釣り道具を買いに行くとき、多くの方が釣り糸のコーナーに立ち寄ると思います。
その陳列棚に、釣り人であれば誰もが気になる釣り糸が一つあります。
「Seaguarでは、ありません!」
と、パッケージに大きく記載された商品です。
「Seaguar」は、釣りに詳しい方であれば誰もが知るクレハ合繊株式会社が販売する高価な釣り糸 (フロロカーボン) です。
私が釣りに興味を持った小学生の頃よりも前から存在する製品で、特に釣りの中級者から上級者がこだわりを持って愛用することが多い釣り糸かと思います。
その有名な「Seaguar」に対して「Seaguarでは、ありません!」、と大きな文字で広告された商品…
一体どんな釣り糸なんでしょうか?!
実際に購入して半年ほどフカセ釣りのハリスに使用してみました。
その性能やいかに!?
気になっていた釣り糸「Seaguarでは、ありません!」
私が小学生の時から知るSeaguarシリーズは、非常に高価な釣り糸で、小学生の自分にはとても購入できるような代物ではありませんでした。
中学生になっても高校生になっても、お小遣いの中からは手が出せない…そんな憧れの釣り糸だったSeaguar…
クレハさんが1971年に開発されたフロロカーボンを素材とする釣り用のラインです。
独自技術により、引張強度や結束強度が強く、比重が重いため水中に沈みやすいと言った釣り糸に求められる多くの特性を兼ね備えた高価な釣り糸になります。
そのSeaguarの特性を省いて、クレハさんが発売したのが「Seaguarでは、ありません!」になります。
最初にお店で見た時には、思わず手に取って商品の説明欄などを熟読してしまったのを今でも覚えています。
ずっと気になってはいたのですが、Seaguarというブランドを知る自分からすると、その性能が無い糸に対して半信半疑でした。
しかし、100mで500円と言う非常にコスパの良いフロロカーボンであり、もし問題無く使えるようであれば、釣り具にかける費用を抑えることが出来るのではないか…とも思っていました。
そして、2021年の5月に実際に購入して、従来から使用していた別のラインと併用して「Seaguarでは、ありません!」の使用を開始しました。
主にグレ (メジナ) とチヌ (黒鯛) のフカセ釣りに使用してきましたので、個人的なレビューを紹介したいと思います。
筆者が使っての個人的な感想なので、あくまでも御参考ということでお願い致します。
「Seaguarでは、ありません!」のパッケージの説明欄が面白い…
「Seaguarでは、ありません!」のパッケージの裏面は、とても面白く興味を引く広告が入っています。
下の画像を参照ください。
この製品は、クレハ合繊株式会社の社長から出された「価格重視のフロロを出せ!」という要望で作られた製品なんですね。
Seaguarは確かに素晴らしい製品だけど価格・コストが高い…Seaguarの強度や質感を抜いて安いものを製造した結果が「Seaguarでは、ありません!」になったんですね。
それにしても、100mで500円と言う価格は、他のフロロカーボンの釣り糸からしても、かなり安い値段ではないでしょうか…。自社でフロロカーボンの開発や製造が出来るというクレハさんの強みが価格に出ている製品なのではないかと思いました。
また、「Seaguarの特性を気に入っている人は、この商品を使わないでください」という注意書きがあるくらいなので、Seaguarとは完全に別物の商品だということになりますね。
グレのフカセ釣りに対する性能
私の住む阪神間の沿岸部でも、サイズは小さいですが防波堤から口太グレのフカセ釣りを楽しむことができます。
ただし、サイズは大きくても35cmくらいまでで、40cmを越すようなグレはほぼ釣れません…。
また、阪神間には磯が無く、基本的には波止場での釣りになります。
ですので、サイズが大きなグレを釣る場合や根の張った磯での釣りになると状況が変わるかと思います。
ただ、30cm前後までのグレに関しては「Seaguarでは、ありません!」を使用しても全く問題無く釣り上げられます。
1.5号または2.0号の「Seaguarでは、ありません!」をグレ釣りに使用してきましたが、波止場ではグレの引きに負けてのラインブレークは一度も起こしておりません。
道糸との直結部やサルカンとの結束部もグレの引きでブレークしたことはありません。
もちろん、ライン傷のチェックやフグによるライン損傷の確認は頻度を上げて行っています。
最大で33cmの口太グレを釣り上げましたが、レバーブレーキの付いたリールがあれば全く問題なしです。
グレの急な突っ込むような引きがあっても、磯竿のしなやかさとレバーブレーキがあれば、30cmクラスまでのグレであれば、Seaguarの強さが無くても十分に獲れます。
しかし、磯場で戦う40cmクラスのグレとなると、また違った結果になるのかもしれません。今後、和歌山などに遠征できる機会があれば、そこでも試しに使ってみたいと思っています。
チヌ (黒鯛) のフカセ釣りに対する性能
私が普段行っているチヌ釣りは、上記のグレと同様に、基本的に波止場や足場の良い場所となります。
そのため、磯場でのチヌ釣りをされている方にとっては参考にはならないかもしれませんが、一応、波止場でのチヌ釣りに「Seaguarでは、ありません!」を使用したレビューとして紹介します。
結論から言うと、「Seaguarでは、ありません!」は、チヌのフカセ釣りに関しても全く問題無く使えます!
