【水槽】カルキによる濾過バクテリア死滅と回復に要した期間の実例

アクアリウムを始めると、必ず目にする言葉があります。

「濾過バクテリア」

普段の生活の中ではあまり聞き慣れない言葉ですが、アクアリウムを楽しむ上では切っても切り離せない存在ですよね。

濾過バクテリアは、魚が排泄した有機物やアンモニアを硝酸へと分解してくれる存在であり、アクアリウムを維持していく上では欠かせない存在です。

アクアリウムの世界では、「濾過バクテリアが育った濾材は宝物である」と言われることもあります。

そんな濾過バクテリアですが、かなりデリケートな特徴もあり、水槽の環境が突然変わったりすると死滅してしまう事があります。ダメージを受けた濾過バクテリアは、時間が経てば徐々に回復していきますが、回復するまでの間は水槽に異変が起こることも…。

この記事では、筆者が誤って濾過バクテリアが死滅させてしまった実例を紹介し、水槽にどのような変化が現れたのかを紹介します。

また、濾過バクテリアが回復するまでに要した期間なども記載したいと思います。


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フィルター内の濾過バクテリアがダメージを受けた水槽

本記事で紹介する、濾過バクテリアが死滅してしまった水槽ですが、下の写真に示す45cm水槽です。

コリドラス7匹とグッピー5匹を飼育している水槽になります。

フィルターは壁掛けフィルターのSサイズを使用し、次の写真の通り、濾材を詰められるだけ詰めて使用しております。また、活性炭入りの交換用ウールフィルターを使用中です。

水温は年間を通じて約25℃の設定で、水草はアヌビアス・ナナとアマゾンソードのみが植栽されているとてもシンプルな水槽です。

水替えは5日に1度、水槽の1/2の水量を交換しています。

立上げから数か月が経過しており、上の写真の通り、透明度の高い飼育水の状態を維持しておりました。

濾過バクテリア死滅の原因はカルキ抜きの使用を忘れたこと…

2022年5月下旬になりますが、上の写真で示した水槽の飼育水が突然濁り出したのです…。

次の写真にその様子を示しますが、水槽の飼育水が白濁し、流木がうっすらと霞んで見えていることが分かるかと思います。(写真で少し分かりにくいかもしれませんが、肉眼でははっきりと飼育水が白濁りしていました。)

最初は「何で?」と率直に思ったのですが、記憶を辿っていくと、その原因は意外と簡単にわかりました。

飼育水が濁り出した2日前になりますが、水槽の水替えをしたんです … 。

その際、私の超初歩的なミスで、水道水にカルキ抜きを使用していなかったことが判明しました。

通常であれば、クローゼットに保存しているカルキ抜きを使用するのですが、その時はクローゼットからカルキ抜きを取り出した記憶が全くありませんでした。

飼育水が濁ってしまったことと、カルキ抜きを使用した覚えがないという点は、関連が非常に強いかと … 思います。

つまり、カルキ抜きをしていない水道水を水槽に入れてしまったため、フィルターの中や水槽内に定着していた濾過バクテリアがダメージを受けてしまったということです。

カルキは魚の呼吸器官にダメージを与えるだけでなく、濾過バクテリアを死滅させる効果もあるため、水槽内の濾過能力が失われてしまった様子でした。

そのため、魚達の排泄物などが分解されることなく水中をずっと漂っている状態となり、濁りが発生したのだと考えられます。


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濾過バクテリア回復までの水槽の管理方法

水槽の白濁りが発生した後になりますが、濾過バクテリアが回復してくれるのをただただ待つことになります。こればかりは人間の手助けが難しいので、濾過バクテリアの回復を待つしかありません。

