コリドラスの飼育期間が長くなると隠れるようになる理由

私のブログのタイトルにもなっている熱帯魚の「コリドラス」ですが、実はアクアリウムショップで購入して自分の水槽に入れると、時間が経過するに連れて隠れて水槽の前面に出て来なくなってしまうことがあります。

私の飼育しているコリドラスもそうなのですが、アクアリウムショップから連れて帰ってきた直後は、水槽の前面で過ごしているのですが、月日が経つにつれて流木の下や水草の陰から出て来なくなってしまうことが多々あります。

飼育開始直後は水槽の前面に出てくるのに…何故なのでしょうか?

その理由は、実はいくつか考えられます。この記事では、コリドラスが水槽の中で隠れて出て来なくなる原因を私の経験から紹介していきたいと思います。


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コリドラスはナマズの仲間で臆病

コリドラスを飼育している方や、熱帯魚ショップで見たことがある方は分かると思うのですが、コリドラスは口元に可愛いヒゲを持っています。

そうです、コリドラスはナマズの仲間です。

日本でナマズと言うと、川や沼に住むヒゲが長くちょっと見た目の怖いナマズを想像されるかと思います。しかし、アマゾン川流域に住む熱帯魚のコリドラスは小さい体で口元に短いヒゲをはやしている、とても可愛いナマズの仲間です。

皆様は、ナマズの性格を御存じでしょうか?

基本的には夜行性で、昼間は物陰に隠れてじっとしています。もちろん、餌が近くを通れば捕食行動を起こしますが、川や池の中で活発に泳ぎ回るのは基本的に夜間であることが多いです。

そして、ナマズの仲間はとても物音に敏感で、実は臆病な性格持った魚なのです。これは、日本に生息するナマズにも同じことが言えます。

私自身、ナマズをターゲットにした釣りをしたことがありますが、少しでも物音を立てると逃げてしまうので、とても気を遣って釣りをしたことを覚えています。40cm以上ある大きなナマズでも物音に敏感で、危険が近づくと凄いスピードで逃げていきます。

コリドラスについても日本のナマズと同様に、とても臆病な性格の持ち主です。自然界では仲間同士で群れをなし、昼間はなるべく物陰に隠れて、餌を探す時だけ行動するような生活スタイルです。

そのため、例え国内ブリードで販売されているコリドラスでも、水槽の中では野生本能の臆病さが出てくることがあります。

コリドラスの話ではありませんが、同じナマズの仲間に「プレコ」という熱帯魚がいます。このプレコという魚も相当臆病です。夜行性が強い性格のため、昼間は流木の下などでじっと隠れており、夜になって暗くなると行動を開始します。私も飼育していますが、昼間は全く姿が見えません。夜になって暗くなると水槽内を動き回っています。

【体験談】コリドラスが水槽内で隠れてしまうまでの経緯について

コリドラスを飼育したことのある方の中にも経験した方はいるかもしれないのですが、コリドラスはアクアリウムショップで購入して自分の管理する水槽に入れた時点では、水槽の前面に出てきてくれます。

しかし、いつの間にか餌の時間になっても水槽の表面に出て来なくなり、餌を食べているのか否かも確認することが難しい状態になることがあります。

冒頭でも記載しましたが、私自身もこのような経験が有ります。

購入直後は餌を食べに出てきていたコリドラスが3か月くらいすると、餌の時間にも出てきません…。

アクアリウムショップで購入した時点から、自分の水槽内での生活が長くなる間に、何があるのでしょうか?

大きな原因は、アクアリウムショップの水槽と自宅の水槽が置かれた環境による違いです。

この点を次に説明したいと思います。


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水槽の前を人が通過する頻度が原因である場合が多い

最も大きな原因は、水槽の前を通過する人の数やその頻度だと思います。

アクアリウムショップを想像してみて下さい、毎日朝から晩まで多くの人が水槽の前を通過して、時には顔を近づけて水槽内を見ることもあります。

つまり、アクアリウムショップにいる間は、魚にとっては人間が水槽の前を通過することが当たり前で、それが日常だったので、隠れる意味もあまり無かったのです。特に国内ブリードで育てられた熱帯魚は、稚魚の時代から人が行き交う場所で育てられることも多いです。

それに対して、自宅の水槽はどうでしょうか?

