ至ったのではないかと思われます。
コリドラスと混泳をさせていましたが、ブラックモーリーに与える顆粒状の人口飼料だけでなく、コリドラスに与えているコリドラスタブレットも独り占めして食べ続けている状況でした。
そのため、ブラックモーリーと他の魚を混泳させるのは、餌の食べる量や食べる速さの観点で、実は混泳の難しさがあるのかもしれません。
この記事の最後に
この記事では、私の飼育する水槽の中で「穴あき病」に罹患してしまったブラックモーリーの、発症から治療までの記録を紹介させていただきました。
正直なところ、穴あき病や尾ぐされ秒などのウイルス性の病気は、初期の段階で発見することは困難です。
しかし、今回のブラックモーリーの様に、体調不良と思える症状が出始めたら、各種ウイルス性の病気を疑うべきなのかと思います。
餌を食べなくなった、水槽の隅でじっとしているようになった、他の魚と距離を置くようになった…このような少し異常な行動を取るような魚がいたら、隔離して殺菌のための薬浴を早期に実施することが安心なのだと思います。
今回、お星さまになってしまったブラックモーリーの命を無駄にしないためにも、この経験を今後に活かさねばなりません。
最後に、下の記事では腹水病のネオンテトラの症状をまとめています。もし、お時間あればそちらもご覧ください。