私の過去の記事になりますが、アジュール舞子で47cmのチヌを釣った時のことを下のリンクで紹介しています。
この時に使用していたハリスが「Seaguarでは、ありません!」の1.5号でした。
アジュール舞子のワンドは流れが少しあり、チヌの引きがサイズ以上の引きになるのですが、それでも1.5号で47cmを無事に釣り上げることができています。
つまり、「Seaguarでは、ありません!」に関しては、波止場で釣れる年無しサイズまでのチヌであれば、釣り上げることが出来る性能を兼ね備えていると言えるのかと思います。
1.5号~2.0号のナイロンラインをハリスに使用してもチヌは釣り上げられるので、その点を考慮しても十分な性能かと感じます。
グレ釣りとチヌ釣りに使用して正直に思ったことは、「Seaguarでは、ありません!」は良くも悪くも、一般的なフロロカーボンの釣り糸と同じような特徴を持っているということです。
「Seaguar」からSeaguarの特徴を抜いてしまったら、一般的なフロロカーボンの釣り糸になる…そういう事なのかと。
釣り糸にこだわりの無い方には「Seaguarでは、ありません!」をお勧めできる!
私自身、ハリスにそこまでこだわりのある人間ではありません。
釣り糸に関しては「絶対にこの製品じゃなきゃ嫌だ!」というものがありません。
高価な釣り糸を使っていてもラインブレークする時にはラインブレークします。
防波堤のスリットや磯場の根にラインが擦れれば、どんなに強い高価なラインであってもラインブレークするんです。
個人的には、上手に魚とやり取りができれば、釣り糸の性能はカバーできるのだと思っています。
私自身、釣り糸の性能を明確に感じ取れるような感性や技術は持っていないので、Seaguarの性能は過剰品質だと感じていた時期があります。
強い釣り糸を求めたらSeaguarのような釣り糸にたどり着くのかもしれませんが、そこまでの性能が無くても魚は釣れるのが事実なんですよね!?
ですので、クレハさんが販売してくれた「Seaguarでは、ありません!」でも十分にフカセ釣りを楽しむことが出来ています。
私と同じように、釣り糸にこだわりが無い方には強くお勧めできるラインだと思っています。
例えば、「Seaguar」と「Seaguarでは、ありません!」が50本ずつ混ざった箱を用意して、100発100中で「Seaguar」と「Seaguarでは、ありません!」を識別することができるのであれば、その方はSeaguarを使う意味があるのだと思いますよ!
私にはそんな技術・感性がありません…。
「Seaguarでは、ありません!」は安価なので、子供の釣り仕掛けにも使用しています
よく子供と堤防にファミリーフィッシングに行くのですが、最近では自分で子供用の釣り仕掛けを作っています。
銅付き仕掛けや投げ込み仕掛けなど、自分で作れる仕掛けは可能な限り自分で作っています。
そこで重宝しているのが、この「Seaguarでは、ありません!」です。
上記の通り、100mで500円と言う価格なので、ほとんど気兼ねなく使うことができます。
子供は頻繁に根がかりをさせるので、1日に銅付き仕掛けが10セットくらい必要になることもあります。釣具店で購入すると2セットで300円くらいするので、自分で作ったほうが格安です。その際に「Seaguarでは、ありません!」が強い味方になってくれています。
さらに安いフロロカーボンの釣り糸もありますが、クレハさんが作ったという安心感を得るために、あえて「Seaguarでは、ありません!」を使用しています。
この記事の終わりに
この記事ではクレハ合繊株式会社から発売されている「Seaguarでは、ありません!」を半年間使用したレビューを紹介させていただきました。
あくまでも個人的な使用感になってしまいますが、波止場でのグレやチヌの釣りにおいては、全く問題無く使用できるフロロカーボンだと思いました。
また、安価なラインであることから、ファミリーフィッシング用の仕掛けづくりにも気兼ねなく使用できるのは嬉しいポイントです。
ハリスに関して、メーカーや素材などにこだわりが無い方は、「Seaguarでは、ありません!」を一度使ってみる価値があると思います!
私自身は、これからも定期的に「Seaguarでは、ありません!」を使っていこうと思っています。
では!