芦屋川で外来種の熱帯魚(ゼブラダニオ)を捕獲…熱帯魚の放流は止めよう!

以前の記事で、芦屋市を流れる芦屋川に生物採取に行き、川エビやヌマエビがたくさん捕れたことを記事にさせていただきました。

その記事では、国道43号線よりも南側の場所で川エビを採取したのですが、同じ日に同じ芦屋川で、少し北上した場所でも生物採取をしていました。

そこで、何と日本に生息するはずの無い外来種の熱帯魚を網で捕獲しました…。

自分のブログでネット上にアップすることを躊躇ったのですが、やはり注意喚起はすべきと思い、記事にすることにしました。


Advertisement

外来種の熱帯魚を採取したポイント

芦屋川に生物採取に行ったとき、川エビの採取以外にも目的がありました。

芦屋川には初めて行くので、どのような生物が住みついているのかを知りたかったことです。

冒頭で紹介した別記事の中では、芦屋川の下流域では川エビを主として、ヨシノボリなども多数採取できたのですが、オヤニラミなども生息している情報を聞き、調査範囲を北の方まで広げてみました。

実際には国道43号線からさらに北上して、芦屋市役所の目の前のあたりまで観察範囲を広げてみました。

この場所も、川に降りることが出来る場所があり、生物採取をすることが出来ます。また、芦屋市役所の地下にはコインパーキングもあるので、駐車場に困ることもありませんでした。

阪神本線の芦屋駅のすぐ南側になるので、車ではなく電車でアクセスることもできる場所です。

芦屋川で捕獲した熱帯魚はゼブラダニオ

その芦屋駅前の芦屋川で生物採取をしていた時の事です。

川エビを捕まえるのと同じように、魚とり網で川の中を探っていたのですが、日本の川では見かけない不思議な模様をした魚を捕まえました。

ただ、どこかで見たことがある模様で…ゼブラダニオ??と思い、直ぐにスマホで検索をしました。

確かにゼブラダニオです…。

下の写真が捕まえたゼブラダニオの写真なのですが、熱帯魚を飼育されている方であれば、見覚えのある魚体だと思います。

捕まえた時は、びっくりしましたね…

熱帯魚の違法放流の問題は知っていましたが、自分で日本の川で熱帯魚を捕まえることは初めてでした。

「え?これは新種?」と見間違ってしまったくらいです。

しかも、捕まえたのは1匹では無いんです。1匹目を捕まえた後に、続けて近くの場所を散策していると、次から次へと出てきます。

次の写真が2匹目のゼブラダニオ…

次の写真が3匹目のゼブラダニオ…

どんどん捕れるんです…ショッキングな時間でした。

テレビの報道で放映されている熱帯魚の違法放流と言うのを自分の目で、自分の手で体験することになる日が来るとは思ってもみませんでした。

ゼブラダニオは他の魚を襲って食べるような獰猛性は無いのですが、日本の魚と縄張り争いをするようなことはあるので、日本の生態系に影響が出てしまう可能性があります。

今回採取した3匹は、本当に残念ですが、日本の生態系を守るという意味で処分させていただきました。

飼えなくなった魚を近くの川に放流することは、「優しさ」ではありません。生態系を壊す可能性が高い「やってはいけない行為」なのです。

発見したのは上述の通り芦屋市役所の前の場所でしたが、さらに探せばもっとたくさんのゼブラダニオが出て来たかもしれません。

多分、ゼブラダニオを放流した人は一度に複数を放流したんだと思います。


Advertisement

飼育できなくなったら熱帯魚店や水族館にも相談する

様々な事情でペットの飼育が出来なくなることはあります。

熱帯魚だけではなく、犬や猫も同じです。

しかし、飼育できなくなった時に自然に放つ行為は絶対にやめましょう!

当たり前のことで、誰もが分かっていることだと思うのですが、一部の方がそれを破ってしまうことが本当に悲しく思います。

熱帯魚を飼育できなくなった時には、近くのアクアリウムショップや水族館などに相談するか、同じようにアクアリウムを楽しんでいる方に相談する等の方法を取ってください。

各種相談先に相談をして、結局引き取り手が無く、やむを得ず川に放流してしまうと言こともあるかと思いますが、それは無責任な行為だと思います。

今回の芦屋川の訪問で私が捕獲したのはゼブラダニオでしたが、日本の冬の川では越冬することはできないと思います。東南アジア原産の魚なので、越冬するためには少なくとも15℃以上の水温は必要になります。関西圏は冬は10℃を下回る日が多いので、越冬は無理でしょう。

そのため、今回私が捕まえた魚は今年の春から夏にかけて放流された魚だと思われます。

放流した人は日本の自然の川の中で生きていけると思ったのかもしれませんが、冬には日本の川の中で命を落としてしまうことは間違いありません。

再度記載しますが、放流は「優しさ」ではありません。

違法な放流はアクアリウムを楽しむ領域を狭めるだけ…

飼育できなくなった熱帯魚を日本の自然の中に放流することは、私達アクアリストの楽しみの範囲を狭めることになります。

例えば「ガー」の仲間や「ブラックバス」が良い例だと思います。

変えなくなった人が日本の池に放流したり、釣りのターゲットにするために別の場所に放流を繰り返した結果、日本の外来生物法が誕生し、各種制限が規制されてきました。

その法律の中で販売の禁止、譲渡の禁止、そして移動の禁止もされるようになり、従来アクアリウムで楽しめていた生物たちが、次々に飼育できない世の中になっています。

このような外来生物法に該当するような魚を、これ以上増やさないためにも、熱帯魚を飼育する一人一人が気を付けて放流という愚かな行為は止めましょう。

アクアリウムを愛する一人ひとりが意識すれば、絶対に防げる問題だと思います。

私達の子供の世代、そして孫の世代にも楽しいアクアリウムを残して行くために、今できることを意識して熱帯魚の飼育を楽しみましょう。


Advertisement

この記事の終わりに

この記事では2020年8月に芦屋川を訪れた時に捕獲した熱帯魚 (ゼブラダニオ) のことを記事にさせていただきました。

今まで熱帯魚の違法な放流はテレビの中の話題であり、自分の身をもって体験をしたことがありませんでした。

しかし、実際に自分の手で日本の河川で熱帯魚を捕獲してみると、本当にショッキングな事件だと感じました。

ゼブラダニオだからよかったですが、獰猛な肉食魚が網に入ったと想像すると。とても怖く思います。

熱帯魚を飼育するアクアリスト一人一人が意識をすれば、熱帯魚の違法な放流は絶対に防げるものです。

最後まで飼育できないなら飼育を始めない、飼育し始めたら最後まで飼育するという基本的な意識を忘れることなく、これからもアクアリウムを楽しんでいきたいですね。