【アクアリウム】プラナリアの大量発生と抑制に成功した実例

水槽の中に突然発生してしまう厄介な存在 … その一つが「プラナリア」です。

プラナリアは、水槽を立ち上げたばかりの段階や、水槽の中が汚れている場合に発生しやすいため、特にアクアリウムの初心者の方が直面するトラブルであることが多いと言われます。

プラナリア自体は、飼育している生体に悪影響ではありますが、やはり水槽の「美観」を考えると抑制したい存在であると言えます。

プラナリアが水槽に入ってくる経路としては、アクアリウムショップで購入した水草や生体に付着して水槽に持ち込まれることが多いかと … 。

2022年7月の事になりますが、私の管理している水槽の一つに、プラナリアが大量発生しました。

正直な所、自分が管理してる水槽の中で、久しぶりにプラナリアが発生したので何事かと思ったのですが、冷静に対処することで無事にプラナリアの抑制に成功しました。

この記事では、プラナリアが大量発生した水槽の管理方法や、何故プラナリアが発生したのか?、そして、その解決までの道のりを詳細に記していきたいと思います。

プラナリアの発生原因は様々ですが、一つの例として御参考になれば幸いです。

【注意】本記事で紹介する内容は、筆者が実施したプラナリア抑止方法の一例です。必ず全ての水槽に適応可能な方法では無いので、あくまでも参考例としてお考え下さい。


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「プラナリア」とは!?その発生原因は?

まず最初に、プラナリアについて簡単に紹介しておきたいと思います。

プラナリアは、扁形動物門有棒状体綱三岐腸目に属する生物の総称となります。

見た目は非常に小さなミミズの様なもので、水槽をじっくりと観察するとガラス面を這いつくばっていることが多々あります。

体の表面に非常に小さな繊毛を持つため、和名では「ウズムシ」という名前で呼ばれることもあります。

下の画像は、私の水槽で実際に発生したプラナリアの写真です。中央に写っている細長い白い生物がプラナリアです。

スマホのカメラで撮影したため、少し見にくいかもしれませんが、小さく白い生物が写っていることがわかるかと思います。

アクアリウムで発生するプラナリアの見た目としては、この例に類似したものが多いと思います。

本記事をご覧になってくださっている方は、この写真の様なプラナリアにお困りの方が多いのではないでしょうか?

プラナリアは再生能力が非常に高く、体が数分割されても、それぞれの破片が新たなプラナリアになります。

これが、プラナリアが「一度発生すると解消が難しい」と言われる所以でもあります。

そして、プラナリアの発生原因ですが … これが様々です。

一般的に言われている原因としては、以下に挙げる事項となります。

① アクアリウムショップで購入した生体や水草に付着していたものが混入した。

② 自然採取の魚や石に付着していたものが水槽に混入した。

③ もともとプラナリアの数が少なかった水槽で、水質の悪化が原因で大量に増殖した。

ただ、これらはプラナリア発生原因の一例であり、これら以外にも原因が多数あるため、原因を特定するのが難しいのが現状になります。

プラナリアは水槽内の生体 (魚やエビなど) には無害と言われていますが、プラナリアが発生した水槽は非常に見栄えが悪いです。

プラナリアが大量発生すると、美しいアクアリウムも一気に雰囲気が悪くなってしまいます。

プラナリアが発生してしまったら、もちろん原因の特定も大事ですが、まず最初に数を減らす努力の方が大事だと思います。

プラナリアが大量発生してしまった水槽について

それでは、ここからはプラナリアが発生してしまった水槽の実例を紹介していきます。

今回、プラナリアが大量発生したのは、下の写真のレインボースネークヘッドを飼育している25cm水槽となります。

2022年7月になりますが、この水槽のガラス面に大量のプラナリアが発生していることがわかりました。

日々の飼育の中では、あまり水槽用のライトを使用していなかったため、プラナリアが増殖していることに気付けなかったのだと思います。

プラナリアが非常に小さいので、上の写真ではその様子が見て取れないのですが、数えてみると少なくとも50匹以上のプラナリアがガラス面でうごめいていました。

奥と左右のガラス面にもプラナリアが見えたので、相当な数が発生しているものと考えられました。

プラナリアを拡大して写真におさめたものが次の画像です。こんなプラナリアが大量にいるんです…見ただけで嫌になりました…。


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プラナリアが大量発生した原因は「活き餌」と推測

では、プラナリアが大量発生した原因は何だったのかを考えていきたいと思います。

この水槽はもともとはプラナリアが全くおらず、とても見栄えの良い綺麗な水槽だったんです。

それが急にプラナリアが大量発生するに至りました。

そこには「原因」が必ずあるはずです。

プラナリアが発生する前後で飼育環境の変化は?