その間ですが、濾過バクテリアによる生物濾過が弱い状態となりますので、放置しておくと飼育水のアンモニア濃度が増加してしまいます。

そのため、水槽の水量や飼育している魚の数にも依りますが、換水頻度を上げるようにしました。

具体的には、通常は5日に1度の換水でしたが、3日に1度に変更しました。

濾過バクテリアが死滅してしまった直後は、換水しても次の日には飼育水の濁りがひどくなり、水槽の環境が悪いことが目で見て分かるような状態でした。

また、魚に与える餌の量を通常時の2/3に減らしました。

餌の量を減らすのは、魚達には申し訳ないのですが、餌の与え過ぎは水を汚してしまう原因になるので、濾過バクテリアが回復するまでの約2週間は我慢してもらいました。

約2週間で濾過バクテリアが回復 -飼育水の透明度が改善-

さて、濾過バクテリアがダメージを受けてしまった日から約2週間が経過しました。

少し時間はかかりましたが、ようやく濾過バクテリアが回復して飼育水の透明度が上がってきました。

下の写真は、濾過バクテリアが死滅してしまった直後の水槽と、濾過バクテリアが回復した後の水槽の様子を比較しています。

写真では少し分かりにくいかもしれませんが、右側の写真 (濾過バクテリア回復後) の方が、水槽内の流木がはっきりと見えているかと思います。

濾過バクテリアが死滅してしまった後は、しばらく白濁りが消えずに、水槽が少し見栄えが悪い状態でした。しかし、濾過バクテリアが回復してくると、徐々に飼育水の透明度が回復していきました。

また、約2週間で飼育水の透明度が回復したことを考えると、今回の事例では、フィルター内の濾過バクテリアが完全に死滅してはいなかったのだと思われます。

濾過バクテリアが完全に死滅してしまうと、回復するまでに少なくとも1カ月くらいはかかると思いますので…。

(私の経験上の話ですが、水槽を一から立ち上げる際、フィルターに濾過バクテリアが定着するまでには、少なくとも1カ月くらいはかかります。)


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今回の失敗からの教訓 – なぜなぜ分析で対策 –

今回起きた水槽の濾過バクテリアの死滅は、筆者の単なる凡ミスで起こったトラブルです。

カルキ抜きを使用するという超基本的な作業を忘れたために起きたことです。

今回は2週間程度で水質が回復してくれましたが、今後同じトラブルが起きないようにしなければなりませんよね…。

「なぜなぜ分析」的に、その対策を色々と考えてみました。

■ 出発点となるトラブル ⇒ 水槽の濾過バクテリアの死滅

■ なぜ濾過バクテリアが死滅したのか? ⇒ カルキ抜きを使用せずに水道水を水槽に入れたから

■ なぜカルキ抜きを使用しなかったのか? ⇒ カルキ抜きを使用することを失念していた

■ なぜカルキ抜きの使用を失念したのか? ⇒ カルキ抜きの存在を忘れていた

そうなんですよ。カルキ抜きの使用を度忘れしてしまったのが根本的な原因ですよね。

カルキ抜きをクローゼットの中に収納してあったため、水替えの際にカルキ抜きが目に入らなかったことが凡ミスの原因かと思います。

水替えをする時に、カルキ抜きが目に入る位置にあれば、その使用を忘れることは無いだろうと思います。

そこで、今後の対策として、カルキ抜きのボトルは水替えの際に使用するバケツの中で保管することとしました。

これなら、水替えのタイミングでカルキ抜きが常に目に入るので、カルキ抜きの使用を忘れることは無いだろうと思います。

水槽の水替えは頻繁に行う作業ですので、カルキ抜きの使用を忘れるなど、今までに一度も無かったんですよ … 。

でも、そんな慣れた作業でも、忘れてしまう事があるんですよね … 。一つの教訓です。

この記事の終わりに

本記事では、カルキ抜きの使用を忘れてしまったことが原因で、水槽内やフィルター内の濾過バクテリアが死滅してしまった実例を紹介させていただきました。

濾過バクテリアが回復するまでの時間は、濾過バクテリアのダメージに依りますが、今回の例では約2週間を要しました。

その2週間は、飼育水の白濁りが発生し、水槽の美観が悪い状態となってしまいました … 。(魚たちにとっても、住みにくい環境となっていたことに違いありません。)

カルキ抜きを使用するという基本的な作業ですが、凡ミスで忘れてしまう可能性が誰にでもあるかと思います。これに似たミスとしては、水道水で濾材を洗ってしまう…ということも起こる可能性がありますよね。

アクアリウムという”趣味”であっても、このような凡ミスを防ぐための対策は、それぞれのやり方で考えておくべきかと思いました。

例え簡単で基本的な作業であっても、一歩間違うと大きなトラブルになってしまうこともあります。

皆さんも、そのようなミスに注意して、アクアリウムを楽しんで下さいね。

それでは!