壁掛けフィルターは、水槽の上枠に引っ掛けて使う比較的コンパクトなフィルターになります。
上のアイキャッチの写真は、GEX製の壁掛けフィルター「スリムフィルター (Lサイズ)」ですが、今回の記事ではこの壁掛けフィルターのお話をしたいと思います。
かなりお手軽に取り付けられるフィルターのため、メインの外部フィルターのサブフィルターとして水槽に導入することも可能です。
特に浮遊物が多い時には、外部フィルターと壁掛けフィルターを併用することで、大きく改善させることも可能です。
この記事では、壁掛けフィルターの構造や、中に入れる濾材の配置方法など、私が実践している例を御紹介させていただきます。
壁掛けフィルターとは
壁掛けフィルターは、水槽の上枠に引っ掛けて使用するフィルターです。
上部フィルターと混同してしまいそうですが…上部フィルターは水槽の上に設置するのに対して、壁掛けフィルターは図1に示すように、水槽の外壁側にフィルターを吊り下げる形になります。
水槽内に水中ポンプを入れて、そのポンプで飼育水を壁掛けフィルターに引き込み、生物濾過と物理濾過を行うフィルターです。フィルター内には、球状濾材やリング濾材が入れられるようになっていますし、ウールを入れて物理濾過を向上することも可能です。
壁掛けフィルターの水の流れですが、図2に示すように水中のポンプで飼育水を取水し、壁掛けフィルターの中で物理濾過と生物濾過を行って水槽内へ水を戻すという機構になります。
壁掛けフィルターのメリット
比較的スリムで設置が容易
壁掛けフィルターは大きさが小さめになるので、狭いスペースでも問題なく設置することが可能です。
容量の大きなものはそれなりに大きさはありますが、壁掛け出来るので、それほど気になりません。私の使っているフィルターはスリムタイプのもので、厚さが10cm以下です。
濾材を好みでカスタマイズできる
濾材の種類は自由に選ぶことができます。
中に入れるフィルターは、ウールマットなどは専用のものが売られていますが、それを使わずにリング濾材や球状濾材を入れることも可能です。そのため、自分の飼育スタイルに合わせて、濾材の使用を調整することができます。
サブフィルターとしての役割もこなす
私はサブフィルターとして利用することが最もメリットになる点と考えています。
60cmクラスの水槽になると外部フィルターを利用することが多いのですが、浮遊物を早く除去したいという目的で、壁掛けフィルターを使っています。ポンプの流量を調整できるため、必要に応じた濾過能力を使うことができます。
メンテナンスが簡単
メンテナンス性は抜群に良いです。上部フィルターと同じ感覚です。
リング濾材や球状濾材はそれほど高頻度に洗うことは無いかと思いますが、ウールについてはふたを開けて交換するだけです。数分で交換が完了します。
1か月に1度、取り外して中を清掃してあげると良いかと思います。また、ポンプについても洗うことができるので、月に1度は掃除・メンテナンスをしてあげると長く使えます。
価格が安い
上部フィルターも価格が安いですが、壁掛けフィルターはそれ以上に安いです。比較的容量の大きなものを購入しても、ホームセンターで2,000円程度で販売されています。サブフィルターとして、価格面でも導入しやすいフィルターですね。
壁掛けフィルターのデメリット
単独での使用は30cm水槽まで
壁掛けフィルターは、上記の通り、そこまで容量が大きくありません。
外部フィルターに比べると、濾材の容量は半分以下になってしまいます。そのため、単体での生物濾過の能力が低いです。
サブフィルターとして利用するには良いのですが、メインフィルターとして使用する場合には、水槽サイズを30cm以下の小さなものとすることをお勧めします。
60cmクラスになったら、壁掛けフィルターではなく、外部フィルターや上部フィルターを使用してください。
ノイズが鳴ることがある
壁掛けフィルターは水槽に引っ掛ける構造なので、どうしてもポンプの振動が水槽に伝わります。
そのため、水槽のガラスと壁掛けフィルターが接するところでノイズが発生しやすいです。これは構造上仕方ないかと思いますが、接触点にウールを挟むなどすればノイズは防ぐことができます。
ポンプそのものは日本製は性能も良いので、異音が気になることはありません。確実に静かなフィルターを求めるのであれば、壁掛けではなく外部フィルターをお勧めします。
実際のろ材の配置例を紹介
ここでは、私が使用しているGEXスリムフィルターのろ材の配置例を紹介させていただきたいと思います。
下の写真が、実際のスリムフィルターのろ材の導入例です。
第1層には生物濾過のためのリング濾材を入るだけ入れています。
そして、第2,3,4層の底部に球状濾材を詰め込みます。
そして、フィルターの背面側に活性炭の「ブラックホール」のパックを詰め込みます。
これにより生物濾過と化学濾過を実現する壁掛けフィルターの濾材配置が出来上がります。
そして、水が排水されるところにウール濾材を入れて完成します。ウール濾材を入れた所は、この記事のアイキャッチのトップ画像に示す通りです。
これだけ濾材が入れば、外部フィルターと併用することで60cm水槽で十分すぎるくらいの濾過能力を得ることができます。
お気づきの方はいらっしゃるかと思いますが、この濾材の配置だと、スリムフィルターに同封されている標準のウールマット (確か、スリムマットという名前) は使えません。まぁ、絶対に使わなければならないものではないので問題はありません。
ただし、ウール濾材はかなり詰まりやすいので、1週間に1度は交換してあげることをお勧めします。これが大事!
この記事の最後に
この記事では、壁掛けフィルターの特徴や実際に私が使用している濾材の配置・導入について紹介をさせていただきました。
壁掛けりフィルターは、外部フィルターに比べると容量が少ないため、それ単体では大きな水槽の生物濾過を担うことは難しいです。
しかし、外部フィルターと壁掛けフィルターを併用することで、浮遊物の除去から生物濾過まで十分すぎる能力を発揮してくれます。
今回の例では、GEXのスリムフィルターを例に挙げましたが、他のメーカーからも壁掛けフィルターは発売されています。基本的な構造は同じなので、今回紹介させていただいた方法は流用可能です。
皆さんも外部フィルターの処理能力に不安を感じたら、壁掛けフィルターも併用してみてはいかがでしょうか?