コンゴテトラの飼育方法や特徴・注意点を実例で紹介

アクアリストであれば誰もが一度は飼育した経験があるであろう「カラシン科」の熱帯魚たち。

最も有名なのはネオンテトラやカージナルテトラであることは間違いないと思いますが、カラシン科にはそれ以外にも数多くの魚種がおり、全てを挙げるのは困難なくらいです。

カラシン科の魚の中でも、体長が約4cmから5cmくらいのものは小型カラシンと呼ばれ、10cm前後に成長するものが中型カラシンと呼ばれます。(アクアリウムの世界では大体そのくらいの体長で小型と中型が分かれておりますが、正式な区別については私は認識していません。)

小型のカラシンであれば、数十匹を群泳させることで非常に美しい水槽を演出することができ、逆に中型のカラシンであれば60cm水槽に3匹か4匹入れるだけでも存在感が非常に大きくなります。

そんなカラシン科の魚の中に、本記事で紹介する「コンゴテトラ」がいます。

アフリカのコンゴ周辺が原産となる体長約10cm~12cmの中型カラシンとなりますが、非常に綺麗な模様を持つことでも有名な品種です。

この記事では、実際にコンゴテトラ (オス2匹とメス2匹) を飼育している筆者の飼育方法や飼育する上での注意点などを紹介します。

実際に飼育してみて感じたことや分かった事なので、これからコンゴテトラを飼育しようと思っている方に少しでも参考になれば幸いです。

ただし、あくまでも一つの飼育例としてお考えいただければと思います。


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コンゴテトラの体の特徴について -美しい模様と長い鰭があるのはオス-

熱帯魚の本や雑誌で目にする鮮やかな色を持ったコンゴテトラですが、実は鮮やかな色を持つのはオスです。

メスも綺麗な魚体をしてはいるのですが、オスに比べて体側のカラフルな色合いが無いため、美しさの観点ではオスには敵いません。

下の写真がコンゴテトラのオスとメスを写したものになりますが、模様や鰭の大きさなどに明確な違いがあるのが分かるかと思います。

オスは背鰭と尻鰭が長く伸び、輝く体側の色が美しく、泳ぐ姿はとても優雅になります。

そのため、熱帯魚の図鑑にあるような美しいコンゴテトラを飼育したいのであれば、必ずオスを選ぶようにしましょう!間違ってもメスを購入してはいけませんよ!

熱帯魚は美しさを観賞するのが楽しみの一つであるため、どうしてもオスから最初に売れていきます。そのため、お店によってはオスが完売していてメスだけが売れ残っているようなところもあります。そのような場合には、オスを取り寄せてもらえないかお店に相談してみて下さい。

個人的には、オスとメスを複数匹ずつ飼育するのがお勧めです!

私もオス2匹とメス2匹を飼育しています。

コンゴテトラも他のカラシン科の魚と同様に群泳する本能があるので、水槽内でも群泳する姿を見せてくれますよ。

コンゴテトラの飼育水槽と管理方法 -筆者の水槽の実例-

では次に、実際にコンゴテトラを飼育している水槽について紹介しておきます。

2020年12月に4匹のコンゴテトラ (オス2匹, メス2匹) をお迎えして飼育を開始しました。

水草を植栽した水草水槽の中で、カージナルテトラやロージーテトラ等の小型カラシン科の魚と一緒に混泳させて飼育をしています。

以下が主要な水槽設備です。

・水槽サイズ…60cm水槽

・フィルター…外部フィルターのエーハイム2213

・水槽用ライト…アクロ製トライアングルLED

・ヒーター…コトブキ製 Two Way オートヒーター

コンゴテトラは約10cmのカラシンですので、60cm水槽よりも小さな30cm~45cm水槽でも飼育可能です。水槽が小さくなれば飼育できる魚の数が減ってしまいますが、飼育しようと思えば30cm水槽で2匹程度を飼育することはできるかと。

また、主な管理項目や水替え頻度などは次の通りです。

・水温…年間を通じて25℃前後

・pH…6~7で管理 (基本的に水替えでpHの調整)

・飼育水の入れ替え…週に1回か2回(水槽の1/3~1/2の水量を交換)

