私がフカセ釣りを始めてから、ずっと行ってみたいと思っていた釣り場の一つが淡路島の「翼港」です。
潮流が速く、足元から水深があるという情報から、フカセ釣りの上級者向けの釣り場として有名なポイントです。
そんな翼港に2021年6月と7月に2回、グレを狙って釣行に行ってきました。
フカセ釣りを様々なポイントで練習してきたので「ある程度何とかなるのではないか?」と思っていたのですが、想像以上に潮流が速く、釣り方を理解するまでに時間がかかったのが事実です。
この記事では、翼港でグレ狙いをされる方に、私の経験からお伝えできることを記載していきたいと思います。
あくまでも個人的な工夫ですので、他の方からしたら「間違っているのでは?」と思われてしまう事もあるかもしれません。しかし、しっかりと釣果に繋がっているので、少しはヒントになるのではないかと思います。
翼港へのアクセスと周辺情報
関西の釣り人にとっては「翼港」という名前で知られた釣り場ですが、淡路夢舞台の一つの施設であり、正式な名称は「あわじ交流の翼港海の駅」と言います。
翼港のHPはコチラ → 淡路夢舞台「あわじ交流の翼港海の駅」
翼港はプレジャーボートなどを一時係留をすることができる施設ですが、関西ではどちらかというと釣りのメジャーポイントと言うイメージが強いですね。
以下では、アクセス方法や周辺情報などを簡単にまとめておきます。
アクセス方法
翼港は、淡路島の北部の東海岸にある施設です。
神戸淡路鳴門自動車道の淡路ICを下りて、国道28号線を南下して約5分で到着します。
周辺には夢舞台や道の駅「淡路」、あわじ花さじき、ニジゲンノモリ等があるので、翼港での釣りだけでは無く、その他の観光スポットへも行きやすい立地となっています。
駐車場や入場料
翼港の駐車料金は1日600円で、釣りをする方は清掃協力費として一人600円がかかります。
例えば、車一台で大人3人で訪れる場合、駐車代600円、清掃協力費1,800円となります。
ただし、中学生以下は清掃協力費は無料とのことです。
朝から晩まで釣りをすることを考えると、他の釣り公園に比べると安い料金設定だと思います。
翼港に入ると、下の写真の管理棟があるので、そこでスタッフの方に手渡しで料金を支払います。
トイレや安全柵があるので家族でも安心
釣り場を選ぶ上で、かなり重要なポイントが「トイレ」の存在です。
翼港は海の駅ということもあり、上の写真の管理棟の中にトイレや自動販売機が完備されています。
夏にはクーラーが入っているので、休憩場所としても利用させていただくことができます。
また、翼港は釣り場のポイントには全て安全柵が設置されています。
安全柵の高さは1メートルくらいあるので、小さなお子さんには釣りにくくなってしまうかもしれません。
安全な釣り場ではありますが、潮流の速さを考えると、ファミリーフィッシングの釣り場の中では難しい部類になるかもしれません。
近くの釣具店は「エサピチさん」がお勧め
翼港の近くの釣具店は「エサピチさん」がお勧めです。
高速を降りてすぐの所にあり、翼港の北へ車で5分かからないところにありますので、餌の調達には最も便利なお店です。
フカセ釣りと言えば、撒き餌が必須となりますが、エサピチさんでは格安のアミエビを取り扱っています。
私が訪れた時は、中国産のアミエビが1ブロック500円程度でした。
国内産のアミエビを購入すると1ブロック1,000円程度するので、約半額で入手可能です。どうせ魚を集めるために使う撒き餌なので、お金をかける必要は全く無いと思います。
私はエサピチさんに寄る時には、必ずこの中国産の格安アミエビを購入していきます。
翼港のフカセ釣りは潮流との戦い
冒頭でも記載しましたが、翼港は潮流が非常に速いです。
明石海峡に近いという理由もありますが、瀬戸内海と大阪湾を結ぶ狭い海峡に位置しているので、潮流はかなり早いです。
普段、港の中でフカセ釣りをされている方からすると「こんなところで釣りができるか!!」と言いたくなるような潮流の速さだと思います。
少し強い風が吹く時間になると、下の写真の様に、速い潮流に加えて白波が立ち、とてもフカセ釣りなんてできるような状況ではありません。
しかし、短時間で潮の流れや波の状態が変わっていくので、フカセ釣りがしやすい時間帯を見計らって竿を出すという手もあります。
ただ、翼校でフカセ釣りができると、他のポイントで釣りをする時に自信を持てるのではないか…と個人的に思います。
また、次のリンクでは、翼港の水深を測定した結果を紹介しています。
翼港のグレは神戸周辺の平均サイズ以上!