もし、朝から晩まで仕事で家を留守にする方であれば、水槽の前を人が通過する頻度はアクアリウムショップに比べて格段に少なくなります。

自宅では24時間のうち人間が水槽の前に現れるのは、餌の時間鑑賞の時間の短い間だけです。その状況が何カ月も続くと、人間が水槽の前を通らないことが当たり前になり、人を恐れるようになります。

言い換えれば、コリドラスが自然に持つ防衛本能 (逃げるという防衛本能) が呼び起されて、人がいる時間帯は隠れて出て来なくなってしまうのです。

水槽の中のレイアウトも原因の一つ

アクアリウムショップでコリドラスが泳いでいる水槽を思い出してください。

アクアリウムショップでは、お客さんにお魚を見てもらわないといけないので、魚が隠れるスペースがほとんどありません。一応、少しの水草や流木は使われていますが、とても殺風景な水槽である場合が多いです。

つまり、アクアリウムショップでは、魚たちは常に水槽の前を通過する人の動きを見ている環境になります。

それに対して、自宅の水槽はどうでしょうか?

流木が入っていたり、水草が植えられていたり、石で組んだレイアウトがあったり…小さな体のコリドラス達が隠れる部分が多く存在します。

そのような隠れる場所があるのであれば、コリドラス達は喜んで隠れます。

つまり、飼育している皆様が、コリドラスに隠れるための場所を与えてしまっている状況になるのです。

自宅の水槽では「水槽の前を人が行き交う回数がすくない」、「隠れる場所がたくさんある」という環境の相乗効果で、コリドラスが隠れるようになってしまうのだと考えて良いかと思います。


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水族館でも来場者がいない時間が長くなると魚が隠れるようになる

2020年は新型コロナウィルスが爆発的に流行し、日本でも非常事態宣言が発令され、多くの商業施設や動物園などが休館・休園状態になりました。

全国の水族館も例外では無く、非常事態宣言から長い間の休園を余儀なくされました。

その休館している水族館では、魚たちに異変が現れたそうです。

飼育員さんが水槽の前を通過すると、多くの魚たちが急いで物陰に隠れてしまったとのことです。

開館している時期は、常に大勢の人が水槽の前を通過する状態が日常でした。しかし、新型コロナウィルスの影響で休館している間は、飼育員さんしか水槽の前を通過しない状況になります。しかも、頻度は少ないかと思います。

そのため、水槽内の魚たちが人を怖がるようになってしまったとのことです。

営業再開で来場者が増えた時に、魚に悪影響があってはまずいので、飼育員さん達は定期的に水槽の周りを歩いていたということも聞きました。

つまり、自宅の水槽の中の魚たちも同じことが言えるのです。

もしかしたら、人が常に水槽の前にいるような御自宅であれば、コリドラスは常に水槽の前面に出てきてくれるのかもしれませんね。

コリドラスは水槽の前面に出てくるようになるの?

以前の記事で、水槽内で隠れてしまう熱帯魚の原因と解決方法について紹介したことがあります。

しかしながら、今回の様に人のことを恐れてしまう場合には、手の施しようがないというのが現状だと思います。

コリドラスが人に慣れない限りは、皆さんが水槽の前にいる時間帯は隠れたままだと思います。

人が水槽の前にいる時間を増やす、そして恐怖心を無くしてあげるということが解決かと思います。

仕事で家を留守にする時間が多い方は、手荒な方法ですが、隠れる場所を無くしてしまうという方法が手っ取り早いです。しかし、コリドラスは隠れることで安心して過ごしているので、少し残念ですが隠れさせてあげるのも親心なのかもしれませんね。

この記事の終わりに

この記事では、水槽での飼育期間が長るとコリドラスが隠れてしまうようになる原因について御紹介させていただきました。

アクアリウムショップの水槽で、多くの人が行き交う中で飼育されているコリドラスは人の事を怖がらない傾向にあります。しかし、自宅の水槽では人が水槽の前を通過する回数や時間は限定的のため、コリドラスの野生本能が呼び起されて、人を怖がるようになってしまします。

また、水槽の中に隠れる場所があれば、当たり前ですが魚は隠れます。コリドラスの様に臆病な魚たちは、常に隠れられる場所を探しているので、それもコリドラスが隠れて出て来ない原因の一つになるのです。

熱帯魚が安心して暮らせる環境の実現と、飼い主である皆様が鑑賞する楽しみを持つということは、それぞれ相反することになるため、両立させることは難しいと思います。

しかし、完全に出て来ないわけでは無く、たまには生存確認できる状況であれば、その環境は許容してあげても良いのかもしれません。

コリドラスを飼育している皆さんは、これからもコリドラスの性格を理解して飼育を楽しんでくださいね。