日本淡水魚 (川魚) の魅力と水槽での飼育を紹介

アクアリウムと言うと、美しい模様を持つ熱帯魚や金魚を飼育するというイメージが強いかと思います。

しかし、我々が住む日本にも海外に自慢できるような固有の淡水魚 (川魚) たちが多く存在します。日本には暑い夏から寒い極寒の冬という四季があるため、常夏に住む熱帯魚の様な鮮やかな模様を持つものは少ないですが、日本の淡水魚には日本の淡水魚の良さがあります。

夏休みの一日、魚とり網を持って子供と渓流に出掛けていくと、清流に住む綺麗な川魚たちが出迎えてくれます。

そんな清流に住む川魚の魅力と筆者が飼育している川魚を紹介したいと思います。


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日本淡水魚の魅力について

筆者のアクアリウムの原点である日本淡水魚

私の管理者紹介ページでも記載しているのですが、私のアクアリウムの原点は川魚です。

小学校時代の夏休みには、毎年の様に近くの川で一日中魚取りをして過ごす日々が続きました。オイカワやカジカなど、日本を代表するような川魚をバケツ一杯に捕獲して、自分の家の水槽で飼育していました。

小学校高学年になるとハヤやウグイなどの川魚を毛針で釣り上げるということも覚え、当時飼育していたブラックバスの餌にしていた経験もあります。

中学校の時には父親とヤマメを釣りに行き、何匹かを釣り上げることもできました。また、ルアー釣りでナマズを大量に釣り上げていたこともあります。

このように、日本淡水魚と長い付き合いがあるため、魚という存在が大好きですし、アクアリウムを始めた原点でもあります。

私だけではないと思います。多くのアクアリストの皆さんは、子供の頃に日本淡水魚に触れる機会があったはずです。

私と同じように子供がいるアクアリストの皆様、もう一度、日本淡水魚に触れてみるのも良いかもしれませんよ!?

日本の四季に耐える体を持っている

日本淡水魚の多くは、日本の四季を生き抜く力を持っています。

熱帯魚とは異なり、氷が張るような寒い冬でも、活動は鈍りますが生き抜く生命力を持ちます。

そのため、ヒーターを使わないような水槽であっても、フィルターさえ稼働させてあげれば年間を通じて飼育することができる魚が多くです。

アユやヤマメなどの清流に住む魚は飼育がかなり難しいですが、市街地を流れる川に生息する日本淡水魚であれば、多くが子供と一緒に飼育できる魚です。

メダカや金魚も日本淡水魚の一種になりますが、ビオトープといったフィルターが無いような環境でも生き抜いてくれます。

最大の魅力は身近な存在であること

日本淡水魚の魅力は、何と言っても身近な存在であるということです。

近くの清流に魚とり網を持っていけば、そこまで難易度が高くなく、誰でも捕まえることができます。

特にお子さんと山へ遊びに行ったとき、1日中魚を探していると、あっという間にバケツ一杯の川魚を捕まえることもできます。

身近な存在だからこそ、捕まえることの喜びがありますし、見たことが無いような川魚を捕まえることが出来た時には、お子さんのテンションも最高潮になること間違いなしです。子供以上に大人の方が興奮するかもしれませんが…。

日本に住む身近な魚に触れること、そして飼育するということは、日本の自然を知ることにもなると思いますし、川魚の大切さを後世に伝えていく一番の「経験」だと思います。

下の写真は、2020年の夏に筆者が子供と一緒に渓流に行って捕まえたカジカとヨシノボリです。わずか20分で、これだけ捕獲することができました。

筆者が川で捕獲したカジカとヨシノボリの写真

日本淡水魚 (川魚) の捕獲方法

川魚は今ではペットショップでも販売されているのですが、身近な存在でもありますし、自分で捕まえたほうが楽しいので、私は購入するような事はしません。

基本的に自分の力で捕獲します!

捕獲方法は、基本的には魚とりの網で捕獲するか釣り上げるかの2つの方法です。コウロンという魚を捕獲するための罠 (一度は要ると出られない構造の罠) もありますが、各自治体で使用が禁止されていることもあるので、必ず使用する前に確認が必要になる点は御注意ください。コウロンは私が子供の頃に使用した経験がありますが、本当によく捕獲できるので、自然保護の観点で規制された理由もわかります。

最も一般的には魚とり網を持って浅瀬の清流に行くことです。基本的に、市街地から離れた山の中の川であれば、川魚はどこにでも生息しています。

都会育ちのお子さんは、なかなか大自然の中で魚取りが出来ないと思いますので、自然に触れる良い機会でもあります。パパとママが連れ出してあげましょう!私の子供も、自然の中での魚捕りや虫捕りが大好きです。

川での魚釣りに関しては、規制されていない皮であれば年間を通じてできますが、多くの場合に漁協による規制が入っていることが多いです。ヤマメやアユが釣れる川では、解禁日が設けられておりますので、知らずに餌釣りをしていたら漁協の方から注意を受けることもあります。前述のコウロンと同様に、確認をしておきましょう。子供の魚釣り (ハヤやウグイ釣り) 程度であれば、特に何も言われないことも多いですけどね。


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川魚は飼育するのが難しい?

飼育の難易度については、正直なところ、人それぞれに依存するところがあります。そのため、ここでは一般的な水槽やフィルターがあれば飼育が可能である魚を飼育が比較的簡単な魚としたいと思います。

飼育が比較的簡単な川魚の種類について

私の考えですが、街中を流れる比較的綺麗な川に住む川魚は家庭でも飼育が容易な場合が多いです。

例えば、モロコやタナゴなどの魚ですが、これらは水質の変化にも強い一面を持つので水槽でも問題無く飼育できます。特にタナゴは美しい虹色の体を持つので、アクアリウムの世界でも人気の川魚ですね!

