神戸森林植物園で生物観察をするお勧めポイントを紹介

神戸市にある森林植物園へ家族で遊びに行ってきたのですが、1日かけて自然を楽しむことができる植物園でしたので御紹介します。

神戸市内から約30分というアクセスの良さもありますが、何よりも都会の喧騒を一瞬にして離れ、大自然の中で家族で遊べるという利点は何にも代えがたいものがあります。

このブログはアクアリウムや自然を取り扱うブログなのですが、神戸森林植物園では子供が喜ぶ水生生物や昆虫などの観察もできるので、この記事ではその紹介をしたいと思います。


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神戸森林植物園について

神戸森林植物園の概要

神戸森林植物園は神戸市にある六甲山の西側に位置する、神戸市立の植物園になります。

神戸森林植物園と言えば、最も有名なのが紫陽花 (あじさい) です。神戸市の花が紫陽花ということもあり、園内には数千本の紫陽花が植栽されており、6月から7月の開花シーズンには見事な紫陽花畑を見ることができます。

また、その他の植物についても、各国・各地域ごとの区画に分かれて植栽されているので、それぞれのゾーンごとに特色ある植物や樹木を見ることができます。

神戸森林植物園はとても広く、ハイキングしながら植物を見て回ると、大人の足でも全て回るのに3時間くらいはかかります。お子さんと一緒に行くと、園内を全て見て回るのがつらいと思いますので、目的のエリアを決めて散策されることをお勧めします。

また、ところどころにウッドテーブルも整備されているので、家族でお弁当を持って遊びに行くのに適した植物園です。

植物園ということで、様々な種類の昆虫が多く生息しており、沢や池もあるので水生生物との出会いもあって、小さなお子さんは一日楽しめると思います。

アクセス方法

〒651-1102 兵庫県神戸市北区山田町上谷上 字長尾1−2

神戸市立森林植物園は、神戸市に聳え立つ六甲山の西側に位置しています。地図は下の通りです。

車で来園される際は、国道428号線を北上し、六甲山へ繋がる県道16号線へ入るとすぐに到着します。

車で来る際の注意点として、山麓バイパスを利用される場合には、神戸方面へ向かう車線からは天王谷ICを降りることが出来ません。そのため、手前のICで降りて下道を使う必要があります。この点はご注意ください。

また、バスの場合には、神戸電鉄「北鈴蘭台」から無料送迎バスが運行しています。また神戸の中心地にある三宮バスターミナルからも市営バス「25番系統」で森林植物園まで来ることができます。

利用時の注意点

神戸森林植物園は、自然保護区のため魚や昆虫の持ち帰りおよび植物の採取が禁止されています。

虫取り網を使ったり手で虫を捕まえる上では、観察して直ぐに自然に放してあげるなどの常識ある行動が求められる点は御注意ください。

自然の中で生活する水生生物や昆虫は、御家庭に持って帰っても環境が合わず、残念な結果になることが大多数なので、観察は公園内で楽しむようにしてくださいね!

また、森林植物園ですので、少し危険な虫にも出会うことがあります。アシナガバチやスズメバチに遭遇することもあるので、周囲に気を付けて自然観察を楽しむように心がて下さい。特に小さいお子さんは無視に夢中でハチに気づかないこともありますので、特に注意してあげた方が良いです。

紫陽花の咲く季節は、密蜂や熊蜂たちは花の蜜を集めに来ますし、アシナガバチやスズメバチは紫陽花に集まる小型の虫を狙ってきます。紫陽花は綺麗なのですが、蜂にだけは本当に注意してください。

水生生物の観察にお勧めのスポット

神戸森林植物園は、園内に長谷池があり園内の遊歩道沿いにも小さな側溝などに沢のように水が流れる場所があるため、水生生物に出会える場がたくさんあります。

実際に出会うことができた水生植物について、以下で観察した場所と共にご紹介させていただきます。

モリアオガエルとオタマジャクシ

森林植物園に入ってすぐのところにある森林展示館・管理事務所の前に、小さな池があるのですが、この池にはモリアオガエルが自生しています。

モリアオガエルというと、葉に泡巣を作り、そこで卵からオタマジャクシが生まれてくることで有名なカエルです。

この池には梅雨の時期になるとモリアオガエルのオタマジャクシが大量に泳いでいます。目を疑うような数が泳いでいるので、モリアオガエル自体も数が多いのだと思います。

しかし、親のモリアオガエルは昼間は木陰や隠れ家でじっとしているようで、出会うことは少し難しく、運が良くないと出会えないかと思います。私自身、まだモリアオガエルに出会ったことが無いので、かなり探したのですが…結局出会うことが出来ず…看板の写真だけを紹介しておきます。

