水草「ロタラ」の成長速度を実測 -水草水槽の参考データ-

淡水アクリウムに導入する水草の中でも、水中で特に美しい葉を高密度に茂らせてくれるのが「ロタラ」の仲間です。

ロタラは水上でも水中でも栽培ができるという性質を持っていますが、水槽の中で育てると細長く繊細な水中葉を展開してくれます。

また、ロタラには「グリーン・ロタラ」「ロタラ・インディカ」「ロタラ・ベトナム」等の様々な種類があるため、作りたいレイアウト水槽に似合った種類や色を選ぶことができます。

また、LEDライトの強度や照明時間によっても色が変わるため、自分好みのロタラの色に仕上げることも可能です。

さらに、水槽での育成は比較的容易であり、トリミング後にソイルに差し戻すことで株を増やすこともできるため、初心者からベテランの方にまで愛される水草と言えます。

そんなロタラですが、気になるのは成長速度です。

レイアウト水槽を作る際には水草の成長を考慮しなければならないので、植栽やトリミングのタイミングなどを考える上でも重要なデータになります。

この記事ではロタラの中でも赤系のロタラとして有名な「ロタラ・ベトナム」の成長速度を測定した結果を紹介させていただきます。


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ロタラの成長過程について

冒頭でも話しましたが、ロタラは培養土で鉢植えにしても育ちますし、水中は水草として育成することができます。

水上で育てると丸く可愛い葉を展開させるのですが、水中では細長い葉を高密度に展開させる性質を持っています。

また、ロタラは「有茎草」に分類され、茎を伸ばしながら葉を展開するという成長過程を持っています。その成長過程は下の図に示すようになります。

株の頂点である「成長点」と記載した箇所から茎が伸び、茎が伸びると共に新しい葉を付けていきます。

有茎草は意外と成長が速く、水槽の中では水面に向かって茎を伸ばしていき、いつの間にか水面に到達するまでに成長していることが多々あります。

伸びた茎はトリミングでカットすることができ、トリミング後は次の図に示すように、トリミングした直下の発芽点から新しい芽が出てきます。

トリミングを行うと、新芽が複数出てくることが多々あるので、ロタラの葉の密度を上げたいときはトリミングを利用します。

これに対し、茎を持たない水草としてはクリプトコリネやエキノドルスがありますが、これらは長く茎が伸びることはありませんが、月日が経つと株自体が大きく成長します。株自体が成長すれば、展開される葉の大きさが大きくなり、葉の量も増えてきます。

