真の初心者向け熱帯魚はコリドラスで間違いない

*この記事は熱帯魚初心者の方向けの記事となります。

熱帯魚ショップに足を運ぶと、水槽の前に「初心者でも安心!」というタグが取り付けられた熱帯魚を見かけることがあります。

「初心者向け」という言葉をどう定義して使うかにも依るのですが、本当に初心者向けなのか?初心者でも安心して育てられるのか?という点には疑問があります。

初心者の方が実際に飼育してみて失敗をしてしまったら、それは初心者向けの熱帯魚では無かったのかもしれません。

水質や餌に加えて、飼育する水槽の大きさのも考慮する必要があるとなると、初心者にとっては相当神経を使うことになりますし、熱帯魚飼育に対する敷居が高くなってしまうように思えます。

私自身、アクアリウムに復帰した当時は「初心者」に毛が生えたような知識レベルで始めたので、熱帯魚ショップに並ぶ魚たちは全て「飼育が難しそう」という敷居の高さを感じていました。

しかし、「コリドラス」だけは本当の意味で初心者でも安心して育てられる魚だと思います。私もコリドラスを多く飼育していますが、今まで老衰以外でお星様になるようなことを経験していませんし、数年単位で飼育を出来ています。

この記事では、私が考える真の初心者向け熱帯魚であるコリドラスについて、その理由を紹介していきたいと思います。


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コリドラスは種類も豊富で品種選びが楽しい

熱帯魚を飼育することを決めて、水槽を購入し、フィルターもある程度立ち上げたら、次は飼育する魚を熱帯魚ショップに選びに行く段階ですね。

色とりどりの熱帯魚の中からお気に入りの魚を探すのは、何年アクアリウムをやっていても、一番楽しい時間だと思います。

できれば全部連れて帰りたいけど…と思うことも多々あります…(笑)

熱帯魚には同じ科目に属する魚の中に、様々な種類がいるものがあります。例えば、ネオンテトラに代表されるカラシン科の魚にはカージナルテトラやグリーンネオン等も含まれ、同じ形・同じような大きさの魚でも色や模様を好みで選ぶことができます。

コリドラスも同じです。コリドラスの種類は非常に豊富で、熱帯魚として出回っている種類だけでも100種類以上あると言われています。

色が白いものや鼠色のもの、黒いラインが入ったもの、斑点が入ったもの…本当に種類が方で品種選びに迷うくらいです。それだけ種類が豊富であり、選ぶ楽しみが一気に増しますし、コレクション性も高くなります。

これは熱帯魚を選ぶ上で大事な要素だと思います。コリドラスはお子さんも気に入る熱帯魚だと思うので、家族みんなで楽しみながら選ぶ楽しみを与えてくれると思いますよ。

コリドラスが真の初心者向け熱帯魚である理由

ここからはコリドラスが初心者向けの熱帯魚である理由を私の経験から御紹介していきたいと思います。

水質変化に強い

コリドラスはナマズの仲間になるのですが、水質の変化にかなり強い魚です。

特に「国内ブリード」と記載のあるコリドラスは、国内で繁殖された魚になるので、日本の水質にもある程度慣れています。

そのため、自分の水槽に入れる際の水合わせに失敗することは少ないですし、水槽の水替えの際も多少水質の変化が大きくなるようなことになっても、それが原因でお星様になることは稀です。

水質が合わなかったり、水合わせに失敗すると挙動不審になるような魚もいるのですが、私のコリドラス飼育の経験の中で、そのような状態になったコリドラスは皆無です。

ただし、コリドラスのタグに「WILD」と記載があるものは、アマゾン川などから野生のコリドラスを採取してきた魚になるので、すこし水質には気を遣う必要があると思います。

