【熱帯魚】白点病を防いでいる水槽の管理法を紹介

白点病というと、熱帯魚だけでなく金魚や鯉など様々な魚が罹ってしまう病気です。

寄生虫が原因で体表に白い点々が出てきてしまう病気になるのですが、水槽の中で白点病が出始めると、次々に他の魚に伝染してしまうため、非常に厄介な熱帯魚の病気です。

私の管理する水槽でも、何度か白点病が蔓延したことがありますが、管理に気を遣っている一つの水槽では、実は熱帯魚に白点病が出たことが無い水槽があります。

その水槽には、特別なことは特にしていないつもりです。敢えて挙げるなら、白点病を防ぐために「水替え」「水温」「魚の数」そして「フィルターの掃除」を心掛けているだけです。

この記事では、白点病が出たことの無い私の水槽の管理方法をお伝えしたいと思います。皆様の白点病予防の御参考になれば幸いです。


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魚の罹る白点病の概要

白点病は、魚の体表に小さな白い吹き出物が出る病気です。

原因は寄生虫であるウオノカイセンチュウと呼ばれる虫が異常に体の中で繁殖してしまうことによるものです。ウオノカイセンチュウは、魚の体の中に常に規制しているものなのですが、環境変化や魚の体調の変化で増殖し、魚の体表に吹き出物として出てきてしまうことがあります。それが白点病です。

重症化すると命に関わる病気ですが、薬や塩水で薬浴することで回復させることができます。

熱帯魚もかかりますが、日本固有の金魚や鯉、鮒など様々な魚に感染のリスクがある病気になります。

水槽という限られた空間の中では、1匹の魚が白点病になっただけで、他の魚にも次々と感染していくため、一度蔓延すると完治させるのに非常に厄介な病気になります。

そのため、日々の管理の中で白点病を予防することが最も重要なのです。

白点病を予防するために私がやっていること

冒頭で私の管理する水槽の一つでは、白点病の魚が出たことが無いと書きました。

その水槽は、家のリビングに置いてある60cmの水槽なのですが、お客さんが来て鑑賞することもあるため、常に綺麗な状態になるように心掛けています。

その心掛け、その管理が白点病の予防に繋がっていると思い、白点病を予防する水槽管理というテーマで、この記事を書くこととしました。

換水は3日に一度

皆さんは水槽の水をどのくらいの頻度で交換されますか?

一般的には1週間に一度、水槽の1/3の水を新しい水に交換すると良いと言われています。

しかし、これは飼育水中の生物濾過で生じた硝酸濃度を下げるための換水頻度となり、白点病の予防の観点での話ではありません。

魚の密度にも依りますが、賑やかな水槽になると、換水から2日か3日経つと、既に水槽の底には糞が溜まります。また、換水直後に比べると、少し水の色が濁っていることもわかると思います。

この状態というのは、言い換えると「清浄な水ではない」ということになります。寄生虫は汚れた水の中で増殖し、魚に寄生するタイミングを待っているようなものです。

換水を行うことで、その飼育水の中に入っている寄生虫を除去することに直結します。

寄生虫が水槽の中で増殖する前に、初期の段階で水槽から追い出す…これができるのは換水しかないのです。

フィルターの掃除は1カ月に一度

水槽用のフィルターには、外部フィルターや上部フィルターがありますが、何カ月おきに中を清掃していますか?

少ない方では半年に1度くらいかと思います。中には1年に1度という方もいらっしゃるかと思いますが、フィルターはバクテリアに影響がないレベルで頻度よく清掃することをお勧めします。

フィルターの中は、バクテリアによる生物濾過が行われているので、フィルターの中の水は何となく綺麗なイメージがあるかもしれません。

しかし、現実は違いますね。魚の糞や餌の食べ残しが蓄積し、非常に汚い状態になります。もちろん細菌や寄生虫の温床になることもあり得ます。

バクテリアが処理してくれるのはアンモニアや亜硝酸だけであり、細菌や寄生虫を退治してくれるわけではありません。フィルター内では細菌や寄生虫は増殖する一方です。

フィルターの清掃って、面倒なので怠りがちなのですが、フィルター内に住み着いた良くない細菌や寄生虫をリセットする意味で、フィルターは月に1度、もしくは2カ月に1度は清掃をしておきたいところです。

魚の密度は上げすぎない

水槽の中で飼育する魚の数ですが、多ければ多いほど白点病の発症リスクが高まり、伝染のリスクも高まります。

熱帯魚は綺麗でかわいいので、なるべくたくさん飼育したいという方は多いかと思いますが、白点の予防という意味では、水槽内の魚の密度の上げすぎは要注意です。

私の60cmの水槽では、ネオンテトラ系の小型魚10匹、コリドラス6匹、プレコ1匹、ラスボラ5匹となっています。多分ですが、丁度よい魚の密度になっているかと思います。

