赤色の小型カラシンの熱帯魚と言えば「レッドテトラ」や「レッドファントム」等が有名ですが、少し体格のあるものの中では「ロージーテトラ」も有名な品種となります。
赤色系と言えど、どちらかと言うとピンク色に近いような体色になるので、魚体の大きさも相まって水槽の中でも一際目立つ存在となります。
また、ブラックファントムのように長く伸びた背ビレにも特徴があり、優雅な泳ぎが見れる点も飼育する上でのメリットかと思います。
この記事では、筆者が実際にロージーテトラを飼育してみて感じた特徴や、飼育する上でのポイントなどを詳細に御紹介したいと思います。
ロージーテトラについて
ロージーテトラは、南米を原産とするカラシンです。
上の写真に示すように、ピンク色の透き通った魚体に、赤色の模様の入った尾鰭や背鰭が特徴的な熱帯魚となります。
また、楕円形の魚体を持つため、他の小型カラシンよりも体が大きことが特徴的です。この写真は筆者が飼育しているロージーテトラですが、鰭の先端が白くなるため「ホワイトフィン・ロージーテトラ」と呼ばれている品種です。
ロージーテトラは英語で書くと「Rosy Tetra」となりますが、Rosyは「薔薇色の」という意味を持ちます。
薔薇の花をイメージするような赤色と、尾鰭や背ビレの模様が薔薇の花に似たようなイメージがあることから付けられた名前だと聞きます。
平均的な体長は4cm程度ですが、下でも紹介する比較的大きな個体になると5cm程度まで成長して見ごたえのある熱帯魚となります。
私自身、このロージーテトラをアクアリムショップで初めて見た時、一目惚れをしてしまい、飼育する事を決めたのを今でも覚えています。
ロージーテトラの美しい赤色ですが、これは飼い込むことによって、どんどん美しさが増していきます。アクアリウムショップから自宅の水槽へ持ち帰った時には薄いピンク色で、鰭の赤色がほとんど出ていなかったのですが、10日ほど飼育して水槽の環境に慣れてきたら、どんどん魚体が赤みを増して来ました。
今では、上の写真の様に鮮明な赤色が強調された鰭を持つ、美しい魚体になっています。
実際に飼育しているロージーテトラの飼育設備や管理方法
では、次に筆者がロージーテトラを飼育している設備や飼育・管理方法について詳細を記していきます。
筆者の使用している飼育設備
ロージーテトラを飼育している設備ですが、一般的な60cm規格の水槽を用いています。60cm水槽の中でカージナルテトラやラスボラ等と混泳させており、3匹のロージーテトラを飼育しています。
フィルターは外部フィルターのエーハイム2213です。
水槽内にはロタラやクリプトコリネなどの水草を植栽していますので、水槽用ライトはAqullo製のトライアングルLEDとGEX製のCLEAR LED POWER IIIの2灯を使用しています。
エアレーションは、外部フィルターの水流を利用したもので、ブクブクは導入していません。
日々の水槽の管理方法
日々の管理方法としては、換水頻度や水温の管理、水草への液肥の供給などがありますが、以下の通りとなっています。
① 換水頻度 … 1/2の水量を週に1度交換
② 水温 … 年間を通じて25℃~26℃で管理
③ ライトの点灯時間 … 一日6時間~8時間
④ 水草への液体肥料 … 2週間に1度、水量に合わせた適量を与えて管理
⑤ 餌 … 人口飼料のSサイズを朝に1回だけ (夕方は餌を与えていません)
ロージーテトラを飼育する水槽の管理としては、一般的な水草水槽の管理方法で全く問題無いと思います。
ネオンテトラやカージナルテトラを飼育できている水槽であれば飼育可能です。
そのため、初心者でも安心して飼育できる熱帯魚と言えると思います。
あえて注意点を記載するとすれば、「冬場にヒーターを忘れないでください」ということですね。
餌を朝一回だけにしているのは、熱帯魚の体調管理の意味があります。
人口飼料は自然界には存在しないような栄養価の高い食べ物になります。そのため、与え過ぎるとどんどん熱帯魚が太っていきます。人間にとっても肥満は良くないのと同じように、魚に取っても肥満は良い状態とは言えません。
餌の回数を朝一回にしている甲斐もあってか、どの熱帯魚も太ることは無く、自然界で見せるような健康的でシャープな体つきをしています。
ロージーテトラは「Lサイズ」の個体を探すのがお勧め
ロージーテトラは、個体によって体格・体高が異なります。
一般的に販売されている普通のロージーテトラに対して、たまに熱帯魚ショップで目にするのが「Lサイズ」のロージーテトラです。
Lサイズというのは、普通のロージーテトラよりも体が大きな個体を集めて販売されているものになりますが、見ごたえがある個体になります。
そのため、私個人としては、Lサイズのロージーテトラが一押しです!
