ブセファランドラ輸入時の検疫強化と輸入一時停止について

淡水アクアリウムの耐陰性水草として人気の「ブセファランドラ」ですが、日本に輸入される際のインドネシアでの検疫強化が決まったとのことです。

原因は「バナナネモグリセンチュウ」という寄生虫が、インドネシアから輸入されたブセファランドラに付着していたこと。

ブセファランドラの日本への輸入が禁止になるわけではありません。しかし、日本へ輸出される際の検疫が強化されることによって輸出量が減り、日本での入手が困難になり、価格が高価になる可能性もあります。

また、直近でも、インドネシアで検疫合格した植物を日本で検査したところ、バナナネモグリセンチュウが立て続けに検出されました。これを受け、2020年11月11日以降、ブセファランドラやアヌビアス等のインドネシアからの輸入が一時的に停止するとのことです。

この記事では、ブセファランドラの検疫の強化および輸入の一時停止について記載したいと思います。


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ブセファランドラの検疫が強化された理由

ブセファランドラの検疫が強化された理由は寄生虫の存在が発覚したことです。

その寄生虫は「バナナネモグリセンチュウ」という名前なのですが、その名の通り、バナナをはじめとする様々な植物の根に寄生して植物から養分を吸収します。これにより、植物の病気の原因となったり、植物の根腐れが起きたり、植物が枯れてしまう原因を作る寄生虫となります。

このバナナネモグリセンチュウですが、日本では現在は存在がほとんど無いと言われており、検疫によって海外からの侵入を防げていることになります。

しかし、ブセファランドラの検疫でバナナネモグリセンチュウの存在が発覚したことによって、ブセファランドラの検疫強化が行われることとなりました。

【速報】2020年11月11日以降は当面の間、ブセファランドラの輸入が止まる

農林水産省のHPを確認をしましたが、今後ブセファランドラの輸入が禁止されるわけでは無いですが、2020年11月11日以降、一時的にインドネシアからの輸入の停止措置が行われるとのことです。

コチラのPDFを参照ください → 農林水産省のお知らせ

インドネシアの検査証明が添付された植物を日本で検査したところ、立て続けにバナナネモグリセンチュウが出てきたことが原因とのことです。つまり、インドネシアでの検査が検査になっていなかったといことかと。

ブセファランドラだけではなく、アヌビアスやアンスリュームと言った、アクアリウムや観葉植物に関連深い植物もインドネシアからの輸入が止まります。

この輸入の停止措置については、検疫検査によって確実にバナナネモグリセンチュウが検出されない状態にならないと解除されないものと思われます。

この規制が解除された時には、この記事でも情報を更新したいと思います。


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検疫強化は日本の環境を守るため

水草や魚の検疫強化は、私達アクアリストにとってアクアリウムの楽しみの幅を狭めてしまうことになるものになる可能性があります。

しかし、それと同時に日本と言う国が守ってきた固有の生体や日本の産業・農業を守ることになる大切なものでもあります。

日本に存在しなかった寄生虫が日本に入ることで、その寄生虫に対して免疫の無い生物や植物にとっては致命的なものとなる可能性もあります。

また、今回のバナナネモグリセンチュウについては植物の根に寄生することから、日本の農業に影響を与える可能性が出てきます。

アクアリウムに用いられるブセファランドラと農業が関係あるの?と思われるかもしれませんが、寄生虫や病原菌と言うのはどのような経路で侵入するかが分からないのです。

そのため、輸出と輸入に関わる検疫によって、そのような寄生虫や病原体が日本に入ること自体を防ぐ必要があります。

ブセファランドラの検疫強化はインドネシアで輸出前に行われる

今回のブセファランドラの検疫の強化は、日本にブセファランドラを輸出するインドネシアで行われるということです。

インドネシアの国内でブセファランドラの検疫が行われ、検査に通過したという証明書が無いものは日本国内へ輸出することができなくなります。

これまでも、インドネシアでは日本への輸出前にブセファランドラの検疫が行われてきましたが、その検疫のチェック項目の中にバナナネモグリセンチュウが追加されます。

ですので、日本に向かう航空機の中にバナナネモグリセンチュウが混入する可能性もゼロに近くなりますので、我々も安心して輸入されたブセファランドラを水槽に入れることができるのです。

