レイアウト水槽に植栽する人気の水草に、「ルドヴィジア」という品種の水草があります。
ルドヴィジアはアカバナ科に属するルドヴィジア属の総称になりますが、アクアリウムに用いられる品種の中には多くの種類があります。
また、葉の大きさが小さなものや大きなものもありますし、真っ赤に染まる品種もあるため、立ち上げるレイアウト水槽の種類によって使い分けることも可能です。
さらに、育成難易度もそれほど難しくは無いので、初心者の方からベテランさんまで広く愛されている水草であると言えます。
そんなルドヴィジアを水槽の中で育てる時に気になるのが「成長速度」だと思います。
暴れるように育ってしまうのか?成長速度が緩やかなのか?
この記事では、ルドヴィジアの育成条件の詳細と成長速度を測定した結果について紹介していきます。
本記事で紹介するルドヴィジア・グランデュローサについて
この記事で紹介するルドヴィジアは、「ルドヴィジア・グランデュローサ」と呼ばれる品種で、ルドヴィジアの中でも大きな葉を持つことで有名な品種となります。
また、葉は赤く染まることでも有名で、赤く大きな葉をレイアウトに取り入れたい方胃にとっては、とても適した水草であると言えます。
下の写真で中央にある大きな葉を持つ水草がルドヴィジア・グランデュローサになります。
回りにある赤く細い葉を持つのが、水草のロタラ・ベトナムになりますが、ロタラと比べると葉の大きさも大きいことがわかるかと思います。
ルドヴィジアの仲間には、他にも有名な品種として「ルドヴィジア sp. スーパーレッド」や「ルドヴィジア・グリーン」、「ルドヴィジア・レペンス」等があります。
私自身、どの品種も育てたことがありますが、成長速度はそれほど大きく変わるようなイメージがないので、今回はグランデュローサを例に取って紹介させていただきます。他の品種の育成時にも御参考になるデータになるかと思っています。
ルドヴィジア・グランデュローサの育成環境の詳細
続いて、ルドヴィジア・グランデュローサの育成条件について紹介します。
今回紹介するルドヴィジア・グランデュローサは、60cm水槽の中で育てている株になります。
アクアリウムショップで小さな挿し芽の苗を購入してきて、水槽に植栽を行いました。
LEDライトはアクロ製のTriangle LEDと、GEX製のCLEAR LED POWER IIIの2つを用いています。
換水頻度は1週間に1度で、水槽の1/2の水を交換しています。
二酸化炭素の添加はせず、換水の際に液肥を適量注入して管理をしました。
飼育している魚は小型カラシン科の魚をメインに約25匹です。
また、苔や藻の発生を防ぐために、ヤマトヌマエビを4匹とミナミヌマエビが数えるのが困難なくらい入っています。そのおかげで、水草にはコケや藻が発生しません。
ルドヴィジア・グランデュローサの成長速度の測定結果
では、ここからはルドヴィジア・グランデュローサの成長速度の測定方法と、実際の成長速度の測定結果を紹介していきたいと思います。
成長速度の測定方法
ルドヴィジア・グランデュローサの成長速の測定については、単純にソイルの表面からの株の高さを測定しました。
下の写真に示すように、ソイルの表面から株の最も高い位置までの距離を測定します。
高さの測定は、物差しを使って定期的に行いましたが、測定精度はそこまで高くないので、1cm程度の誤差は含まれてしまっていると思ってください。
また、測定を行ったルドヴィジア・グランデュローサは合計で3株です。
植栽を行った日から2カ月の間、成長速度を測定していきました。
成長速度の測定結果
では実際の結果についてですが、まず最初に、植栽した当時の写真から2カ月後までの写真を並べてみました。
植栽した当時は、まだ葉が緑色の状態でしたが、2カ月経つと葉が赤くなり茎の長さも葉の量も増えていることがわかるかと思います。
ただ、2カ月経っても水槽の水面まで茎が伸びていくようなレベルにはなりませんでした。
次に、定期的に茎の長さを測った結果をグラフ化したものを下に示します。