ロタラの成長速度の測定方法

本記事で紹介するロタラの成長速度ですが、ロタラの茎の長さを測る方法で測定を行いました。

下の図の(A)の様に、ソイルに植栽したものはソイルの表面からロタラの茎の頂点までの距離を測定します。

また、(B)の様にトリミング後の新芽については、新芽の発芽点からの茎の長さを測定することとします。

測定については、測定開始日を記録しておいて、2週間に1度くらいの頻度で番号付けを行ったロタラの茎の長さを測定していきます。

成長速度を測定したロタラの茎は合計で4本です。

2本は上図の(A)の様にソイルに植栽したもの、残りの2本は上図(B)の様に、トリミング後の新芽の長さとなります。


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ロタラを育成した水槽環境の詳細

次に、成長速度を測定した「ロタラ・ベトナム」の育成環境について紹介したいと思います。

水槽のサイズや飼育している魚、二酸化炭素の添加量などを以下に記載しておきます。基本的に一般的な水草水槽の管理方法だと思います。

水槽: 60cm規格水槽

フィルター: エーハイム 2213

LEDライト: Aqullo製トライアングルLED + GEX製造CLEAR LED POWER III

LEDライトの点灯時間: 1日当たり7~9時間

飼育している魚: 小型カラシンとラスボラを合わせて20匹とオトシンクルス5匹

二酸化炭素添加: ADA製アドバンスシステムフォレストで5秒に1滴

換水頻度: 1週間に1度か2度の頻度で1/3を換水

水温設定: 25℃

ソイル: リベラソイル

肥料: テトラ製のイニシャルスティックのみ

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ロタラ・ベトナムの成長速度の実測結果

では、実際にロタラの成長速度の測定結果について御紹介します。

まず最初に、測定前後でのロタラの成長を写真で示し、その後で成長速度をグラフ化したものを掲載します。

写真で見るロタラの成長

最初に、ロタラの成長を目で見ていただくために、植栽当初の写真と3カ月後の写真を比較したものを下に載せておきます。同じ場所を写真におさめているものになります。

ロタラ・ベトナムはアクアリウムショップでポット売りされていたものを購入しました。

購入当時は、葉が緑色で赤い色がほとんど出ていなかったのですが、強い光量で管理したことでどんどん赤さが増して来ました。

植栽当初は10cm未満だったのですが、3カ月後には一部のロタラは60cm水槽の水面に到達するくらいまで成長しています。

成長速度の実測結果をグラフ化

次に実際にロタラの成長速度を測定した結果を紹介したいと思います。

植栽を行った2020年12月10日から2021年3月8日までのロタラの茎の長さの測定データとなります。

横軸が日付、縦軸がロタラの茎の長さとなっております。

茎①と茎②については、ソイルに植栽した株の結果。

茎③と茎④については、トリミングした場所から新たに発芽した茎の結果となっています。

このグラフからわかることとしては、まず最初に、茎①②の方が成長速度が速いことです。グラフを見ていただくと緑色のプロッとの方が傾きが急であることが分かります。

茎①②は、最初は茎の長さが短かったのですが、測定を終えた3月には茎③④を越えて長くなっています。

これは、茎①②は根から直接養分を吸うことができたことが要因では無いかと思われますが、ライトの当たり具合なども影響があるのかもしれません。

成長速度の平均を算出すると、茎①②は1ヵ月で3.5cmの成長、茎③④は2cmの成長となりました。かなり大きく差が出ていますね。

また、グラフを見ると、ロタラの成長速度は月日が経つにつれて速度が上がっていることもわかります。植栽直後やトリミングした直後の成長は緩やかなのですが、成長が調子に乗ってくると成長速度が増える傾向にあります。

よく水草水槽の管理では「有茎草は一度スイッチが入ると成長速度が一気に速くなる」と言われますが、まさにそのような状況かと思われます。

測定を終わって気付いたのですが、赤系の葉を持つロタラ・ベトナムは、緑色の葉を持つロタラよりも成長速度が遅いです。

「グリーン・ロタラ」も植栽したことがあるのですが、グリーン・ロタラはもっと成長が速くてトリミングをする回数も多かったです。

緑色の水草は、赤系の水草よりも光合成をたくさんして成長が速いのでしょうか?もし御存じの方がいらっしゃいましたら、コメント欄で教えていただけましたら幸いです。


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ロタラの新芽を多く出させる裏技

最後になりますが、ロタラの新芽を多く出させる裏技を紹介しておきたいと思います。ロタラに限らず、他の水草にも使える方法になるので、もしよかったら試してみて下さい。

植物は基本的に、最も太陽に近い場所に栄養を集めて、株を成長させる習性があります。

そのため、ロタラが直立状態にあると、脇芽となる新しい芽が出にくい状況下となります。直立状態だと、上でも述べた成長点の部分に栄養が集まるので、茎を上に伸ばす能力は旺盛になります。ただ、その状態だと新しい脇芽を出させることができません。

そのため、脇芽を出したければ、下の図に示すように、ロタラの茎を横に寝かせてあげます。

すると、倒れてしまったロタラの茎は、最も成長させるべき高い成長点や発芽点を見失います。その結果、茎の途中にある複数の発芽点から新しい芽を出すようになります。

この方法を使うと、1つのロタラの茎から複数の新芽を成長させることができるようになります。

良い写真が無かったのですが、1つの例を下の写真で紹介します。

倒れている茎があり、青色矢印の部分から3つの新しい芽が出てきて成長していることがわかります。

茎の調子が良いと、もっと多くの新芽を出すこともありますので、もし機会があればこの方法を試してみて下さい。

水槽の中にロタラの茂みを作るための一つの方法になります。

この記事の終わりに

この記事では、水草レイアウト水槽でも人気の水草「ロタラ」の成長速度を紹介しました。

今回は、ロタラの中でも赤色の葉を展開させることで有名な「ロタラ・ベトナム」の例を挙げさせていただきましたが、1カ月で2cmから3.5cmくらいの成長速度であることが分かりました。

成長速度の速い水草は、1日で1cmくらい伸びるものもあるので、それらに比べると成長が緩やかであることがわかります。

そのため、水槽のレイアウトに導入しても、あまり暴れるような水草では無いことがわかりますね。

ロタラは育成も比較的簡単な水草になりますので、皆さんも水槽のレイアウトに取り入れてみて下さいね。