筆者の住む阪神地区の沿岸部では、グレのサイズが基本的に小さいです。
神戸から大阪の波止場でもグレは釣れますが、平均サイズで20cmあるかないかくらいで、30cmを越えるようなグレはほとんど釣れません。
しかし、淡路島の翼港では30cmクラスのグレを狙うことが可能です。
下で紹介する7月の釣行では、釣り上げたグレの平均サイズが約30cmで、どのグレも素晴らしい引きを見せてくれました。
少しでも大きなグレを狙いたい方は、淡路島の有名ポイントに足を運ぶことが先決だと思います、
筆者が使用したフカセ釣りの仕掛け
フカセ釣りの仕掛けには、「半遊動」「全遊動」「ウキ沈め」など、様々な仕掛けがあります。
しかし、どの仕掛けにも言えることですが、全てのポイントで万能に機能する仕掛けはありません。
状況に応じてウキの浮力やガン玉を調整し、しっかりと魚のいるタナに挿し餌を送り込まねばなりません。
最初の釣行時に翼港で全遊動や沈めウキで探ってみたのですが、潮流が速く、技術の無い自分では上手くタナを探ることができませんでした。潮流に流されて、思うような仕掛けの流し方が出来ないんです…。
私が下手なのだと思いますが、全遊動で少し軽めの仕掛けを通すと、表層で仕掛けが流されてしまい、下の層を全く探れない状況だったことを記憶しています。
翼港の場合には、やはりフカセ釣りの基本であるウキ止めを用いたタナ固定の「半遊動」が確実に釣果に結びつくかと思います。
グレが浮いてこない時には、4Bや5Bのウキを使用して重いガン玉で確実にグレのいる層に挿し餌を送り込むこと。
グレが浮いて来たらBや2Bのウキを利用して、浮いてくるタナに挿し餌を送り込むこと。
難しい釣り場こそ「基本に忠実に」が重要なことであり、本来あるべき基本的な釣り方かと思います。
下で実釣結果を紹介しますが、私が実際に翼港で使用した仕掛けは、ウキ止めを使用した半遊動の仕掛けです(ウキ下の仕掛けの長さは固定)。
ウキは4Bを用いて、ガン玉は仕掛けの中間に3Bを打ち、4号を針から30cm程度上に打つようなフカセ釣りの仕掛けです。
ウキ下は潮流の具合に合わせて1ヒロから3ヒロに固定し、グレのいるタナに確実に挿し餌を送り込んでいきました。
重いガン玉を使うと、比較的早く仕掛けが沈んでいくので、表層にいるエサ取り (スズメダイ) を回避するのにも役立ちます。
また、撒き餌については、比重の重いチヌ用の巻き餌を選んでください。グレ用の軽い撒き餌を使うと、比重が軽いために、深い位置まで撒き餌が効率よく届きません…。
撒き餌については、一か所に撒き餌を留めることが出来ません。集魚剤でグレを集めるというよりも、エサ取りを回避することに撒き餌の8割くらいを使うので、一番安いチヌ用の撒き餌で全く問題無いです。
挿し餌はオキアミです!
