失敗しない「らんちゅう」の飼育水槽 -大切な管理ポイント-

金魚の王様「らんちゅう」。

らんちゅうという名前を聞くと、金魚の中でも飼育が難しく、敷居の高い魚であるというイメージが強いのではないでしょうか?

事実、私も小学生の時にらんちゅうの飼育にチャレンジして、失敗した経験があります。その背景もあり、らんちゅうの飼育には一種の高い壁を感じていました。

しかし、子供の希望もあり、らんちゅうを自宅の金魚水槽にお迎えして飼育をスタートさせました。

らんちゅうをお迎えした後は、今までよりも金魚水槽の管理に力を入れ、熱帯魚を飼育するのと同じように飼育環境を整備しました。すると、その努力が実ったのか、何の問題も無くらんちゅうの飼育を継続することができています。

この記事では、らんちゅう飼育で注意すべきポイントや私が実践している飼育環境の整備について御紹介したいと思います。


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らんちゅうは金魚の王様

らんちゅうは「金魚の王様」と呼ばれています。

熱帯魚の世界でも、熱帯魚の王様はディスカス、熱帯魚の女王はエンゼルフィッシュと呼ばれているのを聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。

何故らんちゅうが金魚の王様なのでしょうか?

実はこれには諸説あって、私自身も確固たる答えを知っているわけではありません。

ただ、一般的に言われていることの一つが、品評会での美しさの競い合いが最も活発に行われていることです。品評会で高評価を受けたらんちゅうが100万円という価格が付けられることがあるというのも有名な話です。

また、らんちゅうが鮒 (フナ) の見た目と最も異なる容姿をしており、品種改良のトップに君臨するという点も挙げられます。

金魚の祖先は鮒です。池を泳いでいる鮒の突然変異で生まれたのが金魚です。そして、あの銀色の鮒を祖先にしているとは思えない容姿をしているのが、らんちゅうという金魚です。原種である鮒から最も改良が進んだ品種であることが「金魚の王様」と呼ばれた所以であるとも言われています。

見た目で考えてみてみると、らんちゅうは鮒にはある背びれが無いんですよね。

らんちゅうの飼育は敷居が高い?

らんちゅうの飼育は敷居が高いと言われることもあります。

その最も大きな理由は、上で紹介したように品評会で高価な値段が付けられる「お高い金魚」というイメージがあるからだと思います。

アクアリウムショップで販売されている一般的な和金は1匹100円で購入ができます。出目金も300円くらい、琉金も400円くらいで入手できます。

それに対してらんちゅうは安いものでも1000円くらいはしますし、立派ならんちゅうになると10,000円くらいで販売されています。

「金魚に10,000円なんて!!」と思うのが普通ですよね…。金魚って金魚すくいのイメージがありますしね…。

しかし、らんちゅうの価格は私が子供だった20年以上前からすると、かなり価格が下がったと思います。当時、私の記憶では、ホームセンターで販売されているものでも1匹3,000円くらいで販売されておりました。当時の私からしたら、高根の花と言える金魚でしたね。

それに比べると、現在では1匹1,000円くらいで購入ができるので、高根の花と言うよりも「誰でも購入が可能になった金魚」であると言えるかと思います。

らんちゅうは、アクアリウムの基本を守れば誰にでも飼育可能な金魚です。らんちゅうとはいえ鮒を祖先に持つ金魚ですので、飼育環境の整備にはそこまでうるさくはない魚であると思っています。

