コリドラスの傷付いた鰭はどれくらいで回復する?自然治癒に要する時間の実例

アクアリウムで魚を飼育していると、日々の管理の中でも様々なトラブルが起こります。

魚が水槽から飛び出してしまったり、魚が魚病に罹ってしまったり、魚同士が水槽の中で喧嘩したり…

全くトラブルの無いアクアリウム (魚の飼育) を実現するのは難しく、常に何かしらのトラブルと隣り合わせとなります。

例えるのは失礼ですが、魚の知識が豊富なアクアリウムショップの水槽でさえも、たまに「メンテナンス中」「トリートメント中」と書かれた水槽を目にすることがあります。

そんなアクアリウムのトラブルの中でも、一般的に起こりやすいと言えるのが魚体に傷が付いてしまうということです。

レイアウト素材のぶつかって傷が付いたり、魚同士の縄張り争いで鰭が傷付いたり…その原因は様々です。

この記事では、コリドラスの鰭の傷に着目して、どのくらいの期間をかけて自然治癒していくのかを確認したので、写真(記録)と共に紹介したいと思います。

自然治癒に要する時間は、魚の種類、傷の大きさ、そして飼育環境などにも依存しますので、あくまでも参考例としてお考えいただけましたら幸いです。


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尾鰭が半分欠けてしまったコリドラス・メタエ -その理由-

最初に、尾鰭が傷付いてしまったコリドラス・メタエについて紹介しておきます。

日常管理として換水作業を行っていた時の話になります。

水槽から飼育水をホースで抜いている時、目を離した瞬間に、コリドラス・メタエがホースの中に入ってしまいました。ちょっと気を抜いた瞬間にホースに吸い込まれていました…。

(コリドラス・メタエは小型のコリドラスなので、ホースの中にも容易に吸い込まれてしまいます。)

ホースをハサミで切り、吸い込まれたコリドラス・メタエを救出したのですが、ピンセットを使った時に尾鰭の一部を傷付けてしまい、尾鰭の一部が欠けてしまいました。

その時の様子が下の写真となります。

尾鰭の上半分が欠けてしまい、とても可哀そうな状態になってしまいました。

泳ぎに支障が出るのかと思いましたが、水槽内での遊泳にはそれほど影響していないようでしたので、飼育していた水槽でそのまま管理していくこととしました。

「コリドラス・メタエには悪い事をしてしまったなぁ…」と反省した日でもありました…。

鰭が少し傷付いたくらいなら薬浴する必要は無いと思います

熱帯魚や金魚など、魚が傷付いた時には薬を使って管理する方が良いという意見もあるかと思います。

ただし、それは「理想的」な対応であって、「わざわざ薬浴までさせなくても良い」というお考えの方もいるはず。

私自身もその考えで、鰭が少し傷ついたくらいであれば、飼育方法を変更する必要は無いかと考えます。

もちろん、傷口が非常にひどかったり、鰭に血がにじんでしまうような場合には、薬浴をしないといけない状態もあるかもしれません。

しかし、上の写真に写っているコリドラス・メタエの鰭の欠け程度であれば、わざわざ薬を使う必要は無いと思います。

薬を使用するか否かを決めるのは飼育者の皆様一人一人ですが、私個人としてはなるべく薬は使いたくありません。

可能な限り、魚の持つ自然治癒力に任せてしまいます。


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コリドラス・メタエの鰭の回復の様子 (時系列で比較)

それでは、コリドラス・メタエの尾鰭の回復の様子を見ていきたいと思います。

まず下の写真は、尾鰭が傷ついた当日と1週間後の尾鰭の写真となります。

尾鰭が傷付いた当日は、傷ついた部分がシャープに切れていましたが、1週間経つと鰭の回復が始まって、薄い鰭が再生してきていることが分かるかと思います。

そして2枚目の写真は1週間後と2週間後の比較となります。

2週間経つと尾鰭は元の形に近いような状態まで回復しました。ただし、少しヒレの厚みが薄く、まだ回復途上であることも見て取れました。

そして、最後の写真は尾鰭が傷付いてから3週間後の写真となります。

もう尾鰭は完全に回復して、元のコリドラス・メタエの容姿に戻ったと言えますね。

今回の例は、尾鰭が傷付いたコリドラス・メタエの例となりますが、魚の回復力はかなり早いと言えるかと思います。

尾鰭を傷つけてしまった当日には「これ、回復するまでにどのくらいかかるんだろう…」と心配しておりましたが、約2週間で概ね元の尾鰭の形に戻り、3週間で元の姿にまで回復しました。

以前の事ですが、私が飼育している金魚 (琉金) の尾鰭が傷付いてしまったことがありました。その時も1ヵ月程度で傷ついた尾鰭が完全に回復して、元の状態に戻ったのを思い出しました。

つまり、魚の鰭の傷(切れた状態や避けた状態)は1カ月程度が回復期間と言えるのかもしれませんね。

多くの魚は鰭が傷付いても比較的速く回復する

コリドラス・メタエの鰭の回復を確認した後になりますが、「1ヶ月程度で鰭が回復するのは妥当なのか?」と言う点が気になりました。

そこで、学術的な発表を検索したところ、東北大学大学院生命科学研究科からゼブラフィッシュの鰭の再生に関する発表を発見しました。下にリンクを張っておきます。

東北大学大学院生命科学研究科「魚は切られたヒレの長さを分かっている 魚の尾ヒレ再生時に元の形を復元するしくみを新たに提案」

この研究はアクアリストにとっても非常に興味深いもので、鰭が切れた長さによって回復する速度と回復するのに要する期間が異なるというものです。

尾鰭が大きく切断されるほど回復に要する期間は長くなりますが、再生の速度と言う観点では早くなるという結果も紹介されています。

また、この発表の中では、少し深く尾鰭を切断しても概ね1ヵ月程度で回復するという結果も紹介されていることから、今回のコリドラス・メタエの尾鰭の回復にも通じるものがあるのかもしれません。

総じて考えて、魚の鰭は再生能力が高く、比較的速く回復してくれるということなのかと思います。


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この記事の終わりに

本記事では、尾鰭が傷付いてしまったコリドラス・メタエを例に取り、鰭の回復に要する時間を測定した結果を紹介させていただきました。

飼育している魚の鰭が傷付くと少し心配になりますが、魚の鰭はかなり早い回復力を持っており、あっという間に回復していきます。

今回は尾鰭が半分ほど切れてしまったコリドラス・メタエの例でしたが、3週間で元の尾鰭の状態に戻っています。

尾鰭が半分無くなるというのは、かなり深い傷の様にも思えましたが、魚の自然治癒力の強さに驚かされる結果となりました。

また、以下のリンクでは、コリドラスのヒゲを回復させた事例を紹介しています。コリドラス飼育の参考になれば幸いです。

それでは!