レインボースネークヘッドの成長速度を実測

蛇に似た頭部を持ち、細長い体型が特徴の熱帯魚「スネークヘッド」。

主に東南アジアを原産地とする熱帯魚であり、独特な模様を持つ品種や鮮やかな発色をする品種があるため、アクアリウムでも大変人気となっています。

特に、最大体長が30cmに満たない小型のスネークヘッドは、25cm~60cm程度の水槽でも飼育が可能であり、大型水槽を用意する必要が無いため飼育を始める敷居も低くなります。

(スネークヘッドと言うと日本の池や河川に生息する「雷魚 (最大体長 約1.0m) 」をイメージする方も多いと思いますが、アクアリウム業界で人気のスネークヘッドは小型の品種も多いです。)

また、原産地ごとに色や模様の違いがあり、コレクション性が高いことも人気の理由となっています。

そんな小型のスネークヘッドですが、飼育を始める前に成長速度がどの程度なのか、気になる方は多いのではないでしょうか?

あっという間に成魚になるのか? それとも、数年くらいかけて成魚になるのか?

この記事では、小型のスネークヘッドの中でも最も有名な「レインボースネークヘッド」を例に取り、成長速度の測定結果を紹介したいと思います。

(飼育開始から半年間の成長を記録しておりますが、引き続き情報をUpdateしていきたいと考えております。)

【注意点】本記事で紹介するレインボースネークヘッドの成長速度は、筆者の飼育環境・飼育方法での例となります。成長速度は飼育環境によって変化しますので、あくまでも参考例としてお考えいただけましたら幸いです。


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成長速度を測定したレインボースネークヘッドについて

本記事で成長速度を紹介するスネークヘッドですが、筆者が近くのアクアリウムショップで購入したレインボースネークヘッドとなります。

レインボースネークヘッドは、アクアリウム業界において、美しいスネークヘッドの人気に火をつけた立役者としても有名な品種です。

体長は最大でも20cm程度 (15cmくらいの成魚が多い印象) であり、幼魚の時期は小型の水槽でも飼育が可能な小型のスネークヘッドです。

レインボースネークヘッドの価格ですが、一般的には体長によって変わるという認識です。幼魚であれば1,500円~2,000円程度、少し体格が良くなれば2,500円~3,000円程度です。(筆者は2,000円で購入しました。)

下の写真が購入当時の写真となりますが、まだ体の発色が全く進んでおらず、レインボーとは言えないような幼魚です。購入当時で体長が5cmでした。

レインボースネークヘッドの飼育環境の詳細

レインボースネークヘッドの飼育環境についても紹介をしておきます。

飼育開始当時は、上記の通り5cmの小さな幼魚でしたので、25cm規格の水槽で飼育を行いました (次の写真参照) 。

水温 … 24℃ (冬はヒーターを使用して温度調整)

フィルター … 壁掛けフィルター (GEX製)

換水頻度 … 3日に1度、水槽の半分の水量を交換

底層 … ADAのラプラタサンドを使用

スネークヘッドは上鰓器官を持っているため、酸素を空気から直接取り入れることが出来ます。そのため、フィルターを使わなくても飼育が可能であると言われる場合もあります。

しかし、生物濾過を行うためにはフィルターは必須になるので、必ずフィルターは設置してあげたほうが良いです。

また、餌の種類はスネークヘッドの成長速度や体の発色に大きく影響を与えると言われています。その点については、次の見出しで記載することとします。


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与えた餌について (様々な餌を用意)

熱帯魚に与える餌の考え方 (種類や回数) については、アクアリストの皆様一人一人にやり方があり、それぞれ異なると思います。

私の場合ですが、スネークヘッドの食性に合わせて、様々な餌をローテーションさせて与えていきました。

自然界に生息するスネークヘッドは、カエル・エビ・昆虫・小魚・小型の動物 (マウスや小鳥) 等を捕食しています。つまり、様々なものを食べる雑食的な面もある魚であると言えます。

レインボースネークヘッドは、小型のスネークヘッドなのでマウスや小鳥を捕食することは無いかと思いますが、小型のエビやカエル、小魚などを捕食します。

そのため、与える餌は1種類に限らず様々な餌を与えて、色々な栄養素を補給させるようにしていました。

具体的には、下の写真に写っている人口飼料をローテーションさせて与えていきました。(金魚の餌2種類、DELフレッシュフード、コリドラス用のタブレット、VIBRA BITES)