水温は年間を通じて26℃~27℃で管理

水温の管理としては、全ての水槽を26℃~27℃で管理しています。

これは、年間を通じてほぼ一定にしています。冬はヒーターを使いますし、夏はクーラーを利用して一定水温に保てるように心掛けています。

実は26℃~27℃の水温は白点病予防にもなります。

白点病の原因であるウオノカイセンチュウですが、水温が25℃以上になると活動が鈍ります。そのため、26℃以上を保つことでウオノカイセンチュウの活動を抑制し、水替え頻度を上げることで、魚に寄生する前に水槽内から除去できるというものになります。

熱帯魚の種類に依っては22℃くらいの温度が最適な魚もいますが、ネオンテトラなどのどこでも売っている人気の熱帯魚は26℃~27℃で管理して問題は無いです。

水槽の底は砂利にしています

白点病が出ていない水槽では、実は水草用のソイルを敷いておらず、薄い砂利を敷くだけにしています。

これは元はと言えば、コリドラスが砂利の中に口を突っ込む姿を見たかったので砂利にしたのですが、白点病予防にも効果を発揮してくれます。

ウオノカイセンチュウは、魚の体表から離脱するとその重さで水槽の底に落ちていきます。そのため、水替えの際に砂利の中を洗うように掃除すれば、底にいるウオノカイセンチュウを除去することができます。

これに対して、水草育成用のソイルを使用すると、ソイルの中を自由に掃除することが難しくなります。

基本的に、寄生虫を水槽の外から出すことで白点病の防止が実現できるので、掃除できる部分は掃除して綺麗な水槽を保つことがベストになります。

子供のお医者さん

与える餌の量は少なめにする

熱帯魚は餌を食べる姿も可愛いので、つい餌をたくさんあげたくなるのですが、餌の与え過ぎは確実に悪影響です。

食べ残しの餌や、魚の糞は水槽内の環境を汚すことに直結します。

また、餌の食べすぎは消化不良などを起こし、魚の体調を悪くするだけでなく、腹水病という難病の原因にもなり得ます。

人間も食べすぎは良くないと言われているように、熱帯魚の飼育でも餌の与え過ぎは良くありません。

「餌の量は5分で食べきれる量」とありますが、それは間違いです。魚によっては、大食い競争のような速度で5分間も食べ続ける魚もいます。

きちんと魚の数、魚の大きさを加味して量を決めましょう。私達人間も、おにぎりを3つくらい食べるとお腹いっぱいですよね?

人間の体の大きさとおにぎりの大きさを、熱帯魚の大きさと餌の大きさに置き換えてみて下さい。人間がおにぎりを3つ食べるのは、ネオンテトラにとっては、少し大きな0.5mmサイズの餌を3つか4つ食べるのに相当する量です。

実際、魚はそれ以上に食べ続けますよね。人間で言ったら暴飲暴食に値するような量になります。

ライトの点灯時間を10時間設定

これは意味があるのかどうかわかりません、一応の管理項目として記載をしておきます。

基本的に水槽のライトの点灯時間は10時間にしています。

朝起きてから夕方くらいまでは点灯させて、夜は点灯させません。

なぜこのようにしたかというと、白点病を防ぐには健全な体調管理が必要だと思うからです。熱帯魚は本来、自然界の中では日の出とともに起き、日没とともに休むというサイクルになっているはずです。そのサイクルを乱さないように、ライトの点灯時間も管理しています。


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この記事のまとめ

この記事では、私の管理する水槽の中で、白点病が一度も蔓延したことが無い水槽の管理ポイントを紹介させていただきました。

白点病は重篤化すると魚の命に関わる病になるため、罹った後の治療ではなく、発生を抑制することと蔓延を予防することが最も大事になります。

白点病を予防するために必要なことは「綺麗な水質を維持すること」そして「魚に無理をさせず、健康な体を維持させること」です。

当たり前のことを書いてるのでは?と思われるかもしれませんが、皆様は上で記載したことを全て実施できていますか?

水槽の管理というのは、重要な管理ポイントのどれか一つが欠けただけで、魚の健康に支障が出てきます。

「白点病が発生してしまうのは仕方がないこと」と考えるのではなく、「白点病が出てしまったのは自分の管理不足である」と戒め、日々の水槽管理をしていきたいですね。

私も複数の水槽を管理しており、今回紹介した白点病が出ていない水槽以外では白点病が蔓延したことがあります。それらはフィルターの清掃を怠ったことが原因だと考えています。

各種設備の管理を面倒臭がらずに、定期的に実施していくことが白点病予防の一番の近道ではないかと考えます。