先日のブログで、芦屋川まで川エビを捕まえに行ったことを記事にしました。
多くの美しい川エビを捕まえて、その中でもお気に入りの模様・色をした川エビたちを10匹程度持ち帰って、管理している水槽の中に導入しました。
自然の中に住んでいた川エビと言うことで、かなり気を遣って飼育していたのですが、残念なことに10日経たないうちに残り2匹となってしまいました…。10匹の川エビのうち、3匹の川エビが水槽内で命を落とし、5匹が水槽から飛び出して命を落としてしまう結果となりました。
その水槽内の観察と飼育環境の観点から、その原因も分かってきました。
タイトルの通り、実は川エビは水槽内で飼育するのが難しいのかもしれません。
この記事が川エビ飼育にチャレンジする方の御参考になれば幸いです。
芦屋川で捕まえた川エビの紹介
先日のブログにも載せていますが、芦屋川ではかなり多くの美しい川エビたちに出会うことが出来ました。
ミナミヌマエビやスジエビが代表的な川エビでしたが、色が濃いものや見たことが無い色のスジエビもいて、とても満足な川エビ捕りの一日になりました。
下の写真は、持ち帰る川エビを最後に選別している時の写真ですが、真っ黒い体を持つスジエビもいて、水草水槽に入れたらとても映えそうな模様・色でした。
水槽に入れる前の水合わせは慎重に行いました
熱帯魚ショップでシュリンプを購入する場合もそうですが、水槽に入れる前には魚よりも慎重な水合わせをします。
エビ類は水質の変化 (温度やpHなど) に非常に敏感で、水の変化があると命を落としてしまうものが頻発することが知られています。そのため、水合わせも1時間から1時間半くらいかけて、点滴法でじっくりと行っていきました。
その慎重な水合わせの成果があったのか、水合わせ中に命を落としてしまうものはいませんでした。水槽に導入した後も、30分ごとに2時間ほど水槽内のエビを確認していましたが、特に大きな問題はありませんでした。
水合わせが失敗していると、エビが激しく動き回ったり落ち着かない様子になるのですが、そのような行動も見受けられませんでした。
川エビの飼育を失敗した原因
上記の通り、10匹持ち帰った川エビのうち、8匹を残念な結果にしてしまいました。3匹は水槽内で赤くなり、5匹は水槽から飛び出してしまったことが原因です。
この状況について、実際に水槽の中で何が起こっていたのかを考えて原因を考察したので記載させていただきたいと思います。
川エビが混泳中の魚を怖がり水槽から飛び出す
水合わせも終わって導入した川エビたちは水槽内の水草の上で休憩したりして、熱帯魚とも仲良く暮らしているように思えました。
しかし、水槽導入後の2日目くらいに大きな変化が出始めました。
導入した多くの川エビたちが、水槽の上の方に逃げるように上がってきており、外部フィルターの給水口の所にしがみついているような様子でした。
どうも混泳させていたコリドラスやネオンテトラ系の魚たちを恐れて、上の方へ逃げているような様子でした。
逃げているエビ達を少しピンセットでつついて水槽の下の方へ戻しても、すぐに上に上がってきてしまい、同じ位置に集合するような素振りでした。
そして、フィルターの配管などにしがみつき、水槽の上の方で生活することが多くなり、夜の活動時間の中で水槽外へジャンプして飛び出してしまう生体が多く現れました。
上蓋はしていたのですが、フィルターのパイプを入れる部分は蓋が出来ないので、その部分からジャンプして飛び出してしまったのだと思います。
5匹の川エビがこの状況で命を落としてしまいました。
今考えてみると、私が川エビを捕まえたポイントには魚の姿があまりありませんでした。芦屋川には魚は要るのですが、比較的深いところや流れの速い場所にいるので、エビが住んでいる流れの無い部分には魚が少ないです。
そのような外敵が少ない状況で育った川エビたちを、熱帯魚の泳ぐ水槽に入れてしまったのが失敗だったのだと思います。見たことの無い魚たちに怖気づいてしまったのだと思います。
夏に捕まえたので水槽内の水温が高すぎる
今回は夏場に捕まえた川エビだったので、そこまで気にする必要は無いと思ったのですが、水温も一つの原因と考えられるかと思います。
私の水槽では夏場も26℃になるように管理しているのですが、川の水温に比べて26℃は高すぎたのかもしれません。
