鈴虫の飼育方法を産卵から来年の準備まで詳しく説明

梅雨の季節、ホームセンターのペットコーナーで「鈴虫」の販売コーナーを見かけることがあるかと思います。

暑い夏の夜、鈴の音の様な綺麗な音を奏でてくれる鈴虫ですが、実は飼育環境を整えてあげると、虫かごの中で卵を産み来年も鈴虫の音色を楽しむことが出来るのです。

鈴虫が入った虫かごを購入して、一夏だけで楽しみを終わらせてしまうのはもったいないです。

この記事では、夏の間の鈴虫の飼育方法から産卵後の越冬から来年の準備までを紹介していきたいと思います。

お子さんと一緒に、鈴虫の産卵から来年の成虫誕生まで、約1年のの昆虫観察をしてみてはいかがでしょうか?


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鈴虫の一生について

まずは、鈴虫の生態として、卵の孵化から産卵までの内容をお話します。

越冬した鈴虫の卵は5月の後半から6月の上旬くらいに孵り、鈴虫の成虫としての活動が始まります。

最初は小さな体ですが、7月の梅雨時期には大きな生体になり、8月に入るころには、その年に生まれた鈴虫の多くが成虫になります。

実は鈴虫は5回の脱皮を行います。脱皮を繰り返しながら体を成長させて成虫になります。

完全に成虫になる前にも鈴の音色を鳴らし始めます。概ね7月の中旬くらいから泣き始めるので、店頭で販売が始まるのもこの頃です。

ちなみに、鈴の音を鳴らすのは雄だけです。雄が雌への求愛活動として、鈴の音を鳴らしています。

8月に入り雄と雌が出会うと産卵の準備に入り、大体9月の後半くらいから雌の産卵が始まり、雌が土の中に卵を産み落とします。

雄は成虫になってから約1か月の寿命、雌は産卵後に一生を終えることになります。蝉と同じように、地中にいる時間の方が長い虫なんですね。10月に入ると多くの鈴虫たちの一生が終わり、来年6月の卵の孵化を待つことになります。

夏の間の鈴虫の飼育方法

鈴虫の活動時間について

鈴虫を飼育したことがある方であれば分かると思うのですが、鈴虫が泣き始めるのは夕方以降です。

つまり、鈴虫は夜行性なんですね。

自然界の鈴虫は、朝から夕方までの明るい時間帯は草木の陰に隠れて活動をしません。そして夕方の訪れと共に美しい音色を響かせるようになります。

そのため、昼間は直射日光を避けた場所での管理が基本となります。

夏の間の鈴虫の飼育・管理方法

鈴虫は夜行性のため、昼間の間は直射日光に当たらないような場所で飼育しなければなりません。

また、虫かごが直射日光に当たると、虫かごの中の温度が非常に高くなり、鈴虫がお星様になってしまう可能性が一気に高まります。

そのため、鈴虫を飼育するのは室内が絶対にお勧めです。

リビングに鈴虫を置くことを躊躇うお母さんも多いかもしれないので、玄関でも良いかと思います。ベランダという選択肢もあるかと思いますが、ベランダは意外と高温になりますし、風通しが悪かったりするので、実はあまり適しません。

餌についてはキュウリやナスなどの野菜を与えてあげれば問題はありません。ただし、2日か3日に一度は交換するようにしてあげて下さいね。あまり長い間放置すると、悪臭のする原因になります。

また、水槽の中の土は常に湿っている状態にしてあげて下さい。ただし、水は土に直接かかるようにして、鈴虫に直接水が当たらないようにしてあげて下さい。羽に水がかかると、羽の具合が悪くなり、美しい音色を響かせることが出来なくなってしまうというケースが起こり得ます。

ただし、水浸しになるような状態好ましくないので、あくまでも土が湿る程度の水分で管理をしてあげることが大切です。

産卵を見据えた虫かごの準備

上で紹介したように、鈴虫の飼育は産卵から来年の鈴虫も楽しむことが出来ます。

そのため、出来れば来年以降にも鈴虫を楽しめるように、産卵を見据えた虫かごを用意してあげましょう!

下の写真に鈴虫飼育の虫かごの例を載せておきます。水槽も使うことが出来ますが、内壁に傷が付いた水槽だと鈴虫がよじ登ってきて脱走する原因になるので、蓋のある虫かごの方が安心です。

まず、必ず虫かごの下には土を3cmくらいは敷いてあげて下さい。この土については、出来れば園芸で使用するようなふかふかな土を用意してあげて下さい。

乾燥しやすい砂利や粘土質の高いような土は産卵には向きません。道端に落ちているような砂利ではなく、園芸用などの土を用意する方が成功率が確実に高いです。

また、鈴虫が活動できるような石を入れたり、少し隠れ家になるような場所を入れてあげても良いかと思います。

この土は常に湿らせておいてあげると鈴虫が元気に育ちますし、産卵後には卵の保護のために土が湿っていることが大切になります。

また、もし雄と雌を選べるのであれば、雌1匹と雄3匹くらい入れておくと良いです。雌が多いと卵をたくさん産んでしまい、来年の鈴虫の数が大量になる可能性もありますので…。


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産卵後の10月以降の虫かごの管理方法

10月の初旬を迎え秋が深まり始める頃、メスの鈴虫も一生を終え、虫かごの中には一生を終えた鈴虫が残っているかと思います。

鳴き声を楽しませてもらった鈴虫なので、その生涯を終えた鈴虫は取り出して、公園などの土に埋めてあげましょう。

また、虫かごに残っている餌も全て取り出してあげて下さい。

その時、必ず守って欲しいことは土を触らないことです。

土の中には雌が産んだ卵が残っている可能性が高いので、触ったり掘ったりせずに置いておきます。もし掘り起こしたり土をいじると、卵が潰れてしまいます。

そして、土は湿らせた状態で来年の6月まで待つことになります。土を湿らせておくというのが少し面倒ではありますが、鈴虫を飼育しているという気持ちになれば、お子さんも自らやってくれるかと思います。

自分で育てた鈴虫の子孫が来年生まれてくる姿を見るのも嬉しいものです。

また、冬の間は土を凍結させてはいけません。卵が凍結してしまいます…。

そのため、出来れば鈴虫を飼育していた玄関先などの気温の変化が少なく、気温が0℃を下回らない場所で水分を供給しながら管理してください。

来年の5月~6月に鈴虫が負荷した時の管理方法

5月後半に差し掛かると、卵から孵化した鈴虫が活動を開始します。

最初はとても小さな体で、アリに羽が生えたような体をしています。

卵から孵るとすぐに餌を求め始めるので、孵化が確認出来たらキュウリやナスを虫かごに入れてあげて下さい。

また、卵のから孵化してくる鈴虫の数が多い場合には、一部の鈴虫を別の虫かごに移してあげましょう。過密飼育はよくありません。

お友達に分けてあげても良いかと思います!


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本記事のおわりに

この記事では、夏の間の鈴虫の飼育方法から産卵後の翌年までの管理方法を紹介させていただきました。

鈴虫は購入した年の夏だけの楽しみだと思われている方が多いかと思いますが、実は自分の家で産卵させて翌年も飼育を楽しむことができる昆虫です。

お子さんの夏休みの自由研究にもなりますし、むしろ1年をかけた飼育記録を作ることもできるかと思います。

今年の夏、お子さんと一緒に鈴虫飼育にチャレンジしてみはいかがでしょうか!?