翼港のエサ取り (スズメダイ) 回避について
大阪湾でのフカセ釣りでは、毎年5月頃からエサ取りに悩まされます。
特に波止場や港でフカセ釣りをすると、撒き餌に対して数百匹から千匹クラスのスズメダイの数が集まってくることが多々あります。
この状況は翼港でも変わりません。
基本的に足元の岸壁に近いところにはスズメダイが住み着き、撒き餌を見つけると、あっという間にどこからともなくスズメダイが集まってきます。
しかし、潮流に撒き餌を流していくと、スズメダイが巻き餌に付いていくので、スズメダイのいない空間が必ず生まれます。
その空間を上手く利用してあげれば、必ずスズメダイの猛攻は回避できます。
潮流を味方に付けることが出来れば、実は翼港のスズメダイ回避は、他の港でスズメダイを回避するよりも簡単かもしれません。
こればかりはテクニックが必要になりますが、関西でフカセ釣りを梅雨時期から秋まで楽しむには克服しなければならないことなので、頑張って練習していきましょう!
2021年6月中旬の釣果 -初めての翼港釣行-
では、ここからは実際に翼港へ釣行に行った際の釣果について紹介します。
グレを狙ってのフカセ釣りになりますので、その結果のみを紹介したいと思います。
・釣行日…2021年6月21日 (月)
・時間…10:00-14:00
・天候…晴れ
仕事の休み、そして梅雨の晴れ間を利用して、初めての翼港への釣行となりました。
事前に情報は色々と調べていて、ある程度は予想はしていたのですが、実際に翼港の潮流を見ると想像以上でした。
速い潮流であっという間にウキが流され、しかも厳しい二枚潮…
ウキの位置と挿し餌の位置が全く異なり、仕掛けを回収すると想定外の所から針が回収される有様…
「えっ?そんな方に仕掛けが流されているの!?」と言いたくなる状況。
翼港への初めての釣行ということもありますが、最初の2時間は状況の把握や仕掛けの変更、そしてエサ取りの回避に時間を費やしました。その間は、フグなどのエサ取りさえも釣れない状況で、ボウズを覚悟しました。
しかし、潮流が緩やかになった時間帯に釣りがしやすくなり、そのタイミングで最初のグレを釣り上げることができました。
2Bのウキに対して、2Bのガン玉をハリスの中間に打つというシンプルな仕掛けでした。潮流が少し収まったので、このくらいの仕掛けでも無事にタナを探ることが出来た状況です。
タナは2ヒロくらいの所で、グレが少し浮き上がってきたタイミングでした。
そのタイミングが丁度グレが浮き上がってくる時間に重なったのだと思います、立て続けにアタリがあり、合計で3枚の良型のグレをゲット!
27cm, 30cm, 31cmという、神戸周辺にしてはかなり大きなサイズです。
潮の流れの強さもあり、サイズ以上に良い引きを楽しめますね!
上記以外にも、ハリス切れやバラシで数匹のグレを逃しましたが、約1時間程度の食いが良い時間が続いた感じです。
その後は14時くらいに潮流が再び激しくなり、風も出てきたため、とても釣りができず…納竿となりました。
しかし、運が良かったとは言え、新しいフィールドで、しかもかなり難しい状況の中でも良型のグレを釣ることができたのは良い経験になりましたね。
2021年7月中旬の釣果 -2回目の翼港釣行-
1回目の釣行から約1か月後の7月23日(金)、翼港へ2回目のグレ狙いの釣行です。
・釣行日…2021年7月23日 (金)
・時間…13:00-17:00
・天候…晴れ
梅雨が明け、日差しが強く気温も高い中で、7月から8月は釣り人にとっても厳しい時期です。
前回、無事にグレを釣ることのできたフカセ釣りの仕掛けを忠実に再現して開始。
しかし、全く異なる潮の状態で2Bのガン玉を付けても全く歯が立たず、仕掛けが表層を流されていくような状況…。
しかもグレは全く浮いてこず、表層にはスズメダイがいるだけ…
とりあえず単純にウキを4Bに変更し、ハリスの中間に2BとBのガン玉を均等に2つ打つような仕掛けに変更。
スズメダイを避けるために少し遠投し、スズメダイの領域に入る前に何とか底の方まで仕掛けを投入できる状態になりました。そして、上手く撒き餌と仕掛けを同調させると、無事に1匹目をゲット!(28cmのグレです)
ただし、撒き餌を撒き過ぎると、沖までスズメダイが突撃していくので、確実に分離できるところまで撒き餌を遠投しました。この境界を見つけて、それを維持するのが夏は大変…
また、撒き餌が途中でバラバラにならないように調整し、確実に団子状態で遠投できるように撒き餌も工夫。
狙ったポイントとスズメダイがいるポイントの間に撒き餌が落ちると、沖の方までスズメダイが出て行ってしまいます。
この戦法が功を奏したのか、その後はグレが連発!