エビは水温が高いことに対して少し弱い面を持っているので、川エビにとっては26℃が少し高い水温だった可能性も捨てきれません。
苔を食べる素振りがほとんど無かった
また、毎日観察していて気付いたのですが、アクアリウムショップで購入したヤマトヌマエビやミナミヌマエビは水槽内の水草に付いたコケや藻をたくさん食べるのですが、今回導入した川エビ達はあまり藻を食べるような仕草が見られませんでした。
もともといた川にある藻は食べていたのかもしれませんが、その藻しか食べないような生態であれば、食べ物が原因で命を落としてしまった可能性が捨てきれません。
もともと飼育していたヤマトヌマエビは水草に付いた藻を食べていたのですが、その横で川エビ達は全く動かずに食べる仕草をしていないことが多かったです。
***以下、2021年6月追記***
川で捕まえた魚を飼育して約2カ月くらいした頃になりますが、徐々に水槽の中の生活にも慣れた様子が伺えて来ました。そして、水草に発生したコケや藻をしっかりと食べてくれるようになりました。
この記事を投稿した当時は、コケや藻の種類がエビに合っていないという記載をしましたが、単に生活環境に慣れていないような状況だったのかもしれません。
今では、私の水槽のコケ取り要因として大活躍中です。
水合わせ不十分と水槽内の水質が合わない可能性
水合わせに失敗していると、水合わせ中や水槽に入れて数時間でエビたちは命を落としてしまいます。
しかし、今回は1日経っても命を落とすエビ達がいなかったので、水合わせ自体は問題無く実施できていたのだと思います。
しかしながら、徐々に水質が合わない部分が出てきてしまうというパターンもあります。ボクシングのジャブの様に、じわじわと水質の違いがエビたちの体に影響を与えてくるようなパターンです。
水槽内で命を落としてしまった川エビは3匹だったのですが、上記の水温に加え水質の面も原因として捨てきれないと思っています。
川エビの飼育を成功させるヒント
自然の中で採取した川エビを水槽で飼育するのは、今回が初めての事だったのですが、予想外に難しいことだったのだと感じます。
今回の教訓を踏まえて、川エビの飼育を成功させるのに必要な手順はどうなのか?という点を考えてみたいと思います。
理想を言えば川エビが住んでいた川と同じ水質と水温で育てることですが、それは不可能なので、それに近い状況を作ってあげることをすべきかと思います。
まず最初に、魚が少ない川であれば川エビはしばらくは魚の少ない水槽で飼育する事が大事だと思います。今回の場合、熱帯魚の事を相当恐れている様子だったので、かなりストレスをかけてしまい、水槽からの飛び出しに繋がってしまったのだと思います。
また、水温については現地の水温を測定しておくべきでした。夏場なので、そこまで水温に注意をしていなかったのですが、やはり自然の生体を捕まえる時には現地の環境を調べておくべきですね。
最後に、川エビを入れる前には水槽内の換水を行って、水槽内の硝酸濃度やアンモニア濃度を下げておくことも必要だと思います。河川は非常に水量が多く、新しい水がどんどん流れてくるので、アンモニアや硝酸の濃度が低いです。
そのため、水槽の中のアンモニアと硝酸の濃度が高いと、川エビたちにとって劣悪な環境に投入されるということになり得ます。
この記事の最後に
川で捕まえた川エビの飼育にチャレンジしましたが、想像していなかったことが起こり、多くの川エビ達が命を落としてしまいました。
その原因を100%解明できたわけでは無いですが、水槽内での川エビの仕草や行動、そして自然環境と飼育環境の違いを考えると、原因が少しずつ分かってきました。
アクアリウムショップで購入したエビとは異なり、自然の中を生き抜いてきた川エビを飼育する事はとても難しい事なのかもしれません。
アクアリウムを趣味にされている方の中にも、自分で捕まえたエビを飼育することにチャレンジしてみた方は多いかと思います。しかし、事前に情報を調べることや、現地の生息環境を知らないと失敗してしまう可能性が高いと思われます。
これから川エビの飼育にチャレンジする方は、私の失敗も一部参考にしていただき、各種対策を行ったうえで挑戦してみてください。