上記の通り、3株のルドヴィジア・グランデュローサの成長速度を測定したのですが、どの株もほぼほぼ同じような成長曲線を描いていることがわかります。
植栽してから約1週間から10日は、ほとんど成長が見られませんでした。
これは、植栽直後で根がしっかりと張れていない事によるものかと思われます。
しかし、根がしっかりと張って成長にスイッチが入ると成長速度が上がり、約2カ月の間で茎が約10cm伸びています。1カ月当たりで10cm程度なので、水草の中では成長はそこまで速い方では無いですね。
このような成長曲線は、以前のロタラの成長速度測定の記事でも紹介しましたが、有茎草によくみられる特徴だと認識してます。
ルドヴィジアは暴れるように成長速度が速いわけでは無いので、水槽の中に植栽してもそれほど困ることはありません。
他の一般的な水草達の成長と同じような速度速度で育ってくれるということが言えそうです。
ルドヴィジア・グランデュローサが赤くなるには強いライトが必須
ルドヴィジア sp. スーパーレッドやルドヴィジア・グランデュローサは、葉が赤や染まる品種になるのですが、葉を赤く染め上げるためには、必ず強いLEDライトが必要になります。
光量の弱いLEDライトであると、ルドヴィジアは赤く染まりません。
上の写真で、植栽した当初の写真を載せているのですが、葉の色が緑色であることがお分かりいただけるかと思います。
これは、ルドヴィジア・グランデュローサを購入したアクアリウムショップでは、それほど強い光量のLEDライトで管理をされていなかったためです。
しかし、私が管理する60cm水槽では、LEDライトを2つ設置しており、十分な光量が得られるため、成長に伴い赤い葉をどんどん増やしながら成長するようになりました。
もし、ルドヴィジアを赤く染めたいのであれば、強いLEDライトを用いることが近道だと言えます。
今回は二酸化炭素の添加をしないで育てましたが、それでもしっかりと赤く染まってくれました。
ルドヴィジア・グランデュローサの育成で困り事は藻 (コケ) の発生 -エビで対策-
上記の結果の通り、ルドヴィジア・グランデュローサの成長速度は1ヵ月で10cm程度です。
水草の中では一般的な成長速度かと思いますが、そこまで速いという印象もありません。
アヌビアス・ナナのように成長が遅いわけでは無いのですが、それでもコケの発生には悩まされました。
下の写真は、ルドヴィジア・グランデュローサの葉を上から撮影した写真となりますが、小さな糸状の藻 (コケ) が多数生えてきていることが分かるかと思います。
この写真は、藻が生え始めの頃の写真ですが、放置していると酷い状況になります。
そのため、ヤマトヌマエビやミナミヌマエビなどを導入する対策は必須です。
特に、今回は高強度のLEDライトを使ったので、藻やコケの発生も顕著になります。
その藻やコケの発生速度に勝るようなヤマトヌマエビとミナミヌマエビの数を入れる必要があります。
上で紹介した水槽ですが、現実にヤマトヌマエビが4匹、ミナミヌマエビは数えきれないくらい入っています。
それだけエビを入れて、藻やコケの問題が解消したしたので、ルドヴィジアをレイアウトに使う際にはメンテナンスフィッシュとしてのエビ導入も検討してください。
この記事の終わりに
この記事では、葉が赤く染まる水草「ルドヴィジア・グランデュローサ」の成長速度や成長の過程を紹介させていただきました。
今回の実験ではルドヴィジアの成長速度は1カ月で約10cm程度となり、水草の中で一般的な成長速度と言えることがわかりました。
また、LEDライトの強度を上げることで葉が赤く染まることもわかり、二酸化炭素については添加しなくても問題はありませんでした。
注意点としては、記事後半で説明した通り「藻やコケの発生」になります。
高強度のLEDライトを使用していることも原因の一つではありますが、ルドヴィジア・グランデュローサは葉が大きいのでコケが生えやすい水草であることは否めません。
あくまでも私の経験でのお話ですが、ルドヴィジア・グランデュローサをレイアウトに使う際には、少し多めにエビ達を入れたほうが良いかと思います。