ダイヤモンド・ネオンテトラの飼育方法と美しさの維持管理

小型で温厚な性格の品種が多く、水草水槽でも大活躍している熱帯魚と言えば「小型カラシン科」に属する熱帯魚です。

最も有名なものが「ネオンテトラ」や「カージナルテトラ」ですが、小型カラシン科の魚は種類が多いためコレクション性も高く、流通量によって入手が困難な品種も数多く存在します。

コリドラスや小型のコイ科の魚と混泳を楽しむことも容易に可能であり、初心者からベテランの方にまで広く愛されている存在と言えます。

私自身も、初めて熱帯魚の水槽を立ち上げた時、水槽に導入した熱帯魚はネオンテトラやグローライトテトラ等の小型カラシン科の魚達でした。お手頃な価格で購入できるのにもかかわらず、水槽が一気に華やかになって喜んだのを今でも覚えています。

そんな小型カラシン科の中に、ネオンテトラの改良品種となる「ダイヤモンド・ネオンテトラ」がいます。

頭部が青く光り輝く非常に美しい品種となりますが、ネオンテトラやカージナルテトラと群泳させる相手としてもお勧めの熱帯魚です。

この記事では、ダイヤモンド・ネオンテトラの特徴や飼育方法、また美しく輝かせるために必要な管理方法などを、私の飼育経験から紹介できればと思います。


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ダイヤモンド・ネオンテトラの特徴 -ネオンテトラとの違い-

ダイヤモンド・ネオンテトラを取り上げる時、必ず聞かれることは

「ネオンテトラとの違いはどこ?」

「カージナルテトラとの違いは何?」

という点だと思います。

小型カラシンを代表する最も有名な熱帯魚が「ネオンテトラ」と「カージナルテトラ」となりますが、この2種と比べるとダイヤモンド・ネオンテトラは体色に大きな違いがあります。

下の写真に「ネオンテトラ」、「カージナルテトラ」、「ダイヤモンド・ネオンテトラ」の写真を並べて比較してみました。

ネオンテトラは、背中が青く、尻鰭周辺が赤くなっているのが特徴。

カージナルテトラは、ネオンテトラの赤いラインを腹部まで伸ばしたような体色。青と赤のストライプと言う感じですね。

ダイヤモンド・ネオンテトラは、頭部だけが青くギラギラと光り、腹部は薄い青色、そして尻ビレから尾鰭までが赤いという特徴があります。

遠くから見たら、全て同じように見える3種ですが、近くでじっくりと観察すると少しずつ個性的な特徴があります。

「最も華やかなものはどれ?」と聞かれたら、青色と赤色の面積が最も多いカージナルテトラかと思います。カージナルテトラの人気が絶えないのも、その理由だと思います。

しかし、カージナルテトラの中にダイヤモンド・ネオンテトラを混ぜると、魚の群れの中にアクセントが出来て、これも美しい水景になるんですよ!

ダイヤモンド・ネオンテトラの飼育水槽について

ダイヤモンド・ネオンテトラを飼育する水槽ですが、基本的な熱帯魚水槽の設備があれば問題ありません。

最低限の設備として、水槽、フィルター、ヒーターが揃っていれば飼育可能です。

参考までに、私がダイヤモンド・ネオンテトラを飼育している水槽設備を記載しておきます。

水槽: GEX製 グラステリア 60cm規格

外部フィルター: エーハイム 2213

ヒーター: コトブキ製 セーフティヒーター 60cm水槽用

LEDライト: GEX製 CLEAR LED POWER III

また、水槽内の水草としては、グリーン・ロタラ、クリプトコリネ、ルドヴィジアを主に植栽しており、簡単な水草レイアウト水槽となっています。

ダイヤモンド・ネオンテトラと混泳させているのは、主に同じ小型カラシン科の熱帯魚で、カージナルテトラ、レッドテトラ、グローライトテトラ等です。コンゴテトラやロージーテトラも同居させています。


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ダイヤモンド・ネオンテトラの日々の飼育と水槽管理

ダイヤモンド・ネオンテトラの日々のお世話ですが、基本的にネオンテトラやカージナルテトラを飼育するのと同じ要領で問題無いです。

pH=6.5程度を維持できるように、週に1回は換水するようにしています。

そして、餌は与え過ぎないようにすることが大切なポイントの一つです。

ダイヤモンド・ネオンテトラのような小型の熱帯魚は、餌の量が多くなりがちで、肥満状態になってしまう個体が多いと感じます。

小型の熱帯魚用の餌は粒径が小さいため、少し与える過ぎていても、それに気づかないことが多いです。

粒径が0.5mmくらいの大きさの人口飼料は、人間に換算するとおにぎり一つ分くらいの大きさになるんですよね (重さで換算した場合) 。餌を与え過ぎて20~30粒くらい与えてしまうと、おにぎりを馬鹿食いしているのと同じような状況になりかねません。

もちろん、摂取するカロリーの量は異なりますが、熱帯魚に餌を与え過ぎることは一つもメリットがありません…。下手したら消化不良で体調を崩してしまう可能性もありますので。

また、水草水槽で小型カラシン科の魚を飼育する時に起こりやすい事ですが、水槽の底に敷いたソイルの中に糞が堆積している傾向が強いです…。

小型の魚は糞が少ないと思われる傾向があり、ソイルの中を清掃する頻度が少なくなりがちです。

しかし、小型の熱帯魚は水槽内で多数を飼育する場合が多いため、飼育する数に比例して糞が溜まっていきます。

60cm水槽であれば、小型の熱帯魚を20匹~30匹を飼育することも珍しくないと思いますので、水槽内が汚れる速度も自ずと速くなります。週に1度ソイルの中を清掃しても、毎回のように凄い量の糞が出てきますよ…。

溜まった糞は水を汚すだけでは無く、水面に発生する油膜の原因になるので、換水の際にはソイル内の汚れを排出できるようにして下さいね!

