夏の時期、日本の淡水魚を捕まえてきて、飼育にチャレンジする方は多いと思います。
夏休み中に御家族で渓流へ川遊びに行くと、多くの川魚たちを捕まえることができ、お子さんの希望で持って帰って飼育するという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、川魚たちの飼育って、実際にやってみると意外と難しい所があります。ペットショップで販売されている熱帯魚以上に難しいと思うこともあるくらいです。
特に最初に困るのは餌やりですね。どうやって川魚に餌を与えるか…。食べなかったら魚が餓死してしまうかもしれませんので。
この記事では、私が飼育している川魚のドンコの餌やりについて、苦労している点や餌をどのように確保しているのかについて、詳しく紹介していきたいと思います。
渓流魚 (川魚) は人口飼料が苦手
渓流魚は捕まえた直後は人口飼料を食べません
渓流を泳ぐ魚たちですが、当たり前ですが「人口飼料」と言う存在を知りません。
普段食べているものは基本的に虫や小魚などです。弱肉強食の自然社会の中で生きているので、強きものが弱きものを食べるという摂理の中にいることになります。
そのため、金魚を飼育するような人口を与えても見向きもしません。目の前に落としても知らん顔です…。
人口飼料を食べるようになるためには、徐々に慣れさせていく必要があるのですが、その点は別の記事で紹介しています。
比較的人口飼料に慣れやすいのは、オイカワやカワムツなどのハヤ系の魚たち、そしてヨシノボリなどのハゼ科の川魚です。これらは、1週間ほど様子を見ながら餌を与えることで、小さな顆粒上の人口飼料を食べ始めてくれます。
特にヨシノボリに関しては、人に慣れる習性もあり、我が家で飼育しているヨシノボリは餌の時間には前に出てきておねだりするような顔を見せてくれます。
1カ月飼育しても人口飼料に慣れないものもいます
人口飼料になかなか慣れないのが「カジカ系」の肉足の川魚ですね。
カジカやドンコなどの見た目が怪魚系の魚たちです。
我が家で飼育しているドンコは2匹いるのですが、1匹は人口飼料を少し食べるのですが、もう比1匹はあまり食べようとしません。
人口飼料を食べてくれた1匹は、飼育を開始してから1カ月以上経ってから初めて人口飼料に口を使ってくれました。
それまで何度も何度も人口飼料を顔の前に落としていたのですが、全く無反応で同居している魚たちに餌を奪われていく有様でした。
そのため、ドンコ達には人口飼料に加えて生餌を与えるようにしていました。
人口飼料を食べない魚へ与える生餌について
私がドンコに与えていた生餌はミミズや赤虫がメインです。
ミミズは釣具店に販売されている餌用のミミズで、赤虫は冷凍赤虫を解凍して与えるようにしていました。
また、近くの川に遊びに行った時に川エビが取れれば、その川エビを持って帰ってきて与えるように努力していました。
生餌については自然界にも存在する虫や小魚、小エビになるので問題無く食べてくれます。
時に刺身の切れ端を与えていたこともあります。刺身の切れ端は、同じ魚という生餌になるのですが、これも食べる時と食べない時があり、困らされたのを今でも覚えています。
生餌となる小魚が販売されていない現状
川魚に生餌として与える小魚って、販売されていないんですよね。
熱帯魚のアロワナなどの生餌として、小さな金魚が販売されていますが、川魚にとって金魚はサイズが大きすぎて食べることができません。
理想的にはメダカくらいの大きさの小魚が必要なのですが、メダカはお高い魚ですので大量に購入して餌に使うなんてできません…。
理想的にはハヤやウグイの稚魚たちになるのですが、ペットショップやホームセンターでも取り扱っているのを見たことが無いです。
また、小エビについても川魚の餌になるのですが、小エビも販売はされていません。アクアリウム用にミナミヌマエビやヤマトヌマエビが販売されていますが、これも数を飼うと高価になるので、毎回仕入れてあげられる余裕もないです…。
子供と川遊びに行くついでに生餌捕り
初夏の6月から初秋の10月までは、気温も比較的高いので、御家族で渓流に遊びに行ったり、近くの川に遊びに行くことも多いかと思います。
その時が生餌捕りのチャンスです!
魚とり網を持っていけば、夏に生まれた小さなハヤの稚魚たちが一杯泳いでいます。大量に捕獲するのはまずいですが、10匹くらい捕らせていただいても問題はないかと思います。
私自身、夏はよく子供と川へ遊びに行っているので、生餌たちを調達して帰ってきます。
ぺットショップやホームセンターでは見ることができない、小魚たちをたくさん確保できますよ!
下の写真は、2020年の夏に川遊びに行って小魚たちを捕まえた時の写真ですが、大きなサイズのものは逃がしてしまい、少し小さなサイズのハヤやヨシノボリを持って帰ります。
水槽を泳ぐ生餌の小魚たちとドンコ
小魚を川で確保した後に、実際に川魚の待つ水槽へ導入していくわけですが、かならず水合わせだけは済ませましょう。
川魚たちは比較的綺麗な水質のなかで生きてきた魚です。特に渓流で捕まえた小魚になると、水槽の中よりもかなり綺麗な水質の中で過ごしてきた魚になります。
そのため、水合わせを怠るとせっかく生餌として確保したのに、生餌が直ぐに死んでしまうという可能性もあります。特に川エビは水質の変化に弱い生き物になるので、川エビの場合には1時間くらいかけて水合わせしてあげたほうが良いです。
下の写真が、実際に生餌としてドンコの泳ぐ水槽に導入した「ウグイ」の稚魚たちです。
この時は合計で25匹くらいのウグイの稚魚を生餌として与えました。
これを狙っているのは、下の写真のドンコさんです。
こんな怖い川魚を飼育している人は少ないと思うのですが、飼い始めると可愛い川魚なんです。うちでは小学生の子供が気に入って一緒に飼っています。
25匹の小魚たちですが、数日足らずで捕食されてしまいます。
下の写真が、4日後の写真ですが、25匹から3匹まで減っています…。ドンコは2匹しかいませんが、凄い捕食力ですね…。
ドンコの捕食時間は夜がメインなので、昼間に細く風景を見ることはあまりできませんが、しっかり食べてお腹がパンパンになっている状況も多々あります。
冬季の飼育に向けて人口飼料に慣れさせましょう
正直なところ、自分で川に生餌となる小魚を捕まえに行けるのは、初秋までです。秋も深まると水温も気温も低下してきますので、自分で捕まえに行くのはちょっと嫌になります。
そのため、秋に向けては人口飼料やミミズなどの餌を駆使して餌やり成功させていかなければなりません。
冒頭で夏に川魚の飼育を始める方が多いと記載をしましたが、秋までに人口飼料やミミズなどの餌を食べさせるようにできるかが、一つの大切なポイントだと思います。
常に小魚の様な生餌を与えていると、人口飼料やミミズなどを食べなくなってしまうので、小魚、小エビ、人口飼料、ミミズといった餌をローテーションで与えていくことが必要になります。
おわりに
この記事では、人口飼料を食べてくれない肉食川魚の餌の確保について紹介をさせていただきました。
川魚と言う自然で生きてきた魚を飼育するということは、それなりにハードルが高いものであり、全てが簡単に解決するようなものではありません。
自然界で生きてきた魚の事を考えて、何を食べてくれるのか?を試行錯誤しながら飼育をすることになると思います。人口飼料が駄目だったら、近くの川で生餌を確保するの等の別の方法をチャレンジしてみて下さい。ただし、最後は人口飼料を食べてくれるように、餌をローテーションする等の工夫はお忘れなく!