水草水槽で金魚の飼育が難しい理由とは

金魚は今も昔も変わらぬ人気で、子供から大人まで愛着を持って飼育できる魚です。

そんな金魚を水草水槽の中で飼育したいと思った方もいらっしゃるかと思います。私自身も水草水槽で金魚を飼育経験した一人です。

ただ…結論から述べると、水草水槽での金魚飼育は厳しいものがありました…

水草水槽に金魚を入れている写真があまり見られなかったのですが、その理由を実体験から紹介していきたいと思います。


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過去に水草水槽で金魚を飼育した理由について

金魚は子供の頃から飼育を経験していて、アクアリウムに復帰した時にも金魚は子供と一緒に飼育しようという予定がありました。

アクアリウムを再開するに当たり、近年人気の水草水槽もしてみたいと思うようになり、水草水槽の中で金魚を飼育しようと思ったことが発端です。

25cm水槽の中にソイルを入れてグロッソスティグマやキューバパールグラスなどを植え、ロタラも入れたりして小さいながらも水草水槽を楽しんでいました。

そこに子供と一緒に熱帯魚ショップで出会った金魚 (琉金と丹頂) を入れたのです。

それが悲劇の始まりになるとは…予想もせず…

水草水槽に金魚が適さない理由

それでは、私の水草水槽で起こった惨劇を振り返りながら、金魚が水草水槽に合わない理由を挙げていきたいと思います。

水草を食べてしまう

金魚が何科の魚に属するか、皆さんは御存じでしょうか?

実はコイ科の魚なんですよ!

髭が生えていないのでコイ科には見えないのですが、金魚はフナが突然変異で赤くなったことが起源となっている魚なんです。

つまり、簡単に言うとコイやフナと同じような生活様式・食生活を持つということなんですね。

フナやコイに詳しくない方もいらっしゃると思うので簡単に紹介すると、フナやコイはかなりの雑食性が高く、あらゆるものを食べます。

例えば人間の食べるご飯粒やパン、そしてスナック菓子でさえも食べてしまいます。そして、自然界では藻や水草なども食べて生活しているんです。

日本の綺麗ではない川にもコイやフナは生息していますよね?そのような良くない環境でも生きていけるということは、それなりに何でも食べて栄養を取れることに由来しているんです。

したがって、水草水槽の水草は金魚にとっては餌になるものなんですね…

私が上で紹介したグロッソスティグマは葉が小さいので口に含んでしまうため、食べ物として扱われてしまいます。食害にあったグロッソスティグマは、調子を崩して大半が枯れてしまいました。

また、次の写真は実際の金魚による水草の食害の例です。

有茎草の水草ですが、茎だけが残り葉の部分は全て食べられてしまっています。この水槽では丹頂・ランチュウ・琉金を飼育していますが、例え餌を与えていても、このような食害は止まりません。

水草をソイルから引っこ抜く

これも金魚の雑食性やコイ科であることに起因した性格なのですが…

金魚は砂の中に潜んでいる小さな生物などを探して土を掘り返す習性がありあmす。そのため、水草水槽を植えてあるソイルをほじくり返してしまいます。

そうなるとせっかく植えてある水草が根こそぎ引き抜かれてしまい、レイアウトがあっという間に崩れていきます。

レイアウトが崩れるのと食害がダブルパンチで起こるため、瞬く間に水草水槽は崩壊するのです…

私の水槽の場合ですが、10日ほどで崩されて跡形もないような状況になりました。

ソイルを口に入れて微生物を食べるためソイルが崩れる

これも問題です。

金魚はソイルを口に含んでソイルについている微生物などを食べているようです。そのため、ソイルの寿命が短くなります。

上で紹介したように、水草水槽が崩れてしまったので、全ての水草抜いてソイルだけが残っていた状態になったのですが、そのソイルまでもが被害に合っていました。

口に含んで口の中でコロコロと転がしている様子で、日に日にソイルが崩れていきます。

金魚水槽には大きめの砂利が適していると言われる所以を、実体験をもって経験しました…。砂利であれば口に含まれてもそう簡単には崩れることはありません。

糞が非常に多く底に汚れが溜まるのが早い

金魚は体格も大きいので、食べる餌の量も多く餌の量も多くなります。

そのため、水槽の底に水草が生えていると、どんどん堆積していきます。小型の熱帯魚と比べると比ではありません…。

水替えの時になるべく水槽の底を掃除するようにしているのですが、週に1度か2度の水替えでも大量の糞が出てきます。

水替え頻度が少ない水槽では、実は飼育水の中のアンモニアや亜硝酸濃度が高くなってしまっているのではないか?と思えるくらいの量です。


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金魚は油膜でさえも食べる!

金魚はお腹が空くと水面に浮かんでいる油膜でさえも食べ始めます…。

熱帯魚の中にも油膜を食べてくれる魚がいますが、金魚の場合は体も口も大きいので油膜除去能力が非常に高いです。

水面で水を吸い込んで「ジャボジャボ」と音を立てて油膜を吸い込んでくれるので、私の管理している金魚水槽では油膜見たことがありません。

金魚に適した水草は?

金魚に適した水草は何でしょうか?

一般的にアクアリウムショップで入手できる水草の中では「アヌビアス・ナナ」が最も最適だと思います。

葉が固く大きいので、金魚も食べようとはしません。また、耐陰性のある植物なので、室内の弱い光でも成長してくれます。

実際、下の写真が私の現在の金魚水槽ですが、一応水槽の底にはソイルを敷いていますが、水草はアヌビアスナナを1株だけ置いています。

真ん中には水草水槽を破壊してくれた金魚である「丹頂」が優雅に泳いでいます。

アヌビアス・ナナ以外にお勧めできるのは「ミクロソリウム」というシダ植物ですね。

ミクロソリウムもアヌビアス・ナナ同様に耐陰性のある植物ですし、比較的葉が丈夫で大きいので金魚に食べられることは無いと思います。

実験的にミクロソリウムを上の水槽に1が月くらい入れたことがありますが、金魚の食害は受けることがありませんでした。


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水草水槽で金魚を飼う条件は?

ただ、グロッソスティグマやロタラなどが植えられた水草水槽で金魚を飼育したいと思う方もおられるかと思うので、限定的ではありますが、飼育できる方法も記載しておきます。

単純です。「サイズの小さい金魚を飼育すること」です。

それ以外の対策・方法では、金魚と水草の同居は難しくなると思います。

サイズの小さいとは3cm程度の子供の金魚の事です。そのくらいのサイズであれば水草が口に入ることはないので、食害は防げます。

ただし、将来的には大きく育つの別の水槽で飼育する必要がある点はご注意ください。

この記事の最後に

この記事では、水草水槽の中で金魚が飼育できるのか否かについて、私の過去の経験を紹介させていただきました。

結論として、グロッソスティグマやロタラなどの比較的葉が小さく少し弱い水草が植えられている水槽では金魚飼育は困難です。

金魚がコイ科の魚で様々なものを食べ、コイの習性である土や泥の中の食べ物を探すという習性があることが根本的な原因です。

金魚は古くから日本人に愛されてきた魚ですが、金魚の習性を理解して水槽のレイアウトを決めてあげて下さい。

古くからある伝統的な金魚水槽は、水草が少なく底に敷いているのは砂利です。そこには金魚の性格や性質を理解した先人の知恵があるのだと気付かされました。