ザリガニの水槽をイメージすると、フィルター等できちんと管理された水槽では無く、フィルターの無い砂利・石・飼育水だけが入った水槽を思い浮かべるのは私だけでしょうか…?
ザリガニは水質の変化や溶存酸素の変化にとても強い生物のため、フィルターが無い簡単な水槽でも飼育が可能です。
以前の記事でも、フィルターを使わない簡単なザリガニ水槽の管理方法について紹介をさせていただきました。
この記事の中では、ザリガニ水槽の汚れ方についても実例を挙げて紹介させていただきましたが、飼育水の見た目の汚れの変化だけに着目した内容となっていました。
実際に、水質の変化と言う観点で考えると、水質に関わるpHや硝酸濃度などを考えなければなりません。
この記事では、フィルターを使用していないザリガニ水槽について、5日間換水しなかった場合のpHの変化を測定した結果を紹介します。
pHの変化を測定したザリガニ水槽について
今回、pHの変化を測定したザリガニ水槽は、私が子供と一緒に管理している下の写真の水槽になります。
もともとは、メダカの飼育キットとして使っていた20cm角の水槽でしたが、メダカの飼育が終わったので、ザリガニ水槽に流用しました。
飼育しているザリガニは1匹で、体長は約10cmとなります。
飼育水の量は約1Lで管理しています。
水槽の中に入れているレイアウト素材は、約400gの龍王石と水草のアヌビアス・ナナのみとなります。砂利を入れても良いのですが、清掃が大変になるので砂利を入れていません。
通常は3日に1度の全換水を行っており、餌やりは朝と晩に人口飼料を適量与えています。フィルターは導入しておらず、換水によって水質の悪化を防ぐような水槽です。
飼育水のpHの測定方法
酸性とアルカリ性と聞くと、理科の実験のリトマス紙を思い出しますが、リトマス紙は酸性かアルカリ性の判断はできますが、pHの値を知ることはできません。
そこで、pHを概ね知ることができるpH試験紙のキットを使用します。
Tetraさんから発売されている、下の写真のpH試験紙になります。
この試験紙は、デジタルpH測定器の様に、pHを0.1単位で測定するような事はできませんが、試験紙の色変化を用いて、0.5刻みで簡単にpH測定ができます。
お値段もお安いですし、かなりの多くの試験紙が入っているのでお買い得です。一つ持っておくと、色々な水槽管理に使えて、とても便利な品物です。
pH測定の結果を紹介
pH測定実験中のザリガニ水槽の管理
普段は3日に1度の換水をしているのですが、3日ではpHの変化が少ない可能性もあったため、pH測定期間中は5日の間、水の入れ替えを実施していません。
5日間も水替えをしないと、ザリガニ水槽が相当汚れてしまうのですが、今回は一回だけザリガニに我慢をしてもらいました。
5日間水替えをしませんでしたが、ザリガニの健康状態には特に異常が無かったのでご安心ください。でも、フィルターを使わない場合には、3日か4日に一度くらいは水替えをしてあげて下さいね。
実際のpH測定結果を紹介
では、実際にザリガニ水槽のpH変化を測定した結果を紹介していきます。
pH試験紙は、実際に使用すると下の写真の様に変色して、pHの値を知ることができます。写真は5日目の測定時の結果ですが、人にって色の見え方に違いがあるかと思いますが、pH値は6と判断しました。
次のグラフは、換水した日からの経過日数と、5日間のpH値の変化を調べた結果となります。換水した直後はカルキ抜きした水道水の状態になりますので、pHは中性を示す7になっています。
しかし、2日後にはpHが下がり始め、4日目まではpH=6.5を維持しましたが、5日目にpHが6まで下がったような結果となります。
実際に測定してみて、ザリガニ1匹にしてはpHの変化が少し早いような気もしました。しかし、飼育水の量が約1Lということもあり、ザリガニの糞の量なども考えると妥当な結果なのかもしれません。
今回の結果は、あくまでも参考として御紹介させていただきましたが、皆さんの飼育するザリガニ水槽でも同じようなことが起こっているのだと思われます。
例えば、1Lの飼育水で2匹のザリガニを飼育していれば、もしかしたらもう少しpHの変化が見られるのかもしれません。また、フィルターを使ってザリガニ飼育をされている場合にも、この結果とは異なる結果が得られる可能性が高いかと思います。
この結果から言えることは、換水を5日間しなくても、pHの変化としてはザリガニの命に関わるレベルにはならないということです。
しかしながら、5日も換水しないと、ザリガニ水槽の汚れはかなりひどくなります。ザリガニ水槽の生臭さが気になるのも4日目を過ぎたくらいからなので、フィルターが無いザリガニ水槽の換水はこまめに行うことをお勧めします。
この記事の終わりに
この記事では、フィルターを使用していないザリガニ水槽について、換水をしなかった場合のpH変化を紹介させていただきました。
ザリガニ水槽は、多くの方がフィルターを使用せずに飼育しているかと思います。
定期的に換水をすれば水質の悪化を防ぐことができますが、今回の実験で分かった通り、換水をしないと確実に飼育水の酸性化が進みます。
ザリガニは水質の変化に強い生物ではありますが、ザリガニが気持ち良く水槽内で過ごせるように、少なくとも3日か4日に1度は換水してあげて下さいね。水替えは、ザリガニ水槽の悪臭の抑制にも繋がりますので。