水槽飼育でのネオンテトラの寿命を実際に調査してみました

その小さな魚体にも関わらず、鮮やかな青色と赤色のラインで古くからアクアリウムには欠かせない存在になっているのがネオンテトラです。

熱帯魚飼育を趣味にしている方であれば、誰もが一度は飼育を経験がしたことがあると言っても過言ではないくらい有名な熱帯魚ですし、これからネオンテトラを飼育してみようと考えている方も多いかと思います。

しかし、その小さな体が一つの原因だと思いますが、水質の変化に少し弱かったり、水槽へ導入した時に調子を崩してしまうことも多々あります。また、動きが俊敏なので、水槽から飛び出してしまうこともあります。

よく熱帯魚ショップでは「この魚の寿命は概ねこのくらいです」という情報を聞くことがあるかと思いますが、正直なところ実際の飼育環境下によって寿命は変わります。

そこで、実際に私が飼育をしたネオンテトラが、どのくらいの寿命だったのか?導入した日からネオンテトラがどのくらいの頻度でお星様になってしまったのか?を調べた結果を御紹介したいと思います。


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ネオンテトラの寿命の測定方法について

今回の記事で、寿命を測定したネオンテトラ達は、2019年11月に近くのアクアリウムショップで購入した、ブリードのネオンテトラ25匹です。ブリードのネオンテトラは、ネオンテトラの仲間の中でも最も安価に入手可能な熱帯魚です。

アクアリウムショップで販売されているネオンテトラは体調が1cm~2cmの稚魚になりますが、アクアリウムショップに陳列されている時点で概ね生後数か月は経っている魚となります。

この記事で考えるネオンテトラの寿命は、ネオンテトラがお星様になってしまった原因全てを寿命としてカウントします。

例えば、水槽から飛び出してしまった場合にも、実際には正確な寿命では無いですが、水槽から消えてしまったという観点で、飛び出した日を寿命としてカウントします。また、その他には腹水病などの「病気」、そして「寿命および原因不明」という項目で分けて考えることとしました。

実際に人の平均寿命を算出する時にも、病気や不慮の事故も含めて計算されているので、飛び出しや病気によってお星様になる場合を寿命としてカウントしても、ネオンテトラの寿命を考える観点では問題は無いかと思います。

本記事で着目しているのは、購入したネオンテトラがどのくらいの頻度でお星様になってしまうのか?ということになります。

本来はもう少し死因を細分化して考えたいのですが、そこまで多くのネオンテトラを飼育したわけではないので、今回は「水槽からの飛び出し」「病気」「寿命及び原因不明」の3つに分けて考えます。

ネオンテトラを飼育している水槽の環境について

ネオンテトラの飼育環境についてですが、次のような水槽と設備の飼育環境になります。

①水槽…60cm規格水槽

②フィルター…外部フィルター EHEIM 2213

③ライト…LEDライト (点灯時間: 1日7時間程度)

④換水頻度…週に1回か2回の頻度で水槽の1/2の水を入れ替え

⑤餌やり…朝と晩に2回 (量は適量だと思っています)

まぁ、上記の通り、一般的な60cm水槽の設備だと思ってください。混泳させている魚はコリドラスとジョボレンシスがメインで、過密にはならない程度にしていました。

水草はミクロソリウムとアヌビアスナナをメインとしたオーソドックスな流木レイアウト水槽です。


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実際にネオンテトラの寿命を測定した結果

それでは、実際にネオンテトラの寿命を測定した結果を以下で紹介します。また、ネオンテトラのそれぞれの死因についても、少しだけ私の考え方を記載させていただきたいと思います。

ネオンテトラの寿命調査の結果

まず最初に、実際の結果を下のグラフで紹介します。

ネオンテトラの寿命を測定した結果のグラフ

横軸がネオンテトラを25匹導入した2019年11月からこの記事を公開する2020年9月までの月日で、縦軸がそれぞれの月にお星様になってしまったネオンテトラの数を示しています。

青い棒グラフが飛び出しが原因のもの、オレンジ色が病気が原因のもの、灰色が寿命または原因不明のものとなっています。

約9か月間の間の飼育ですが、お星さまになってしまった数が合計で12匹です…。私の飼育能力・管理能力が低いためか、何と水槽に導入した半分のネオンテトラがお星様になっています。

