【アクアリウム】二酸化炭素ボンベの使用日数と交換頻度を実測

淡水アクアリウムで水草水槽に挑戦し始めてからになりますが、二酸化炭素のボンベを使用して水草の成長速度の向上や、葉がより鮮やかな緑色になるように水槽管理を進めています。

水槽という限られた空間の中で美しい水草を育てることになるので、水草の無い一般的な淡水アクアリウムには無い難しさがあります。

前述の二酸化炭素の添加は、水草水槽には望まれる設備ではありますが、二酸化炭素をボンベで購入して使用することになるので、そのランニングコストが気になるとこではないでしょうか?

私自身が水槽への二酸化炭素の添加を一時期躊躇していたのも、ランニングコストの問題が大きかったです。

この記事では、水槽用の二酸化炭素ボンベとして一般的な74gの二酸化炭素ボンベの交換頻度について、使用量・使用時間を例を紹介したいと思います。


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使用したCO2ボンベと使用条件について

使用したCO2ボンベとCO2添加装置

今回の記事で使用した二酸化炭素ボンベは、下の写真のADAの「CO2 フォレストボトル」です。

内容量としては、74gの二酸化炭素ボトルとなり、一般家庭で個人で使用が可能なボンベとなっています。

ボンベやガスの種類等によっては、高圧ガス法で定められた取り扱いの決まりがありますが、この小さなボトルは個人でアクアリウムショップで購入して設置から使用までが可能です。特に使用の許可や免許は不要です。

また、このボンベを使用している二酸化炭素添加の装置は、同じくADAの「CO2 アドバンスシステム・フォレスト」となります。

アクアリウムショップで見たことがある方もいらっしゃるかと思いますが、水槽内のガラス製のバレングラスが綺麗なADAの商品です。

CO2の添加量について

本記事で紹介するボンベの交換頻度については、二酸化炭素の使用量 (滴加量) に大きく依存します。

今回は次の2通りの添加量で、ボンベ交換の時期までの日数を調べてみました。なるべく正確に滴加量を決めるため、ストップウォッチで概ね2秒と3秒に近づけています。しかし、正確な時間では無い点は御容赦下さい。

① 2秒に1滴

② 3秒に1滴

水草の量が多い方や大きな水槽になると、1秒に1滴の二酸化炭素量が好ましいとされていますが、使用量が多くなりコスパが悪くなるので2秒または3秒に1滴で使用するようにしています。

とはいえ、2秒に1滴と3秒に1滴では、二酸化炭素の使用量に1.5倍の差があるので、明らかにボンベの使用頻度に違いは出るはずです。

また、使用時間ですが、二酸化炭素を24時間使用し続けるのではなく、基本的に朝から夕方くらいまでの間だけ使用するようにしていました。日によっては24時間添加し続けてしまった日もありますが…。

参考として、今回の実験は60cm水槽に使用している二酸化炭素添加での結果となりますが、ボンベの交換時期は水槽サイズでは無く、二酸化炭素の滴加量と使用時間に依存することとなります。

ボンベ使用時間と交換までの日数の結果

では実際に、ボンベの使用開始からボンベが空になるまでの日数を紹介したいと思います。

下のグラフは、横軸が使用日数、縦軸には各日での使用時間を記録したものになります。毎日、使用時間を記録しながら、二酸化炭素ボンベが空になるまでの期間を記録した結果です。

結果を見ると、2秒に1滴の滴加量で使用した場合、1か月に満たない26日目で交換時期が来ています。また、3秒に1滴の滴加量では、1か月を超えて約1か月半で交換時期が来ていることが分かります。

上のグラフの使用時間を全て積算すると総使用時間になるのですが、2秒に1滴の滴加量の場合には積算で294時間、3秒に1滴の滴加量では積算で481時間の使用時間となっていました。


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交換時期はあくまでも目安です

今回紹介させていただいた、二酸化炭素ボンベの交換時期ですが、基本的にはあくまでも参考のデータとなります。その理由について、以下で紹介します。

滴加量を正確に測定できないこと

まず一つ目に滴加量を正確に測定することが難しいという点です。

今回の記事でも「2秒に1滴の滴加量」や「3秒に1滴の滴加量」という条件で二酸化炭素を滴加しました。

しかし、正確に2病や3秒を測定することは難しいです。ストップウォッチを使って滴加時間を測定すれば、努力次第で2秒に1滴に近づけることはできますが、正確な時間ではありません。

目分量で測定した場合、1.9秒になる場合もあれば、2.5秒になっているケースもあります。1.9秒に1滴で使用すると1時間で約1900滴の二酸化炭素添加となり、2.5秒に1滴で使用すれば1時間で1440滴となります。使用量の差が大きいことがわかりますよね。

配管に漏れが必ずあること

また、二酸化炭素システムの配管や設備に起因する二酸化炭素のリーク (漏れ) もボンベの交換時期に大きな影響を与える要因となります。

工場などで使用する高圧ガスの設備については、使用を開始する前に配管にリークが無いか加圧チェックを行ったり、定期的に配管のメンテナンスを行うため、リークはほぼ無いと言っても過言ではありません。特に有毒なガスを使用する配管ではリークは許されないので、使用前のリークチェックは確実なものにしなければなりません。

しかしながら、今回のテーマであるアクアリウム用の二酸化炭素ボンベは、個人で楽しむ趣味であるため、配管チューブやガスのレギュレータ部分のリークチェックは行わない方がほとんどだと思います。

そのため、かならず配管のどこかにリークを起こす可能性がある箇所があると思ってください。ガスのリークは少しの隙間でも起こりますし、チューブがしっかりと差し込めていなければ音を立ててリークする場合もあります。

このリークの量については、それぞれの設備や配管に依存するため、ボンベの使用頻度を左右する要因であることに間違いはありません。

この記事の終わりに

この記事では、アクアリウム用の二酸化炭素ボンベについて、使用量と交換頻度について実際の例を挙げて紹介をさせていただきました。

二酸化炭素の使用量が増えればボンベの交換頻度も高くなりますが、1日に10時間程度、2秒に1滴の添加であれば約1か月くらいの使用期間となります。

また、ボンベの使用期間を上げるためには、設備の無駄なリークを減らすことも重要です。極端に使用期間が短い方の場合、使用量では無く配管チューブのリークを疑って、設備のチェックを行うことをお勧めします。