野生のメダカを観察

長谷池の湿地帯の周辺ですが、少し水深が浅い所にメダカが自生して泳いでいます。

メダカは少し前に絶滅危惧種に指定されたのですが、多くの方々の保護活動を通じて、現在では植物園やビオトープなどで多く見ることが出来るようになりました。

街中ではまだまだ見れる場所が限られているメダカですが、森林植物園の長谷池では多くのメダカが元気に泳いでいます。泳いでいるのは、黒色の日本古来のメダカです。

最近はメダカの品種改良が進んで、とても色鮮やかなメダカもいますが、植物園のメダカは、まさに日本の原風景の中にいるメダカです。

長谷池には外敵になるブラックバスやブルーギルなどの外来魚がいないためだと思いますが、日本古来の原風景の浅瀬を見ることが出来る場所です。

サワガニを見つけるスポット

サワガニって、見つけるのが結構大変です。

渓流に行けば、簡単に見つけられるのですが、国立公園のちょっとした沢では生息数が少ない場合が多々あります。

神戸森林植物園もその一つで、サワガニの絶対数は少ないと思いますが、一応見つけることが出来ました。

場所は南西にある青葉トンネルのあたりですが、ここは散策コースの脇にちょっとした水路が流れており、梅雨時期などには沢の様に水が流れています。

そのため、サワガニが生息できる状況になっており数は少ないかもしれませんが、根気よく探せば見つけることはできるかと思います。

また、この青葉トンネルの近くは、高い気が多く直射日光も比較的さえぎられやすいためか、美しいコケがたくさん生えています。コケと言えば、最近はコケを使ったパルダリウムやコケリウムというジャンルも人気ですね。私もアクアリストの一人として、心がくすぐられる一場面でした。ただし、植物園なので採取は禁止されていますのでご注意ください。


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昆虫の観察にお勧めのスポット

私が来園した際に、昆虫に多く出会えた場所は2か所あります。一つ目は紫陽花畑の周辺、もう一つは長谷池の湿地帯周辺です。以下で、代表的な昆虫とともにご紹介します。

オオムラサキにも出会える

オオムラサキという美しい蝶を御存じですか?

日本の国蝶に指定されている大きな蝶になります。

大きさはアゲハチョウよりも少し小さいくらいですが、羽が紫色をベースにして星空を描いたような模様をしているとても美しい蝶です。

夏の時期に樹液を吸いに樹木に集まってくるので、樹液の出ている樹木の周辺では出会える確率は高くなります。私自身も、神戸森林植物園を訪れたときに、出会うことができました。

出会った場所は薬樹園の中のクヌギの木です。樹液が大量に出ている場所で、コガネムシと一緒に樹液を吸っている所でした。オオムラサキは街中では見ることができませんし、初めての事だったのでとても嬉しかったですね!

カブトムシやカミキリムシも多い

神戸森林植物園の開園時間は昼間なので、夜にカブトムシを探しに行くことはできませんが、実は昼間でもカブトムシに出会えることはあります。

また、ペットショップでもなかなか出会えないカミキリムシにも出会えることもあります。基本的に樹木の樹液が出ている部分に群がっているので、オオムラサキと同様にクヌギの木を探すと見つけやすいです。

上で紹介したオオムラサキを見つけた時、その近くにある薬樹園の梅の木にゴマダラカミキリが止まっていました。カミキリムシってカブトムシよりも見ることが少ない昆虫なので、虫取り少年だった幼少期を思い出すと、発見できたことに喜びを感じましたね。私は田舎の育ちなのでゴマダラカミキリは、毎年夏に大量に捕まえていました。都会では本当に見る機会が無いんですよ…。

長谷池はバッタの宝庫!

神戸森林植物園の長谷池の周囲は、少し湿地帯になっているのですが、木でできた遊歩道が整備されているので湿地の中を歩くことができます。

そして、その湿地ですが…バッタの宝庫です。

トノサマバッタ、イナゴ、ショウリョウバッタ…様々なバッタが大量に飛んでいます。私が訪れたのは2020年の7月中旬ですが、虫取り網を持っていれば、確実に捕まえられるくらいの密度です。

バッタに交じって、キリギリスやカマドウマも生息していました。カマドウマは、見た目がグロテスクなので、触るのを少し躊躇いますが…

長谷池ではイトトンボも見られます

見つけるのが大変なのですが、長谷池の湿地の部分ではイトトンボも見られました。トンボというとオニヤンマなどの大型のトンボを想像される方が多いとは思うのですが、イトトンボと言うとても小さなトンボがいます。

とても繊細で美しい姿のトンボなのですが、見つけるのが大変なので運が良ければ目に入るかもしれません。私自身は短時間でも3匹程見つけることができましたので、時間が合えば高確率で見られるかもしれませんね。

広く遊具もあるので1日遊べる植物園

神戸森林植物園は、水生生物や昆虫の観察、また植物の観察をするだけではなく、小さなお子さんがアスレチック遊具で遊ぶことができます。

公園の北東に位置する冒険の丘になりますが、小さな子から小学生までが楽しめる遊具が備わっています。また、多目的広場もあるので、ボール遊びなども楽しむことが出来ます。

テントを張れば、植物園と合わせて、一日楽しむことが出来る場所だと思います。入園料もお得な植物園なので、確実に満足度は高いと思いますよ。


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おわりに

この記事では、神戸市立森林植物園での水生生物と昆虫の観察について紹介をさせていただきました。

神戸市立森林植物園は、神戸の市街地からすぐの場所にありながらも、都会の喧騒を忘れることができるような自然を満喫することができます。

普段、市街地では見ることが出来ない珍しい昆虫にも数多く出会えるチャンスがあり、昆虫好きな小学生にとっては本当に楽しい場所だと言えます。

この週末、神戸市立森林植物園に遊びに行ってみてはいかがでしょう!?