多くの種類がある日本の金魚ですが、この記事では私が最も好きな金魚である「丹頂」を御紹介させていただきたいと思います。
長いヒレに白い体で、一般的な金魚水槽から水草のレイアウトの水槽まで、様々な水槽で美しい姿で泳いでくれる金魚です。
金魚「丹頂」の特徴
まず最初に、丹頂の特徴を見た目と性格の面で紹介したいと思います。
外観はとても美しいパールホワイトに赤い頭
丹頂の最大の特徴と言えば、その美しいパールホワイトの体に長いヒレ、そして頭の上だけが赤い体です。
金魚には様々な種類や模様がありますが、身体の大部分が白い金魚の方が種類が少ない印象で、白い金魚の方が私個人としてはヒレの美しさが際立つと思っています。
また、赤い頭にクリっとした目がとても愛嬌があり、水槽に入れても少しランクの高い金魚水槽に見えます。特に、丹頂が5匹以上泳ぐような大きな水槽は、ライトをつけると丹頂の体が綺麗に写り豪華さが増しますね。
私自身、丹頂を5匹も飼育していませんが、アクアリウムの丹頂水槽は金魚水槽の中でも特に綺麗に見えます。
体長も最大で15cm程度なので、金魚の中では最大サイズが小さい方です。
とても人懐っこい性格
私の人生の中で、これまでに本当に多くの金魚を飼育してきた経験がありますが、最も人懐っこい性格の金魚の上位にランクインするのが丹頂だと思います。
金魚は全般に人懐っこい性格がありますが、丹頂は遠くに人の影が見えただけでも反応しますし、指を入れると指をつついて舐めてくれるようになります。
猫や犬では無いですが、飼い主の人が現れると喜んで餌を欲しがる姿は、お子さんと一緒に飼育する場合にもとても喜ばれると思いますよ。
丹頂の飼育環境について
水温は夏場に注意が必要
金魚は日本古来の魚になるので、日本の四季を耐え抜く力があります。
冬に凍り付くような池でも生命維持が出来るので、室内の水槽であれば冬はヒーターなどを使用せずとも飼育が可能です。
ただし、気を付けて欲しいのは夏です。
日本の夏は年々暑くなっており、冷房が入っていない住宅では室内の温度が35℃以上になることが一般的です。
そのような部屋に水槽を置いておくと、水温も室温に近づいていきますので、水温が30℃以上になることは当たり前です。30℃以上の水温は金魚は何とか生き抜きますが、35℃以上になると命の危機になります。そのため、室内で夏を越す場合にはクーラーやファンで水温を下げる努力は必須です。
また、冬でもヒーターの使用は必要ないと記載しましたが、年間を通じで20℃以上の水温にすることで金魚の成長を促進できるので、早く成長させたい方は冬にヒーターを併用すると良いです。
飼育水槽のサイズについて
水槽のサイズは、比較的小さなものでも飼育可能です。
私が現在飼育している丹頂は、体調が10cm程度なので、まだ25cm水槽でも飼育が出来ています。もう少し大きくなったら、一つ大きな水槽に移そうかと思っています。
また、丹頂を飼育する数が多くなれば水槽のサイズも大きくなります。
5匹くらいを飼育するのであれば60cm水槽が良いかと思います。金魚の水槽は糞で飼育水が汚れやすいですし、60cm水槽があれば外部フィルターの力で生物濾過をしっかりと得ることができますので。
下には砂利やソイルを敷くと喜ぶ
金魚はフナの仲間で、自然環境下では底層の砂利や砂、ヘドロの中から餌を探して食べています。
そのため、水槽の中でも底にある砂利などを吸い込む癖があるので、水槽の底には砂利やアクアリウムソイルを敷いてあげると喜びます。
ただし、砂やソイルを掘ってしまうという観点で、水草水槽が破壊されてしまうという可能性があることは覚えておいてください。私自身、水草水槽が崩壊した経験があります。
丹頂は他の魚との混泳は可能?
金魚はおとなしい性格ですが、口に入るものは何でも食べてしまうという生体の持ち主です。
小さな魚、エビ、虫…なんでも食べる雑食です。
部屋にいた蚊を与えてみたら何の躊躇いもなく食べていましたし、下の写真に載せるように、カワムツの子供を一緒に混泳させたら食べてしまいました。
そのため、小さな魚やエビとの混泳は避けた方が良いです。
たまに、熱帯魚と金魚を混泳させている方もいますが、ネオンテトラやグリーンネオンなどの小型の魚は食べられてしまう可能性が高いです。また、ビーシュリンプの様な小さなエビは確実に餌食になりますので、アクアリウムショップで購入しても丹頂との混泳は避けましょう。
金魚同士であれば、どんな金魚とも平和にやっていけるかと思いますが、餌の時間は丹頂は結構気が荒くなるので、他の金魚も餌を食べれるように気を配ってあげて下さい。
丹頂のいる水槽は油膜が無くなる
丹頂ですが、実は知られざる「油膜取り」の名人です。
熱帯魚の水槽ですと、油膜が水面に張ってしまい美観的に悪くなる場合が多いのですが、丹頂のいる水槽は油膜が全く張りません。
丹頂は結構な頻度で水面に浮かんでいる脂分を吸い込んで食べているため、油膜が出来ません。
実際、私が丹頂を飼育している水槽は、丹頂を入れる前は油膜が結構張っていたのですが、丹頂を入れてから一度も油膜が出来ません。
油膜の最初のかけらができると、その油膜を食べつくすので、油膜の面積が拡大する隙が無いような感じです。
丹頂の飼育で注意したいこと
丹頂はとてもフレンドリーで飼育しやすい金魚ですが、私の飼育経験で注意点が2つあります。その点を御紹介しておきます。
丹頂は餌の与えすぎ注意
丹頂は上でも書きましたが、とても食いしん坊です。
熱帯魚を飼育されている方は、想像が付かないくらいの大食漢です。餌は与えられただけ食べますし、ある程度上げても「まだ欲しい」と餌をせがんできます。
しかし、餌の与え過ぎは金魚の体に負担をかけますし、消化不良による腹水病などの病気の併発も懸念されます。
また、餌を食べる量が増えれば糞の量も比例して増えますので、飼育水の中のアンモニア濃度、亜硝酸濃度、硝酸濃度が上がる一方です。飼育水を健全に保つという観点からも餌の量の適正化は必要な飼育管理となります。
水草は丈夫なものを使用すること
次に水槽内のレイアウトですが、水草の使用はあまりお勧めしません。
葉の厚みが小さいものや葉が小さいものなどは食べ荒らされてしまいますし、せっかく作った水草レイアウトも無残な姿になるでしょう…。ソイルに植えた全景層は、口で吸い込まれて抜かれてしまうこともあります。
そのため、もし水草を入れるのであれば、金魚に食べられる心配のない大きな葉の水草や、葉が分厚くて金魚に食いちぎられないような水草が良いです。
例えば、私も使用していますが「アヌビアス・ナナ」はお勧めです。丹頂による食害もありませんし、丹頂がアヌビアス・ナナの中を通過してもお互いに傷つけ合うこともありません。
この記事の最後に
この記事では金魚の中でも美しいパールホワイトの体と赤い頭が可愛い「丹頂」を御紹介させていただきました。
丹頂はその美しい体の色、長いヒレだけではなく、とても人懐っこい性格の持ち主で、お子さんと一緒に飼育しても喜ばれること間違いなしの金魚です。
ただし、金魚がフナを原種とする魚のため、「食」に関する困りごともあるので、紹介させていただいた注意点だけは覚えておいてもらえればと思います。