私のブログ記事の中でPV数が多く皆様に読んでいただけているシリーズの一つが、様々な水草の成長速度を実測するシリーズです。そろそろ有名どころの水草が出尽くしているので、ネタが切れそうではありますが…。
今回の記事では耐陰性の水草として淡水アクアリウムで大人気の「ブセファランドラ」の成長速度の紹介です。
ブセファランドラはボルネオ島に自生する植物で、弱い光の中でも育成するため、室内で管理する淡水アクアリウムの強い味方と言える水草です。
その種類も豊富で、専門に扱うお店に行くと10種類かそれ以上の品種を扱っているお店もあります。成長速度が遅く、国内での大量生産ができない状況なので少し価格もお高い水草ですが、独特の形状の葉やラメが入ったような色は多くのアクアリストを魅了する水草と言えます。
本記事でもブセファランドラの栽培環境の情報と、その環境での成長速度の実測データを紹介していきたいと思います。
とりあえず、成長は「超」が付くほど遅いです。どれだけ遅いのかを実測データで見ていきましょう!
成長速度を測定したブセファランドラについて
成長速度を測定したブセファランドラの種類
今回の記事で成長速度を測定したブセファランドラは2種類です。
1つ目がブセファランドラ・グリーンウェイビー、2つ目がブセファランドラ・ブロードウェイビーとなります。
グリーンウェイビーは濃い緑色と、波打つような葉が美しいブセファランドラで、初心者の方でも比較的育てやすい丈夫なブセファランドラという売り文句で販売されていました。
ブロードウェイビーは、株は少し小さめの印象ですが、葉の幅が少し大きくなり丸まったような葉で育つブセファランドラです。こちらは、実は一時期枯れそうなタイミングもあったのですが、何とか持ちこたえてくれて今でも元気に成長してくれている株となります。
ブセファランドラの栽培環境について
両方のブセファランドラともに、石に活着して約25℃の水温の水槽内で管理しています。
水槽のサイズは60cm規格水槽で、ライトはGEXのPower LEDシリーズです。決して強い光では無いですが、一般的な水槽用ライトとして十分に機能するライトです。照明時間は一日当たり7時間程度です。
ブセファランドラ以外にもボルビティスやアヌビアス・ナナも一緒に育てている水槽で、生態は小型カラシンなどの小型魚が15匹程度飼育されている状態です。
水槽のフィルターは、外部フィルターとしてエーハイムの2213を使用しています。換水頻度は3日から4日に1度で、水槽の1/3から1/2の水量を交換していました。
また、水槽内への二酸化炭素の添加は行っていません。
写真で見るブセファランドラの成長経過
まずは、2種類のブセファランドラの成長過程について、購入当時の状態から半年後の状態までを写真で見ていきたいと思います。
グリーンウェイビーの成長を写真で見る
グリーンウェイビーは、購入当初から根元で株が2つの茎に分かれており、そのまま成長すれば、少し大きな株になるようなものでした。
最初は頼りない状態の株ではありましたが、特に大きな問題も起こらず、無事に半年間の成長を遂げています。今では根を相当長く伸ばして、その根から新しい子株が顔を出すくらいに成長しました。
所々、黒髭苔の発生に見舞われていますが、同居させている川エビ達のおかげもあり、黒髭苔に完全に覆われるような事は起こっていません。
ブロードウェイビーの成長を写真で見る
次の写真はブロードウェイビーの成長過程になります。
ブロードウェイビーは購入時点で、とても小さな株を購入したので、少し育成が心配だったのですが、その心配が見事に的中してしまった経緯があります。
育て始めて2カ月くらいで葉が溶け始め、成長が完全に止まってしまった時期がありました。
その後、上で紹介した別の記事の対策を打って、何とか元気を取り戻すことに成功しました。今では、その育成不良の事が無かったように、元気に成長しています。
ブセファランドラの成長速度の実測結果
では、本記事の本題であるブセファランドラの成長速度の実測結果を紹介します。
ブセファランドラの成長速度は、ブセファランドラが活着している石の表面から最も高い葉の位置までの高さを測定して求めています。
下のグラフが、2つのブセファランドラの成長の記録となります。
ブロードウェイビーは、上でも記載しましたが、栽培開始後に不調になってしまった時期あるため、葉が溶けたことにより株の大きさが減っている時期があります。復活後は順調に成長しており、グリーンウェイビーと同じような成長曲線を描くようになりました。
グリーンウェイビーについては、ほぼ一定の成長速度を保ち順調に成長していることが分かります。
また、このグラフで分かると思うのですが、皆様ご存じの通り、成長速度がとても遅いです。半年経っても約3cmくらいしか成長が進んでいません。
水草の中には1日に1cmくらい成長する樹勢のつい良いものもあるので、それに比べるととても成長が遅いです。この成長の遅さを見ると、あらためて苔に浸食されやすい水草であることを実感します。
ブセファランドラの葉の枚数が増える速度
次に掲載するグラフは、ブセファランドラの葉の枚数の変化です。
成長が進むにつれて、新しい葉を展開していくので基本的に葉は増える方向になります。
グリーンウェイビーは、購入当時は一気に葉が増える傾向にありましたが、4カ月を過ぎたあたりからはあまり葉が増えていません。
これは、古くなった下の葉が枯れ落ちているためです。ブセファランドラは、上へ上へと成長をする植物ですが、下の方にある古くなった葉は、役目をはたして枯れ落ちるケースが多々あります。
そのため、株が成長してくると葉が増えるのに対して枯れ落ちる数も出てくるため、少し葉の枚数の増減が落ち着いてくる傾向になります。
ブロードウェイビーに関しては、一度不調になって葉の数を減らした時期がありますが、その後は葉を順調に増やしていることがわかります。
この記事の終わりに
この記事では、淡水アクアリウムの水草として人気のあるブセファランドラの成長速度を実測した結果を紹介させていただきました。
成長速度を実測したブセファランドラは、ブセファランドラ・グリーンウェイビーとブセファランドラ・ブロードウェイビーですが、皆様御存じのとおり、とても成長速度が遅いことが分かりました。
何と半年と言う栽培期間でわずかに3cm程度しか成長をしていません。
もう少し強い光で育てていたり、二酸化炭素を添加して成長を促進したら、成長速度が上がるのかもしれません。しかし、特別な設備を使わずに育てると、半年で約3cmという結果となります。
これからブセファランドラを購入し水槽内のレイアウトに加えることを考えている方にとって、今回の結果が参考になりましたら幸いです。
今回の記事のような成長速度の実測は、今後も定期的に行っていきたいと思います。