【コリドラス繁殖】失敗事例と成功のポイントを紹介-産卵から稚魚育成-

アクアリウムの水槽は、場所も取るしフィルターなどの設備も必要なので、なかなか数を増やすことって出来ないですよね…。そのため、私の家もそうなのですが、多くの魚種を飼いたいので、1つの水槽の中に何種類かの魚を混泳させて飼育しています。

混泳させる魚種の中でも一番の人気は、やはりコリドラスかと思います。他の魚を襲うこともありませんし、水質にもあまりうるさくなく、非常に丈夫な魚です。

その飼育しているコリドラスが、水槽の中で卵を産んだことがありませんか?

そのコリドラスの卵を孵化させて、大きく育ててみたいという方は多いかと思います。

私の管理する水槽でも、コリドラスが何度も産卵をしており、その孵化と稚魚の育成にチャレンジしてきました。しかし、失敗の連続で、なかなか上手く繁殖を成功することができませんでした。

この記事では、コリドラスの産卵から稚魚の育成において、私が失敗したことを紹介します。また、その失敗を経験に、こうすれば成功する可能性があがるという内容を、アドバイスとしてお伝えできればと思います。


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コリドラスが水槽内で産卵する時期

まず最初に、飼育しているコリドラスが産卵する時期についてお話ししておきます。

この産卵のタイミングが分かれば本当に苦労しないんですよね。

一応、産卵する前の前兆行動はあります。

雄が雌を追いかけて、身体をお互いに密着させるような行動をし始めると産卵が近いサインです。私の水槽でも、産卵をする前には、必ず雄が雌を追いかけまわすようにな仕草を見せています。

ただし、このような行動は年間を通じて頻繁に見られます。

というのも、水槽の中の環境は1年を通じてあまり変わらないので、いつ産卵期が来てもおかしくないのです。自然の中で四季の変化で産卵のタイミングがあるのですが、水槽内には四季による環境の変化がありません。

そのため、朝起きたらいつの間にか産卵していた…ということの方が多いです。

私の飼育するコリドラス・パンダは、今年は冬の2月にも産卵しましたから…。言い換えれば、1年を通じて産卵のチャンスがあるということです!

産卵の時間帯は夜です。昼間の水槽用ライト使用中は、コリドラスが産卵したことは無いです。そのため、コリドラスが産卵した時は、朝の出勤前に大慌てで卵の保護に追われています。

私が産卵を経験したコリドラスの種類

私の水槽の中で産卵をしてくれたコリドラスですが、コリドラス・パンダ、コリドラス・パレアタス (青コリドラス)、コリドラス・シュワルツィーです。

そして、成魚まで育てることに成功したのは、コリドラス・パンダのみです!

青コリドラスとシュワルツィは、残念ながら成魚まで育てることが出来ませんでした。しかし、次こそはこれまでの失敗を生かして成功させて見せますよ!

特にシュワルツィの繁殖に成功したら、別記事で詳細を書きたいと思っています。

以下で紹介する私のコリドラス繁殖の失敗談と対策ですが、概ね全てのコリドラスの産卵から稚魚育成に共通することです。

もしよろしければ、皆さんの飼育されているコリドラスの繁殖にお役立て下さい。


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卵の保護と稚魚育成にフローティングネットを使います

熱帯魚の産卵については、多くの方がサテライト水槽と呼ばれる、水槽を分けるタイプの設備を使われています。

しかし、私はいつも水槽の中に浮かべるフローティングネットを使用しています。下の写真の様に、水槽に浮かべて使用するタイプのものです。

なぜサテライト水槽を使わないのか?というと、サテライト水槽はポンプがもう一つ必要なんですよね…それが私にとっては大きなデメリットです。

ただでさえヒーターやライト等の設備が多いアクアリウムなので、さらにポンプなどの設備を増やしたくありません。

フローティングネットでも対策を取れば、問題なくコリドラスの産卵に対応することができます。

サテライト水槽とフローティングネットの両方にメリットとデメリットがあるかと思いますが、それぞれデメリットを補えば問題なく使える方法だと思います。

フローティングネットのデメリットを挙げるとすると、水槽の見栄えが悪くなることですね。常に美観を求められる方は使わない方が良いです。私は、産卵の時だけ水槽の見栄えを我慢することにしています。

最初の関門は卵の保護と孵化!