しかしながら、100%の確率で寄生虫や病原体の日本への輸出を防げるかと言うと、それは難しいと思います。ブセファランドラの輸出量は、日本のアクアリウムでの人気上昇と共に多くなり、その検査数も増加します。完璧に検査できているつもりでも、100%にならない部分はどうしてもあるはずです。

例えば、日本の食品についても、日本の高い技術力で異物混入を防いでいますが、それでも異物混入のニュースを聞くことがあります。つまり、高い精度を持った検査を持ってしても、寄生虫の国内への侵入を確実に100%にすることは難しいのです。


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日本でのブセファランドラ入手への影響

では、今回のブセファランドラの検疫強化は、国内での入手や栽培についてどのような影響があるのでしょうか?

入手が難しくなる可能性

まず、冒頭でも少し述べましたが、入手が難しくなる可能性は否定できないと思います。

もともと、日本へ向けて出荷する予定であったブセファランドラが、インドネシアの検疫で不合格になった場合、そのブセファランドラの輸出が不可能になります。

つまり、検疫の強化は日本国内で流通するはずであったブセファランドラの量を減らす方向にしか働かないのです。

ブセファランドラには、様々な種類があり、稀少性の高いものは今でも入手が困難な品種が多数あります。しかし、検疫のハードルが高くなるということは、より入手の困難さを上げることになるのだと思います。

もしかしたら「幻のブセファランドラ」と呼ばれる様な品種も出てくるかも?

価格がさらに高価になる可能性

入手の困難さが上がる、そして稀少性が高くなるとなると、確実に価格は上がると思います。

現在、国内で入手できるブセファランドラは、アクアリウムショップで購入すると少なくとも1株で1,000円から3,000円くらいの価格で流通しています。

他の水草に比べたらかなり高価だと思います。国産の水草であれば、1ポットで400円くらいで入手できるので、その数倍の価格になります。

インドネシアからの輸出量が減れば、この価格がさらに高騰することは避けては通れないのかと思います。

今のうちに、ブセファランドラを購入して、自宅で大切に育てて株分けで増殖させるような事をしておいた方が良いのかもしれませんね。

栽培の禁止はありません

現時点で、国内に流通しているブセファランドラについては販売することが禁止されるわけではありません。また、現在栽培中のブセファランドラが栽培禁止になるわけでもありません。

ですので、この記事を投稿している2020年11月の時点で、今すぐに何か対応をしなければならないというものは無いはずです。

敢えて言うならば、現在栽培中のブセファランドラは枯らさないように大切に育てることかと思います。また、欲しいブセファランドラの品種があれば、探して入手しておく方が無難になるかもしれません。

この記事のまとめ

この記事では、淡水アクアリウムで人気の水草「ブセファランドラ」の輸入の規制および検査の強化について紹介をさせていただきました。

① ブセファランドラの検疫強化が決まったのは、バナナネモグリセンチュウという寄生虫がブセファランドラから検出されたためです。

② 直近の輸入に置いて、インドネシアで検疫合格した植物を日本で検査したところ、その植物から立て続けにバナナネモグリセンチュウが検出されました。これを受け、インドネシアから輸入されるブセファランドラやアヌビアスと言った水草の輸入が一時的に停止措置を受けることになりました。

③ 一時的なブセファランドラの輸入の停止は、2020年11月11日から始まります。そして、確実にバナナネモグリセンチュウの侵入が防げることを確認できるまでは輸入の停止解除は行われないと思われます。

本件については、状況が変わり次第、本記事でも情報を更新していきたいと思います。