・フィルター清掃…3カ月に一度

・餌…朝1回のみ

基本的に、飼育設備も管理項目も全てカージナルテトラやネオンテトラ等の小型カラシン科の魚と全く同じだと考えて良いと思います。

私の飼育水槽では、2021年12月で飼育開始から約1年が経ちますが、病気についても一度も発生していない状況です。

その点では、アクアリウム初心者の方でも安心して飼育できる熱帯魚なのだと思います。


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口に入る大きさの人口飼料なら何でも良く食べます

コンゴテトラは、ネオンテトラやカージナルテトラに比べて体格が大きいため、口の大きさも大きくなります。

そのため、餌を与える際には混泳させている魚に合わせた人口飼料のサイズを選ぶ必要があります。

(コンゴテトラを基準に餌の大きさを選ぶと、混泳させている小型の魚が餌を食べれなくなる可能性あり)

我が家ではネオンテトラやカージナルテトラでも食べれる様な粒形がSサイズの人口飼料を複数種類用意して与えています。

具体的には「テトラ カラシン ベーシック」や「デル フレッシュフード」などです。時々「バイブラバイツ」も与えています。

浮上性・沈下性問わず、口に入る大きさの餌であれば何でも良く食べてくれます。

熱帯魚の中には気に入らない餌を全く口にしない品種もいるので、その観点ではコンゴテトラが餌を食べてくれないという心配をすることは無いと言えるかと思います。

水槽に植栽する水草との相性について

筆者がコンゴテトラを飼育している水槽は簡単な水草レイアウト水槽になりますが、水草を食べてしまわないか心配になる方もいらっしゃるかと思います。

実際に、熱帯魚の本では「コンゴテトラは水草を食べたり突っついてしまうことがある」という記載があったので心配していました。

しかし、私が飼育しているコンゴテトラ4匹については、水草を荒らすような仕草をほとんどしていません。

水草としては、前景草にショートヘアーグラスとストロギネ・レペンス、中景草にクリプトコリネ・ウエンティ・ブラウン、後景草にロタラとミリオフィラム・マトグロッセンセを植栽しています。

ロタラやミリオフィラムの葉は、コンゴテトラの口にも入ってしまう小ささですが、これらの水草についても、コンゴテトラの食害は全く起こっていません。

もしかしたら、コンゴテトラのお腹が空きすぎた時に水草が被害に合う可能性もありますが、約1年の飼育の中では特に大きな問題が出ているわけではないです。

もし、コンゴテトラによる水草の食害被害に合われた方がいらっしゃいましたら、コメント欄でその詳細 (水草の種類など) を教えていただけると幸いです。


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比較的大人しい魚なので他の魚との混泳は問題無し

コンゴテトラは、中型のカラシンとなりますが、とても温和な性格の持ち主です。

体格が大きくなると他の魚を攻撃したり、縄張りを主張するようなカラシン科もいますが、コンゴテトラはそのような種では無いです。

現在、私の管理する水槽ではネオンテトラ、カージナルテトラ、ロージーテトラ、レッドファントム、オトシンクルス、サイアミーズ・フライングフォックス等と混泳させていますが、全く攻撃的な様子がありません。

(最も気性が荒いのは、大きく成長したサイアミーズ・フライングフォックス…)

ですので、様々な小型の魚種と混泳が楽しめるのではないかと思います。

もし、今後の飼育の中で攻撃的な面が出てきたら、記事を更新して、その内容を追記したいと思います。

また、私が飼育した中で最も攻撃的なカラシン科の魚は、下の記事で紹介しているブルーリボンテトラですね。

【注意!】コンゴテトラのオスの背鰭・尾鰭は色んな魚に狙われる!

コンゴテトラのオスを美しく育てる上で欠かせないのが、長く伸びる背鰭と尾鰭です!

下の写真の様に、背鰭と尾鰭が綺麗に伸びたコンゴテトラは、本当に見ごたえ十分な個体となります。

ただ、ここまで綺麗な個体に仕上げるのは、非常に難しいのが現状だと感じることが多々あります。

単独飼育すれば美しく伸びていくのかもしれませんが、他の魚と混泳させると、それが原因で鰭が傷付く可能性があります。

ここでは、我が家の水槽で起こったコンゴテトラの背鰭・尾鰭のトラブルを紹介します。

オス同士だけでは無くメスもオスの背鰭・尾鰭をかじる

まず最初に、メスのコンゴテトラがオスのコンゴテトラの背鰭・尾鰭を噛んだりかじったりしてしまうということです。

コンゴテトラの場合、オスの方が体格が少し大きいので、メスはオスに対して遠慮しがちになるのかなぁ…と思っていたのですが、そんなことはありませんでした。

オスの背鰭や尾鰭の動きは、多分食べ物の様に見えてしまうのかと思いますが、メスがオスの鰭をかじってしまうんです…。

特に、オスとメスが群泳している時、オスの鰭が運悪くメスの目の前に来ると、メスが口でかじります…。一瞬の事なのですが、回数が重なるとオスの鰭はどんどん傷ついていきます。