まずは、コリドラスが産卵してから卵が孵化するまでに私がやってしまった失敗と対策を紹介します。

私の水槽でコリドラス・パンダが産卵した時、10個程の卵を産んだのですが、全て私の初歩的なミスで孵化させることが出来なかったんです…。

卵は見つけたらすぐに隔離しましょう

冒頭で書いたように、複数種類の魚を混泳させていると、卵を確保すること自体が難しくなります。

魚の卵って、栄養が豊富で他の魚からすると良い餌になってしまいます。

コリドラスの卵も格好のターゲットで、少しサイズの大きなネオンテトラやチェリーバルブなどには食べられてしまいます。

実は水槽の中での産卵は、近くに外敵がいる環境での産卵でしかないのです。

コリドラスの卵を発見したら「今晩保護すれば良いか…」ではなく「卵を発見した時点で速やかに」保護してあげましょう。

ピンセットで卵を潰してしまう…

コリドラスの産卵する場所は本当に色々あります。

ウィローモスや水草の葉に卵が付いていることもあれば、水槽の内壁やフィルターのパイプなどに産卵していることもあります。

水草の場合には、卵が付いている部分を切り落として保護すれば良いのですが、水槽の内壁に産卵していある場合などは、そうはいきません。

ピンセットなどで卵を上手にキャッチしなければなりませんが、ピンセットでつまむと卵が割れてしまいます。

私は最初にピンセットを使った時、3つくらい卵を割ってしまいました。卵をピンセットで挟むことは絶対にやめましょう。

実は生まれたばかりの卵は、少し粘着性があるため、ピンセットでつまむのではなくピンセットで触れると水槽の内壁からピンセット側に付着してくれます。

産卵から数日経つと粘着力が落ちるので無理かと思いますが、産卵した日であれば卵の持つ粘着力でピンセット側にくっついてくれます。

ですので、卵の保護にピンセットを使用する時には、ピンセットでつまむのではなく、ピンセットで触れてピンセット側に付着させるような感じで保護してあげて下さい。

順調に卵が成長していることを確認する

保護した卵ですが、順調に成長しているのか否か、判断が難しいですよね…。

でも、実は順調に成長しているのか確認することができます。

産卵後4日か5日くらい経つと、卵の中に黒いものが見られるようになります。これは、コリドラスの稚魚が育っている証拠で、生まれる前になると黒い物体が動くようになります。

ですので、産卵後4日くらいは、毎日卵の色を確認してみて下さい。

残念ながら無精卵の場合には、1週間経っても卵の中に黒い物体が見えることはありません。その場合は、次回に期待ですね。

水流作りを忘れ卵にカビが生えたことがあります

卵には新鮮な水が不可欠です。

フローティングネットで育てていると、どうしても水流が生まれにくいのです。

この点はフローティングネットのデメリットかと思いますが、フィルターの給水口から出る水流がフローティングネットに当たるようにしてあげれば、常に新鮮な酸素の多い水を卵に当ててあげることができます。

水流が無く、水の環境が悪くなると、卵に水カビが生えて白く変色してきます。そうなると、稚魚の成長が阻害されてしまい、孵化する可能性が一気に下がってしまいます。

卵を保護したら、なるべく水流も作ってあげて、常に濾過後の水を供給してあげてください。


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生まれたばかりの稚魚が生き延びない

せっかく稚魚が孵化しても、その後にもいくつも試練が待ち構えていました。なかなか成魚になるまで、育て上げることが出来ないんです…。孵化させるよりも成魚に育てる方が確実に難しいです。

予想外のトラブルもありましたが、私の経験と対策を御紹介させていただきます。

あれ?稚魚がネットの中にいない…

こんなことが起こるのか!?と思うことが起こることがあるんです。

ネットの中で保護していたはずの稚魚がいなくなるんですよ…。原因は突き止めましたが、ちょっと信じられなかった原因でした。

ネットから飛び出して親の元へダイブ!