好き嫌いなく人口飼料を食べる

コリドラスの餌ですが、はっきり言って、沈下性の餌であれば何でも食べます。

顆粒上の餌やコリドラスタブレットと言われるタブレット状の餌、また冷凍赤虫も大好きです。

この傾向はどのコリドラスでも変わることは無く、全てのコリドラスが同じ餌を食べてくれるので、餌を別々に用意するという手間もありません。

底に餌が沈んでくると、隠れていたコリドラスたちが餌を求めて出てくる姿はとても可愛いですよ。底に砂を敷いておくと、口先を砂の中に突っ込んで餌を探すのですが、その姿は相当可愛いです。私も最初にコリドラスを飼育した時は、その姿を見たくて水槽に細かな砂利を敷きました。

他の魚を攻撃しない

コリドラスはとても温厚な魚で、他の魚を攻撃することはありません。

よく水槽の中で縄張り争いや小競り合いが起こる魚を見かけるのですが、コリドラスに至ってはそのような姿を見た覚えが無いです。

「口が下を向いており、鋭い牙や強い顎も無いので他の魚を攻撃するようなことができない」というのが正しいのかもしれませんが、混泳相手を選ばないということはとても優秀なポイントだと思います。

また、種類の異なるコリドラスを同一水槽で混泳させても喧嘩が起こることはありません。

喧嘩をしているコリドラスがいるのであれば、一度見てみたいと思うくらい温厚です。

他の魚から攻撃を受けにくい

実はコリドラスは他の魚から喧嘩を売られることもありません。

棲んでいる層が底層になるので、中層~上層を泳ぐ魚たちとは生活水域が異なります。

そのため、他の魚の標的になることは無いのです。

餌の時間にコリドラスが底に落ちた餌を食べていても、その餌場を横取りしてくるような魚も、今までに見たことがありません。

他の魚種では喧嘩や小競り合いは日常茶飯事だったりするんですけどね…。

例えば、シグリッド科に属するエンゼルフィッシュとラミレジィという魚がいるのですが、この2匹は喧嘩が凄かったです。餌の奪い合いで喧嘩をして、縄張り争いで喧嘩をして…今思えば、シグリッド科は喧嘩が絶えないので同一水槽で飼育してはいけなかったんですけどね…。

難しい水草水槽も必要無し

近年のアクアリウムの一つのジャンルでは、水草を綺麗に育成した「水草水槽」や流木や石などを利用した「レイアウト水槽」が人気です。

しかし、初めて熱帯魚水槽を立ち上げる方や、お子さんと熱帯魚を楽しむ方からすると、アクアリウムショップに置いてるような、そのような難易度が少し上がる水槽はちょっと敷居が高くなります。

しかし、コリドラスにとっては、水草水槽は必要ありません。

細かい砂利が敷いてあり、底に流木や水草 (アヌビアスやミクロソリウム) が少し入っているようなシンプルな水槽の方が、コリドラスにとっては住みやすいのです。

コリドラスは生まれ故郷のアマゾン川流域では泥や砂利の上で生活をしており、水草の上で生活をしているわけではありません。そのため、キューバパールグラスやグロッソスティグマが敷き詰められた水草水槽は、住みにくい環境になるのだと言えます。

「底層に棲む魚」としてお勧めできること

熱帯魚ショップに並ぶ魚を見た時、どの魚も概ね水槽の中の表層から中層辺りを泳いでいる魚が最初に目に入ってくると思います。

例えばネオンテトラやラスボラなどの小型の熱帯魚であれば中層を泳ぎますし、アフリカン・ランプアイのようなメダカの親戚は表層を元気に泳ぎ回ります。

そして、熱帯魚ショップの水槽の底に目をやった時、そこに泳いでいる魚って何を想像しますか?

