餌の与え過ぎは魚を一時的な転覆病にする!?実例を紹介

子供と一緒に金魚を飼育し始めて、もう1年以上になろうとしています。

とても小さな幼魚の状態で購入した金魚も今では立派な成魚になり、可愛いというよりも美しさが出てきました。

そんな金魚ですが、最近になって気付いたことがあります。

それは、餌を与えて少し時間が経つと、身体が浮いてしまい、転覆病になったような症状が現れることです。

金魚は転覆病になりやすい魚と言われていますが、今回の症状は1日程度で治るので、重度の転覆病では無く、身体の一時的な不調で転覆病の症状が現れたものであると思われます。

さて、このような状況が発生してしまうのは、何故なのでしょうか?

この記事では、金魚の体が浮かび上がってしまう一つの原因として「餌」と「消化不良」が関係しているのではないか?という点をお話したいと思います。


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金魚の体が浮かび上がる症状の詳細

餌を与えた後、身体が浮かび上がり、泳ぎ方に異常が出たのは「丹頂」という品種の金魚です。

この金魚は、私の飼育している金魚の中で最も体が大きく、水槽の中ではボス的な存在の金魚です。餌を与えると、他の金魚に体当たりしながら我先に餌を食べるという食いしん坊ぶりです。

この丹頂ですが、餌を与えると体が浮かび上がって泳ぎづらそうにしている姿が時々見受けられました。下の写真が実際の様子ですが、身体の浮力の制御ができずに、浮いてしまっている状態であることが分かるかと思います。

まさに転覆病に見られるような症状が出ていることがわかります。

他にも金魚が3匹一緒に泳いでいますが、他の魚には全くこの症状が出ないので、水槽の中の環境そのものが影響しているとも思えませんでした。どちらかというと、丹頂の体内で何かが起こっているのではないかという状態です。

頑張って下に向かって泳げば、浮力に勝って泳ぐことはできる状態でした。しかし、泳ぎを止めると直ぐに浮かび上がってしまうという可哀そうな状態です。

金魚の体が浮いた時は糞の状態が悪かった

金魚の体が浮かび上がった時、実は金魚の糞に異変がありました。

金魚の糞は正常で健康的な状態であれば水槽の底に沈みます。餌がしっかりと消化されて中身が詰まった糞は、比重が重くなるため沈んでいきます。

しかし、金魚の体が浮き上がった時は、実は糞も水面に浮いている状態が見られました。下の写真の矢印の部分にあるように糞が浮いてしまっているような状態です。このように浮かんでしまっている糞を見かけたことがある方もいるのではないでしょうか?

金魚の糞が浮くということは、消化がしっかり行われていない症状になります。

また、金魚の糞の中にガスの様な気体 (ガス) が混じっていることもわかりました。消化不良および分解の不良によって体内で気体が発生したものかと思われます。

この症状は、実は次で説明しますが、金魚の体が浮かび上がってしまうことに大きく関係したことだと考えられます。


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考えられる原因は浮上性の餌の消化不良

金魚に与えている餌は、以前もブログで紹介しましたが「プロリア」という株式会社キョーリンさんが発売している餌になります。

この餌は浮上性の餌で、水面に浮かぶタイプのものになります。

「金魚の体が浮かび上がる症状」、「食いしん坊で餌を大量に食べる金魚」、上述の「浮かび上がる糞の状態 (消化不良)」、そして「浮上性の餌」という4つのキーワードを考えると答えが見えてきそうです。

私の考えですが、

① 金魚が自分の消化能力を超えるくらいに餌を暴食

② その結果として一時的な消化不良を発症

③ 浮上性の餌が体内で完全に消化・分解されず胃や腸内で浮力を生む原因に。また、体内でのガスの発生により浮力が増加した状態に。

④ その結果、魚体が浮かび上がってしまう症状が現れた。

ということでは無いかと思います。

この考え方であれば、浮かび上がる症状が一過性のものであるという点も説明が付きます。時間が経って消化能力が追い付き、金魚の体が正常な状態になったところで浮かび上がる症状が無くなるというものかと。

「沈下性の餌であれば、少しくらい食べ過ぎても金魚の体が浮かび上がることはないのか?」と聞かれたら、ちょっと答えられませんが…。

もし浮上性の餌を使用していて、金魚の糞が水面に浮かんでいる状態が見られたら、注意が必要かもしれません。また、餌やりの方法の改善が必要なサインとなるかもしれませんね。

転覆病による弊害の実例 -粘膜の損傷-

体が多少浮かび上がった状態であっても、エラで呼吸ができていれば命に関わるような事は無いと思われます。

しかしながら、今回の金魚の場合には、体表への悪い影響が出てしまいました。

次の写真は丹頂の頭部を撮影したものになりますが、頭部の赤い部分が少しだけ白くなっていることが分かるかと思います。

体が浮かび上がってしまったことで、この頭部の部分だけが水面から空気中に出ている状態になりました。

つまり、乾燥してしまったことで体の表面が火傷に近い状態になってしまった状態です。空気に長く振れたことで粘膜が傷ついてしまった状態です。

幸いこれ以上酷い状態にはなりませんでしたが、魚の体が浮かび上がってしまうということは、このような外傷が発生するリスクがあるということは覚えておくべきかと思います。


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解決策は餌の量や与え方の改善

金魚の体が浮かび上がってしまったことは、決して浮上性の餌が悪いのではありません。金魚が食べすぎたことによる消化不良が原因であると考えています。

したがって、金魚が自分の消化能力を超えるような暴食をしないように、餌やりを工夫をすれば解決する問題かと思います。

例えば、餌を与える量が多いと感じていたら餌の量を減らしたり、1度に与える量を減らして回数を増やすのも一つの解かと思います。

今回の件では、私の子供が金魚に餌を与え過ぎていたことも後日分かってきました。子供にとっては餌やりは楽しいお世話ですが、適量を守るように教えてあげましょう。

この症状が現れた後は、金魚の薬浴はせず、餌の量を減らして様子を見ました。他の病気を併発していることは無く、無事に元の状態戻ってくれたので、一安心でした。

2021年1月21日 追記: 同じ水槽のらんちゅうも同じ症状を発生

上で紹介した丹頂の体が浮かび上がる現象ですが、約1か月後に同じ水槽で飼育している「らんちゅう」も同じ症状に見舞われました。

餌を与え過ぎたことが原因で、一時的にお腹を上に向けて浮かび上がってしまうような状態になりました。しかし、翌日には健康的な状態に戻っているという状況でした。

やはり金魚は餌の与えすぎは駄目ですね…

この記事の終わりに

この記事では、魚の暴食による消化不良と浮上性の人口飼料の影響で金魚の体が浮かび上がってしまう症状 (一時的な転覆病) が出たことを紹介させていただきました。

この症状は金魚に限らず、熱帯魚などにも現れる可能性がある症状かと思います。

消化不良と聞くと、それほど重い症状では無いように思われる方が多いかと思います。しかし、魚の消化不良は様々な病気の原因となり得る症状になります。

消化不良から松かさ病や腹水病などを併発することもありますし、寄生虫に対する免疫が低下することもあります。

適切な餌の量を管理することは実は難しいことですが、日々の餌やりの時に魚に異変が無いかを確認するだけでも異常は防げるかと思います。

何はともあれ、結局のところ、日々の観察と管理が大事ってことですね!