【メダカの室内飼育】失敗の原因と失敗しない飼育方法

人気のメダカをお部屋で飼育しようと思い、メダカの飼育セットを購入したけど…1週間でメダカが残念なことになってしまった…と言う方も多いはずです。

私も過去に子供と一緒に、それを経験した一人です。

ホームセンターで「メダカ飼育キット」として水槽のセットが販売されていますが、実は何も知らない人が使うと、失敗することが非常に多いです。

室内でのメダカ飼育の基本を学び、少なくとも実施すべき飼育法を知り、繁殖も含めて長く飼育していきましょう!


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メダカ飼育セットについて

ホームセンターでも手に入るメダカの飼育セットは、メダカの飼育に必要なものが概ね揃ったセットになります。

セットの内容としては、概ね次のものが入っていますね。

  • メダカ用水槽
  • カルキ抜き
  • メダカの餌
  • 疑似水草
  • 少量の砂利

一応、これらがあれば最低限メダカを室内飼育することができます。

価格は水槽のサイズにも依りますが、20cmの長方形水槽で1,000円程度からラインナップがあります。

メダカはブクブク (投げ込み式フィルター) などの電気を使用する機器を使わなくても飼育できるというイメージがあると思いますが、そこが落とし穴だったりします。

私が使用しているメダカの飼育セットは、下の写真のようなもので、飛び出し防止の蓋も付いているタイプのものです。

この水槽で子供と一緒に白メダカ4匹を飼育したのですが、全てのメダカが次々と残念な状態になっていき、3週間程度で水槽には何もいない状態になってしまいました。

それから、室内でのメダカを勉強し、確実に長生きさせられる方法を学びました。私と同じ経験をされないように、戒めの意味も込めて記事にしようと思いました。

メダカは基本的に強い魚です

メダカは日本に古くから住んでいる魚ですので、基本的に日本の四季にも耐えられる体を持っています。

また、少しくらい水質が悪くなっても、酸素があれば生き伸びる力を持っています。

今から30年くらい前は、私のじいちゃんの田んぼの水路でもよく見かけたくらいです。

よくメダカの生産者さんの水槽を見ると、外に容器が並べられていて、フィルターやブクブクを使わずに飼育されている姿を目にすると思います。

また、玄関先で鉢でビオトープを楽しんでいる方も、特に専用設備を使わずにメダカを飼育されています。

この姿を想像すると「メダカを室内で専用のセットを使って飼育できる!」って簡単に思ってしまうんですよね…。

そこが大きな間違いなんで、残念な結果に繋がってしまうんです。

その理由を以下で説明させていただきます。


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室内飼育でメダカがお星様になる原因

原因① 酸欠 (溶存酸素の不足)

「え?メダカはブクブクが要らないのでは?」と思った方、多いのではないでしょうか?

室内飼育のメダカがお星様になってしまう理由の第一位が、酸素の不足ではないかと考えます。

「では、なぜビオトープや生産者さんの所ではブクブクが無くてもメダカが生きていけるの?」ということですよね?

ビオトープで水中に酸素が供給される理由は、風が吹いているためです。

水中に酸素が取り込まれるのは、水面が揺れることが必要です。

水面が全く揺れなければ、空気中から水中へ酸素が供給されません。

上で紹介したメダカ飼育セットですが、室内で飼育するのに蓋が付いていますよね…。室内で風が吹かないのに、蓋までしてしまったらどうなります?

より酸素供給が滞る状態ですよね?!

玄関先のビオトープでメダカが生きれるのは、風が吹くことで水面が揺れて酸素が水中へ溶け込んでくれるからです。

メダカは小さな魚なので、大型魚の様に大量の酸素を必要としないのですが、さすがに酸素の供給が止まってしまうと命に関わる状態になってしまいます。

原因② 濾過不足による糞の影響

メダカを飼育する環境でも「生物濾過」という技術からは逃れられません。

生物濾過って何?という方もいらっしゃると思いますので、より詳細は下の記事を参照ください。

簡単なメダカ飼育セットの場合、価格も安いので、濾過フィルターがセットになっていないことが多いです。

メダカの出した糞は、水中に残っていると有毒なアンモニアを発生し水槽内に蓄積すると、メダカの生命に関わる状態になります。

そのアンモニアを無毒化してくれる存在がバクテリアです。バクテリアはフィルターの中や、下に敷いた砂利の中に定着するのですが、簡単な飼育キットの場合、バクテリアの量が非常に少ないです。

そのため、多くのメダカを飼育すると、バクテリアによる濾過がが全く追い付かず、アンモニアが水槽内に残留してしまうことになります。

水替えをしていれば、まだ状況は改善されます。しかし、初めて飼育される方は水替え頻度は週に1回程度ではないでしょうか?