私が飼育しているのもLサイズのロージーテトラですが、小型カラシン科の魚と混泳させると体の大きさが全く異なり、水槽内の「主役」となる存在となります。
透き通る魚体や美しい鰭も、Lサイズになることでより美しさが際立つことは言うまでもありません。
もし入手が出来るのであれば、Lサイズのロージーテトラを選択してみてください!
複数匹で飼育してあげた方が良いです -仲良く泳ぎます-
自然界での小型カラシンは、基本的に仲間と群泳して生活を送る種となります。
ロージーテトラも例外では無く、仲間と群れをなして生活をしている熱帯魚です。
アクアリウムショップの水槽で泳ぐロージーテトラを見た方は分かると思いますが、ロージーテトラがまとまって泳いたのではないでしょうか?
ロージーテトラが水槽内に2匹か3匹しかいなくとも、ロージーテトラ同士は仲間であることを認識しているので、まとまって泳ごうとする習性があります。
我が家で飼育している3匹のホワイトフィン・ロージーテトラも、常に仲間と群泳しています。
そのため、ロージーテトラを飼育する際には、1匹だけを飼育するのではなく、3匹以上を同時に飼育してあげると良いかと思います。
魚は群泳することで「仲間がそばにいる」という安心感を得ますし、美しい赤の体色も仲間がいることで発色が良くなります。
ロージーテトラは他の魚と混泳させても問題無し
また、ロージーテトラはとても温和な性格を持ったテトラです。
テトラの仲間には、縄張り意識が強く他の魚を追い回す種もいますが (例えばブルーリボンテトラ) 、ロージーテトラはその心配はほとんど無いです。
たまに、仲間同士で追いかけ合ったりすることもありますが、お互いを傷つけるようなことはありません。
混泳させている他の熱帯魚に対しても同じで、水槽内でロージーテトラが起点となっていざこざが発生するような事はありません。
耐病性は他のテトラと同じレベルだと思います
ロージーテトラの耐病性ですが、これは他の小型カラシンと同じレベルだと思います。
以前、ロージーテトラを飼育している水槽で、カージナルテトラに白点病が蔓延したことがありました。
その時には、ロージーテトラも白点病に罹患してしまったので、白点病に対して強いというようなことは無いかと思います。
その際、同居している「サイアミーズ・フライングフォックス」や「ジョボレンシス」は白点病に罹らなかったので、もしかしたら魚種による耐病性や病気の移りやすさがあるのかもしれません。
ロージーテトラは、決して病気に強いということは無いと思いますので、病気の蔓延が無いように普段の管理をしっかりと行ってあげてください。
この記事の終わりに
この記事では、美しい赤色の魚体を持つ小型カラシンの「ロージーテトラ」について、筆者の飼育経験から特徴や飼育・管理方法のポイントを紹介させていただきました。
ロージーテトラは、ネオンテトラやカージナルテトラと同じ環境で飼育できるため、初心者でも安心して飼育がスタートできる熱帯魚と言えるかと思います。
性格も温和ですので、他の熱帯魚と喧嘩をすることもほとんどありませんし、人口飼料もしっかりと食べてくれるので安心です。
ネオンテトラやカージナルテトラよりも体格が大きいため、少しだけ大きな魚体の熱帯魚を飼育してみたいと思っておられる方にもお勧めできる品種です。
特に赤色系の熱帯魚を水槽に導入したいとお考えの方は、ロージーテトラは一つの候補になると思います。
飼い込むほどに美しくなるロージーテトラですので、鑑賞性の観点でも長く飼育を楽しめる熱帯魚で間違いありません。