水槽で飼育する魚の中でも、古くから日本人に親しまれている魚と言えば金魚で間違いないですね!
フナが突然変異して赤くなったことをきっかけに誕生した魚ですが、日本でも江戸時代から品種の改良が盛んになり、様々な品種の金魚が世に出てきました。
「和金」「コメット」「出目金」「コメット」…ホームセンターに並んでいる金魚の品種だけでも20種類以上はあります。
お値段も安価なものから高価なものまで様々で、品評会で賞を取るような美しさの金魚には、数十万円以上の値が付けられることもあります。
そんな金魚の中で、とても安価で入手でき、しかも美しくて飼育が容易な金魚がいるのを御存じですか?
「琉金」です。
誰もが一度は目にしたことがある金魚だと思います。
この記事では、その琉金の魅力について御紹介したいと思います。
今、金魚選びに迷っている方がいらっしゃいましたら、琉金を選んでおけば金魚選びに間違いは無いと言えます!
琉金の見た目の魅力について
まず最初に、琉金の見た目の魅力について御紹介します。
金魚は熱帯魚と同じように観賞魚になります。ですので、水槽の中で美しく泳ぐ姿というのはとても重要なポイントになります。
① 安価なのに優雅な見た目
琉金の販売価格は、安いものもあれば少しだけ高価なものもあります。
安価なものはサイズが小さく、特に品種名が付いていない「ミックス」と呼ばれている種類のものです。街のホームセンターで見かけるようなものをイメージしてもらえればOKかと思います。
逆に高価なものとしては「飯田琉金」などの品種・ブランドが付いたものであったり、サイズが大きく育った琉金が該当します。
琉金は大きく育つと20cmくらいまで育つのですが、その大きさに育てるのには何年もの歳月がかかります。そのため、大きく立派に育った琉金ほど高価な値段が付けられます。また、そこまで大きく育った琉金は体が丈夫な傾向もあり、家にお迎えしても比較的安心して飼育できるというポイントもあります。
具体的な価格としては、ミックスの安いものでは300円くらい、飯田琉金でも小型のものであれば800円から1000円くらいで入手が可能です。
総じて、とても安価で入手が可能な品種です。
しかしながら、そのお値段に反してとても美しく優雅な姿をまとっているのが琉金です。
体はらんちゅうなどに比べるとスマートで、とても長い尾ヒレを持つため、体系のラインがとても美しく育ちます。
家の水槽で飼育するのですから、やはり優雅な姿で泳いでくれる方が、何となく見ている側としては嬉しいですよね。
琉金は「見た目」と「価格」の両面からコストパフォーマンスが最も良い品種と言えます。
② 琉金も自分の好きな色や柄を選べる時代
私が子供の頃、琉金というとオレンジ色のものが主流でした。
しかし、品種改良が進み、色が赤みがかっていたり、白とオレンジの混色 (更紗と呼ばれます) のものが登場しています。
そして、模様が入っている琉金については、それぞれが唯一無二の配色・模様であり、同じ模様の琉金は他にはいません。
また、模様が入っている琉金 (更紗) であっても、価格は特に上がるわけでは無いので、自分の好きながらの琉金を家にお迎えすることができます。
長い寿命を持つ金魚だからこそ、色や模様も選んであげて、長くペットとして愛してあげたいですよね。
③ オランダ獅子頭や丹頂と混泳させても美しさで負けない
①の項目にも重なるところはあるのですが、琉金の美しさはオランダ獅子頭や丹頂などの品種に比べても見劣りすることはありません。
オランダ獅子頭や丹頂は、琉金よりも少しお値段の高いブランド金魚となりますが、それらの金魚にも負けない美しさを琉金は持っています。
同じ水槽で飼育しても、その美しさや貫禄がオランダ獅子頭に負けてしまうような事はありませんし、最大体長もほぼ同じくらいです。
琉金の魅力は飼育の容易さもある
琉金の見た目の美しさや魅力は上記の通りですが、実は琉金には飼育の容易さでもメリットがあります。
以下の3つの項目は、筆者が琉金を飼育した経験から、特筆すべき長所になります。
① 病気に罹りにくい (筆者の経験上)
まず一つ目のポイントは、病気に罹りにくい印象がとても強いです。
金魚の病気の中で最も有名なものとしては「白点病」や「転覆病」などがありますが、私が飼育している琉金たちは白点病に罹ったことがありません。
もちろん、冬場にはヒーターを使って水温が25度くらいになるようにして白点病予防をしております。
しかし、水温を上げても白点病になってしまう金魚は出てきます。
そんな中でも、私は琉金が白点病に罹った経験がありません。同じ水槽に白点病が出た金魚がいても、それが琉金に移ったことがありません。