フローティングネットには蓋ができるのですが、少し中の様子が見にくいので、蓋を外していたんですね。ちょうど5mmくらいの稚魚が入っていた時でした。

会社に行く前にはネットの中にいたのですが、帰ってくるとネットの中にいない…えっ…

ネットを取り出して探しても見つかりませんでした。

すると、水槽の底を泳ぐコリドラスの子供が…何とか生き延びてくれていましたが、本当に危ない所でした。

フローティングネットを使う時には、付属の蓋を使用するようにしましょう。

シュリンプのネット内侵入による被害

シュリンプによる被害って…何のこと?って思いますよね。

実は、シュリンプがフローティングネットを登って、ネットの中に入って来ていたんです。見事に稚魚を食べてしまっていました。

犯人はヤマトヌマエビです。

エビは夜行性なので、夜になると水槽の中を縦横無尽に動き回ります。その時にフローティングネットにつかまって登ってくることがあるんですね。

稚魚の代わりにヤマトヌマエビがネットの中にいた時にはショッキングでしたよ。これを防ぐためにも、フローティングネットの蓋は確実に付けておきましょう。

餌を始めるタイミングが分からず栄養失調になった

順調に成長した稚魚を待ち構えていたのは、私の知識不足による「餌やりのタイミングのミス」です。

稚魚は生まれたばかりの時には、お腹の袋に入っている栄養で育ちますが、ある程度育ってくると、自分で餌を探し始めます。

そのタイミングを見極めることが出来ませんでした。

餌を食べない状態なのに餌を与えるとネットの中が汚くなってしまうので、餌を探し出すまでは見ておこうと考えたのですが…なかなかタイミングがつかめませんでした。

孵化してから1週間くらい経つと、コリドラスを象徴する口先で底を探るような仕草を見せ始めます。

そうなったら、稚魚専用の小粒の餌を与え始めて下さい。

私は2週間くらいは…大丈夫でしょう…と思って、しばらく放置していたのですが、ガリガリに細くなって残念な結果になってしまいました。

稚魚の仕草を確認して、餌槍のタイミングを逃さないようにして下さいね!

ネットの網目の目詰まりによる水質悪化も原因だった

餌槍に関連して、フローティングネットでの失敗として、もう一つ気付いた点があります。

餌を与え始めると、フローティングネットの網目に餌が詰まります。すると、餌を与えていなかった時に比べると、ネットの中が汚れやすくなり、水質が悪くなります。

勿論、サテライトを使った時にも水質の悪化が起こりうるのですが…

そのため、稚魚が孵化して餌を食べ始めたら、2日か3日に一度はネットを洗ってあげて下さい。稚魚を潰さないように容器に避難させてから、洗ってあげると、網目に詰まった残餌もなくなり、綺麗なネットになります。

体長5mmの稚魚はまだ他の魚にとって餌!

体長5mmくらいの時に、親のコリドラスがいる水槽内に入れたことがあります。

体長5mmでは、まだ甘かったです…他の魚に見つかると、総攻撃を受け始めます。ネオンテトラもラスボラも、コリドラスの稚魚を追いまわします。

直ぐに保護してあげましたが、体調5mmではまだ他の魚との混泳は無理です。

下で示すように1cmを超えるようになったら、水槽に入れてあげるようにしてください。

5mmくらいあれば餌にはならないだろうと思いましたが「攻撃対象」として他の魚からいじめられてしまいました。

体長1cmまで育てれば成功!

体調が1cm位まで育てば、稚魚の育成は成功です!

私自身、1cmまで育った稚魚が、その後に残念なことになったことはありません。体長が1cmを超えていくと、普通のサイズの餌も食べられるようになり、水質の変化にも強くなります。

また、他の魚からいじめられたり、餌となってしまう可能性もほぼなくなります。

1cmを超えるタイミングが水槽へ入れてあげるタイミングと考えて良いかと思いますが、もう少し大きくなるまで待っても良いのかもしれません。

エンゼルフィッシュなどの大型魚と混泳させる場合には、大きく成長させた後に水槽導入する方が確実ですね。

この記事の最後に

水槽内でのコリドラスの繁殖は比較的容易であると言われています。

しかしながら、私の様にコリドラスの繁殖の初心者にとっては、戸惑うことや失敗してしまうことが多々あるかと思います。

しかし、ポイントさえ掴めば、それほど大変な作業ではありませんし、卵が孵化して稚魚が育っていく姿を見ると嬉しいものです。

この記事で紹介させていただいたポイントを確認しておいていただければ、いざコリドラスが産卵した時に戸惑うことは少なくなるかと思います。

今回紹介させていただいた内容が、コリドラス繁殖の初心者の皆様にとって有益な情報になりましたら幸いです。