水草水槽において、水草の光合成・成長を促進するため、飼育水への二酸化炭素を添加されているアクアリストの方は多くいらっしゃるかと思います。
また、本記事にGoogle・Yahoo検索から辿り着いた方の中には、水槽への二酸化炭素添加を検討している方が多くいらっしゃるのではないかと…。
二酸化炭素ボンベから耐圧チューブを使って水槽内に二酸化炭素を供給し、水槽内で二酸化炭素ディフューザーを用いて細かな気泡を発生させるのが一般的な二酸化炭素添加の方法ですが、その装置には様々な種類があります。
各メーカーさんが、各社各様の仕様で二酸化炭素添加装置を販売されていますが、その中でも最も有名なのが水草水槽の先駆者である「アクアデザインアマノ (ADA) 」のCO2システムかと思います。
この記事では、ADAの製品の中でも簡単に二酸化炭素の添加が始められる「アドバンスシステム・フォレスト」に着目し、筆者が1年間使用してみて感じたメリットやデメリットなどをレビューとして紹介したいと思います。
早速ですが、メリットから紹介していきたいと思います。
メリット① 見た目はCO2ディフューザーの中でNo.1といえる!
アドバンスシステム・フォレストの最大のメリットは、やはり「見た目が良い!」「カッコいい!」という点だと思います。
他のメーカーさんからも二酸化炭素ディフューザーは発売されていますが、シンプルに二酸化炭素を供給するという使命を果たすだけのようなシステムが多いのです…。
それに対してADAのアドバンスシステム・フォレスト (下の写真参照) は、パレングラスと呼ばれるガラス製のディフューザーであり、二酸化炭素が気泡となってガラスの中に供給されるというシステムになっています。
ADAの製品は単なるアクアリウム用品ではなく、デザイン性に優れたアクアリウム製品を提供してくれているので、水槽が一つのインテリアになってしまうところが素晴らしい。
しかし、それに似合うだけのデザイン性があるのだと思います。
見た目を重視して二酸化炭素システムを導入したいという方には、絶対にお勧めできる製品です。アドバンスシステム・フォレストを選んでおけば間違いないです!
メリット② CO2滴加量の制御性が良い
CO2の添加量 (流量) を調整するのは、基本的に配管に取り付ける「調整弁」になります。
私の個人的な意見ですが、この調整弁はメーカーごとに精度がかなり違うと感じます。
私が以前使っていた他のメーカーの調整弁 (どこのメーカーかは記載しませんが) は、二酸化炭素の流量調整が細かくできずに、流量調整に苦労した覚えがあります。
ADAの流量調整弁は比較的調整が楽に感じました。
ただ、この点は個人的な意見なので、あくまでも御参考情報としてお考え下さい。
メリット③ ALL IN ONEの商品で30cm~60cm水槽に最適!
水槽にCO2添加を行っていない方からすると、「水槽にCO2を添加する」という作業は少し敷居が高い作業に思えるかと思います。
CO2のボンベを購入したり…
CO2ガスを利用するための配管を用意したり…
CO2ディフューザーを選んだり…
ただでさえ購入する製品・部品がたくさんあるアクアリウムにおいて、さらにCO2の添加装置を導入するとなると、CO2装置の部品の購入やシステム全体の構想を練らねばならない…という高い敷居が生まれてしまうと思います。
しかし、ADAのアドバンスシステム・フォレストは、このセットを購入すれば、CO2添加に必要なボンベや設備が全て揃う「ALL IN ONE」の商品となっています。
もちろん、他のメーカーさんからもALL IN ONEのセットが発売されていますが、ADAのアドバンスシステム・フォレストと同じくらいの価格になる商品も多いので、それを考えるとデザイン性に優れたADAの方がおススメ。
私自身も、水槽にCO2の添加を始めた時は、別のメーカーの製品を使っていました。その時は、セット商品を購入せず、CO2ガスの配管やディフューザーの選択など、かなり迷いながらCO2システムを構築したのを覚えています。
各部品をバラバラに購入した方が価格が安かったので、他のメーカーのシステムを利用していたのが本音なのですが…。
しかし、このアドバンスシステム・フォレストを購入すれば、デザインに優れた装置で容易にCO2添加を始められることを知り実際に使用してみたのですが、確かに簡単にCO2添加を導入することが出来ました。
メンテナンスとしては、定期的にバレングラスのコケを掃除したり、CO2ボンベが無くなったら交換することくらいです。1年使用してみて、配管や部品に故障が出たことはありません。
また、アドバンスシステム・フォレストは30cm水槽~60cm水槽に最適なCO2滴加量となっている点も嬉しい点です。
二酸化炭素ボンベと言う「ガス製品」を使うことになるので、その点も二酸化炭素システムの導入に対する敷居を上げていると思いますが、アドバンスシステム・フォレストは誰でも簡単に扱える製品ですよ!