ダイヤモンド・ネオンテトラの美しさを維持するために大切だと思うこと

ダイヤモンド・ネオンテトラは、その頭部の青い発色が美しい熱帯魚として有名です。

できれば、その美しい体色をいつまでも維持したいですよね!

熱帯魚の飼育経験が長くなると、美しい発色を維持するためには、日々の管理や飼育方法に重要なポイントがあると気付かされます。

大切な管理項目は多くあるとは思いますが、ダイヤモンド・ネオンテトラの場合に特に重要だと思う点を以下で2つ記載したいと思います。

必ず複数匹を飼育すること

一つめは、複数匹を飼育するという事です。

ダイヤモンド・ネオンテトラ、ネオンテトラ、カージナルテトラを混泳させるという状況でも構いません。必ず仲間同士で群泳できる状況を作ってあげてください。

(ネオンテトラ、カージナルテトラ、ダイヤモンド・ネオンテトラは仲良しなので、下の写真の様に群泳します。)

ダイヤモンド・ネオンテトラ以外の小型熱帯魚にも当てはまることですが、仲間がいなくなってしまうと、体色が著しく変化する場合があります。

具体的には、色が薄くなったり、輝いていた色がくすんでしまったりすることがあります。

特に小型の熱帯魚にはありがちのことなので、なるべく仲間と一緒に泳げる環境を提供してあげて下さい。

ストレスを与え過ぎないこと

二つ目はストレスを与えない環境を提供することです。

上で紹介した「単独飼育しないこと」もストレスを与えないことも一つの例ですが、水槽内での熱帯魚の飼育では、熱帯魚に様々なストレスがかかります。

例えば、水槽の前を人が通って驚かせてしまう事も、熱帯魚にとっては一種のストレスです。

私の以前の記事で、ストレスが原因で熱帯魚の体色が変化する実例を紹介しました。

水替えやレイアウトの変更、また水草のトリミングなど、日常的に起こる水槽環境の変化は、全てストレスになると考えて良いくらいなので、そのストレスが最小限になるように努力してあげることも重要だと思います。

詳細は、上のリンクの記事を御参照下さい。


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混泳させる相手には注意しましょう!

ダイヤモンド・ネオンテトラはとても温厚な性格を持つ熱帯魚になりますので、他の熱帯魚と混泳させる際には、ダイヤモンド・ネオンテトラが主要因となる喧嘩や小競り合いは起きにくいです。

しかし、ダイヤモンド・ネオンテトラは体が小さいため、縄張りを主張する魚と混泳させると、その魚から威嚇を受けることが多々あります。

以前の事になりますが、少し気性の荒いブルーリボンテトラや、大きく成長したサイアミーズ・フライングフォックスと混泳させていた時に、ダイヤモンド・ネオンテトラが頻繁に追い回される姿を目にしました。

また、ダイヤモンド・ネオンテトラが他の雑食魚に食べられてしまうという危険もあります。

例えば、雑食性の強いエンゼルフィッシュや金魚などと混泳させると、捕食されてしまう事があります。小魚を食べてしまう魚と混泳させる際には、水槽のサイズを大きくするなどの対応は必須だと言えます。

ダイヤモンド・ネオンテトラは水草水槽に映える熱帯魚

美しくレイアウトされた水草水槽の中を泳ぐ熱帯魚の姿は、誰もが心を魅かれる存在です。

カージナルテトラやレッドファントムテトラなど、水草水槽に映える熱帯魚は多くいますが、本記事で紹介しているダイヤモンド・ネオンテトラもその中の一つだと感じます。

確かに、カージナルテトラよりも華やかさは無いかもしれません。

しかし、見方を変えると「あまり体色を主張しすぎない控えめな美しい魚」であると思えます。

それがメリットか否かは、アクアリスの皆様それぞれに意見が分かれると思いますが、私はメリットだと感じます。

水槽のメインフィッシュと混泳させても、そのメインフィッシュを引き立たせる存在にもなり、個人的には名脇役の筆頭では無いかと考えることもあります。

また、様々な水草との色の相性も良く、鮮やかな緑色のグリーン・ロタラや赤いルドヴィジア sp. スーパーレッドとも相性抜群です。

ダイヤモンド・ネオンテトラの体色を「少し地味だなぁ」と思われる方も多いと聞きますが、実際に飼育してみるとそんな風には思いませんよ!

この記事の終わりに

この記事では、小型カラシン科の熱帯魚の一つである「ダイヤモンド・ネオンテトラ」について、飼育方法や色を美しく維持するために重要だと思うことを、私の飼育経験から紹介させていただきました。

ダイヤモンド・ネオンテトラは、ネオンテトラやカージナルテトラと似た体色を持ちますが、明確な違いもあり、それが一つの「個性」だと思える熱帯魚です。

水槽のメインフィッシュとなる機会は少ないかもしれませんが、他の魚の美しさを引き立たせる脇役として活躍できる品種であることは間違いありません。

小型カラシン科の熱帯魚を飼育している水槽をお持ちの皆様、ダイヤモンド・ネオンテトラを混泳相手としてお迎えしてみてはいかがでしょうか?

きっと、今までとは違った水景が見られると思いますよ!