日本の淡水魚ですと、ドジョウやドンコ、そしてカジカなどが頭に浮かぶかと思いますが、熱帯魚ではそれがコリドラスになります。

プレコも底に棲む魚としては有名ですが、元気一杯に水槽を泳いで楽しませてくれるという観点ではコリドラスに軍配が上がります。

水槽を立ち上げて、いざ魚を入れると中層を泳ぐ魚は多くいると思うのですが、底層が寂しくなりがちになります。その時、コリドラスを入れるだけで底層が賑やかになり、表層から底層まで魚が泳ぐ水槽を作ることができます。

コリドラスは熱帯魚の世界では底層魚の地位を完全に確立しており、他の底層魚の追随を寄せ付けない存在です。そのため、流通量も多く、気に入ったコリドラスを探すという楽しみや、コレクションという楽しみも与えてくれる熱帯魚界にいなくてはならない存在です。


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実は繁殖の敷居も低い

コリドラスは、国内ブリードされた品種であれば繁殖の敷居が低いです。

私の管理している水槽でも、何度も産卵をして稚魚の育成を経験してきました。

産卵に向けて特別なことをする必要は無く、知らぬ間に水槽の中に卵が産みつけられています。

コリドラスの産卵に関しては、下の別の記事でまとめているので、もしお時間あればそちらもご覧ください。

筆者お勧めのコリドラス

私の大好きなコリドラスを3種類御紹介します。

国内ブリードされたものが出回っているので、比較的容易に入手でき、価格も千円以下で手に入るものです。

その中でも鑑賞していて楽しい&飼育が楽しい3種類です。

コリドラス・パンダ

コリドラス・パンダは、コリドラス界で最も人気のある品種だと思いますね。

子供から大人にまで人気ですし、初めてコリドラスを飼育する方は、このコリドラス・パンダから飼育を始める人も多いのではないかと思います。私自身も、コリドラス・パンダからコリドラスの飼育を始めました。

大きさも最大で4cmくらいですので、小さな水槽で飼育することも可能です。

熱帯魚ショップには必ず置いてある品種だと思いますし、もし置いてなかったら、その時は売り切れなんだと思います。

コリドラス・シュワルツィー

私が最も好きなコリドラスが、このコリドラス・シュワルツィーです。

黒い斑点が連なって作る体側のライン、頭の部分からエラにかけての黒いライン、そして尻尾にまで模様が入るカッコ良さです。

多くのコリドラスを飼育してきましたが、もっともコストとカッコ良さの両立が出来ている品種だと思います。

最大でも5cmか6cm位なので、中型のコリドラスに分類されます。

また、正面から見ると体の幅が他のコリドラスよりも広く、体格ががっちりしている印象もあります。

コリドラス界えは「シュワちゃん」と呼ばれていることが多いです。

ただし、コリドラス・パンダに比べると流通量が少し落ちるというイメージがあり、店舗に置いてないことがあるかと思います。

コリドラス・シュワルツィーには、背びれが長く体格も一回り大きくなる「スーパーシュワルツィー」という品種もいますが、価格が一桁跳ね上がるので、コリドラス飼育に慣れてから検討してみても良いと思います。

コリドラス・アガシジィ

コリドラス・アガシジィは、身体の水玉模様が可愛いコリドラスです。

コリドラスはカッコいいというイメージがあった熱帯魚だったのですが、このコリドラス・アガシジィを見た時には、率直に「こんなに可愛い模様のコリドラスがいるんだ…」と思いました。

私の家では、子供が模様を気に入って、お迎えすることになったコリドラスです。大きさもシュワルツィーと同じく最大で5cm位です。


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この記事の最後に

この記事では、私が「真の初心者向け熱帯魚」であると思うコリドラスについて、その理由や特徴を細かく紹介させていただきました。

「初心者向け」という言葉の定義が難しいですが、総合的に考えて

① ショップで購入して家の水槽に入れた時の生存率が高い

② 他の魚に影響を与えない (攻撃しない)

③ 餌をほとんど選ばない

④ 水質にうるさくない

という観点で、誰でも失敗することなく飼育できる熱帯魚だと思います。

そこまでアクアリウムに詳しくなかった私が、今まで自分のミスでお星様にしたことが無いという点からも、本当の意味で強い魚なんだと思います。