小さな水槽の場合、水の量も少ないので、あっという間にアンモニア濃度が上がります。

原因③ 濾過不足による残飯の影響

メダカは可愛いので、お子さんも餌を一杯与えたがるのではないでしょうか?

その残飯、実はアンモニアの原因になるんですよ。

そのため、メダカの糞と同様に、水質を悪化させる原因なのです。

水槽の底に残飯が3, 4日沈下した状態だと、腐敗も進みますので、最悪な状態と言えます。

残飯や糞は、小さな粒子になり水中を漂いますので、美観的にも良くありません。また、それらは水槽内の悪臭の原因です。

原因④ 日光不足による体調不良

自然界のメダカは、水面を元気に泳ぎ回っていますよね。

太陽の光をたくさん浴びて健康状態を保っています。

生産者さんの飼育環境もビニールハウスや屋外で、太陽の光が入るところが多いです。

日光は私たち人間にとっても健康に過ごすために必要な存在ですが、メダカにとっても同じで免疫力を高めたりする効果があります。

免疫が下がると、病気になったり水槽内に細菌が多くなると、病気にかかりやすくなってしまいます。

ただし、日光についてはレース越しの日光でも問題はないので、明るい部屋に置いてあげれば問題はないです。

メダカの室内飼育を成功させる秘訣はブクブク

上記の原因①~④で室内飼育のメダカがお星様になってしまう理由を説明させていただきました。

特に原因①②③は、初心者の誰もがやってしまう管理不足のポイントになります。

逆に言えば、原因①②③をクリアできれば、最悪の結果になることは概ね避けられます。

この原因①②③を克服するために、最も簡単な方法がウールフィルター入りのブクブクです。

それほど大きなものは要らないので、水中に酸素を供給し、糞を集めてくれるブクブクを一つ用意しましょう。

ブクブクは、内部にウールのフィルターが取り付けられるので、そこにバクテリアが住み着き、生物濾過を行ってくれる効果も高まります。

ブクブクを入れるだけでも、水槽内環境は大幅に改善します。

簡易式のメダカ飼育セットを購入した時には、できればブクブクも同時購入しましょう!


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もしもブクブクが無い場合

ブクブクが直ぐには手に入らない場合もありますよね!

お祭りの「メダカすくい」でゲットしてきたメダカや、なかなかホームセンターに設備を購入に行けない場合など。

その際に、ブクブクを使用しなくても何とか飼育できる方法もあります。

水替えを毎日行ってあげることです。

水を全て変えなくても良いです。水槽の1/3から1/2の水を入れ替えてあげて下さい。その時に、出来れば網で糞や食べ残しも除去しましょう。

水替えをすることで、水中のアンモニア濃度が下げられて、フィルターを使ったのと同じ効果が得られます。

また、出来る限り風通しの良い場所で管理しましょう。水面が揺れるような風がある場所がベストです。ただ、室内で風が吹く場所はなかなかないと思いますので、ブクブクが手に入るまでは玄関先で管理することをお勧めします。

しかし、あくまでも応急処置であり、なるべく早期にブクブクを用意してあげてくださいね。

室内でのメダカ飼育 -最後に-

メダカは、日本人の多くの方が「強い魚」「フィルター無しでもOK」というイメージがあるようです。

私も含め、それで失敗する人が本当に多いです。

メダカも魚ですので、熱帯魚を飼うのと同じような設備が理想です。

なかなか本格的な水槽は用意できないかもしれませんが、最低限ブクブクを導入して、酸素の供給とフィルタリングを維持していきましょう。それが、メダカを長く生かしてあげる必須事項です。

「メダカはブクブクなしでOK」というイメージは、室内飼育では忘れましょう!