まず最初に確認したのが水槽環境です。

フィルターの清掃状況や濾過水量、そして水温など、基本的な飼育環境に変化が無いかを調査しました。

しかし、どれもいつも通りの状況で、プラナリアの発生に直結するようなものはありませんでした。

プラナリアが発生する少し前に餌の種類を変えていたことに気付く…

水槽の環境ではないとすると … 他に何か変化させたことは … と考えていると、一つの変化点に気付きました。

それは「餌の種類」です。

私は釣りが好きで、「シラサエビ」を使った「エビ撒き釣り」を楽しんでいるのですが、シラサエビが余った日にはシラサエビを数匹持ち帰って、レインボースネークヘッドに活き餌として与えていました。(シラサエビは下の画像の小さな淡水エビです。)

通常は肉食魚用の人口飼料として有名な「カーニバル」を利用しているのですが、たまには活きた餌も与えようと考えて、活きたエビを与えていたんです。

釣りに行く頻度が少ない時は、月に1度だけシラサエビを与えていたのですが、2022年6月後半から7月前半は釣りに行く回数が多く、毎週のようにシラサエビを持って帰ってきて水槽に活き餌として入れていたんですね。

7月は人口飼料 (カーニバル) 以上に、生き餌 (シラサエビ) をレインボースネークヘッドに与えていたんです。(活き餌の方が自然に近い餌であり、レインボースネークヘッドの飼育には適していると思い込んでいた側面もあります。)

この活き餌の与え過ぎがプラナリア発生の原因なのでは無いか!?と考えられました。

プラナリアの原因は活き餌のシラサエビとスネークヘッドの排泄物と予想

人口飼料のカーニバルの中には、当たり前ですがプラナリアは混入していません。

しかし、活き餌であるシラサエビは釣具店で購入したものになります。釣具店で餌として販売されているシラサエビですので、その管理環境はアクアリウムショップの様なレベルではありません。

しかも、関西圏では、シラサエビは琵琶湖で採取されたものが販売されているため、シラサエビにプラナリアが付着して水槽に混入したということは容易に想像ができます。

また、肉食魚に活き餌を与えると、シラサエビの体の一部が水槽内に残っていたり、完全に消化されなかったシラサエビが排泄物に含まれるため、非常に飼育水を汚しやすい環境になります。

レインボースネークヘッドの排泄物が目立つ前に換水していましたが、それでも飼育水が汚れるスピードが早く、低層の砂利の中にも排泄物の一部が残っていたのだと思います。

これらの悪循環が重なってしまったため、プラナリアが増殖する環境が整い、結果としてプラナリアが大量に発生するという事態に陥ったのであると思います。

餌やり方法の改善と換水頻度でプラナリアの抑制に成功

原因は概ね特定できましたが、この大量発生したプラナリアをどうやって解消していくのか!?

それが次の課題でした。

プラナリアは、自己再生能力が強いため、潰したりしても破片が残っていると再生します。そのため、水槽内で潰したりする行為は逆効果になる恐れがあります。

やはり根本からプラナリアを抑え込む方法を考えていかねばなりません。

まず最初に、プラナリアの原因であると考えられる餌は、シラサエビを断ち、人口飼料のカーニバルだけを与えていくこととしました。

そして、水槽に発生しているプラナリアですが、ガラス面に付着しているプラナリアはスクレイパーで集めて水槽外へ取り出しました。

また、砂利の中に生息しているプラナリアは、換水時にホースを使って吸い出すように心掛けました。

これらの作業は一回だけやっても効果が薄いです。

ガラス面のプラナリアは除去しても、一晩経つと再びプラナリアが現れます。多分、砂利の中に残っていたプラナリアが出て来たものだと思います。

ガラス面のプラナリア除去を毎日行うとともに、換水頻度 (砂利の中の清掃) を2日に1度にしました。

そして、この作業を続けること10日間 … プラナリアの数が一気に減りました。

ただ、プラナリアが完全にゼロになったのではなく、時々ガラス面を2, 3匹が這っているのを見ます。

しかし、増殖した当時と比べると大幅にプラナリアが減り、水槽の美観を回復することができました。

プラナリアの原因となる餌の改善、発生したプラナリアを根気よく水槽の外へ追い出すこと、そして換水頻度を上げて水槽環境を改善したことが功を奏したのだと言えます。

この作業を定期的に続けて行けば、プラナリアが一気に増殖することは防げるのかと思います。


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この記事の終わりに

この記事では、水槽に美観を損ねる厄介者の「プラナリア」に関して、プラナリアが大量発生してしまった水槽の実例や、プラナリアの抑制策の具体的な例を紹介させていただきました。

プラナリアは、我々が気付かないところから水槽内に入り込み、いつの間にか水槽内で大増殖してしまうため、何とか解消したいと思われるアクアリストの方は多いと思います。

プラナリアが発生する原因は様々ですが、プラナリアが増殖した前後での水槽環境の変化や飼育方法の変化を考えることで原因を特定し、対策ができる場合があります。

また、発生してしまったプラナリアについては、こまめに水槽外に排除するすことと、プラナリアが生存しにくい環境を整備することである程度は解消することが可能です。

水草水槽で厚いソイルが敷かれている場合や、レイアウトが複雑な水槽の場合には、「プラナリア Zero」という商品を使うのも手段の一つかと思います。

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また、プラナリアに似た存在に「水ミミズ」もいますが、こちらの対処方法などをまとめた記事も以下のリンクで公開しております。

美観を損ねるプラナリアの大増殖を抑制し、美しい水槽を維持してくださいね!

それでは!