これらの人口飼料に加えて、冷凍赤虫と近くの河川で捕獲した小型のヌマエビ (スジエビ) も生き餌として与えています。

餌を与える頻度ですが、朝と晩の2回に分けて、適切な量を与えていました。

スネークヘッドの餌の適量を知るのは少し難しいですが、餌を与え過ぎるとお腹が膨らんで泳ぎにくそうな状態になります。その状態は餌の与えすぎ言えるかと…。

また、スネークヘッド全般に言えることですが、非常に大食漢という特徴があります。そのため、可愛いからと言って餌を与え過ぎると太ってしまいます。

餌の与えすぎは消化不良などの体調不良を誘発する可能性があるため、体長に合わせた量を考えながら与える必要がありますね。

成長速度の測定方法について

続いて、成長速度の測定方法についても簡単に紹介しておきます。

レインボースネークヘッドは、懐いてくると餌の時間には水槽の前面に出てきてくれるようになります。

その餌のタイミングで、下の写真に示すように、物差しを使って体長を定期的に測っていきました。

体長測定の精度をより上げるためには、水槽から網ですくって体長を測定すべきですが、鰭が傷ついてしまうのも嫌なのでこの方法を使いました。

そのため、1mm~2mm程度の誤差は含まれてしまっているとお考え下さい。

スネークヘッドは基本的に泳ぎがゆっくりで、人が水槽の前面に現れても逃げずにどっしりと構えてくれているので、この方法でも体長測定はしやすいです。(カラシン科の魚などの体長測定には、この方法は使えませんね…)

体長を測定した期間ですが、飼育開始から約6カ月間となります。


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レインボースネークヘッドの成長速度の測定結果

では、実際にレインボースネークヘッドの成長速度を測定した結果を紹介していきます。

下のグラフは、横軸が飼育日数、縦軸がレインボースネークヘッドの体長となります。

購入時は5cmと小さな体格でしたが、半年後には約10cmまで成長しています。

単純計算で体長が半年で2倍になりましたので、とても成長速度が速い魚であることがわかりますね。

また、成長の特徴としては、飼育開始当初の方が成長が速く、徐々に成長速度が落ちついてくるような曲線になっていることもわかります。

人間もそうですが、幼少期はぐんぐん成長して、年を重ねて最大体長に近付くに従い、成長速度が落ちてくるような感じです。

レインボースネークヘッドは最大体長が15cm~20cm程度ですので、このまま成長すれば約1年半~2年くらいで立派な成魚に近付くようなイメージかと思います。

レインボースネークヘッドは成長とともに色が美しくなる

レインボースネークヘッドの稚魚をアクアリウムショップで見た時、「どこがレインボーなんだろう?」と疑問に思ったことがあります。

稚魚・幼魚の時は、体側に模様がありますが、体の色は黄土色のため、お世辞にもレインボーとは言えない状態です。

下の写真で飼育開始直後の写真を見てもわかると思いますが、鮮やかな色はほとんどありません。

しかし、飼育を開始して成長が進むと、徐々に青みがかった発色が始まっていることが分かります。

体色の発色に関しては、与えている餌の種類も影響していると思われますが、栄養価のある人口飼料や赤虫などを与えていれば問題無く色は出てくるはずです。

ただし、模様や色の強さについては、採取された場所や個体差が大きく影響します。ネオンテトラやカージナルテトラの様に全てが同じように見える訳でもないので、少し模様や発色が悪くとも、それが個性だと思って可愛がってあげて下さいね。

大切に育てていく過程で、どんどん体色が鮮やかになってくるので、育てていて本当に喜びを感じますよ!

この記事の終わりに

本記事では、レインボースネークヘッドの成長速度を測定した結果や、飼育方法の詳細を紹介させていただきました。

スネークヘッドと言うと大型魚のイメージがあるかと思いますが、レインボースネークヘッドの様な小型のスネークヘッドも多く、その成長速度はそこまで速いわけではありません。

今回の例では、5cmの稚魚が約半年の飼育で約10cm程度に成長しました。

また、美しい模様を持つスネークヘッドは、稚魚の段階では体の発色が悪いものも多いですが、成長とともに体の色が仕上がってきます。

その発色の変化を見るのも、飼育する楽しみの一つだと感じます。

これから小型のスネークヘッドの飼育をお考えの方に、参考になるデータとなれば幸いです。

小さなスネークヘッドは30cm水槽でも飼育が可能ですので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか!?

では!