【水草】ポゴステモン・エレクタスの育て方と成長速度の詳細

水草水槽に植栽される水草には様々な種類がありますが、その中でも細く高密度の葉を展開する水草は、その美しさやボリューム感から特に人気のある品種となります。

代表的なところでは、ロタラ系の水草全般やオランダプラントなどがありますが、この記事で紹介する「ポゴステモン・エレクタス」も細長い葉を高密度に展開する有名な品種となります。

少し聞き慣れない名前の水草ではありますが、鮮やかなライトグリーンの葉は水草水槽にとても映え、水槽を明るくしてくれる存在となります。

この記事では、ポゴステモン・エレクタスを実際に水槽に植栽する場面から、その成長の過程を紹介し、成長速度を実測した結果についても記載していきたいと思います。

これからポゴステモン・エレクタスを水草水槽で育ててみようと思っている皆様に、少しでも御参考になれば幸いです。

【注意】本記事で紹介するポゴステモン・エレクタスの育成記録や成長速度の記録は、筆者の水槽での実験結果となります。水草の成長は水槽設備 (ライトや二酸化炭素添加) によって大きく変化するため、あくまでも一つの参考としてお考え下さい。


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ポゴステモン・エレクタスについて

ポゴステモン・エレクタスは、鮮やかな緑色の細長い葉を高密度に展開する水草で、水草水槽に植栽される人気のある品種となります。

下の写真は、筆者の水槽で育てているポゴステモン・エレクタスの例となります。

ポゴステモンは東南アジアを原産とする水草で、エレクタスの他にも「ポゴステモン・メンメン」や「ポゴステモン・ヘルフェリー」といった品種があります。

ホームセンターに併設されたアクアリウムショップでは入手することが困難な印象がありますが、アクアリウム専門店やインターネット販売では比較的容易に入手できます。

植栽環境にも依りますが、背丈は最大でも35cm~40cm程度と、それほど巨大化はしない水草です。

そのため、60cm規格の水槽でも問題無く育てる事ができるので安心です。

また、育成自体もそれほど難しくは無く、一般的な水草水槽の設備 (LEDライト・外部フィルター・二酸化炭素添加) があれば問題ありません。筆者の水槽環境は以下で記載します。