そう思うと、らんちゅうは「敷居の高い金魚」では無いのではないかと思います。


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筆者のらんちゅう飼育水槽の管理方法

ここからは、私がらんちゅうを飼育している上で、特に重要だと思う管理項目や工夫などを紹介したいと思います。

ブクブクでは無く濾材入りのフィルターを使用する

金魚水槽のフィルターというと、多くの方が投げ込み式のフィルター (通称: ブクブク) をイメージされるかと思います。

しかしながら、投げ込み式フィルターは簡単に導入できるのですが、濾材の量が少ないため、バクテリアの定着量が他のフィルターに比べると少ないです。

金魚は全般的に糞の量が多い魚なので、出来る限り多くの濾材を使用して確実な生物濾過を得ることが必要です。

生物濾過がきちんと機能しないと、アンモニアや亜硝酸という毒が高濃度になり、水質変化に強い金魚と言えども命の危機にさらされてしまいます。

外部フィルターや上部フィルターは、投げ込み式フィルターよりも高価になってしまいますが、らんちゅうの事を思うと必ず必要な設備と言えます。

換水頻度は週に2回を目安に行う

上のフィルターに関連して、水替えの頻度は週に2回を目標に行いたいところです。

以前、私が金魚の水槽のpH測定を行ったことがあり、その時の結果を下の記事で紹介しています。

金魚は上でも述べたように、糞の量が多いため水質が悪くなる速度が速いです。その結果は上のpH測定の結果からもわかってきている事実です。

熱帯魚の飼育では1週間に1度の換水と言うのが好ましいとされていますが、金魚の場合には週に2度は行いたいですね。

もちろん、水槽の大きさや飼育数にも依存しますが、45cm水槽で4匹くらい飼育していたら週に2度の換水が好ましいと考えます。

ベアタンクでは無くソイルや砂利を敷く

金魚水槽と言うと、レイアウトの素材をあまり入れずにベアタンクと呼ばれる水槽で飼育している方も多いかと思います。

しかし、ベアタンクとなると、水槽と水槽設備の中でバクテリアが住み着く場所がフィルターの中しかありません。

上述の通り、金魚の糞を生物濾過で濾過するためには、少しでもバクテリアの定着場所が欲しいところですので、出来れば底にソイルや砂利を敷いてあげてください。

ソイルや砂利はバクテリアが定着する場所になるので、生物濾過の観点で有利になると言えます。

また、少し水草を植えたい場合などもソイルがあると便利ですね。ただ、金魚水槽への水草の導入は注意が必要です。その点については、下の記事でまとめています。

熱帯魚と一緒に飼育 -筆者の工夫ポイント-

私の持論ではありますが「らんちゅうの水槽で目指すべき環境は、小型カラシン科の熱帯魚も問題無く住めるような環境である。」と考えています。

らんちゅうは前述の通り、鮒を先祖に持つ魚ですので、多少汚れた水でも生き抜く力を持っています。

そのため、らんちゅうやその他の金魚の水槽は熱帯魚の水槽に比べると、少しくらい手を抜いても良いだろうというイメージがあるのは確かな事かと思います。

しかし、らんちゅうも熱帯魚と同じ「魚」なので、出来れば常に綺麗な水質を維持して飼育をしてあげたいものです。

そこで、私のらんちゅうの水槽には少し大きなサイズのカラシン科の魚を入れています。具体的にはバルーンプリステラを2匹、ネオンテトラを3匹です。どちらも完全に成魚となり、身体が大きくなったものになります。

金魚は小型の魚を捕食してしまう可能性もあるのですが、大きく育った熱帯魚であれば、一応食べられることなく飼育が出来ています。

らんちゅう水槽の水質が悪くなったり、環境が悪化した場合には、金魚よりも最初にカラシン達の体に異変が起こります。そのサインを見るための目的として一緒に飼育しています。

とはいえ、週に2回の水替え等、水質が悪化するような飼育方法はしていなので、バルーンプリステラもネオンテトラも健康的に同居しています。決してこの2種の熱帯魚に悪い待遇はしていませんのでご安心ください。

金魚の体が大きいので、少し怯えてしまっているところはありますが…。

泳ぎが苦手なので水流はなるべく作らない

らんちゅうは金魚の中でも泳ぎが下手な品種です。

ずんぐりとした体に小さなヒレという、いかにも泳ぎが不得意な体をしています。そのため、水槽内の水流が急になると、水流に流されてしまうという状況になります。

水流に勝てるような泳ぎの上手い魚であれば良いのですが、水流に流されると「ストレス」を魚に与えることになります。

また、流された結果、身体に傷が付いてしまうこともあります。

そのような環境はらんちゅうの飼育に好ましくない環境であることは間違いないので、フィルターが生み出す水流は、らんちゅうに影響が少ないものにしてあげる必要があります。

餌の量は少し少ないくらいが丁度良い

金魚はとても食いしん坊な魚です。

らんちゅうも例外では無く、とても食いしん坊な魚です。

自分の体の消化能力を超えるような量を食べて、消化不良を起こしてしまうことも多々あります。

私の金魚水槽でも、以前ですが餌の食べ過ぎで一過性の転覆病を発症したものがありました。その時の事を下の記事でまとめています。

金魚は可愛いのでたくさん餌を与えたくなるのですが、過剰な餌は「百害あって一利なし」なので、適正量を守るようにしましょう!