とはいえ、水槽の管理状態としては一般的な管理方法をいじしていまいしたし、病気が蔓延するような事もなかったので、そこまで悪いし飼育環境では無いと考えています。

つまり、ネオンテトラを水槽に多めに導入しても、1年経たないうちにお星様になるものが多く出る可能性があるという事かと思います。

導入初期の原因不明は水質不適合の可能性が高い

上のグラフで示していますが、導入の初期に原因不明でお星様になってしまったネオンテトラがいます。導入してから約3日の間に、立て続けに起きたことでした。

これについては、水質の不適合または水合わせが不十分だったことが原因として挙げられます。

ネオンテトラは生後数か月でお店に並ぶのですが、とても小さな体をしているため、ちょっとしたpHの変化や硝酸の濃度などの変化に弱い所があります。

実際、アクアリウムショップで販売されているネオンテトラの水槽を見ると、何匹化が水槽の中で浮いてしまっている様子を見たことがある方もいらっしゃるかと思います。それだけ稚魚の段階では体が弱いのです。

導入初期は飛び出しが多い

また、水槽へ導入した初期は水槽からの飛び出しも多かったです。

一応、上蓋をして飛び出し防止をしているのですが、フィルターの配管の部分などは蓋が出来ないことや、少しの隙間はできてしまっているので、正直仕方ない事なのかもしれません。

飛び出しが多いのは、環境に慣れていないためで、少しの物音や目の前を通過する人の影を見て驚いてジャンプしてしまうというケースが多いです。

上のグラフには載せていませんが、初期の頃は飛び出したところを目撃したネオンテトラは、すぐに救出して水槽の中に戻したことも何度かありました。

水槽の環境に慣れてくると、4カ月目以降は飛び出しがほとんどなくなっていることもわかります。

病気や原因不明はランダムに発生

病気については、腹水病が2件発生しました。

腹水病は食べたものの消化不良や水質の悪化などの原因で、お腹の中に水が溜まりお腹がパンパンに大きくなってしまう病気です。

腹水病は初期段階では見た目では全く分からず、お腹が張って来て初めて判明することが多いため、致死率の高い病気になります。

詳細は下の記事にまとめているので、もしよければそちらも御参照ください。

白点病も冬季に1度だけ軽度のものが発生しましたが、水温を上げて管理して特に大きな問題にはならずに済みました。

飼育環境下でのネオンテトラの寿命をあらためて考える

今回の調査では、ネオンテトラを25匹購入し、お星さまとなってしまった日付と数を記録した結果を紹介させていただきました。この結果から、水槽への導入日からどのくらいの頻度でネオンテトラがお星様になってしまうのか?という点を考えることが出来ます。

「寿命」と一言で言うと、ネオンテトラが本来持つ寿命や、病気などが原因でお星様になってしまう寿命というイメージが強いかもしれません。しかし、水槽の中という飼育観光では、熱帯魚の寿命を決める要因はそれだけではありません。

特に初期の段階では水質の変化が原因となったり、水槽から飛び出してしまう魚もいて、立て続けに飼育環境の中でネオンテトラがお星様になってしまいました。

また、原因が分からずにお星様になってしまうネオンテトラも多くいたので、熱帯魚ショップで教えてもらう魚の寿命は、あくまでも参考であり、実はあまり参考にはならないと思います。

自然界で生活していて、成魚になって寿命を全うすると長い寿命になるのかもしれませんが、水槽の飼育環境下ではなかなかそうはいかないと思います。

さらに、今回はブリードのネオンテトラを飼育していますが、ブリード個体は野生の魚に比べて、寿命のバラツキも多いように感じます。

今回の調査では、1年もたたないうちに購入したネオンテトラが半分程度に減ってしまいました。特に特別な事をしていない一般的な飼育水槽ですので、ネオンテトラを飼育する予定のある方にとっては、1年後の水槽の環境を考える上で参考になる事実かと思います。

また、まだ水槽の中で飼育している残りの13匹については、今後も寿命の調査を継続していきたいと思います。進展あれば、またブログの方で更新していきます。


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【記事には関係ありませんが…この記事が100記事目の投稿です!】

本ブログ「能あるコリドラスはヒゲを隠す」は、この記事が100記事目の投稿になります。

スタートした2020年3月から数えると、約半年で100記事に到達できたことになります。

ここまで続けて来れたのも、本ブログに訪れて下さる読者の皆様があってこその結果だと思います。

まだまだ、記事数は少ない状況ではございますが、今後も皆様のアクアリウム生活や自然と親しむ時間に役立てられるような記事を目指していきます。

今後とも、よろしくお願い致します。