合計で8匹の良型をゲットして納竿となりました。
夕飯で食べる分のグレを2匹だけお持ち帰りです。下の写真で、下のグレが32ccm、上のグレが29cmです。
翼港でのフカセ釣りの注意点
翼港での釣りについて、釣行前に留意しておきたい3つのポイントも記載しておきます。
青物狙いでのルアー釣りの方が多い -ライントラブルに注意-
まず最初の注意点は、ルアーマンがとても多いのでライントラブルに注意する事です。
翼港は青物釣りでも超有名なポイントのため、ルアーマンがたくさんいます。
特に外向き (大阪湾側) の釣りポイントは、ほぼルアーマンで埋め尽くされています。
皆さん、潮流に負けないように比較的重いルアーを投げまくっているのですが、それでもライントラブルが絶えません。
翼港の激しい潮流の時間帯では、10mくらいの釣り座の間隔を取っても、その間隔は無いようなものです。
そのため、ルアーマンとのライントラブルには気を付けて下さい。
フカセ釣りは、一度ライントラブルがあると、高確率で仕掛けの作り直しになるので…。
外向きの釣り場は朝一番に行かないと取れない…
上記のルアーマンが多いという点にも関連するのですが、人気の高い外向きの釣り場は朝一番に行かないと確保できません。
特に土日になると、翼港が開く朝6時の時点で場所取り競争が終了します。
フカセ釣りは昼からでも楽しむことができますが、少しでも良いポイントを取りたい方は、なるべく朝一番から翼港へ入るようにしましょう!
上で紹介した私の釣行日は平日だったので、昼前後に到着しても、竿を出せるポイントは多少残っていました。
釣れた時に使用する長いタモが必須 (5m以上推奨)
私が最初の釣行時に困った困ったことですが、翼港は足元から海面までの高さが高いため、長いタモが必須です。
私がいつも使用している長さ5.3mのタモでは水面までの距離がギリギリで、グレを掬う時に数回隣のルアーマンに助けてもらいました。
一人で釣れた魚を確実に掬うには、6mから7mクラスの長さのタモが必要です!
大物を狙われる方は、長いタモを用意していきましょう!
この記事の終わりに
この記事では、淡路島にある翼港でのグレ釣りを紹介させていただきました。
京阪神からは高速道路を利用して訪れなければならないので、少し行くのに敷居がある場所ではありますが、良型のグレを連発することができる素晴らしい釣り場でした。
明石海峡から大坂湾の本州側では、平均で20cmくらいのグレしか釣れませんが、淡路島まで行けば30cmが狙えます。
(磯へ行けばもっと大きなグレがいるかと思いますが、関西圏の波止場では30cmクラスでも良型です。)
翼港は潮流が速いため、フカセ釣りをするには少しテクニックが必要ですが、フカセ釣り技術の腕試しや練習の場としても有効活用できそうです。
これだけ良いグレが釣れてしまうと、また近いうちに翼港へ行ってしまいそうな予感がします。今後の翼港でのグレの釣果については、この記事を随時アップデートしていきます。
では!