らんちゅうや琉金、丹頂などはお腹が大きな金魚の品種になるので、転覆病を発症しやすいと感じることが良くあります。

白点病予防のために冬場はヒーターを使用すること

金魚は白点病に罹りやすい魚です。

特に晩秋から初春の寒い時期、水温が低くなる時期は白点病の原因であるウオノカイセンチュウの活動が活発になります。

ウオノカイセンチュウの活動は25℃前後の水温では低下するため、冬場はヒーターを使用して温調をすることを強くお勧めします。

特に複数の金魚を同一の水槽で飼育している場合、1匹が白点病に罹患すると、他の魚にも伝染するリスクが高まります。

白点病は罹った後の治療が大切では無く、事前の予防が重要な病気です。

金魚は冬場にヒーターが無くても飼育が可能な魚ですが、白点病予防の観点ではヒーターはマストアイテムです。

その他に気を付けるべきこと

その他にも気を付けておくべきことはいくつかあります。

水槽のサイズについては、らんちゅうの体の大きさに合わせて、適宜大きくしていくことが必要です。小さな水槽では水質の悪化や体への外傷が発生する原因にもなります。

また、らんちゅうは和金などの同様に寿命が長い魚になります。きちんと管理すれば犬や猫と同様に10年~20年は生きる魚になります。もっと長く生きるものもいるくらいです。

らんちゅうの飼育は、成功すればとても長くなる事を理解しておきましょう!

らんちゅうも食いしん坊!餌の与え過ぎに注意必要!

金魚はどの品種もそうですが、とても食いしん坊な魚です。

胃袋が無いというのも原因だと思いますが、与えたら与えただけ餌を食べ続けます。

そのため、腸の中に餌が溜まり消化不良などを起こすと一時的な転覆病の様な症状が現れます。

私の家で飼育しているらんちゅうにも、ある時にその症状が出ました。

下の写真に示すように、体がひっくり返って水面に浮かんでいるような状態になりました。

餌を少し与え過ぎたと思った時、その直後に出始めた症状になりますが、1日経つと治っていました。

餌を食べすぎて消化不良になり、腸の中などにガスが溜まってしまっているような状態だと思われます。その証拠として、糞の中が詰まっておらず、空気が入っているような状態でした。

らんちゅうはその体の特徴が故に、お腹が大きくなりやすい品種でもあるかと思います。餌の与え過ぎには注意して下さい。


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らんちゅうは他の金魚と混泳させてもOK

らんちゅうを飼育する際に、意外と多い疑問は「他の品種の金魚と混泳させても良いの?」という点かと思います。

これは私の金魚飼育の経験でしかないのですが、らんちゅうは金魚の中でも特に温厚な品種だと感じます。

私の水槽では丹頂、琉金、出目金と混泳させていますが、らんちゅうが起因となる問題は何も起こっていません。逆に体の大きな丹頂がらんちゅうの体をつついてしまうことが少しあるくらいです。

金魚は1つの品種を複数飼育するのも良いですが、好きな品種を集めて飼育したいという方も多いかと思います。どちらの場合でも、らんちゅうは混泳に対する障壁は無いと考えてOKです。

この記事の終わりに

この記事では、金魚の王様である「らんちゅう」の飼育方法について、私が実践している飼育方法の御紹介をさせていただきました。

私自身、らんちゅう飼育のプロではないので、本当に正確な部分はお伝えが出来ないかもしれませんが、らんちゅうを上記の方法で飼育して何の問題もなく飼育を続けることができています。

白点病も出していませんし、腹水病や転覆病の発症も皆無です。

らんちゅうは金魚なので、多少環境が悪くなっても生き抜く力があります。しかしそれは、悪く言えば手抜きの飼育を誘発するイメージとなりかねません。

らんちゅうも熱帯魚と同じ魚ですので、綺麗な水質で飼育した方が様々なリスクを減らすことができるのは確かな事実です。

熱帯魚を飼育するのと同じように、適切なフィルターの選択や水温の管理を行うことで、らんちゅう飼育の敷居は確実に下げられるのだと思います。

皆さんも、金魚の王様「らんちゅう」の飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか?