アクアリウムの初心者やお子様、そしてベテランのアクアリストにまで大人気のコリドラスですが、本当に多くの種類が存在して、お気に入りのコリドラスを飼育する楽しみがあります。
そんなコリドラスだからこそ、複数品種を同一水槽で飼育したいという希望もあるかと思います。
特にコリドラス飼育の初心者の方は、異なる品種のコリドラスを混泳させても良いのか?疑問に思ったことはありませんか?
この記事では、異なるコリドラスの混泳時に覚えておくべき点を簡単にまとめておきたいと思います。
基本的に混泳の問題は無し
コリドラスは現在日本で流通している熱帯魚の中で、他の魚に危害を加えない魚の王者に君臨するのではないか?というくらい温厚な性格の持ち主です。
コリドラスは土の中に潜む餌を食べるように口が下を向いており、鋭利な歯や強い顎もないため、他の魚を襲うことが出来ないという言い方の方が正しいのかもしれません。
そのため、異なる種類のコリドラスを同じ水槽に入れてもお互いを追い回したり、噛みついたりすることも無いです。
逆に品種の壁を越えて、異なる種類のコリドラスどうしても仲良く水槽の中を泳いでくれるので、見ていて安心できます。
コリドラスの好む水質については、原産地に多少の違いはありますが、品種ごとに特別な水を用意する必要はありません。また、コリドラスは小型のナマズの仲間であり、水質に対して「超敏感」ということはなく、カルキ抜きした日本の水道水でも問題ないので、飼育環境によるデメリットもありません。水温についても25℃前後であれば全く問題無く生きられます。
餌についても全てのコリドラスが同じものを食べてくれるので、人口飼料を与えておけば命の危機に陥ることは無いです。細かな沈下性の人口飼料や冷凍赤虫で問題ないです。
「お互いに傷付け合わない」「水質にそこまで気を遣わない」「食べるものも共通している」という混泳に必須の3要件を満たすので、品種の異なるコリドラスは混泳に問題がないと言えます。
混泳のデメリットについて
品種の異なるコリドラスに、混泳の問題はないと記載しましたが、敢えて行くなら次のような困りごとがあります。
許容できる範囲のデメリットなので、気にする必要もないかもしれませんが、繁殖を楽しみたい方などは注意が必要だと思います。
体格の大きなものが餌を奪う
コリドラスの中には、コリドラス・ピグミーのように小さなもの、コリドラス・シュワルツィーの様に中型のもの、コリドラス・ブレビロストリスのような大型のものなど、魚体の大きさに差があります。
飼育条件は変わらないのですが、魚体だけは品種に依存して大きく異なります。
そのため、餌の時間になると、どうしても大型のコリドラスが前に出てきて餌を多く食べるようになります。
コリドラスタブレットのような、少し大きな固形の人口飼料だと、大型のコリドラスが占領して小さなコリドラスたちが餌を食べられない状況になります。
喧嘩をするわけではないのですが、餌の時間だけはどうしても奪い合いが起こるので、餌を食べられる量には差が生まれます。
小型のコリドラスは、その体格に比例して食べる量も少ないのは事実なのですが、全く食べられない状況はさけてあげたいものです。
そのため、複数の体格の異なるコリドラスを飼育する際には、できれば沈下性の小さな顆粒上の餌を使うのがお勧めです。小さな顆粒上のものであれば、水槽の底にバラバラに散らばりますので、餌を食べられない魚はいません。
生餌では、冷凍赤虫を使うのもお勧めですね。細かく分散してくれるので、小さなコリドラスも食べることができます。
異種で繁殖してしまう
異種での繁殖って、あまり無いように思えるのですが、コリドラスの場合には意外と起こってしまいます。
例えば、人気のコリドラス・パンダとコリドラス・ジュリーが交配して「コリドラス・ジュリパン」と呼ばれる品種が出来上がりました。
実際に、アクアリウムショップでもジュリパンが販売されているんですよ。
コリドラスは、同じ種類のコリドラスがいればまとまって泳ぐので交配が生まれてくる確率は下がりますが、複数のコリドラスを1匹ずつ飼育していると、交配が起こりやすくなります。
もし繁殖を目指しており、交配を望まない方は複数品種の混泳はさせないことが鉄則です。
隠れてしまうコリドラスが現れる可能性がある
上で記載したコリドラスの品種ごとの体格の違いに起因するところがあるのですが、たまに流木や石の下に隠れたまま出て来ないコリドラスがいます。
体格の大きなコリドラスに怯えるような仕草で、隠れてしまうことがあるのです。
実際に私の水槽でも、比較的体格の小さなコリドラス・パンダと中型のシュワルツィーを飼育していた時に、コリドラス・パンダの方が流木の下から出て来ずに隠れたままになってしまいました。
そのコリドラス・パンダは、実は最初に水槽に入れたもので、入れた当初は水槽の前面に出てきていたのですが、シュワルツィーを入れたら出て来なくなってしまいました。目には見えないコリドラス同士の縄張りや力の差が表れてしまった結果なのかもしれません。
そのため、コリドラスを複数品種飼育する時は、ほぼ同じタイミングで水槽に入れてあげたほうが良いかもしれません。確固たる理由は無いのですが、私の経験から一応お伝えしておきたいと思います。
細かい砂利を使って髭を保護
体格の大きなコリドラスに合わせて、下に敷く砂利を少しだけ大きなものにすることがあるかもしれません。
しかし、小さなコリドラスを混泳させる場合、小さなコリドラスの髭は少し弱いので、砂利の鋭利な部分で髭を傷つけてしまうことがあり、最悪の場合には髭が無くなってしまいます。
再生してくれる場合もありますが、コリドラスのチャームポイントでる髭を失うのは痛いです…。
コリドラスを飼育する時には、最も細かい砂利を選ぶようにしましょう。
複数種飼育する時の水槽サイズ
コリドラスを複数飼育するとなると、コレクションが増えてしまうという懸念があります。
私自身、最初はコリドラス・パンダのみを飼育していたのですが、コリドラスが気に入ってしまい、コリドラス・ジュリー、コリドラス・アガシジィ、コリドラス・シュワルツィー、コリドラス・ロクソゾヌス…と、どんどん品種を増やしてしましました。
1品種辺り1匹か2匹での飼育なのですが、それでも60cm水槽に15匹くらい入っています。正気、60cm水槽では15匹くらいが限界です。
コリドラスは意外と水槽内を動き回るので、お互いの距離を十分に保ち、ストレスのない環境にしてあげる必要があります。
私の経験ですが、30cm思想では中型のコリドラスで5匹か6匹くらい、60cm水槽では中型種を10匹~15匹が最大数だと思います。
この記事の最後に
コリドラスはとても温和な熱帯魚で、シグリッドのようにお互いに傷付けあうことはありませんし、ネオンテトラなどの他の熱帯魚に攻撃をすることもありません。
そのため、品種の異なるコリドラスから別の熱帯魚まで混泳が可能です。
ただし「混泳が簡単」というイメージで何も考えずに混泳させるのではなく、体格の違いや繁殖の注意点は覚えておく必要があると思います。
コレクション性の高いコリドラスだからこそ、上で紹介したような注意点に気を付けて「安心して」混泳をさせてあげたいですね。