【水草】リスノシッポの育て方と成長過程の詳細(成長速度の実例も)

先日、アクアリウムショップを訪れた時に、以前から気になっていた水草が販売されているのを発見してしまいました。

「リスノシッポ」です。

成長するとリスの尻尾の様な見た目になるため、リスノシッポという名前が付いたのだそうです。

ずっと存在は知っていたのですが、なかなかお店で巡り合うことが無かったため、育成する機会が訪れませんでした。(インターネット販売では簡単に入手できますが、私は水草のインターネット販売は、ほとんど利用しないので … 。)

しかし、今回運良くお世話になっているお店に入荷していたので、早速購入して水草水槽で育てて見ることにしました。

この記事では、リスノシッポの植栽から成長の様子を詳細にまとめます。また、成長速度を実際に測定した結果なども紹介していきたいと思います。

リスノシッポを育ててみようとお考えの方に、少しでも御参考になれば幸いです。

【注意】本記事に記載の内容は、筆者が実際に育成したリスノシッポの一例を紹介した内容となります。水草の育成は水槽の設備や環境に大きく依存するため、同じように育てても、同じ結果が得られるとは限りません。あくまでも参考事例としてお考え下さい。


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今回育てたリスノシッポについて

リスノシッポという可愛らしい名前が付いた水草ですが、これは愛称的なものであり、本来は「ロタラ・ワリッキー」という名前があります。

つまり、ロタラ系の仲間の一つなんですね!

ただ、本記事では呼び名を「リスノシッポ」で統一したいと思います。

下の写真が今回入手したリスノシッポになります。国産のポット苗で、1束300円くらいです。

今回購入したリスノシッポは葉の色が緑色ですが、これは水上で育てられていた株となります。

水上で育てられていたリスノシッポを挿し木苗として束ね、それを水中栽培に移行したばかりの苗と言うことになりますね。

ちなみに … リスノシッポは水中で栽培すると、オレンジ色の細い葉を展開していくことで有名な水草です。

リスノシッポの植栽と管理方法について

次に、リスノシッポを植栽した水槽と管理方法の詳細です。

リスノシッポは、下の写真に示すように、私が管理している60cm水槽の後景草として植栽をしました。

(写真はリスノシッポを植栽したばかりの状態で、少し水槽の中に浮遊物が多くて … すいません。)

リスノシッポを植栽する前には、テトラのイニシャルスティックを元肥としてソイルの中に埋め込みました。

また、その他の主要管理項目としては、以下の通りです。

・水槽のライト:GEX製 CLEAR LED POWER III (1日当たり8時間の点灯)

・液肥:無し

・飼育している生体:カージナルテトラやコンゴテトラ等の小型カラシン科をメインに25匹

・フィルター:エーハイム 2213

・換水頻度:週に1度、水槽の1/2の水量を交換


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リスノシッポの成長の様子を写真で紹介

それでは、ここからはリスノシッポの成長の様子を詳しく見ていきたいと思います。

今回植栽したリスノシッポは、水上で育てられていたものを水中へ移行した株になりますので、水上葉と水中葉の違いが見れる点も注目です。

水上葉と水中葉の違いについて

まず最初に、水上葉と水中葉の違いを写真で見てみます。

下の写真は、水槽内に植栽してから10日後のリスノシッポになります。水上で栽培されていたリスノシッポは、水中栽培に移行した直後は水中葉が生えてきません。(完全に水中へ移行していない状態で、水上葉と水中葉の中間の様な状態と言えます。)

そのため、葉と葉の間隔が長く、葉の密度が低い状態で成長をしてしまっています。

このように、リスノシッポの水上葉は、アクアリウムショップやインターネットの写真で見るリスノシッポとは、見た目が全然違うことがわかります。

次の写真は、このリスノシッポを切り戻して水中葉を育てた後の状態になります。

この写真で分かるように、リスノシッポは水中での成長に移行すると、葉の密度がかなり高くなっていることがわかります。

また、水中で育てた方が葉も細長く、少しオレンジ色の葉になるため、より美しい状態であると言えるかと思います。

もし、水上栽培のリスノシッポを購入した後で高密度の葉が生えてこない場合には、切り戻しを行って水中葉への移行を促すことも解決策の一つかと思います。

リスノシッポの水中葉の成長を写真で見てみましょう!

次に、リスノシッポの水中葉の成長過程について、リスノシッポを切り戻した時点からの成長を写真で見ていきたいと思います。

下の写真は、リスノシッポの切り戻しを行った直後の写真です。

水中葉を低い位置から成長させたかったので、ソイルの表面から5cm程度を残すような切り戻しを実施しました。

次の写真は、切り戻しを実施した日から15日後の様子です。

切り戻しを行った部分から、非常に細い水中葉が高密度に生えてきていることがわかります。

切り戻しを行った直後1週間程度は新芽の成長が遅いのですが、概ね2週間くらい経過すると、新しく発生した水中葉の成長速度が一気に上がります。

そして、次の写真が切り戻しから22日後の様子となります。

まさにリスノシッポと言う名の通り、「りすの尻尾」にそっくりな水中葉が伸びていますね!

切り戻しを行ったことで、新芽は完全に水中葉に移行したと言えます。

リスノシッポの成長速度の測定結果

ここでは、リスノシッポの成長速度を測定した結果を紹介したいと思います。

リスノシッポの成長速度は、下の図(B)に示すように、新しく伸びてきた新芽の茎の長さを物差しで測定していく方法で求めました。(A)の図が切り戻し前の状態で、切り戻しを行って新芽が出て来た様子が(B)の図となります。

また、1本の新芽の成長データでは信憑性に乏しいので、新芽を3本選び、それぞれの成長速度を測定していくことにしました。

その結果をまとめたものが下のグラフとなります。

横軸が切り戻しを行った日からの経過日数、縦軸が新芽の茎の長さとなります。

このグラフからわかるように、切り戻しを行ってから約5日くらい経過すると新芽の成長が始まっています。

また、新芽の成長は約2週間経過した頃から急速に成長速度が上がっていることもわかります。この様な成長になる正確な理由は完全に理解できていませんが、リスノシッポの水中葉の場合、新芽の成長が軌道に乗り始めるまでに約2週間程度を要するということかと思われます。

切り戻しから15日を経過した以降の成長速度は、約1.5cm/日となりました。

ここまで成長速度が速くなると、日々の管理の中でリスノシッポの成長を目で見て分かるようになります。


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この記事の終わりに

本記事では水草水槽でも人気の「リスノシッポ (ロタラ・ワリッキー) 」の育成について、水上葉と水中葉の容姿の違い、水中葉の成長の様子、水中葉の成長速度などを詳細に紹介させていただきました。

リスノシッポは、その育成方法に難しいテクニックは必要ではないため、初心者の方でも安心して育てられる水草の一つです。

また、様々な水槽の環境にも適応するため、水草水槽だけでは無く、簡単なレイアウト水槽にも使える水草と言えます。

リスノシッポの容姿の特徴としては、水中葉は非常に細く高密度でオレンジがかった色を持ち、かつ背丈が高くなります。そのため、水槽の中では後景草として重宝する水草となります。

切り戻しを行って、切り取ったリスノシッポをソイルに差し戻せば、簡単に株数が増やせるのも嬉しいポイントです。

水草水槽に植栽する後景草にお悩みの方、「リスノシッポ」を候補の一つに入れてみてはいかがでしょうか?

同じロタラ系の「グリーン・ロタラ」や「ロタラ sp. Hra」とは少し違った雰囲気の水槽水景を作ることが出来るかもしれませんよ!

それでは!