淡水アクアリウムの水草の中で、大きな葉が印象的で人気のある水草の一つが「エキノドルス」です。
同じく大きく成長するアヌビアス・バルテリーに肩を並べる人気を持ち、美しい黄緑色の葉を持つことから、水槽の中でメインとなる水草として栽培することもできます。
そんなエキノドルスですが、栽培した経験が有る方であれば御存じかもしれませんが、とても成長が速い水草としても有名です。
毎日観察していると、その成長が目に見えて分かるくらいなのですが、この記事では、エキノドルスの葉の成長速度を実際に測定した結果を紹介させていただきたいと思います。
淡水アクアリウムのレイアウト・水景を作り上げていく際の御参考になれば幸いです。
エキノドルスはどんな水草?
エキノドルスはオモダカ科の水草で、原産地は南米大陸となり、熱帯魚の故郷でもあるアマゾン川の流域にも多く自生している植物です。
熱帯魚の原産地と同じ南米の原産ということで、熱帯魚を飼育する水槽の中の環境は実はエキノドルスの栽培に適した環境になります。また、特別なライトを使わなくても、一般的な水槽用ライトで十分に育つという点も嬉しいメリットです。
エキノドルスには様々な種類がありますが、一般的に国内で流通しているものの中では、最も有名なものがアマゾンソードかと思います。また、その次に有名なのが、今回の記事で成長速度を測定するエキノドルス・ラジカンスとなります。
エキノドルス・ラジカンスの写真を下に紹介しておきますが、ひときわ目立つ大きな葉がエキノドルス・ラジカンスです。水槽の水深が浅い水槽では、エキノドルスの葉が水面から飛び出してくるくらい大きく育つので、水槽内だけではなく水槽の上までを利用したレイアウトに用いることも可能です。
エキノドルスの成長速度測定方法
エキノドルス・ラジカンスの成長速度を測定する方法ですが、伸びた葉の長さを毎日のように長さを測定するという方法を用いました。とても簡単で地味な方法ですが、毎日測定するのは結構苦です。
エキノドルスは、比較的短い周期で新しい葉を出してくれるので、新しい葉が出てきたところから物差しで長さを測定していきます。下の図がエキノドルスの成長過程の模式図となります。
上の一番左の図にあるように、新しい葉が出てきたところで、生え際からの長さを測定していきます。そして、新しい葉が成長しきったところで測定を終了するという方法です。
今回のエキノドルス・ラジカンスは、詫び草に植栽されているものを使用して成長速度を測定していきました。
エキノドルスの栽培環境について
エキノドルス・ラジカンスの栽培環境ですが、現在は金魚の45cm水槽で栽培しているものになります。
上記の通り、詫び草の中に植栽されているもので、詫び草以外にはアヌビアス・ナナが植栽された水槽になります。底にはソイルを約2cm敷いています。
フィルターは壁掛けフィルターを使用し、ライトはGEX製のCLEAR LED、二酸化炭素は添加無しとなります。
成長速度を測定したのは10月の中旬で、水温は約25℃です。ヒーターは使用していませんでしたので、夜間は22℃程度まで下がっていました。
エキノドルスの成長速度の測定結果
では、ここからは実際にエキノドルスの成長過程を記録した結果を紹介していきたいと思います。
まず最初に写真で葉の成長過程を見てもらった後に、エキノドルスの葉の成長速度をグラフ化したものを紹介します。
写真で見るエキノドルスの葉の成長過程
まず最初の写真が、測定を開始した時の新しい葉の状態です。少し見にくいのですが、黄色の矢印の部分に小さな葉が見え始めていることが分かるかと思います。
次に、2日目の写真ですが、この写真で既に初日との違いが分かるかと思います。葉が見やすくなってきました。
そして、次の写真は3日目の写真となります。3日目になると、新しく成長している葉の形がくっきりとわかるようになっています。初日から連日観察していますが、ここまで成長の過程がはっきりとわかると見ていて面白さを感じます。
次の写真が測定開始から5日目の写真となります。5日目になると、葉の大きさが一気に大きくなり、他の既存の葉にも劣らないような大きさになってきます。
そして次が最後ですが、1週間後の状態になります。1週間で概ね成長が終わり、この状態で水面から葉が突き出る大きさになっています。また、赤色の矢印の部分には、次の新しい葉が顔を出していることも見て取れます。
エキノドルスの成長速度の測定結果
次のグラフに示すのが、2枚のエキノドルス・ラジカンスの葉の長さを測定したした結果となります。
今回は2枚の葉について成長初期からの葉の長さを測りましたが、それぞれほぼ同じような成長曲線になりました。成長しきったところ20cmを越えるくらいの葉の大きさになっています。
エキノドルスの葉の成長の過程ですが、1枚の葉の成長が終わるころになると、次の葉の成長準備が始まります。そして、同じように約1週間かけて葉が成長して、次の葉が出てくるという成長過程を持っていることも分かりました。ここで紹介する成長速度は、今回の栽培条件が影響している可能性もありますが、ある程度参考になるデータでは無いかと思います。
この記事の終わりに
この記事では、エキノドルス・ラジカンスの成長速度を紹介させていただきました。
エキノドルスは株元から次々と大きな新しい葉を展開しながら成長をする水草で、とても成長速度が旺盛な水草になります。今回の測定でも約1週間程度で1枚の葉の成長が終わり、次の新しい葉が成長し始めるという結果となりました。
エキノドルスは大きいだけではなく、成長速度も速いので水槽内のレイアウトを作る時には他の水草の成長速度に合わせることが困難かもしれません。
しかし、水槽の水面から飛び出るような躍動感ある水景を作る場合などには最適な水草になります。
エキノドルスは入手が難しい水草では無いので、アクアリウムショップで見かけたら、是非栽培に挑戦してみて下さい。できれば45cm水槽以上の大きさが好ましいと思います。