【アクアリウム】初夏の水温変化は実は要注意!

6月に入ると、だんだん気温が上がり水槽の水温にも気を遣う季節になりますね。

6月は、室内の冷房を使うことを我慢する方も、まだまだ多い時期かと思います。しかし、6月こそ水槽の水温に気を遣わねばならない時期であることを御存じですか?

熱帯魚の適正水温は25℃前後と言われておりますが、6月の水温は室内の冷房や水槽用クーラーを使わないと、実は水温は28℃で推移していきます。

この記事では、室内冷房や水槽用クーラーを使用しなかった場合、6月の室内水槽の水温がどのように変化するかを記録してみた結果を紹介します。


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6月に冷房を使わないことの弊害に気付く

6月の気温はまだ30℃に届かないけど、28℃や29℃になる日も多く、換気をしていない室内の気温はそれ以上に上がっていきます。

しかし、「まだまだ6月なので、室内冷房無しで生活できる!」と我慢される方が多いのではないでしょうか?

私自身も6月はまだ冷房を多用することなく、我慢できる日は窓を開けて換気をする程度で過ごすことが多いです。

しかし、2020年6月初旬のある日の午後、室内の気温が30℃になり、水槽の水温を見たら何と28℃まで上がっていることに気付きました。

急いで水槽冷却用のファンを使用して26℃まで水温を下げましたが、何も対策をしなければ何度になったのでしょうか…

この記事では、その確認を含めて、敢えて室内冷房を使用せず、水槽用のクーラーやファンも使用しなかった場合に、どれだけ水温が上がるのかを実験してみました。

水温を測定した水槽と室内の設定

実際に水温を測定したのは、私が管理している60cm水槽と30cm水槽の2つです。

両方の水槽に外部フィルターを設置しており、水槽用ライトも使用している状況です。

魚はメインはネオンテトラやコリドラスを飼育しておりますが、水温変化には魚種は関係ないと思いますので、詳細は割愛しておきます。

また、直射日光が当たることはありません。関西で戸建ての1階部分で管理している水槽です。

水槽の水温はTetraの水温計で測定し、室内の気温は電子室内温度計でモニターしました。

測定日は2020年6月4日で、朝の7時から夜の21時まで1時間から2時間おきに水温と室内の温度を確認していきました。

ただし、この実験は私の家での結果なので、皆さんのお住いの部屋では異なった結果になる可能性があります。水温の上昇や下降の傾向は同じかもしれませんが、水温の絶対値は異なると思います。あくまでも御参考のデータとしていただければと思います。


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実際に6月の水槽の水温を測定

では、実際に水槽の水温と室内気温を測定した結果を紹介します。

下のグラフは、縦軸に60cm水槽、30cm水槽そして室温をプロットし、横軸は時刻になります。

測定を7時から開始して1時間または2時間ごとに水温と気温を確認していきました。

冷房なしの場合の水槽水温変化

グラフに示す通りですが、室温が最も高くなる時刻は午後の14時で30.5℃となりました。そして、水温についても、室温の変化を追随するように上昇していくのですが、最大になるのは、気温よりも1時間くらい遅い15時頃になります。

また、30cm水槽の方が水の量が少ないので、早く温度が上がっていっていることがわかりますね。

そして、気になる水温は30cm水槽も60cm水槽も最高で28℃以上になります!

夕方になると室内の温度は太陽が沈み始めるので下がるのですが、水槽の水温は全く下がることを知らず、夜の19時か20時くらいまで28℃を維持しているのです。

中学校の理科の時間でも習いましたが、水の習性として「温まりにくく冷めにくい」という性質があります。

つまり、気温が下がった後も水温は下がりにくく、高い水温が夜になっても続いてしまっていることになります。

21時以降は測定をしておりませんが、朝になると25℃付近に戻ることが予想されます。

この結果を見ると、7月~9月の真夏の暑い部屋の中では、夜になってもクーラーの使用が求められるということになります。

高温は魚の健康状態に黄色信号

では、28℃という水温が魚に取って良い事なのか?についてです。

我々人間は、夏の暑い中にいても汗をかくことで体温を調整し、常に36℃~37℃くらいの体温を維持することができます。

魚は変温動物で、水温が変化すると魚自体の体温も上昇していきます。

つまり、巣音が上がると内臓などの体温も上昇するため、健康状態に支障が出てきてしまいます。

28℃おいう水温は熱帯魚にとっては直ちに命に関わる事態にはなりませんが、水温が高いほど寿命が短くなる傾向があります。

体温が上がり体内の活動が活発化することで内臓の機能の寿命が短くなるためであると思われます。

特に歳を重ねた魚や、水槽の中の稚魚などは影響をダイレクトに受けやすいことは明らかなことになります。

つまり、高すぎる水温は魚にとっては良いことは無く、適正な25℃くらいの水温を維持してあげることが必要になるのです。

6月は人間にとっては、30℃前後の室内気温を我慢できる時期なのかもしれません。しかし、28℃という水温は、魚にとっては厳しい環境に入りつつある状況になります。そのため、出来る限り6月から水槽用クーラーを使ってあげたり、室内エアコンの適切な使用で水温の上昇を抑えてあげてください。


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25℃設定のエアコンを使用した場合

では、室内エアコンを25℃設定で運転した場合は水温はどうなのか?という点も実際に測定してみました。

2020年6月5日に測定をした結果になります。

水槽は上で紹介した水槽と同一の水槽で、水温や気温の測定方法も全く同じです。

冷房使用時の水槽水温変化

冷房の設定は25℃でせすが、室温は大体26℃台に乗っていますね。

そして、水温ですが、60cm水槽も30cm水槽も水温の上昇が抑えられて、26℃以下に水温が保たれるようになりました。

室内エアコンを使用することは、水槽用のクーラーを使用するのと同様に水温を確実にコントロールできる方法ですね。

高水温は異臭・油膜の原因にもなります

水温が上がると、魚の健康状態だけではなく、水槽から漂う臭いも気になり始めます。

冬はそこまで臭いはきつくないのですが、気温が上がると臭いの成分が拡散しやすく、かつ微生物たちの活動も活発になるので、とくに上部フィルターや壁掛けフィルター等のろ材が空気に触れるような機構のフィルターで匂いが気になります。

水槽から漂う臭いを防ぐという目的でも、エアコンや水槽用クーラーを使用する意義が出てきます。

特に水槽をリビングや寝室に置かれている方は、臭いが気になるかと思います。

また、高水温はバイオフィルムの増殖により油膜の原因にもなります。私の経験ですが28℃以上になると、壁掛けフィルターの中にも油膜ができ始めるのを確認しています。

高水温は色々な所に弊害をもたらし始めるので、夏本番の前に対策をしっかりと練っていきましょう!

この記事のまとめ

この記事では、6月の室内水槽の水温が室内冷房の有無でどれくらい違うのかをまとめさせていただきました。

冷房を異様しない場合、室内の気温が30℃を超えていくため、水温もそれに追随して28℃を超えるようになります。

しかし、25℃設定のエアコンを利用することで、室内の温度も26℃くらいに抑えられ、水槽の水温も25℃台をキープすることができました。

28℃井所の高水温は、魚の健康状態に影響を及ぼし始める水温に近くなります。

6月のうちに水槽の夏準備を始めて行きましょう!