そのようなこともあり、我が家のコンゴテトラのオスは鰭がなかなか伸びません…。

下にその例を写真でアップしておきます。

左の写真は鰭が伸び始めていた時の様子、右の写真は10日後くらいの様子ですが、伸びていた背鰭と尾鰭が消えていることが分かるかと思います。

カージナルテトラやロージーテトラにも鰭を狙われることも (実際に起こっています)

上の例では、コンゴテトラのメスがオスの鰭をかじってしまうことを紹介しましたが、実はコンゴテトラのオスの鰭は他の種類の魚にとっても餌に見えるようです。

私が水槽を眺めていた時のことですが、カージナルテトラがコンゴテトラの鰭をかじる瞬間を見たことがあります。1年間の飼育で、その光景を2度、目の当たりにしました。

ですので、実際には頻繁にカージナルテトラにもかじられているのではないかと思います。

また、コンゴテトラのオスと同じ様に背鰭が伸びるロージーテトラも、コンゴテトラのオスの鰭をかじったことがありました。

つまり、コンゴテトラのオスの鰭は様々な魚から狙われているということなのですね…。

美しい背鰭・尾鰭を維持するには単独飼育または大きな水槽が必要かも…?

コンゴテトラの飼育を開始した時には、綺麗な鰭を長く伸ばしたいという希望を持っていました。

しかし、一向にヒレは伸びず、傷ついて短くなるばかりです。

原因は、上記の通り、他の魚にかじられているのが原因なのですが…。

ということで、コンゴテトラのオスの鰭を綺麗に伸ばすには、飼育環境の改善は必須だと感じています。

例えば、飼育する魚の数を少なくしたり、単独飼育に移行すること。

また、水槽のサイズを大きくして魚の密度を減らすことも重要かと思います。

もし読者の皆様の中に、コンゴテトラのオスの鰭を綺麗に伸ばすことが出来ている方がいらっしゃいましたら、その具体的な方法を教えてもらえると幸いです。

コンゴテトラはこんな方にお勧め!

「コンゴテトラは、どのような方にお勧めできるか!?」という問いについて考えてみます。

コンゴテトラは、上述の通り、飼育の難易度が低い品種だと思いますので、初心者の方でも飼育は可能だと思います。

その意味では、アクアリウムの初心者さんにお勧めできる品種です。

ただ、それだと味気ない回答なので、もう少し考えてみると…

水槽で小型カラシン科の熱帯魚 (ネオンテトラやカージナルテトラ) を飼育していて、水槽のメインとなる熱帯魚を欲しいとお考えの方にお勧めです。

ネオンテトラやカージナルテトラは、群泳させることで美しい水景を演出してくれる熱帯魚になります。もちろん、それだけで水槽の主役になることが出来るのですが、やはり魚体は小さいので「もうちょっと大きめの熱帯魚を入れたいな…」と思う方も多いはず。

そんな時には、この記事で紹介したコンゴテトラがお勧めです!

コンゴテトラは、比較的有名な品種なので、どのアクアリウムショップでも取り扱いがあると思います。

また、過去の記事になりますが、ロージーテトラも水槽の主役としてお勧めできる熱帯魚です。

この記事の終わりに

この記事では、中型カラシン科の熱帯魚である「コンゴテトラ」の飼育方法や飼育時の注意点などを、筆者の飼育経験から紹介させていただきました。

コンゴテトラは体長が10cmクラスに成長するカラシン科の熱帯魚のため、小型カラシン科のネオンテトラやカージナルテトラに比べて見応えがある魚となります。

特にパステルカラーの美しい体側と長く伸びる鰭を持つオスは、60cmクラスの水槽ではメインフィッシュとして飼育が楽しめると思います。

コンゴテトラは温和な性格の持ち主ですので、小型の魚と混泳させてもトラブルは全く起きていません。(温和であるが故に、逆に小さな魚に鰭をかじられることが…)

既存の水槽に少し見応えのある熱帯魚を追加したいとお考えの方は、コンゴテトラを候補に入れてみてはいかがでしょうか?

ただし、購入の際にはオスとメスの違いには注意してくださいね!美しい魚体が楽しめるのはオスです!

では!