ブセファランドラの葉が黄色くなる理由を考察

アクアリウムの水草レイアウトで人気の水草「ブセファランドラ」。

ボルネオ島に自生する水草のため、日本国内で購入すると結構お高い水草になります。

そんなブセファランドラの葉が黄色くなってしまって焦ったことがありませんか?

私自身も、水槽の中で育てているブセファランドラが何度か葉が黄色くなり焦ったことがあります。しかし、実は葉が黄色くなるのには、心配すべき時と特に問題ない時があると思っています。

この記事では、ブセファランドラの葉が黄色く変色してしまう点について、その原因も踏まえて御紹介していければと思います。


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ブセファランドラの成長の過程

ブセファランドラを育てていらっしゃる方であれば、ブセファランドラがどのように成長するのかは何となく想像が付くと思います。

成長の過程なんて、どの植物でも同じだろうと思ったら大間違いで、その植物によって成長の方法が全く異なります。

ブセファランドラの成長過程は、下の図に示すように、成長点が最も高い位置にある葉の根元にあります。

そのため、成長は基本的に上方向へ進んでいくことになります。上の図の右側の絵は、成長して新しい葉が2枚追加された様子の図となります。

このように、葉が成長点から展開しながら上に向かって成長していく植物です。

もちろん、根も生えているのですが、園芸で育てる草花の様に、土の中に立派な根を高密度に生やすことはありません。ブセファランドラの根は、時間が経つと長さは伸びると思うのですが、密度がそこまで高くなるわけでは無いです。

しかし、成長していく過程で、上の図の右側の図に示すように、元々根が生えていなかった部分から根が新しく生えてきます。

つまり、葉が上方向へ展開していく過程で、成長点の少し下の茎の位置から新しい根が生えてくるという成長を繰り返していく植物になります。

この点は、園芸用の草花とは違う成長過程になりますが、同じように成長する植物に蘭科の植物があります。例えば、胡蝶蘭などもこの成長過程を持っています。

下の葉が黄色くなるのは葉の世代交代の意味もある

上で説明したブセファランドラの成長過程で分かるように、下の位置にある葉の方がより古い葉になり、上にある葉の方が新しい葉になります。

そのため、下の図に示すように、株の下の方にある葉の方が年を取った葉になるため、どちらかと言うと枯れやすい状況だと言えます。

どうしても年を取った葉の方が、葉としても勢いがなくなってきますし、新しい葉が生えてくることで、下の葉には光が当たらなくなります。そのため、光合成の観点でも健全な状態を保つことが出来ず、ブセファランドラの株自体が下の葉を枯らす判断をするのだと思います。

そのため、下の方の葉が1,2枚だけ黄色く変色してしまい、上の方の葉は緑色で生き生きしていれば、特に問題は無いかと思います。

下の写真は私の育てているグリーンウェイビーと言うブセファランドラですが、下の方の葉が黄色くなり枯れても、上の方の葉は元気ですので、特に育成に問題が出ることはありません。


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ブセファランドラにも頂芽優勢の性質があるのだと思います

この記事を読んで下さっているのは、アクアリストの皆様である可能性が高いかと思いますが「頂芽優勢」という言葉を聞いたことがありますか?

園芸での植物栽培ではたまに聞く言葉ではあるかと思うのですが、アクアリウムの世界ではあまり聞くことが無いかと思います。

「頂芽優勢」とは、その単語の通りなのですが、頂点にある芽や葉が最も優先的に育ち栄養を得ることができるという習性になります。

植物は光合成をしないと成長が出来ないので、最も太陽に近い位置にある芽がもっとも栄養をもらうように優先的に育つようになっている植物が多いです。

今回紹介しているブセファランドラについても、その習性が備わっているのだと思います。

成長の過程を見ると、上で紹介したように、下にある葉の方から枯れていくことが多いです。つまり、成長点に近いより高い位置にある葉の方が栄養をもらい、健康な状態で光合成をしており、下の方の葉は栄養をしっかりもらえず枯れていくというような状態になるということです。

そのため、下の葉だけが枯れるというのは、頂芽優勢の観点でも起こり得る現象なのだと考えています。

心配すべきは上の葉が変色している場合

ブセファランドラの葉が黄色く変色する兆候がある場合、最も高い位置にある葉の色が悪い場合には、何かしら環境の改善をすべきかと思います。

例えば、次の写真に載せるブセファランドラの様に、最上部にある葉の色が黄緑色になっています。(このブセファランドラの種類はわかりません…すいません。)

このように、最も高い位置にある最も新しい葉が黄色くなり始めてしまっている状況と言うのは、ブセファランドラの株が不調になってしまっている可能性が高いと思っています。

上で説明したように、最も高い位置にある葉は最も新しい葉であり、かつ最も栄養分が豊富なはずの葉であるので、一番青々としているべき葉になります。

例えば、光合成が上手くいっていなかったり、飼育水の中の肥料分が少ないなどの原因が考えられます。

また、下の別の記事でも紹介していますが、不調だったブセファランドラが復活することもあるので、参考にしてみて下さい。


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この記事の最後に

この記事では、ブセファランドラの葉が黄色に変色してしまう原因について、心配すべき場合と心配しなくても大丈夫だと思われる点を紹介させていただきました。

ブセファランドラは、新しい葉の展開と共に基本的に上に成長が進む植物になるので、下に付いている葉の方が枯れやすい性質があります。そのため、根元に近い位置の葉が1, 2枚枯れてもブセファランドラの株としては特に大きな問題は出ないのかと思います。

しかし、最も新しく展開してきた葉が黄色く変色するような場合には、肥料の不足や微量元素の不足なども考えられるため、水槽環境の改善が必要になる場合もあるかと思います。