タナゴの写真

また、清流に住むと思われがちなカジカやドンコ、ハゼの仲間などは、実は中流域にも住む川魚になるので、川底に住む魚として水槽の中でも飼育が可能です。

さらに、ドジョウについても飼育しやすい魚ですね。とても温和な性格の持ち主なので、熱帯魚と混泳させてもトラブルは起きにくいです。

あと、オーソドックスなコイやフナの仲間は、飼育難易度が一番低いです。誰にでも飼育できますし、コイやフナの飼育に失敗する方は、他の魚を飼育しない方が良いと思います。

飼育が難しい川魚の種類について

逆に家庭の水槽では飼育が難しいのは、清流に住む川魚たちです。

例えばヤマメは、水温が低い清流でないと住めないので、水槽の中にある程度の水流を作り、フィルターによる生物濾過能力を高めなければなりません。また、水温を下げるため、夏は絶対にクーラーが必要です。

また、アユについては、餌が石や岩に生えるコケになるので、天然のアユを捕まえてきても人口飼料を食べさせることが困難になります。

また、虹色の体が美しいオイカワについても、実は身近な川魚の様に思われがちですが、飼育環境にうるさい部分があります。熱帯魚ショップやホームセンターで販売されている場合もありますが、私としては飼育難易度が高い川魚です。

日本の川魚の中でも美しさがトップレベルのオイカワ

これも私の経験でのことですが、呼吸する速度が速い川魚は水槽での飼育が難しい印象があります。上で説明したハヤの仲間やアユなどは、水族館などで見てもらうとわかるのですが、口とエラを動かして呼吸をする速度が速いです。それだけ新鮮な水と酸素を必要としていることになるのだと思います。

捕まえた川魚の飼育で最も困るのは餌やり

川魚を川で捕まえて飼育する際、一番困るのは餌やりだと思います。

自然の中で生きてきた川魚は、小魚を捕食したり水中の虫などを食べて生きてきたので、最初は人口飼料に見向きもしません。

かなりお腹が減って食べるものが無い状況にならないと人口飼料を食べないものもいますし、そのまま人口飼料も食べずにお星様になってしまう魚もいます。

そのため、近くの川で小さな川エビを捕獲してきて餌にすることを強いられたりするので、餌の観点はある程度の覚悟は必要かと思います。冷凍赤虫を用意したり、出来る限りの餌の準備はしておくことをお勧めします。

筆者が飼育している川魚を紹介

私は熱帯魚の中でもコリドラスが好きで、自分のブログの名前にも使うくらいです。より広く考えると、底に住む魚が大好きです。そのため、飼育している川魚も川の底に住む魚たちです。このブログでは、その中でも2種類を紹介したいと思います。

清流に住むヨシノボリ

ヨシノボリって、本当に可愛い日本の川魚だと思います。種類も多く、日本全土に分布しており、山の中を流れる清流に行けば、誰でも簡単に出会うことが出来る川魚です。

とてもコミカルな動きをしてくれますし、熱帯魚と混泳をさせても何のトラブルも起こしません。動き方がハゼに似ており、水槽の底を歩くように移動する姿は、とても可愛いです。

ヨシノボリにはお腹の部分に吸盤があり、その吸盤で石にしがみついて急流を登っていきます。水槽の中では、吸盤を使って水槽のガラス面にくっ付いていたり流木にくっ付いています。

上の写真のヨシノボリは熱帯魚と一緒に混泳させています。年間を通じて25℃の水温、外部フィルターの使用、そして週に1度か2度の換水で飼育が出来ています。飼育難易度は低い方の川魚だと思いますよ。

見た目が恐竜の様なドンコ

このドンコの姿は、好きな方と苦手な方に分かれると思います。

私は子供の頃からドンコに触れてきた人間なので、大好きな川魚なのです。

恐竜やオオサンショウウオを想像させるような色と模様を持っており、熱帯魚の分野で言うと「古代魚」と呼ばれる様なジャンルになるかと思います。

その見た目では想像できない個性を持つ川魚です。ドンコは、人に慣れてくれる川魚です。

餌の時間になると依って来てくれますし、ピンセットで赤虫を与えると嬉しそうに食べてくれるんです。熱帯魚や金魚も慣れると餌の時間に寄ってくるのですが、野生で捕まえてきたドンコも、人に慣れてくれるという一面を持ちます。

ただ、最初は餌を食べなくて困った魚でもありました。餌を食べてくれるか否かは、人間との今季勝負の様な気もします。

また、このドンコも一般的な水槽の飼育環境で飼育が可能です。水温も年間を通じて25度で飼育できます。

ただし、気を付けておきたいのが肉食であると言こと。小さなカラシン科の熱帯魚などは食べられてしまう可能性があるので、混泳は避けておくべきですね。


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この記事の終わりに

この記事では、私の大好きな日本淡水魚について、その魅力を自分なりの言葉でお伝えし、実際に飼育しているヨシノボリやドンコについても紹介させていただきました。

アクアリウムで飼育する魚は、アクアリウムショップやペットショップで購入してくるのが一般的なのかもしれませんが、私たちの身近な川にも美しく個性的な魚たちが一杯います。

自分で川に行って捕まえた魚を飼育するというのは、購入する場合よりも、愛着が湧くという点で勝るものがあるかと思います。

子供の頃を思い出して、休日に清流に網を持っていき童心に帰って川魚と戯れる…大人になった今考えると、とても贅沢で楽しい休日の過ごし方なのかもしれません。

この週末、久しぶりに清流の川魚に会いに行くというのはいかがでしょうか!?