ポゴステモン・エレクタスの育成環境と水槽への植栽

それでは、ここからは実際にポゴステモン・エレクタスを育成した記録を紹介していきたいと思います。

今回は、筆者が管理している60cm水槽にポゴステモン・エレクタスを植栽して育てていきます。

下の写真の中で、黄色の矢印で記した部分 (水槽の背面) に植えていきます。

ポゴステモン・エレクタスは、近くのアクアリウム専門店でポット売りされていたものを購入してきました。

次の写真の通り、小さな苗では無く、少し成長が進んだポゴステモン・エレクタスとなります。

このポゴステモン・エレクタスを植栽した後の様子が次の写真となります。

植栽した時点では、60cm水槽の1/3くらいの高さですので、背丈は概ね15cm程度になりますね。

次にポゴステモン・エレクタスを植栽した水槽の管理方法と設備の詳細を記載しておきます。

・水槽:60cm規格水槽

・フィルター:外部フィルター エーハイム2213

・LEDライト:Aqullo製Trigangle LED+GEX製 CLEAR LED POWER III

・二酸化炭素添加:有り (ADAのAdvance System Forest) 添加量は4秒に1滴

・ LEDライトの点灯時間:1日上がり約7時間

・水替え頻度:5日に一度、水槽の1/2を換水

・生体:小型カラシン科の魚をメインに約25匹、ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ

・肥料:テトラのイニシャルスティックのみ


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写真で見るポゴステモン・エレクタスの成長記録

それでは、ポゴステモン・エレクタスの成長の様子を写真で見ていきたいと思います。

まず最初の写真が上でも紹介しましたが、植栽した当日の様子です。植栽したばかりのため、まだ葉がしっかりと開いておらず、まだ育成が安定していない状態です。

次の2枚目の写真が植栽から25日後の様子となります。

成長は少し遅い印象がありますが、それでも徐々に背丈が伸びてきていることが見て取れます。

そして、次の3枚目の写真が植栽から1ヶ月半後の様子となります。

1ヶ月半が経過しても、まだ水槽の水面には到達していません。成長速度がそれほど早くは無いと聞いていましたが、確かに成長がゆっくりなのは一つの特徴と言えそうです。

次の項目では、その成長速度に着目し、成長速度を実際に測定した結果を紹介します。

ポゴステモン・エレクタスの成長速度の実測結果

ここからは、ポゴステモン・エレクタスの成長速度を実際に測定した結果を紹介します。

水草水槽を立ち上げる時、水草の品種によって成長速度が違うため、成長速度の違いによって思うような水景が完成しないこともあります。

成長速度は育成環境によって異なるため、あくまでも参考データの一つですが、これからポゴステモン・エレクタスを水槽へ導入しようと思っている方に少しでも御参考になれば幸いです。

まず、成長速度の測定方法ですが、下の図に示すように、ポゴステモン・エレクタスの背丈を物差しで定期的に測定してしていきました。ポゴステモン・エレクタスは有茎草になりますので、茎の長さを測ることになります。

1本だけではデータに乏しいので、合計で3本のポゴステモン・エレクタスを選び、その3本の茎の長さを測定していきました。測定期間は植栽した日から1ヶ月半となります。

その測定結果を下のグラフにまとめました。

3本のポゴステモン・エレクタスの成長は概ね同じような成長曲線を描いているように見えます。

植栽から10日間は、まだしっかりと根付いていないこともあり成長が遅いように思えます。しかし、植栽から2週間が経過してからは概ね経過日数に比例した成長を見せています。

成長速度を算出してみると、約0.25cm/日となりました。

私が過去に成長速度を測定した水草の中には、一日に数㎜も伸びる品種もあるので、ポゴステモン・エレクタスは成長速度が遅い水草に分類されるかと思います。


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ポゴステモン・エレクタスの成長の特徴について -脇芽の成長-

ポゴステモン・エレクタスの成長速度は、上記の通り、それほど速くはありません。

そのため、水草水槽でも暴れるような成長を見せることは無いかと思います。

また、その特徴に加えて、もう一つ特徴的な成長がありました。

それが「脇芽」の成長です。

ポゴステモン・エレクタスの成長を観察していると、所々から脇芽が成長するようになります。

ロタラなどは、一つの茎が勢いよく水槽の水面まで伸びていくのですが、ポゴステモン・エレクタスはメインの茎の成長と共に所々から頻繁に脇芽が出てくるようになります。

次の写真がその一例ですが、主な茎はまだ成長しきっていない状態なのに、成長点の少し下から脇芽が出てきているのがわかるかと思います。

このように脇芽が頻繁に成長してくれると、葉の密度が上がりますし、トリミングした後に差し戻しをして株数を増やすことができます。

その点では、この特徴はアクアリストにとってメリットでは無いかと感じます。

ポゴステモン・エレクタスは細かな葉を高密度に展開してくれて、水景を美しく見せてくれるのが特徴ですので…。

ポゴステモン・エレクタスの切り戻しと差し戻しについては、また機会があれば記事をUpdateして紹介したいと思います。

この記事の終わりに

この記事ではアクアリウムに用いられる水草の一つである「ポゴステモン・エレクタス」について、その成長の特徴と成長速度を筆者の経験から紹介しました。

ポゴステモン・エレクタスという名前は、アクアリストの皆様でも聞き慣れない名前ではありますが、鮮やかな緑色の細長い葉を高密度に展開してくれるため、水槽の水景がとても華やかになります。

また、栽培の難易度も低く、暴れるような成長は見せないので、水草水槽の初心者の方にもお勧めできる品種だと思いますよ。

(実際に成長速度を測定してみると約0.25cm/日となり、ゆっくりと成長する水草であることがわかりました。)

アクアリウムショップでポゴステモン・エレクタスを見かけたら、是非水槽に植栽して育成を楽しんでみて下さい!

それでは!!