また、琉金やらんちゅうの様にお腹の大きな金魚は、お腹が上になってひっくり返ってしまう「転覆病」になりやすい傾向があります。
琉金も転覆病になったことはありますが、軽度の転覆表であり、長期にわたって転覆病を治療するような事はありませんでした。
私の勝手な印象なのですが、琉金は病気に強い金魚ではないかと思っています。
② 他の金魚に危害を加えることがほとんど無い
2つ目のメリットは、他の金魚との混泳に問題が生じにくい事です。
金魚を飼育する時、単体飼育される方もいらっしゃいますが、多くの場合には複数匹を同じ水槽で混泳させかと思います。45cm水槽であれば2, 3匹、60cm水槽であれば4~5匹くらいが目安かと。
金魚を混泳させると時に起こってしまいがちな問題が、金魚がお互いにヒレをつつき合い、ヒレを気付けてしまう事があることです。
特にヒレの長い金魚は、お互いのヒレを食べ物だと勘違いして、口で突いて舐めるような行為をします。
しかし、私がこれまでに飼育して来た琉金、そしてアクアリウムショップで販売されている琉金を見ても、ヒレをつつくような仕草をする子がほとんどいません。
逆にオランダ獅子頭や丹頂は、少し気性が荒いような面があり、ヒレをつついてしまう事が結構あります。
金魚を混泳させる時、お互いの体を傷付け合わせないことも一つの管理ポイントになります。
その観点では、琉金は他の金魚との混泳に適した品種だと言えるかと思います。
③ 成長速度が緩やかでゆっくりと飼育できる
琉金の成長速度はとても緩やかです。
下のリンクで実際に琉金の成長速度を測定した記事を公開していますが、ヒレを除く体の大きさは1年で約2cm程度しか成長していません。
魚の品種によっては、毎年水槽をサイズアップしなければならない魚種もあります。
もちろん、金魚も飼育環境や餌の量によって成長速度は変化するかと思いますが、琉金の場合は、最初に60cm水槽を用意しておけば、相当長い期間、水槽のサイズアップなしで飼育ができます。
(水槽を何個も用意するとなると費用もかかりますし、小さくなった水槽も処分に困りますからね…)
④ 水槽からの飛び出しの可能性が低い
私が以前「和金」を飼育していた時の事ですが、水槽からの飛び出しを何度か経験しました。
和金はフナが赤くなったような見た目で、金魚すくいでもお馴染みの金魚ですが、体型がスマートなので泳ぎも早く水槽から飛び出してしまう事があります。
しかし、琉金をはじめとするヒレの長い金魚や、お腹が大きく膨らんだ金魚は勢いよく水槽の中を泳ぐことができないため、飛び出す心配がほとんどありません。
水槽から飛び出してしまうと、高確率でお星様になってしまうので、その点では少し安心感があります。
ただし、絶対に飛び出さないとは言い切れないので、基本的には水槽上部のガラス蓋を閉めておきましょう!
琉金の飼育で最も注意すべきは餌の量
琉金は飼育が容易であると記載させていただきましたが、飼育の中で注意すべきポイントもあります。
水替えの頻度やフィルターの掃除は、一般的な頻度で行っていれば全く問題はありません。
しかし、日常の飼育管理の中で最も注意すべきは「餌やりと餌の量」です。
金魚には胃袋が無く、基本的に腸が胃袋の役割を果たしています。
そのため、胃袋が満腹になったことを知ることができないので、与えたら与えただけ餌を食べ続けます。
その結果、餌を与え過ぎるとお腹がぷっくりと膨らみ、正常な泳ぎが出来ない症状が一時的に現れることがあります。
また、消化不良が体調不良を併発することもあります。
特にお腹の大きな金魚は食べる量が多いですし、食べても食べても餌をおねだりしてきます。
しかし、餌の与えすぎは、琉金に限らず、健康状態を悪化させる原因になりますので、適量を心掛ける必要があります。特にお子さんと一緒に飼育されている方は、お子さんが餌を与え過ぎていないか確認してあげることをお忘れなく!
終わりに -金魚選びに迷ったら琉金を選べば間違いない-
上述の通り、琉金は安価にも関わらず、魚体の美しさや飼育のし易さの観点でも魅力的な金魚の品種であると言えます。
美しい金魚と言うと、とても高価なイメージがあるかと思いますが、琉金は1匹300円から販売されている品種になるので、価格に身構えてしまう事もありません。
むしろ、飼育の容易さを考えると、誰でも飼育が可能な美しい金魚の頂点に君臨する品種だと言えます。
今まさに、金魚を飼育しようと考えており、品種選びに困っている方!
琉金を選んでおけば、絶対に間違いはありません!
最後になりますが、以下でお勧めの琉金を紹介しておきます。