下の記事では、アドバンスシステム・フォレストの組み立て方などを詳細に紹介しています。
それでは次に、アドバンスシステム・フォレストのデメリットを幾つか紹介していきます。
メリットや良い点だけを紹介しても良いのですが、実際に使用してみて使いにくかったり困った点もあるので、その点を正直に記載していきます。
デメリット① CO2ボンベが高価 (社外品は変換ネジが必要)
一つ目のデメリットは…やはりCO2ボンベが他の会社のボンベと互換性が無いことですね。それによって、CO2ボンベの交換費用が少し高くなってしまいます。
アドバンスシステム・フォレストに使用されるCO2ボンベは、ADAの「フォレストボトル」という名前のボトルになります。
このフォレストボトルのネジ部は、実はADAの独自のネジ規格になっており、他社製品が使えないような設計になっています。
JIS規格に則った設計になっていれば、他社製品との互換性も生まれますが、独自のブランドを展開しているADAの商品戦略と言ったところでしょうか?
ADAのフォレストボトルのネジを変換する治具も販売されているようですが、ガス製品の部品になるのであまり気が乗らないのが実際のところでした…。
フォレストボトルは、他社のCO2ボンベに比べて倍くらいの価格になるので、CO2ボンベの交換費用が高くなります。
CO2の流量を調整し、水草の育成状況と使用量の最適化をすれば、CO2の使用量を減らせます。実際に、私も最適量を見ながら水草水槽の管理を進めています。
また、以下のリンクの記事では、CO2ボンベの交換頻度を実験した結果を紹介しています。
デメリット② CO2ディフューザーにコケが生えやすい
2つ目の気になった点はCO2ディフューザーにコケが生えやすいという点です。
下の写真が、アドバンスシステム・フォレストのCO2ディフューザーになりますが、何も対策をしないとディフューザーの部分に緑色のコケが生えてきます。
アドバンスシステム・フォレストは、そのガラス製のディフューザーに「カッコいい」というデザイン性があるので、そこにコケが生えてしまうと、見た目が非常に悪いです。
このCO2ディフューザーは多孔質なセラミックが故にコケが生えやすく、水草水槽に使用する強いライトも相まって、よりコケが繁殖しやすい環境になります。
この部分は、定期的にコケを除去するメンテナンスが必要になります。下のリンクでは、木酢酢を用いたCO2ディフューザー部の清掃方法を紹介しています。
デメリット③ CO2ディフューザーから異音が鳴ることがある
最後のデメリットは、デメリットと言うよりも「CO2の流量設定」の問題かもしれません。
上でも記載したアドバンスシステム・フォレストのCO2ディフューザーの部分なのですが、二酸化炭素ガスが多孔質のディフューザー部を通過する際に、「キュルキュル」という異音が鳴ることがあります。
その詳細は、下のリンクで詳細を記載しています。
気体が細かい空洞部を通過する時、口笛と同じ原理で空気が振動し、それが異音を発生させます。
CO2ディフューザー部分も、これと同じ原理で異音が発生することがあります。
ただし、CO2の流量を変更したり、パレングラス(CO2ディフューザー部)を少し斜めにしてCO2が通過する部分を変化させると鳴りやみます。
神経質な方で小さな音も気になってしまう方は、このキュルキュル音は嫌な音になってしまう可能性もあります。
私自身が気になる点でもあったので、ここに記載しておくことにしました。
このキュルキュル音は、出来る事なら鳴らないようにして欲しいなぁ…というのが本音です。
この記事の終わりに
二酸化炭素添加システムに求められる「二酸化炭素を飼育水に供給・添加する」という性能だけを考えると、どのメーカーの二酸化炭素システムを用いても、その性能は確実に得られます。
二酸化炭素の流量の差やディフューザーの性能差などはありますが、二酸化炭素の気泡を水槽の中に供給出来れば、二酸化炭素は飼育水へ溶け込んでいきます。
では、どの性能に着目して二酸化炭素システムを選べば良いのでしょうか?
それは、皆さんが何を気にするか?に依ります。
ランニングコストや初期費用を抑えたければ、ADAの製品はチョイスから外れると思います。
しかし、見た目やブランドを重視するのであれば、ADAの製品が第一候補になると思います。
私自身、見た目が気に入ってアドバンスシステム・フォレストを選んだのですが、総合的に考えて導入して良かったと思えます。初期費用とランニングコストは高いですが、それを忘れさせてくれるだけの「デザイン性」があります。
さて、皆さんは何を重視して二酸化炭素システムを選びますか?
この記事が、アドバンスシステム・フォレスト購入を検討中の方にとって、お役に立てれば幸いです。