【熱帯魚】レッドファントムを色揚げで鮮やかな赤色にした実例と方法の紹介

淡水アクアリウムの醍醐味の一つと言えば、様々な色を持つ熱帯魚の飼育です。その熱帯魚の色の中でも、最も人気の色はやはり「赤色」ではないでしょうか!?

緑色の水草レイアウトの中で、最も映える色は光の三原色である「赤」と「青」になります。青々とした水草の中を泳ぐネオンテトラが美しく見えるように、赤色を持つ魚は存在感を増すとともに、水景をより綺麗なものに仕上げてくれます。

赤色と言えば熱帯魚の王様「ディスカス」が有名ですが、小型の熱帯魚も赤色の発色が強くなると、ディスカスと同様に体の美しさをどんどん増してきます。

特に全身を真っ赤に染め上げる「レッドファントム」や「レッドテトラ」に代表される、全身が赤色の熱帯魚は、餌の工夫で本当に綺麗な赤色の魚体に仕上がります。

この記事では、レッドファントムの魚体をより鮮明な赤色に仕上げた例と、その方法や餌について御紹介したいと思います。


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熱帯魚の「レッドファントム」について

本記事で色揚げによって魚体を鮮明な赤色に仕上げたのは、レッドファントム・ルブラになります。

レッドファントムは、原産地がコロンビアの小型のテトラ系の熱帯魚になります。

「ルブラ」というのは「より赤い」という意味を持ち、レッドファントムの中でも、ひときわ赤色が際立っている魚体にのみ付けられる称号の様なものです。

熱帯魚ショップに行くと、レッドファントムという名前で販売されていますが、その中に「レッドファントム・ルブラ」という名前で、赤色が強調された個体も販売されていることがあります。

レッドファントムとレッドファントム・ルブラは、全く同じ魚で、ただ単に赤色が鮮明か否かによってクラス分けされているものとなります。

レッドファントムの色揚げ方法

色揚げに使用した人口飼料

レッドファントムの色揚げ方法ですが、以前の記事でレッドテトラを色揚げした記事で紹介した方法と同じ方法になります。

上の記事で紹介した時に、同時にレッドファントム・ルブラの色揚げ実験もしておりまして、その時の結果を本記事で紹介させていただくこととなります。

使用した人口飼料は、キョーリンという熱帯魚用飼料の販売会社が発売している「VIBRA VITES」という餌になります。色揚げ効果も強いことで知られている人口飼料で、赤虫に似た色・形状をしているため、小型魚から中型魚まで広く対応した餌となっています。

レッドファントムに、このVIBRA VITESを1か月半の間、レッドファントムに与え続けて魚体の色の変化を観察します。

VIBRABITESの写真

飼育環境について

水槽は60cm水槽で、外部フィルター (エーハイム 2213) を使用しています。水槽用ライトはGEXのPowerIIIを使用です。

レッドファントム以外には、ネオンテトラ、レッドテトラ、レインボーフィッシュ等を混泳させている水槽になります。

水槽の水温やpH、硬度についても一般的なものです。飼育水は週に1度は換水を行っており、カルキ抜きした水道水を飼育水として使っています。

水草もアヌビアス・ナナ等が入っておりますが、二酸化炭素の添加や液体肥料などを使用しておらず、特にレッドファントムの色揚げに影響するような事はしていない水槽です。

また、水槽内で飼育しているレッドファントムは1匹のみになります。レッドファントムを2匹導入しましたが、1匹は導入後すぐにお星様になってしまい、1匹のみが水槽内で泳いでいる状況です。


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レッドファントムを色揚げした結果の紹介

では、実際にレッドファントム・ルブラにVIBRA VITESを与え続けて、魚体の色にどのような変化があったのかを紹介させていただきます。

下の写真が、レッドファントムを水槽に導入した直後、3週間後、1か月半後の3回に分けて撮影したものになります。

初期の状態では、ほとんど鮮やかな発色が無く、お世辞にも「赤い」とは言えないようなレッドファントムでした。アクアリウムショップで購入した時に「色揚げに成功すると、どんどん赤くなりますよ」と言われましたが、最初の段階では、正直あまり信じられないような状況でした。

しかし、VIBRA VITESを与え続けて3週間を迎えることになると、赤色が背びれのあたりから強調されてきて、徐々に体全体が赤みを帯びてきているのが確認出来ました。

そして、1か月半後の写真を見て分かる通り、全身が真っ赤に染まりあがり、まさに「レッドファントム・ルブラ」という名前にふさわしい状態になっていることがわかります。

色揚げを行う熱帯魚は、基本的に赤色を基調とした魚体を持つ魚に限られてきますが、短期間の間にこれだけ魚体の色が変化してくれると、見ている飼育者側の観点でも見応えがある変化と言えますね。

赤色を維持するためには定期的に色揚げ効果のある餌を与えること

美しい赤色の魚体を得られても、直ぐに色揚げ効果のある餌を止めてしまうと、色は元の色に戻る傾向となります。

色揚げ効果のある人口飼料で人工的に赤色を強く発色させた魚は、色揚げ効果のある人口飼料を与え続けないと、美しい赤色の体は維持できません。

そのため、週に何度かはVIBRA VITESと同じような色揚げ効果のある人口飼料を与えて、魚の体の中に赤色の色素が常に供給される様な状態を作っていきましょう。折角赤色が強調されたレッドファントムですので、長く同じ色を維持して欲しいですよね!


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この記事の終わりに

この記事では、熱帯魚を色揚げした一例として「レッドファントム・ルブラ」を色揚げした結果を紹介させていただきました。

熱帯魚の赤色を強調するためには、人工的に赤色の色素を含む餌を与えていかねばなりません。今回はVIBRA VITESという色揚げ効果のある人口飼料を使用していますが、その他にも色揚げ効果のある餌は販売されています。

飼育環境、飼育スタイルに合った色揚げ効果のある人口飼料で、レッドファントム・ルブラをさらに輝く赤色に染め上げてみてはいかがでしょうか!?

今回、色揚げしたレッドファントムは、水草水槽の中で格別の輝きを持つ熱帯魚になっています。